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新型コロナウィルス病(COVID-19)の現況整理

 昨年末に中国で発見された新型コロナウィルスに関しては、かなり怪しげな情報も飛び交っているようで、マスコミの報道も今一信用できません。そこで、ウェブで検索して情報を整理してみました。
 そもそもコロナウィルスとは
 SARSとMERS
 新型コロナウィルス(COVID-19)
 感染防止対策
 感染者と死者
 死亡リスク
 分析法
 文献


【そもそもコロナウィルスとは】
 最も一般的なコロナウィルスは、沢山ある鼻風邪の原因となるウィルスのひとつであるHCoV(Human Coronavirus)で、いくつかのグループがあることが分かっています。ヒトは6歳くらいまでにこの様なコロナウィルスに一度は感染するとされています(国立感染症研究所, 2020a)。いわゆる鼻風邪が重篤化することは稀なので、特段の治療をしないことが普通です。
 コロナウィルスの遺伝情報を担うゲノムは一本鎖RNA構造で、このRNAを包むエンベロープがあり、エンベロープにはスパイクと呼ばれる王冠(corona:ラテン語)状の構造を持つため、コロナウィルスと呼ばれています(田口, 2003)。ニドウイルス目コロナウィルス亜科(Coronavirinae)に分類され、塩基配列及びアミノ酸配列の相同性から3つないし4つの属に分けられます。RNAウィルスとしては大きな約3万塩基対のゲノムサイズを有し(田口, 1990)、今世紀になって注目されている約120万塩基対のゲノムサイズを持つ巨大DNAウィルス(緒方, 2015)程ではないにしろ、RNAウィルスとしては最大級のサイズで、直径は60~220nmになるそうです。RNAウィルスなので、宿主の(核内ではなく)細胞質で増殖します。また、RNAウィルスの特徴として変異しやすい(佐藤・横山,2005)と考えられます。
 感染力の高いことが問題視されているコロナウィルスですが、細胞培養の際には、宿主特異性のため、アフリカミドリザル Cercopithecus aethiops の腎臓上皮細胞から株化されたVero細胞の他に増殖できる培養細胞系は殆どないそうです(田口, 2003)。


【SARSとMERS】
 ヒトに感染するコロナウィルスには、アルファコロナウィルス属(HCoV-229E. HCoV-NL63), ベータコロナウィルス属(HCoV-HKU1, HCoV-OC43,)等いくつかの型(種)のあることがわかっていますが、ベータコロナウィルス属でこれまでに呼吸器症候群が報告されているのは、HKU1, OC43, SARS-CoV, MERS-CoVの4つの型であり(Yu et al.,2020)、そのうち重篤化の報告があるのは重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因となるSARS-CoVと中東呼吸器症候群(MERS)の原因となるMERS-CoVのふたつです。
 SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)は、2002年11月から2003年6月にかけて中華人民共和国南部でアウトブレークを起こしたSARS-CoVによるウイルス性の呼吸器疾患です。感染拡大が早く、感染者の約1割が死亡するため世界的に注目されましたが、2003年6月には封じ込めに成功し(田口, 2003)、現在では発症例は報告されなくなっています。
 MERS(Middle East Respiratory Syndorome)は、2012年9月に発見されたMERS-CoVにより引き起こされる重症呼吸器感染症(押谷, 2013)で、ヒトコブラクダが感染源動物であるとされています。ヒトからヒトへの感染が確認されており、感染経路は飛沫と接触であるとされています。致死率の高いことが特徴の一つでありますが、無症状の感染者もいることがわかっており、2020年現在終息に至っていません(厚生労働省, 2020a)。


【新型コロナウィルス(COVID-19)】
 2019年12月12日に最初の患者が湖北省武漢で発見された新型コロナウィルス(nCoV)は、武漢海鮮市場の従業員から採取した検体のゲノム分析により29,903塩基対の配列が決定され、そのうち89.1%がコウモリ由来のSARS様コロナウィルスと相同であったと報告されました(Wu et al., 2020)。この類似性のため、ウィルスはSARS-CoV-2と名付けられ、SARS-CoV-2による症状をCOVID-19と呼んでいます(Takeda, 2020)。
 発熱、倦怠感、乾いた咳がCOVID-19の主な症状で、痛み、鼻づまり、鼻水、喉の痛み、下痢などを訴える患者もいます(WHO,2020a, 国立感染症研究所, 2020b)。約8割は軽症で特別の治療をしないでも回復しますが、6人に一人程度が重症化し呼吸困難を発症します(WHO, 2020a)。一方、感染しても発症しない例も報告されています(Bai Y et al., 2020)など)。
 マスコミ報道によれば、COVID-19感染者は、嗅覚障害、味覚障害を訴える症例があるとされていますが、或る程度の因果関係はあるものの、臭覚、味覚により感染の診断ができるどうかは検証されていません。現在、Am Soc Otolaryngology (2020)が症例の収集を行っています。
 COVID-19の主な感染経路は飛沫と接触によるもので、ヒトからヒトへ感染します。WHO (2020a)は感染者の1メートル以内に近づかないことが、感染拡大防止に必要としています。一方、その宿主特異性により食品中での増殖はできないため、食品を介した感染の可能性は低いとされています(農林水産省,2020)。
 SARS-CoV-2の安定性に関する確たる情報は見つけることが出来ませんでしたが、SRAS-CoVと同様(感染症情報センター, 2003)とすれば、常温では4日以内に失活すると考えてよさそうです。
 SARS-CoV-2に対する抗ウィルス薬、ワクチンなど、COVID-19の治療薬は未開発(厚生労働省, 2020b)です。新薬の開発には時間がかかるため、既存のウィルス感染症治療薬による治療効果を試験している段階です。


