月別アーカイブ: 2024年9月

横浜の植物・植物標本展など

 今日は、横浜市こども植物園で開催中の「横浜の植物・植物標本展」を見てきました。貴重標本が撮影できたのを機に、神奈川では既に絶滅しているシバナ科のページを掲載することができました。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹



【参考】○:本日、初撮影種、◎:標本での初撮影種
◎ハイコモチシダ Woodwardia unigemmata
シバナ属の一種 Triglochin sp.
◎ハマカキラン Epipactis papillosa var. sayekiana
 ヨコハマダケ Pleioblastus matsunoi Syn. Arundinaria matsunoi
◎ハコネナンブスズ Sasa shimidzuana subsp.
shimidzuana

◎ヤマキタダケ Sasaella yamakitensis
◎ハコネメダケ Sasaella sawadae
◎サンカクヅル Vitis flexuosa
◎ハコネグミ Elaeagnus matsunoana
◎アカバグミ Elaeagnus X maritima (ツルグミ X オオバグミ)
◎トウゴクミツバツツジ Rhododendron wadanum<
◎アシタカツツジ Rhododendron komiyamae
 オカイボタ(オオバイボタの変種) Ligustrum ovalifolium var. hisauchi
 サガミギク(シロヨメナの変種) Aster ageratoides var. harae


〇ミセバヤ Hylotelephium sieboldii
〇ナガバヤブソテツ Cyrtomium devexiscapulae
 ヒマラヤタマアジサイ Platycrater aspera Syn. Hydrangea villosa
 ヒガンバナ Lycoris radiata
 オオタチカラクサ Dichorisandra thyrsiflora
 ネペンシス ‘レグレヤナ’ Nepenthes X ‘Wrigleyana’
 アサザ Nymphoides peltata
 タヌキモ属の一種 Utricularia sp.
 シモバシラ Keiskea japonica
〇アキカラマツ Thalictrum minus var. hypoleucum
 ナンバンギセル Aeginetia indica
 ヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum
 マツカゼソウ Boenninghausenia albiflora var. japonica
 マツモ Ceratophyllum demersum
 キキョウ Platycodon grandiflorus
 カリガネソウ Tripora divaricata
 アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata
 ヒメシャラ Stewartia monadelpha
 ガマズミ Viburnum dilatatum
 カワラケツメイ Chamaecrista nomame
 ゲンノショウコ Geranium thunbergii
〇タラノキ Aralia elata
 トウガラシ Capsicum annuum
〇ウコン(ターメリック) Curcuma longa
 ハナシュクシャ Hedychium coronarium
 エビスグサ Senna obtusifolia
 エゴマ Perilla frutescens var. frutescens
 シロザ Chenopodium album var. album
 ゲッケイジュ Laurus nobilis
〇アシタバ Angelica keiskei
 ヘチマ Luffa cylindrica
 センナリビョウタン Lagenaria siceraria var. microcarpa
 カラタチ Poncirus trifoliata
 フジバカマ Eupatorium japonicum
 ダイコンソウ Geum japonicum
タチテンモンドウ(立天門冬) Asparagus cochinchinensis var. pygmaeus
〇クワクサ Fatoua villosa
 マツバラン Psilotum nudum
 ホトトギス Tricyrtis hirta
 センニンソウ Clematis terniflora
 マユミ Euonymus hamiltonianus
 クスノキ Cinnamonum canphora 横浜市指定名木古木 No.59001,59002
 カワラタケ Trametes versicolor
 キツネノマゴ Justicia procumbens
 マメガキ Diospyros lotus
〇ツリフネソウ Impatiens textorii
〇アオドウガネ Anomala albopilosa
 ミツガシワ Menyanthes trifoliata
 ガマ Anomala albopilosa
 コヤブタバコ Carpesium cernuum
 ブラジルヤシ Butia capiatata
 アオノリュウゼツラン Agave americana
 カワニナ Semisulcospira libertina
 オオカナダモ Egeria densa
 ヤマハギ Lespedeza bicolor
 イチモンジセセリ Parnara guttata
 ストレリチア(極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)) Strelitzia reginae
 ペペロミア・オブツシフォリア Peperomia obtusifolia
 ビカクシダ Platycerium bifurcatum
〇ワイルドオーツ Chasmanthium latifolium
 ペニセタム(ギンギツネ) Pennisetum villosum
 ワレモコウ Sanguisorba officinalis
〇ヤナギバシャリントウ ‘オータムファイアー’ Cotoneaster Salicifolius ‘Autumn Fire’
 トチノキ Aesculus turbinata
〇クズクビボソハムシ Lema diversipes
 アカメガシワ(雌花) Mallotus japonicus
 ラセイタソウ Boehmeria biloba
 クズ Pueraria lobata
 カラスウリ Trichosanthes cucumeroides
 ケヤキ Zelkova serrata (横浜市指定名木古木 No.48075)
 石塔群:金沢横丁
 いわな坂
 ダンドボロギク Erechtites hieracifolia
 北向地蔵尊
 エビヅル Vitis ficifolia
 サルスベリ Lagerstroemia indica
 エノキ Celtis sinensis (ゆずの木)
 ペンタス Pentas lanceolata
〇ヨモギクキマルズイフシ

