初声八景、宮田八景を巡る

【初声八景と宮田八景】
 三浦市では三崎八景が比較的よく知られているようですが、横須賀市との境付近の北部地区にもふたつの八景があったそうです。

初声八景、大正11年(1922年)、撰者不詳
 波島夜雨、実相晩鐘、矢作帰帆、長浜晴嵐、若宮秋月、新田落雁、黒崎夕照、丸山慕雪
宮田八景、撰年、撰者とも不詳
 黒崎夜雨、実相寺晩鐘、矢作帰帆、長浜晴嵐、若宮秋月、原下落雁、亀島夕照、波島暮雪

 現在の地名で初声(はっせ)の名前が残っているのは、三浦市の初声町和田、初声町入江、初声町下宮田、初声町三戸、初声町高円坊の五つです。今日は、下宮田、入江、和田を歩いてみました。

【初声八景丸山慕雪】初声町下宮田
 初声町下宮田に『丸山公園』の名前が残っていました。住宅地の中の小さな公園ですが、少し離れるとあたりはキャベツ畑や大根畑が広がっていました。


【若宮秋月】初声町下宮田
 キャベツ畑の向こうにこんもりとした岡が見えて、その麓にあるのが若宮神社です。この神社は、新編相模国風土記稿の下宮田村の項に『永正中北條早雲三浦道寸と合戦の時、兵火に罹りしと云』とありますので、少なくとも16世紀初頭にから村の鎮守だったことになります。今はすぐ隣が初声小学校、総合体育館『潮風アリーナ』もすぐ近くです。

【初声八景波島夜雨、宮田八景波島慕雪】初声町入江
 波島(はじま)の周囲はすっかり埋め立てられ、平成20年3月に神奈川県の開発許可が下りたにも拘わらず、そのまま放置されているようです。

【初声八景実相寺晩鐘、宮田八景実相晩鐘】初声町下宮田
 歓喜山實相寺は鎌倉本覚寺の末で、新編相模国風土記稿によれば、『鐘楼 享保八年時の地頭水野右近元朝起立す』となっていますが、梵鐘は太平洋戦争時に供出されたため、当時のものとは別とのことです。

【初声八景黒崎夕照、宮田八景黒崎夜雨】初声町下宮田
 三戸海岸と長浜海岸の境となっている岬が黒崎の鼻です。天気が良ければ富士山が正面に見える筈の景勝地ですので、日を改めて再訪の予定です。

【矢作帰帆】初声町和田
 矢作地区には小さな漁港がありますので、その情景を撰したものと思われます。残念ながら海に出ている船は見当たりませんでした。

【長浜晴嵐】初声町和田
 長浜は、砂浜が1km近く続く海岸です。岩礁部では緑藻の緑がきれいでした。

【初声八景新田落雁】場所不詳
 入江新田のことではないかと思われますが、開発の時代等につき、もう少し文献調査をしてみたいと思います。

【宮田八景亀島夕照、原下落雁】場所不詳
 亀島、原下という地名(?)を調査中です。『宮田八景』ですので、今度は東京湾側の上宮田のほうも歩いてみる予定です。

【参考文献】
 高橋恭一(1968)三浦半島の八景、横須賀雑考、p.466-477.
 青木楊二、榊原英子編(2007)八景の分布と最近の研究動向、国立環境研究所報告、第197号、256p.
 新編相模国風土記稿第五巻

 以下、本日撮影した写真です。1月2日に三浦七福神を廻った際に時間切れで辿り着けなかった延壽寺に立ち寄ったほか、園得寺の魚籃観音も尋ね、長浜から荒崎に抜ける際に通りかかった佃嵐崎つくだらしざきでは海鳥が多数休んでいるのを見かけました。岩礁域なのでイソヒヨドリかと思った鳥は、ズームしてみるとツグミでした。ウミウかカワウかは識別できませんでした。


【参考】
 カワヅザクラCerasus x kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 オルレア Orlaya grandiflora
 アラセイトウ Mathiola incana
 キンセンカ Calendula officinalis
 ブロッコリー Brassica oleracea var. italica
 カリフラワー Brassica oleracea var. botrytis
 青首大根 Raphanus sativus var. longipinnatus
 タゼッタスイセン Narcissus spp.
 マサキ Euonymus japonicus
 不明種 Scenicio spp.(?)
 白梅 Prunus mume
 キダチロカイ Aloe arborescens
 ハマダイコン Raphanus sativus
 ツグミ Turdus eunomus
 ユリカモメ Larus ridibundus
 ハマボウフウ Glehnia littoralis
 ウミウ Phalacrocorax capillatus
 カワウ Phalacrocorax carbo
 イチョウ Ginkgo biloba
 キズイセン Narcissus jonquilla

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