【感染防止対策】
 インフルエンザウィルスなどの他のエンベロープ構造を持つウィルス同様に、アルコール消毒が、SARS-CoV-2の失活化に有効で、80%エタノール、70%イソプロパノールなどが使用されます。手洗いや汚染が疑われる個所の拭き取りが有効であり、自らの顔周辺を触らないことも有効な対策です。
 国立医薬品食品衛生研究所 (2020)によれば、SARS-CoVは、60℃30分以上の加熱で失活するとされており、SARS-CoVと類似性の高いSARS-CoV-2も十分な加熱処理が有効であると考えられています。
 その他、COVID-19の対策に関しては厚生労働省のサイトに最新情報が掲載されています。


【感染者と死者】
 主なウィルス疾患につき、感染者数と死亡者数をまとめてみると表1の様になりました。

表1.主な感染症による感染者数と致死率
名称 期間 感染例数 死者数 致死率 文献
COVID-19(全世界) 2019.12
 ~2020.3.30
 ~2020.4.18
 
721,266
2,250,790
 
33,942
154,226
 
4.7%
6.9%
 
worldmeter
COVID-19(日本) 2019.12
 ~2020.3.30
 ~2020.4.18
 
1,866
9,787
 
54
232
 
2.9%
2.4%
 
worldmeter
SARS 2002-2004 8,400 800 9.5% 田口(2003)
MERS 2012.9-2019.11 2,494 858 34.4% 厚生労働省(2020a)
新型インフルエンザ(日本) 2009 20,000,000 203 0.001% 厚生労働省
スペイン風邪(H1N1型) 1918 500,000,000 40,000,000 8.0% 羽原(2010)、Wikipedia
鳥インフルエンザ(H5N1型) 2003-2009 861 455 52.8% WHO(2020b)
エボラウィルス病(コンゴ) 2018-2019 927 584 63.0% 海外感染症発生情報(2019)

 この表での感染者数はどれくらいの検査をした結果なのかがわかりませんし、死亡者数は死亡に至った主因だったかどうかが不明ですので、直接の比較はしがたいのですが、それでも今のところCOVID-19の致死率はSARS, MERSほどには高くないと思われます。


【死亡リスク】
 死亡原因別に人口100万人当たりの死亡数で比較すると表2のようになります。2020年3月末の時点では、COVID-19は新型インフルエンザを超える脅威とは考えられません。

表2.死亡リスクの比較
名称 地域 期間 死者数(人) 文献
実数 100万人
当たり
COVID-19 日本 2019.12
 ~2020.4.3
 ~2020.4.18
 
63
232
 
0.5
1.8
 
worldmeter
新型インフルエンザ 日本 2009 203 1.6 厚生労働省
悪性新生物 日本 2018 3,737,470 29,543 厚生労働省(2020)
肺炎 日本 2018 946,540 7,486 厚生労働省(2020)
自殺 日本 2018 20,169 160 厚生労働省(2020)
交通事故 日本 2019 32,515 257 総務省統計局(2020)
COVID-19 世界 2019.12
 ~2020.4.3
 ~2020.4.18
 
53,203
154,266
 
6.84
19.8
 
worldmeter
エボラウィルス病 コンゴ 2018~2019 584 7.2 国立感染症研究所(2019)
スペイン風邪(H1N1型) 世界 2019 40,000,000 20,000 羽原(2010)

【分析法】
 SARS-CoV-2の全ゲノムは既に解析済み(Wu et al.,2020)ですが、この報告は次世代型高速シーケンサー Illumina MiniSeq を使った配列決定であり、今後は実際に機能している遺伝子との関係が明らかにされていくものと思われます。患者から採取した検体の検査は、当初は加熱と冷却を繰り返すことによってRNAを増幅するRT-PCR法が行われていたと思われますが、温度制御の必要がないLAMP法による検査法が確立された(キヤノンメディカルシステムズ,2020)ため、検査時間短縮が期待されるのですが、(報道映像などで見目限りでは)まだ十分に普及していないようです。このLAMP法によれば、同じベータコロナウィルス属に分類されるSARS-CoVとの区別も可能とのことです。
 ここで問題になるのは、検査時の二次汚染(コンタミネーション)です。国立感染症研究所 (2020c)は、『検体は、バイオセーフティレベル2(BSL2)の実験室で検査し、必要な防護を行う必要がある。』としていますが、このレベルは検査機関による、あるいは国による違いの有る可能性があります。感染者の人数を見る時には、(通常は公表されない)陰性と判断された検体数と合わせてこの可能性も考慮する必要があります。


【まとめ(?)】
 新型コロナウィルスCOVID-19に関しては、まとめが出来る時期ではありませんが、ウェブで調べた限り、厚生労働省のサイトをみておけば、現時点で得られる確かな情報はほぼ得られるといって良いようです。
 引き続きしかるべき対策を継続しなければならないことは間違いありませんが、政策判断ミスにより他のリスク(例えば自殺や他の疾患による死亡)が高まることも懸念されます。


