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ヒマラヤザクラが見頃です

 大船フラワーセンターにヒマラヤザクラが植栽されているのに気づいてから5年あまり、やっと見頃の時期に尋ねることができました。


【参考】
 大船フラワーセンター
 ヒマラヤザクラ Cerasus cerasoides
 子福桜(こぶくざくら) Cerasus x ‘kobuku-zakura'(志那実桜x江戸彼岸)
 冬桜(ふゆざくら) Cerasus x parvifolia ‘Fuyu-zakura'(豆桜x大島桜)
 アーコレード Cerasus sargentii x C. subhirtella ‘Accolade'(高嶺桜(千島桜)x大山桜)


 世界の植物(川崎,1995)では秋咲きとなっていて、これを信じていたので、ヒマラヤザクラは日本では開花しないのかと考えていました。しかし、昨年1月に枯れ落ちる直前の花を見つけたので、実は冬咲きではないかと推測し、昨年は12月下旬の時期の終わり頃、今年は12月中旬のちょうど見頃に尋ねることができました。
2023年12月27日 2023年11月15日 2023年1月22日 2022年10月26日 2022年9月18日 2022年3月13日
 冬咲きの桜は一般的に花期が長いのですが、フラワーセンターでのヒマラヤザクラの花期はどうやら長くはないようなので、文献にあたってみました。ヒマラヤザクラの自生地は、ヒマラヤ周辺の山岳地帯なのですが、ジャワ島の高地に位置するチボダス植物園での記録(Kurniawan et al., 2021)によると、開花期は年によって異なっていて2期咲きのこともあり、その時期は下記であったそうです。フラワーセンターとは花期が異なっているだけでなく、期間も長期に渡っています。


チボダス植物園でのヒマラヤザクラの開花期
 2001年 8月
 2004年 6月~8月
 2010年 8月~10月
 2015年 7月~10月
 2020年 3月~6月、10月
【参考文献】
川崎哲也 (1995) ヒマラヤザクラ、In 世界の植物、第5巻、5-101、朝日新聞社、東京.
Kurniawan V, Putri DM, Normasiwi S and Surya MI (2022) Phenology and morphological flower of Prunus cerasoides Buch.-Ham. ex D.Don, IOP Conf Series: Earth Environ Sci, 948, 012047(1-8), DOI: 10.1088/1755-1315/948/1/012047, Accessed: 2024-12-18.



【参考】○印は本日初撮影種
 モミジバスズカケノキ Platanus X acerifolia
 ハクセキレイ Motacilla alba lugens
○ヤポンノキ(枝垂れ性) Ilex vomitoria f. pendula
 モンステラ Monstera deliciosa
 ウナズキヒメフヨウMalvaviscus arboreus var. mexicanus
 エバーフレッシュ Cojoba arborea var. angustifolia
 ルッティア・フルティコサ Ruttya fruticosa
 ナンヨウザクラ Jatropha integerrima
 ローレルカズラ Thunbergia lauriflora
 三尺バナナ Musa acuminata cv. ‘Dwarf Cavendish’
 アカリファ・ウィルケシアナ(ニシキアカリファ) Acalypha wilkesiana
 アコウ Ficus superba var. japonica Syn. Ficus subpisocarpa
 パキラ Pachira glabra
 セイヨウヒイラギ Ilex aquifolium
 イソギク Chrysanthemum pacificum
 ハボタン Brassica oleracea var. acephala f. tricolor
 ポインセチア Euphorbia pulcherrima

ビャクブ科の写真整理

 ビャクブ科(Stemonaceae)は熱帯域を中心に分布する4属のみからなる小さな科で(Rudall et al.,2005)、種子散布をアリに依存するアリ散布植物のため、海を越えて広域分布することが困難だったと考えられていています(Wei and Li, 2022)。
 我国でも漢方素材として栽培されるビャクブは、蔓性なのでヤマノイモと外見が似ていますが、ビャクブ科は近年の遺伝子解析の結果によって、タコノキ目に置かれていて(APG-IV,2016)、タコノキ科とパナマソウ科から形成されるクレード(分岐群)がビャクブ科の姉妹群と考えられています。(Zdravchev et al.,2023)
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【ビャクブ科(Stemonaceae)の系統概要】Wei and Li(2022)、Zdravchev et al.(2023)
 科レベルでの上位分類は、Zdravchev et al.(2023)を参考にしています。

