横浜市には、1972年頃に育成された横浜緋桜というサクラの品種が多く植栽されているそうです。横浜市環境創造局のウェブページによれば、品集登録の原木は本牧山頂公園にあり、走川プロムナード、こども植物園、岸根公園などの各地で見ることができるそうです。
横浜金沢観光協会の作成した花ごよみ(2011年版)によれば、富岡総合公園、慶珊寺、長浜公園、金沢自然公園にも植栽されているのだそうですが、花の時期が遅れている今年3月17日現在ではまだ確認できません。
実は、南部市場の感謝の塔の隣にも早咲き系のサクラが一本植わっているので、これが横浜緋桜ではないかと考えていました。しかしながら、新葉のの色を見た限りでは、このサクラの新葉は緑色で、新葉に赤みの強いヤマザクラが交配親であるとは思えません。花弁に筋が目立つなどの特徴から見ても、南部市場のサクラはヒカンザクラとヤマザクラの交配種である河津桜に近い品種と思われます。
【確認できたヒカンザクラ系の桜】
神奈川県立循環器呼吸器センター入り口付近の街路樹として植栽されている桜
金沢八景(泥亀)にある姫小島水門跡の街路樹として植栽されている桜
なお、富岡総合公園にあるとされている個体については確認できませんでした。一方、富岡八幡公園には、河津桜とされるサクラが植栽されているので、あるいはこれの誤認かも知れません。また、慶珊寺にもヒカンザクラ系と一目で分かる個体が何本かあるのですが、少なくとも泥亀のものとは咲き方が違いますし、慶珊寺のサクラは一品種だけではないので、来年は本牧山頂公園にあるという原木を見て比較する必要があります。