【文献】

緒方博之(2015)巨大ウイルスから見える新たな生物界の姿, 生命誌, 84, URL:https://www.brh.co.jp/publication/journal/084/research/1.html, Accessed at 2020-03-28.
押谷仁(2013) コロナウイルスと重症急性呼吸器感染症:SARS 出現から 10 年,そして新型コロナウイルスの出現と今後の課題,小児感染免疫,25(2),185-188, URL:http://www.jspid.jp/journal/full/02502/025020185.pdf, Accessed at 2020-03-28.
感染症情報センター(2003)WHO研究施設ネットワークが集積したSARSコロナウイルスの安定性と抵抗性に関する最初のデータ, URL: http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update56-data.html, Accessed at 2020-03-28.
キヤノンメディカルシステムズ(2020)迅速な新型コロナウイルス検査システムの開発と実用化研究開始について(プレスリリース:2020-03-19),URL:https://jp.medical.canon/News/PressRelease/Detail/55803-834, Accessed at 2020-03-28.
厚生労働省(2020a)、中東呼吸器症候群(MERS)について、URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html, Accessed at 2020-03-28.
厚生労働省(2020b)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版, URL:https://www.mhlw.go.jp/content/000609467.pdf, Accessed at 2020-03-29.
厚生労働省(2020c)、新型コロナウイルス感染症について, URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html, Accessed at 2020-03-29.
国立医薬品食品衛生研究所(2020)コロナウイルスと食品安全, URL:http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/microbial/2019-nCoV/2019-nCoVfsai1.html, Accessed at 2020-03-28.
国立感染症研究所(2020a)コロナウイルスとは, URL:https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html, Accessed at 2020-03-28.
国立感染症研究所(2020b)感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例287例の記述疫学(2020年3月9日現在), URL:https://www.niid.go.jp/niid/ja/covid-19/9489-covid19-14-200309.html, Accessed at 2020-03-28.
国立感染症研究所(2020c)新型コロナウイルス(2019-nCoV)の遺伝子検査法の性能評価について, URL:https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/9482-covid14-15.html, Accessed at 2020-03-28.
佐藤裕徳・横山勝(2005)2.RNAウィルスと変異, ウィルス, 55(2)221-230, URL:http://jsv.umin.jp/journal/v55-2pdf/virus55-2_221-230.pdf, Accessed at 2020-03-29.
農林水産省(2020)新型コロナウイルス感染者発生時の対応・業務継続に関するガイドライン, URL:https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/ncv_guideline.html, Accessed at 2020-03-28.
田口史広(1990)コロナウイルスの分子生物学, ウイルス 40(2) 81-90, doi: 10.2222/jsv.40.81, Accessed at 2020-03-28.
田口史広(2003)SARSコロナウイルス, ウイルス 53(2) 201-209, doi: 10.2222/jsv.53.201, Accessed at 2020-03-28.
羽原敬二(2010)新型インフルエンザ対策とリスク処理, 保険学雑誌, 2010:610, 75-
doi: 10.5609/jsis.2010.610_75, Accessed at 2020-03-28.
Am Soc Otolaryngology(2020) COVID-19 Anosmia Reporting Tool for Clinicians, URL:https://www.entnet.org/content/coronavirus-disease-2019-resources, Accessed at 2020-03-28.
Bai Y et al.(2020)Presumed Asymptomatic Carrier Transmission of COVID-19, URL:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2762028, Accessed at 2020-03-28.
Takeda M(2020) The initial response of the laboratory diagnosis team to SARS-CoV-2 in Japan and the current situation, Proc 93rd Ann Meet Jap Pharmacol Soc, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpssuppl/93/0/93_2-ES-1/_pdf/-char/ja, Accessed at 2020-03-28.
WHO(2020a) Coronavirus disease 2019 (COVID-19) Situation Report – 51, URL: https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/331475/nCoVsitrep11Mar2020-eng.pdf, Accessed at 2020-03-28.
WHO(2020b), Cumulative number of confirmed human cases of avian influenza A(H5N1) reported to WHO, URL:https://www.who.int/influenza/human_animal_interface/H5N1_cumulative_table_archives/en/, Accessed at 2020-03-28.
worldmeter, COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC, URL:https://www.worldometers.info/coronavirus/, Accessed at 2020-03-30.
Wu et al.(2020) Infectious disease: Genome sequence of the emerging coronavirus from China, Nature 579, 265-269, doi: 10.1038/s41586-020-2008-3, Accessed at 2020-03-28.
Yu et al.(2020) Decoding the evolution and transmissions of the novel pneumonia coronavirus (SARS-CoV-2) using whole genomic data, URL:https://www.researchgate.net/publication/339351990_Decoding_evolution_and_transmissions_of_novel_pneumonia_coronavirus_SARS-CoV-2_using_the_whole_genomic_data, Accessed at 2020-03-29.

鷹取山から金比羅山へ

 新型コロナウィルスの世界的感染拡大を受けて、神奈川県にも週末の外出自粛要請が出されました。そこで、今日はハイキングコースへ。ロッククライマーが集いそうな山頂付近は避けつつ、逗子まで散策してみました。
 季節は進んで、オニシバリ、ウグイスカグラは実が育ちつつありましたが、アリドオシはまだ蕾でした。ウツギ類ももうすぐ開花です。
【主な経路】
(自宅)-浜見台-沼間のスダジイ-神武寺奥の院(神武寺山)-十州望-神武寺本堂(薬師堂)-金毘羅山-池子神明社-池子隧道-六浦-(自宅)


          昭和45年5月1日市指定  木造薬師如来坐像
                      日光月光菩薩立像
          昭和60年11月29日県指定 薬師堂
  神武寺薬師堂と薬師如来三尊像
 薬師堂の創建された時代は明らかではありませんが、寺伝によると神亀元年(724)聖武天皇の霊夢によって僧行基が十一面観音、釈迦如来、薬師如来の三像を祀ったことが起こりであるとされています。吾妻鑑によると、承元三年(1209)五月十五日、将軍実朝がここに参詣したことを記しています。今の堂が建立されたのは文禄三年頃(1594)と推定され、室町末期の建築様式を示すものとされています。堂の中に秘仏薬師如来坐像と日光・月光両菩薩立像の三像が安置され、古くから人々の厚い信仰を受けています。
          神奈川県教育委員会
          逗子市教育委員会


