ゴールデンウィーク前半の今日、牛島の藤を見に行ってきました。樹齢1200年とも言われる最も古い藤は今でも健在で、ノダフジ(Wisteria floribunda)とばかり思っていたのですが、案内板によると右巻きだそうです。花序が長すぎることは気になりますが、西日本では普通種のヤマフジ(Wisteria brachybotrys)なのかも知れません。
【注】(2017.5.1.加筆)
案内板の年代が昭和47年となっており今から45年前になりますが、この頃、我が国での植物螺旋の定義が、牧野富太郎により記載された『アサガオは左巻き』から木原均が提唱した『アサガオは右巻き』に正されたことに気づきました。現在の定義では、ノダフジは左巻き、ヤマフジ、アサガオは右巻きですが、今から半世紀近く前に設置された案内板ですので『このフジはノダフジと同じ巻き方(当時の右巻き)だが、ヤマフジほどには葉の裏の毛が多くない』と言っている可能性があります。
残念ながらつるの巻いている箇所は確認していません。青色が鮮やかな花色はヤマフジを思わせますが、長い花序は明らかにノダフジですので、恐らくノダフジ(W. floribunda)の一品種なのでしょう。
【案内板より】
国指定特別天然記念物
牛島の藤案内
この藤は、樹齢約千年といわれる古藤で、山藤に似ている。つるは右巻きで毛がない変種といわれ、全国一をほこる。根のまわりは十平方メートルもある。明治のころは、三メートルちかい花序をつけていた。藤棚は七百平方メートルの面積がある。園内にはおなじ藤が二本ある。毎年五月はじめに藤紫色の花をひらき美しいながめは関東一といわれている。昭和三年一月十八日国の天然記念物、昭和三十年八月二十二日文化財保護法により特別天然記念物の指定をうける。
藤の伝説
むかし、柳原で農家の娘が長い間病気で苦しんでいた。旅僧から娘の病気は生垣の中にある藤を寺に納めるとよくなるといわれたので、藤を寺の境内に移し植えたところ病気は治ったという。この寺は蓮花院といわれ今はないが、藤だけが残されてそのあとをしのばせている。
昭和四十七年三月
埼玉県教育委員会
春日部市教育委員会
春日部市 関根石材施工