双子は友達とディズニーシー、家内も姉妹で会う約束があるとのことで、今日はひとりで鎌倉の八景を歩いてみました。
青木・榊原(2007)によれば、鎌倉には3つの八景が知られているようです。いずれも8つの景が選ばれていますが、厳密に瀟湘型に沿っているのは1914年に撰された八景のみです。
鎌倉八景1、撰者、撰年とも不詳
霊山の白雨、長谷の晩鐘、(帰帆は不明)、鶴ヶ岡の晴嵐、大佛の秋月、松渓の清籟、光明の夕照、比企の慕雪、
鎌倉八景2、撰者不詳、1914年(大正3年)
大塔の夜雨、長谷の晩鐘、由比の帰帆、松葉谷の晴嵐、大仏の秋月、鶴ヶ丘の落雁、光明寺の夕照、比企の慕雪
鎌倉八景3、撰者、撰年とも不詳
大塔の白雨、長谷の晩鐘、由比の帰帆、鶴ヶ丘の晴嵐、大佛の秋月、二階堂の松籟、七里ガ浜の夕照、建長の慕雪
今回は、ほとんど文献調査をしておらず、範囲もそこそこ広いので、早出して田浦-逗子経由で朝7時には材木座光明寺に到着し、相模湾側から巡検しました。
【光明の夕照、光明寺の夕照】
天照山蓮華院光明寺は、浄土宗の関東大本山で仁治元年(1240年)佐助ヶ谷に開創した蓮華寺を起源とするそうです。『光明寺裏山の展望』はかながわの景勝50選に選ばれています。早起きのおかげで(明け六つ相当の)朝7時の鐘の音を聴くことができました。
【由比の帰帆】
滑川河口西側の海岸を由比ガ浜と呼びます。帰帆の絵になる漁船はみかけませんでしたが、滑川河口には魚籃観音の碑がありました。
【霊山の白雨】
霊山山は、稲村ケ崎にある山で、かつては霊山寺仏法寺という寺があったそうです。鎌倉海浜公園のロベルト・コッホ記念碑の近くから跡地の山頂に行くことができました。霊山ヶ崎の異名を持つ稲村ヶ崎はかながわの景勝50選に入っています。
【七里ガ浜の夕照】
七里ガ浜は、稲村ヶ崎と小動岬
【長谷の晩鐘】
海光山慈照院長谷寺は、長谷観音の通称で知られています。創建は、創建は奈良時代とされており、比較的新しい寺院が多い鎌倉としては古くからある寺院です。梵鐘は、重要文化財に指定されています。
【大佛の秋月】
大異山高徳院清浄泉寺は、材木座光明寺の末寺で、阿弥陀如来像は『鎌倉大仏』と呼び習わされています。東鑑によれば寛元元年(1243年)開眼供養とあるそうですが、出自に関しては不明のことも少なくないとのことです。肝心の大仏は現在改修工事中で、公開再開は3月11日だそうです。
【松渓の清籟】
松渓というのは、松谷
【比企の慕雪】
比企谷
【松葉谷の晴嵐】
松葉ヶ谷
【鶴ヶ岡の晴嵐、鶴ヶ丘の落雁、鶴ヶ丘の晴嵐】
国幣中社鶴岡八幡宮は、治承4年(1180年)に源頼朝が現在地に遷したといわれ、2016年の初詣には250万人が訪れたそうです。
【建長の慕雪】
巨福山
【大塔の夜雨、大塔の白雨】
大塔宮
【二階堂の松籟】13
松籟は『松の梢を吹く風』の意です。二階堂は源頼朝が建立したとされる永福寺
【参考文献】
青木楊二、榊原英子編(2007)八景の分布と最近の研究動向、国立環境研究所報告、第197号、256p.
大本山建長寺(2010)建長寺.
以下、本日撮影した写真です。
【参考】
ハアザミ Acanthus spp.
ジョウビタキ Phoenicurus auroreus
トウネズミモチ Ligustrum lucidum
ヒヨドリ Hypsipetes amaurotis
紅梅 Prunus mume
マルバアカシア Acacia podalyriifolia