【参考】
 紅吉野(べによしの)Cerasus ‘Beni-yoshino’
 枝垂桜(しだれざくら)Cerasus spachiana
 大島桜(おおしまざくら)Cerasus speciosa
 山桜(やまざくら)Cerasus jamasakura
 ウンナンオウバイ Jasminum mesnyi
 イベリス Ibelis sp.
 レンギョウ Forsythia suspensa
 モモ Amygdalus persica
 シラユキゲシ Eomecon chionantha
 クサイチゴ Rubus hirsutus
 ノハタカラクサ Tradescantia flumiensis
 ウラシマソウ Arisaema urashima
 モミジイチゴ Rubus palmatus var. coptophyllus
 アオキ Aucuba japonica
 シャガ Iris japonica
 イタビカズラ Ficus nipponica
 ホタルカズラ Lithospermum zollingeri
 オニシバリ Daphne pseudomezereum
 ウバユリ Cardiocrinum cordatum
 ノゲシ Sonchus oleraceus
 ヒメオドリコソウ Lamium purpureum
 センチコガネ Geotrupes laevistriatus
 サルトリイバラ Smilax china
 スダジイ Castanopsis sieboldii
 クロウリハムシ Aulacophora nigripennis
 ヤマブキ Kerria japonica
 タチツボスミレ Viola grypoceras
 マルバウツギ Deutzia scabra
 ムラサキケマン Corydalis incisa
 ウグイスカグラ Lonicera gracilipes
 コゴメウツギ Stephanandra incisa
 シロヨメナ Aster ageratoides
 キランソウ Ajuga decumbens
 ノヂシャ Valerianella locusta
 カンアオイ Asarum nipponicum
 ヘラシダ Diplazium subsinuatum
 ヒイロタケ Pycnoporus coccineus
 神武寺奥の院
 アリドオシ Damnacanthus indicus
 ホルトノキ Elaeocarpus sylvestris (神武時のなんじゃもんじゃ)
 六地蔵
 こんぴら山やぐら群
 金比羅神社跡
 ヒサカキ Eurya japonica
 ツルグミ Elaeagnus glabra
 キブシ Stachyurus praecox
 ツタバウンラン Cymbalaria muralis
 ゲンペイコギク Erigeron karvinskianus
 ヒメツルソバ Persicaria capitata
 ヒメウズ Semiaquilegia adoxoides
 キュウリグサ Trigonotis peduncularis
 オニタビラコ Youngia japonica
 ツルニチニチソウ Vinca major
 クロマツ Pinus thunbergii 雄花
 ヒメカンスゲ Carex conica
 アメリカフウロ Geranium carolinianum
 トウダイグサ Euphorbia helioscopia
 ナガミヒナゲシ Papaver dubium
 アケビ Akebia quinata
 ヤブツバキ Camellia japonica
 ジャノメエリカ Erica canaliculata
 美容室それいゆ(金沢区六浦南2丁目5-5)
 マメカミツレ Cotula australis
 スズメノカタビラ Poa annua
 雷神社
 染井吉野(そめいよしの)Cerasus x yedoensis
 ハナニラ Ipheion uniflorum

桜の季節に向日葵を… part2

 先週は自宅から屛風浦まででしたので、今日は上大岡から横浜まで歩いてみました。
 桜の季節に向日葵を… part1  ひまわりを訪ねる(GoogleMap)

2010.7.31撮影、於:三次市君田町藤兼



【所在】
 港南区民文化センター ひまわりの郷(港南区上大岡西1丁目6-1)
 ひまわり市場(港南区上大岡西1丁目15-1)
 大賀の郷(港南区上大岡東1丁目34-3)
 美容室ひまわり(南区井土ケ谷上町25-19)
 パブスナックひまわり(南区井土ケ谷下町218-2)
 ひまわり整骨院(南区井土ケ谷下町28)
 横浜ひまわりクリニック(南区西中町4丁目72)
 (株)ひまわり(南区前里町2丁目39)
 ひまわり薬局 伊勢佐木店(中区伊勢佐木町5丁目5-125)




【参考】
 横浜イングリッシュガーデン
 エレガンスみゆき Cerasus x Armenica mume ‘Elegance Miyuki’
 桜 Cerasus spp.
  横浜緋桜(よこはまひざくら)Cerasus jamasakura cv. Kenrokuen-kumagai x C. campanulata
  ウミネコ Cerasus x parvifolia ‘Umineko’
  陽光(ようこう)Cerasus ‘Yoko’
  春月花(しゅんげつか)Cerasus ‘Shungetsuka’
  湘南緋桜(しょうなんひざくら)Cerasus x Kanzakura ‘Shonan-hizakura’
  祇園枝垂(ぎおんしだれ)Cerasus spachiana ‘gion-shidare’
  万里香(ばんりこう)Cerasus serrulata ‘Excelsa’
  御車返(みくるまがえし)Cerasus x Sato-zakura Group ‘Mikurumakaeshi’
  染井吉野(そめいよしの)Cerasus x yedoensis
  玉縄桜(たまなわざくら)Cerasus yedoensis
 山桜(やまざくら)Cerasus jamasakura
  大島桜(おおしまざくら)Cerasus speciosa
  神代曙(じんだいあけぼの)Cerasus x yedoensis‘Jindai akebono’
 ミツマタ(赤花) Edgeworthia chrysantha ‘Rubra’
 ツバキ ‘港の華’ Camillia ‘Minato-no-hana’
 ラナンキュラスラックス・リュキア Ranunculus Rax “Lycia”
 キジバト Streptopelia orientalis
 スイセン Narcissus spp.
 ハナカイドウ ‘ヤエカイドウ’ Malus halliana ‘Parkmanii’
 サンシュユ Cornus officinalis
 クラブアップル ‘ペンデュラ’ Malus floribunda ‘Pendula’
 ニワウメ Cerasus japonica
 ベニバスモモ Prunus cerasifera var. atropurpurea
 トサミズキ Corylopsis spicata
 ツツジ ‘吉野’ Rhodpdendron ‘Yoshino’
 マグノリア ‘ワイルドキャット’ Magnolia liliflora ‘Wildcat’
 炭火焼鳥 一鳥(上大岡店)
 土筆(スギナ Equisetum arvenseの胞子茎)
 ノゲシ Sonchus oleraceus
 レンギョウ Forsythia suspensa
 横浜大岡教会(港南区別所2-4-11)
 シャガ Iris japonica
 クレマチス・アーマンディー Clematis armandii
 ハナニラ Ipheion uniflorum
 ハボタン Brassica oleracea
 キブシ Stachyurus praecox
 タネツケバナ Cardamine scutata
 ムラサキケマン Corydalis incisa
 クサノオウ Chelidonium majus
 オオキバナカタバミ Oxalis pes-caprae
 カントウタンポポ Taraxacum platycarpum
 モチノキ Ilex integra
 キンモクセイ Osmanthus fragrans
 ヒュウガミズキ Corylopsis pauciflora
 不明の社:南区永田東1丁目24
 イロハモミジ Acer palmatum
 サルビア・ミクロフィラ Salvia microphylla
 ヤマブキ Kerria japonica
 モッコウバラ Rosa banksiae
 日の出薬局(中区日ノ出町1丁目28)
 Dragon Kitchen(中区日ノ出町1丁目1)
 キュウリグサ Trigonotis peduncularis
 ショカッサイ Orychophragmus violaceus
 チューリップ Tulipa gesneriana
 ひのじゃがくん
 稲荷社:西区西平沼町5-24
 ウンナンオウバイ Jasminum mesnyi
 月桂樹(げっけいじゅ) Laurus nobilis
 ハナウド Heracleum sphondylium var. nipponicum
 アンズ Prunus armeniaca
 追浜神社跡
 キランソウ Ajuga decumbens
 タツナミソウ Scutellaria indica
 ニワトコ Sambucus sieboldiana