┌タコノキ目(Pandanales)
│└┬ベロジア科(Valloziaceae)
│ └┬ホンゴウソウ科(Triuridaceae)
┤  │┌ビャクブ科(Stemonaceae)
│  │││  ┌──スティコニューロン・カウダツムStichoneuron caudatum
│  │││ ┌┤ ┌ナベワリ Croomia heterosepala
│  │││┌┤└┬┴ヒメナベワリ Croomia japonica
│  └┤│││ └─クローミア・パウシフローラCroomia pauciflora
│   ││││  ┌ビャクブ Stemona japonica
│   │└┤│┌┬┴タチビャクブ Stemona sessilifolia
│   │ │└┤└─ステモナ・マイレイ Stemona mairei
│   │ │ └┬─ステモナ・パルビフォリア Stemona parviflora
│   │ │  └─タマビャクブ Stemona tuberosa
│   │ └────ペンステモナ・スマトラナ Pentastemona sumatrana
│   └┬タコノキ科(Pandanaceae)
│    └パナマソウ科(Cyclanthaceae)

└ヤマノイモ目ヤマノイモ科(Discoreaceae):outgroup

【タコノキ目(Pandanales) ビャクブ科(Stemonaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ビャクブ属 Stemona
ビャクブ ビャクブ
Stemona japonica Rikyu-so

【文献】
Rudall PJ, Cunniff J, Wilkin P and Caddick LR (2005) Evolution of dimery, pentamery and the monocarpellary condition in the monocot family Stemonaceae (Pandanales), TAXON, 54(3), 701–711, DOI: 10.2307/25065427, Accessed: 2024-12-08.
Wei R and Li Q (2022) Zdravchev NS, Bobrov AVFC, Romanov MS, Lebedev IM, Sorokin AN, Timchenko AS, Mikhaylova AA, VasekhaND, Kandidov MV, Kuptsov KV, Iovlev PS (2023) Phylogeny and Hisorical Biogeography of the Order Pandanales, Geograph Environ Sustain, 4(16), 91-104, DOI: 10.24057/2071-9388-2023-2870, Accessed: 2024-12-07.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.

初冬のこども植物園

 今日はいつもと違ったルートでこども植物園を尋ねました。

横浜から鶴見へ

 今日は久しぶりに鶴見まで足を延ばしました。


【参考】○:本日初撮影種
 神奈川通東公園
 史跡オランダ領事舘跡碑
 アザレア Rhododendron sp.
 フレンチマリーゴールド Tagetes patula
 シロバナヨウシュチョウセンアサガオ Datura stramonium f. stramonium
○アガベ・アテヌアータ Agave attenuata Foxtail Agave
 マンネングサ属の一種 Sedum sp.
○カミツキガメ Chelydra serpentina (獅子ヶ谷二ッ池で捕獲)
 コルディリネ属の一種 Cordyline sp.
 岸谷の庚申塔岸谷:岸谷4丁目3
 イチョウ Ginkgo biloba No.48008(一到山弥陀院安養寺)
 カリン Pseudocydonia sinensis
 イチョウ Ginkgo biloba No.49027(遍照院密厳山不動寺)
 ススキ Miscanthus sinensis
 オリーブ Olea europaea
 新子安カトリック教会:入江1丁目19-30
 一之宮社:入江1丁目13-16
 地神塔:一之宮社
 タブノキ Machilus thunbergii 横浜市指定名木古木:白幡東町13
 イロハモミジ Acer palmatum
 考道山本仏殿:鳥越38
 ウィンターコスモス Bidens laevis
 シャリンバイ Rhaphiolepis indica


◎長延寺跡(オランダ領事館跡)
 「神奈川宿歴史の道」の終点である神奈川通東公園は、寛永八年(一六三一)から昭和四十年までの三三〇年余の間、浄土真宗長延寺゛所在した場所である。長延寺は、開港当時、オランダ領事館に充てられた。当時を偲ぶ狂歌の一節に「沖の黒船歴史を変えて、オランダ領事は長延寺」とある。
 昭和四十年の国道拡幅に伴う区画整理によって、長延寺は緑区に移転し、跡地は公園となった。今は、わずかに旧オランダ領事館跡を示す石碑を残すのみである。


史跡オランダ領事舘跡
 横浜市長 平沼亮三書
 昭和二十九年建
 開国百年祭記念


【文献】
神奈川宿歴史の道, Accessed: 2024-12-01.
タウンニュース (2023) そのカメ危険、近づかないで, Accessed: 2024-11-30.