緋桜の丘へ

 今日は、本牧山頂公園の緋桜の丘へ。先週来からの予測通り、満開の横浜緋桜を楽しむことが出来ました。


【参考】
 横浜緋桜(よこはまひざくら)Cerasus jamasakura cv. Kenrokuen-kumagai x C. campanulata
 スモモ Prunus salicina
 ホソバヒイラギナンテン Mahonia fortunei

桜の季節に向日葵を…

2010.7.31撮影、於:三次市君田町藤兼


 桜の季節に向日葵を… part2  ひまわりを訪ねる(GoogleMap)
と、言っても花は咲いていないので……。

【所在】
 ひまわり美容室(追浜町2丁目64)
 ひまわり耳鼻咽喉科(追浜町3丁目2-2)
 居酒屋ひまわり(金沢区泥亀1丁目16-1)
 ひまわり鍼灸整骨院(金沢区能見台通8丁目8-2枦山ビル1-2)
 ひまわり薬局(金沢区富岡西7丁目19-10)
 ひまわり動物病院(磯子区杉田6丁目5-34カワハラマート)
 ひまわり薬局 磯子店(磯子区磯子3丁目13)


 桜は、神代曙(じんだいあけぼの)大島桜(おおしまざくら)が咲き始め、横浜緋桜(よこはまひざくら)が見頃、といったところです。



【参考】
 桜 Cerasus spp.
  横浜緋桜(よこはまひざくら)Cerasus jamasakura cv. Kenrokuen-kumagai x C. campanulata(姫小島水門址)
  神代曙(じんだいあけぼの)Cerasus x yedoensis‘Jindai akebono’(西柴)
  山桜(やまざくら)Cerasus jamasakura(能見台)
  神代曙(じんだいあけぼの)Cerasus x yedoensis‘Jindai akebono’(鳥見塚)
  染井吉野(そめいよしの)Prunus x yedoensis(鳥見塚)
  大島桜(おおしまざくら)Cerasus speciosa(杉田)
  染井吉野(そめいよしの)Prunus x yedoensis(磯子台)
 雷神社、雷神社奥の院
 ヒメツルニチニチソウ Vinca minor
 カラスノエンドウ Vicia sativa
 レッドロビン Photinia glabra × P. serrulata
 花桃 Amygdalus persica
 カリン Chaenomeles sinensis
 ラナンキュラス Ranunculus spp.
 口紅スイセン Narcissus poeticus
 ニワウメ Cerasus japonica
 ハナニラ Ipheion uniflorum
 ゴモジュ Viburnum suspensum
 オニタビラコ Youngia japonica
 ムスカリ Muscari neglectum
 ベニバナトキワマンサク Loropetalum chinense var. rubra
 ヤエムグラ Galium spurium
 オランダミミナグサ Cerastium glomeratum
 ヒメウズ Semiaquilegia adoxoides
 シラユキゲシ Eomecon chionantha
 土筆(スギナ Equisetum arvenseの胞子茎)
 スミレ Viola mandshurica
 ユキヤナギ Spiraea thunbergii
 モッコウバラ Rosa banksiae
 ムラサキツメクサ Trifolium pratense
 ハナズオウ Cercis chinensis
 タチツボスミレ Viola grypoceras
 カントウタンポポ Taraxacum platycarpum
 セイヨウヒイラギ Ilex aquifolium


【雷神社奥の院の碑】追浜町3丁目12
雷神社故址
雷神社田浦町浦郷村社也祠奮在此地天正九年朝倉影隆遷之於今地云蓋本祠創建在承平
元年距今實一千年也當時海水變入圍繞陸地白波拍手自爲一島名築島長汀曲浦相接万過
寂寞一漁村耳爯来星霜幾百年四境變爲塩田構居營生者漸多矣傳云天正年閒里人避雨於
祠畔時黒雲掩天電光閃々迅雷擘耳凄氣迫人終轟然震地衆駮然既而雲霽雨收則祠前柏樹
幹枝折裂而無復一人死傷者乃相謂曰是神以樹代人也一村崇信愈篤一株枯木現在地中央
枝朽皮剥僅存残骸耳民至今祈塞不怠爲接地有池盖往時海水之遺跡也近時槍桑之變附近
畫爲田圃里落故址亦将歸荒廢里人憂之望月勘作君以任侠聞自謂吾少社来住地土受里人
庇保有年以得能成今日之巷豈可無𫝂酬呼乃進約當故址修築之工池原爲田川氏𫝂屬田川
氏名平三郎一郷素封也常致力於公益有衆望欣然割其𫝂屬一半提供之呼田甚右衛門氏亦
有奉公之志寄附宅地數歩於是決議起工拮据數閲月修築乃成實昭和六年六月也故址幅員
凢四十歩東方擁池々廣五千歩築以圓石混凝土數株青松護枯木風致閒雅神威自嚴然頃曰
望月君又投數百金欲立碑傳其事蹟嘱丈於余々與君有舊不可辭乃記其梗概勒之銘曰
  滄桑三變  里巷聿榮  神域釐革  載見民情     大塚孝惟撰并書
 昭和六年九月

啓翁桜も開花-2020.03.12

 務め帰りに通りかかった大通公園で啓翁桜が既に開花しているのをみつけました。オカメは既に葉桜直前、大岡川沿いのソメイヨシノも早い樹では開花が始まっています。


啓翁桜(けいおうざくら) Cerasus‘Keio-zakura’】
 啓翁桜は、彼岸桜の枝変わりとされているようです。写真の樹の由来は不明ですが、主幹がはっきりせず、灌木状の個体です。
【文献】
 森脇和郎・勝木俊雄(2011)遺伝研のさくら、151p.、遺伝学普及会、三島

今年も花桃の丘へ-青葉区、都築区の名木古木など

 早咲き系の桜の開花が落ち着いたので、今日は元石川の花桃の丘を訪ねました。
【花桃の丘】青葉区元石川町


【主な経路】
(あざみ野駅)-花桃の丘-新石川-荏田-牛久保西-大棚町-勝田-茅ケ崎-(センター南駅)


横浜市指定名木古木
【影顕山西勝寺】青葉区新石川1丁目10-8
 イチョウ No.49430


 エノキ No.50344(青葉区荏田町328)


【養老山真福寺】青葉区荏田町432-8
 イチョウ No.49434
 カヤ No.49435


【劔神社】青葉区荏田町822
 エノキ、サクラ、ケヤキ(2本)
 名木古木の指定番号表示がありませんでした。市民グラフヨコハマ115号(2001)に記載のあったサワラについては確認できず、伐採跡があるので滅失と思われます。


【弘願山長徳寺】都筑区牛久保西3丁目9-1
 ヤマモミジ No.60009

 市民グラフヨコハマ115号(2001)に記載のあった『ヤマグミ』の樹種を確認したかったのですが、そもそも存在を確認できませんでした。


【鵜目山清林寺】都筑区大棚町250
 シラカシ No.49387
 イチョウ No.49390
 エノキ No.49389

 No.49389のエノキは、表示板だけ残されていました。


【大杉山龍福寺】筑区大棚町495
 ケヤキ No.51045、51046

 アラカシとコブシは確認できませんでした。


【勝田山最乗寺】筑区勝田町1277
 イチョウ No.48171
 ハクモクレン No.48172


【慈眼院壽福寺】都筑区茅ケ崎東1丁目7-1
 ヤマザクラ No.59014
 シラカシ No.59015


【豊川稲荷神社】青葉区元石川町5269


 庚申塔(2基):青葉区元石川町3543-51


【驚神社】青葉区新石川1丁目24-9

   驚神社
鎮座地 横浜市緑区新石川一丁目二十四番地九
由緒
 創立年代詳かならざるも、往古より延喜式所載の武蔵國石川牧の総鎮守ナリしと云ふ。其の当時、石川牧の地域は頗る広汎にして旧都築郡内は旧山内村石川・同荏田・旧中川村大棚・同茅ヶ崎・同中里村黒須田・同大場・同鐵・同麻生・同鴨志田・同早野・同王禅寺・橘樹郡内は旧向丘村菅生・宮前村土橋・同有馬・同馬絹・同野川・同梶ヶ谷等の大字に亘れるものゝ如し。依て昭和十四年横浜市に合併当時まで、此の石川に秣場と称する馬料共有地五十餘頼朝の臣畠山重忠篤く崇敬せりと云へり。明治六年十二月村社に列し、昭和十年五月二十七日拝殿を再建し、全く社殿の面目を一新し昭和五十七年拝殿屋根を銅板葺に改修、当神社の名称は右の如く馬を大切にいる意から馬を敬う即ち「驚」がついたものと云ふ。
御祭神 素戔嗚尊
 此の大神は伊邪那岐神の御子にして天照大御神の御弟神に坐して農業・漁業・山林の守護神として全国的に篤く崇敬されし神なり。又、清明を尊び人命救助の神、罪を祓う神、荒神鎮斎、鎮疫神としても崇められし神なり。
恒例祭 歳旦祭   一月一日    午前〇時式典執行
    祈年祭   二月十七日   午前十時式典執行
    例祭    体育の日の前日 午前十時例祭式典執行
    七五三祭  十一月中旬   午前十時式典執行
    勤労感謝祭 十一月二十三日 午前十時式典執行


  驚神社力石の由来
 此の力石は、江戸時代中期より明治初期にかけて氏子の若人が、神社の境内に於て卵形の石をかつぎ力を競うため、記念として奉納されたものといわれて、関東のみならず西国にも其の風習があった。その指標とするところは、かつぐことによって神の霊験を知る石占であるとされる。
 当社に伝わる此の石は、大明神元文四己末年皇紀二三九九年西紀一七三九年下石川村と明記され四十貫五百目と註されている。
 実に桜町天皇の御代八代将軍徳川吉宗の治世にあたり、珍しく古い年代に属する。
 かつぐことの出来た人名は之を刻んでいないか明治大正以後、石川草相撲の名行司とうたわれた飯島勇吉が之をかついだのを最後とする。
 下石川村とあるは恐らく下谷中村の両部落、即ち宮元を指すものと思われる。蓋し石川村の発祥地ともいうべきか。
   昭和四十九年七月吉日
   平成十六年九月吉日
   奉納者 あざみ野 金子健一
   新石川 横溝智美


横浜市指定無形民俗文化財
 牛込獅子舞(うしごめししまい)
     平成三年十一月一日指定
     保存団体 牛込獅子舞保存会
     「牛込獅子舞」は、平成十三年二月十三日、横浜市指定文化財が解除され、神奈川県重要文化財に指定されました。
行われる時期及び場所
 十月九日 緑区あざみ野一丁目三十番三号 神明社
 十月十日 緑区新石川一丁目二四番九号  (おどろき)神社
 牛込獅子舞し、関東・東北・信越地方に分布する一人立ち三頭獅子舞(さんとうししまい)の横浜における代表的存在です。約三〇〇年前、元禄年間の悪疫流行の際に始まると伝えられています。丘陵を隔てた川崎市高津区初山の獅子舞と芸態や歌詞が酷似しており、十八世紀中頃に移入されたものと推定されます。
 獅子頭(ししがしら)は三個で、剣角(けんかく)巻角(まきづの)を持つ雄獅子二個と宝珠(ほうじゅ)を頂く雌獅子一個とからなり、鶏の毛で飾り、赤い布を垂れます。武蔵野一帯に分布する頭と同系に属します。
 舞手三人は裁著(たつつけ)・白足袋・草履ばきで、締太鼓をつけ、バチを打ちながら舞います。その他に、はい追い(幣負い)、ササラ子、万灯持(まんとうもち)、小万灯持の各役が加わります。
 以上の役につくものは牛込地区で生まれた成年までの男子に限られ、獅子役の三人とはい追いは長男の役とされています。この他にホラ貝三人、笛数人。歌上げ数人は大人で、牛込地区の古老があたります。
 当日は獅子宿で支度して、道行きの曲に合わせて神社まで練って行き。神前に祭詩を述べてから、曲に合わせ三角形になったり、一列になったりまた円形になって舞います。「わが国で、わが国で、雨が降るげで、雲が立つ。おいとま申していざ帰る。」と祭神に舞い終りの挨拶をします。
  平成四年三月  横浜市教育委員会


【伏見稲荷社】青葉区荏田町328


【下宿庚申塔】都筑区中川3丁目38

   いわれ(由来)
 この庚申塔は、その昔寛政五年(西暦一、七九三年)徳川時代中期に荏田村下宿の婦人達によって建てられたもので当時盛んだった庶民信仰の一つに疫病、厄払いの為六十日ごとの庚申(かのえさる)の日に講中の人(女)が集まって眠らずに祈願し、一夜を過ごす風習(ならわし)があったそうです。
 ここは昔栄えた大山街道の道筋で江戸を()った旅人の一日目の宿場の入口でもあり道標(みちしるべ)としても親しまれてきました。又、交通安全、幼童安穏(あんのん)の神としても知られ遠方から訪れる人もあります。本年下宿講中の仲間が集まり昔を偲び心のよすがにもと古びた(ほこら)を改築いたしました。
  平成六年十一月  下宿庚申講


【養老山真福寺】青葉区荏田町432-8

 真福寺(現本尊千手観音立像)は、ここより北方3.4km離れた処にありましたが、老朽化により当時観音堂(本尊千手観音立像)であった当地に大正10年(1921)真福寺(本尊薬師如来坐像)並びに釈迦堂(本尊釈迦如来立像)を移し、それぞれの本尊を客仏として安置しました。
 本尊の木造千手観音立像(一木造)は、県重文で平安時代末期の作。ふくよかな顔、肩、下腹部・腰の線、衣文の浅い彫り口とともに全体に藤原時代の作風を見せています。手は八臂で、一部に彩色の痕跡が見られます。十二年毎の子歳に開帳される秘仏です。
 客仏の木造釈迦如来立像(寄木造)は、国重文で鎌倉時代の作。頭髪は縄をまいたような形で、首まで衣が覆い、複雑な衣文を鋭い彫法でたくみに美しく掘り出し、顔はやさしい表情をたたえた清凉寺式釈迦とよばれる形式の仏像です。県内には、この他に国重文の指定を受けている称名寺像(金沢区)と極楽寺(鎌倉市)がありますが、全国的にも数少ない釈迦像の一つです。
     (社)横浜国際観光協会
     横浜市教育委員会文化財課
          平成4年3月


   釈迦如来立像 昭和八年一月二十三日 国重要文化財指定
  木造 寄木造 鎌倉時代
 本造は、京都清凉寺本尊を摸刻した像で、頭髪は縄をまいたような形で、首まで衣が覆い、複雑な衣文は鋭い彫法でたくみに美しく彫り出し、顔はやさしい表情をたたえた清凉寺式釈迦とよばれるものである。
 県内には、この他に称名寺像と極楽寺像が重文の指定を受けているが、全国的にも数少ない釈迦像の一つである。
   千手観音立像 昭和四十一年七月十九日 県重要文化財指定
  木造 一木造 藤原時代(平安末期)
 本像は、真福寺本尊で、前面は頭から裾まで一木の木で彫られ、天冠や頭髪をていねいに彫り、顔はふくよかで、衣文も藤原様式で統一されている。一部に彩色の痕跡があり、もとは彩色像で見事であったと思われる。
  昭和四十八年十一月   緑区役所


横浜市指定無形民俗文化財
 荏田真福寺の奉納絵馬および奉納額等 一括二〇八点
     平成十五年十一月四日 指定
     所有者 宗教法人 真福寺
 荏田は近世において大山街道の宿場として賑わいを見せていた所で、また近在の農村の物資集散地でもありました。真福寺という名称は大正年間に改めて付けられた付けられたもので、それ以前は観音堂と呼ばれており、荏田の住民だけでなく、近在の農村からも信仰を集め、多くの絵馬が奉納されました。(観音堂本尊は木造千手観音立像(県重文)で、小机三十三子歳観音霊場として子年のみにご開帳される秘仏です。)
 現在残されている絵馬で最古の紀年銘をもつものは、寛政十二年(一八〇〇)のもので、同年の絵馬が三枚あります。絵馬は個人が願望を実現するために奉納したものと考えられ、村人が仏の前で拝む姿を描いた絵馬、馬そのものを描いた絵馬などがあります。
 絵馬以外に、宝暦十年(一七六〇)の紀年銘を含む奉納額、扁額、算額、また珍しい奉納物として藁蛇があります。
 現在、大絵馬を中心に七十四点が、真福寺本堂内に飾られ、残りは横浜市歴史博物館に収蔵されています。
  平成十六年三月  横浜市教育委員会


【稲荷社】青葉区荏田町432


【劔神社】青葉区荏田町822

  劔神社誌
 新編武蔵風土記稿は当社について曰く「村の中央字榎木谷にあり劔明神と号す当所の総鎮守なり本地不動の像今は別当観福寺に安置せり本社に上屋を設く云々」また伝説に曰く「昔陸奥国より炭を商うもの鎌倉へ往来して鍛冶のもとへかの炭を売ること年久しければ鍛冶もかの商人が来ることを謝して己が作りたる刀一口を贈れり。商人よろこびてこれを携へ国へかえらんとしてここをすぎ泉谷の辺りにとどまりて路のつかれをしばしやすめんといこいしに喉のかれたりしかばありあう泉を掬して呑けるに酒に酔いしごとく、覚えず倒れ伏したりしを側なる松の木の上より大蛇ねらいよりて呑んとす時に携えたる刀自ら抜き出て蛇を斬殺しけるにそ、かのもの危き命をたすかりしとなん。よりて劔を祀りて劔明神と号す云々」と。この伝説は八俣の大蛇退治の伝説に類似し草薙劔を彷彿せしめるとともに、祭神を素戔嗚尊として崇めていることなどからして開拓神ないし農業神として祀られ鎌倉時代の創建になるものと云われている。
 かつて当地は宿谷戸赤城社、小黒谷戸明神社、同八幡社、柚木谷戸熊野社、渋沢谷戸十二社の五社の谷戸宮が鎮座坐し、四谷戸が年番にて祭礼を執行うを常とした。
 その後大正三年これら四谷戸五柱の大神を当社に合祀し同十一年当社は神饌幣帛供進社に指定されたのである。現存する拝殿は明治二十七年に奥社は昭和四十六年に各々建立されたものである。


【地蔵堂】都筑区大棚町414


【大杉山龍福寺】筑区大棚町495



【参考】
 モモ Amygdalus persica
 イチョウ Ginkgo biloba
 カヤ Torreya nucifera
 エノキ Celtis sinensis
 ケヤキ Zelkova serrata
 サクラ Cerasus sp.
 ヤマモミジ Acer amoenum subsp. matsumurae
 ハクモクレン Magnolia denudata
 シラカシ Quercus myrsinifolia
 ヤマザクラ Cerasus jamasakura
 カロライナジャスミン Gelsemium sempervirens
 タイワンツバキ Gordonia axillaris
 スモモ Prunus salicina
 枝垂れ梅 Armeniaca mume f. pendula
 ボケ Chaenomeles speciosa
 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
 ホトケノザ Lamium amplexicaule
 ヒサカキ Eurya japonica
 寒緋桜(かんひざくら)Cerasus campanulata
 ジンチョウゲ Daphne odora
 バイモ(アミガサユリ) Fritillaria thunbergii
 ハナニラ Ipheion uniflorum
 蕗の薹(フキ) Petasites japonicus
 河津桜(かわづざくら)Cerasus x kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 エヒメアヤメ Iris rossii
 二ホンスイセン Narcissus tazetta
 サザンカ Camellia sasanqua
 ツルニチニチソウ Vinca major
 トサミズキ Corylopsis spicata
 オナガガモ Anas acuta
 ヒイラギナンテン Mahonia japonica
 ユスラウメ Prunus tomentosa
 スナックひまわり:都筑区牛久保東3丁目22
 シキミ Illicium anisatum
 ウグイスカグラ Lonicera gracilipes
 オナガ Cyanopica cyanus
 キンカン Fortunella spp.

大船フラワーセンターの玉縄桜

 大船フラワーセンターにある玉縄桜の原木が昨年の台風15号により大きな被害を受けたそうです。今は丁度開花時期ですので、一応、花はつけていましたが、瀕死の状態から復活の途上です。



2019年9月に発生した台風15号の悲劇からの復活木
玉縄桜の原木の危機
 2019年9月8日~9日にかけて発生した大型の台風15号によって、根元から倒れてしまいました。すぐに根が乾かないようにシートで被う作業や、木に負担がかからないよう、枝や葉を半分以上落とす作業が行われました。




【参考】
サクラ Cerasus sp.
 玉縄桜たまなわざくら
 マメザクラ’雪嶺’ x 八重咲寒緋桜 C. incisa “Sentsurei’ x C. campanulata
 大寒桜 C. x kanzakura cv. Oh-kanzakura’
コサギ Egretta garzetta
ボリジ Borago officinalis
深山含笑みやまがんしょう Michelia maudiae
梅’思いのまま’ Armeniaca mume ‘Omoi-no-mama’
地湧金蓮ちゆうきんれん Musella lasiocarpa
メキシコハナヤナギ Cuphea hyssopifolia
ドンベヤ・ワリッキー Dombeya wallichii
ブーゲンビリア Bougainvillea sp.
金花茶きんかちゃ Camellia petelotii (syn. C. chrysantha)
デュランタ Duranta erecta
振分珊瑚花ふりわけさんごばな Jacbinia colorata
紅茉莉べにまつり Rondeletia odorata
ソラナム・シーフォーシアヌム Solanum seaforthianum
アコウ Ficus superba var. japonica
極楽鳥花ごくらくちょうか Strelizia reginae
ネッタイスイレン Nymphaea spp. cv. ‘Dauben’
グレビレア ‘ピグミーダンサー’ Grevillea spp. ‘Pigmy Dancer’
アカシア・ブアマニー Acacia boormanii
雲南黄梅うんなんおうばい Jasminum mesnyi
黄梅おうばい Jasminum nudiflorum
マトリカリア ‘カルロス’ (ナツシロギク) Tanacetum Parthenium
白衣観音(仏海山大船観音寺)
ヤクシマスミレ Viola iwagawai
パンジー Viola × wittrockiana
 ’ミニフリフリ’
 ’虹の谷のティコ’
 ’スターラビット’
 ’パンダスミレ’
 ’森のピュアリー’
 ’カリフォルニア アイボリーオレンジ’
 ’スイートラブ’
 ’ドラキュラ’
 ’マリアの微笑み’
 ’ラビットビオラ’
 ’マリア ブルーオーシャン’
 ’ヌーヴェルヴァーグ’