横浜イングリッシュガーデンの秋

 長かった夏の暑気がようやく収まりそうなので、久しぶりに横浜イングリッシュガーデンを尋ねました。秋薔薇の季節はまだ先になりそうです。
 


【参考】○:本日、初撮影種
 横浜イングリッシュガーデン
 ハロウィン・デイスプレイ
 ハナカンナ Canna X generalis
 トウゴマ(ヒマ) Ricinus communis
 アノダ・クリスタータ Anoda cristata
 センチニコウ(白花) Gomphrena globosa
 ノゲイトウ(白花) Celosia argentea
 ユウガギク Kalimeris pinnatifida ‘Hortensis’
 サルビア・ガラニチカ Salvia guaranitica
 シュウメイギク Anemone hupehensis
 ニシキギ Euonymus alatus
 ジョウザンアジサイ ‘碧のひとみ’ Dichroa febrifaga ‘Ao-no-hitomi’
 ミソハギ Lythrum anceps
 ミズヒキ Persicaria filiformis
○キダチハッカ(セイボリー) Satureja hortensis Summer Savory
 フレンチマリーゴールド Tagetes patula
 バラ ‘ロザンナ’ Rosa X ‘Rosanna’
 イチモンジセセリ Parnara guttata
 マルバフジバカマ Eupatorium rugosum
 ハロウィン・デイスプレイ
 トレニア Torenia fournieri
 ガウラ Gaura lindheimeri
 ゴンフレナ ‘ラブラブラブ’Gomphrena pulchella ‘Love Love Love’
 ニラ Allium tuberosum
 ヒャクニチソウ Zinnia x hybrida
 トウガラシ ‘辛ビキーニョ’ Capsicum chinense ‘Habanero’ X Capsicum annuum ‘Biquinho’
 コリウス Solenostemon scutellarioides
○セダム(虹の玉) Sedum rubrotinctum
 ピンクノウゼンカズラ Podranea ricasoliana Syn. Pandorea ricasoliana
○ツメレンゲ Orostachys japonica
 丘友坂

ヒルムシロ科の写真整理

 ヒルムシロ科(Potamogetonaceae)は、約100種からなる水生植物のグループで(角野,1984; Lindqvist et al.,2006)、APGの分類体系ではオモダカ科の所属となっています(APG-IV,2016)。ヒルムシロは水田に普通な雑草でしたが、稲作の衰退とともに減少傾向にあると思われ、神奈川県植物誌(2018)によれば、三浦半島では三浦市でヒルムシロとエビモが記録されているだけです。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【オモダカ目(Alismatales) ヒルムシロ科(Potamogetonaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ヒルムシロ属 Potamogeton
ヒルムシロ ヒルムシロ
Potamogeton distictus Pondweed

【文献】
Lindqvist C, Laet Jd, Haynes RR, Aagesen L, Keener BR and Albert VA (2006) Molecular phylogenetics of an aquatic plant lineage, Potamogetonaceae, Cladistics, 22, 568–588, DOI: 10.1111/j.1096-0031.2006.00124.x, Accessed: 2024-09-22.
角野康郎 (2023) 日本の水草の分類−研究はどこまで進んだか、植物地理・分類研究, 71(2), 93-106, DOI: 10.18942/chiribunrui.0712-01, Accessed: 2024-09-21.
角野康郎 (1984) ヒルムシロ属同定の実際(1)浮葉をもと種類, 水草研究報, (15), 2-9, URL: https://mizukusakenjp.sakura.ne.jp/PDF/BWPSJ015_2.pdf, Accessed: 2024-09-21.
沖田朋久, 髙居千織, 豊田恵子 and 喜内博子 (2020) 川崎市内河川の親水施設調査結果(2019年度), 川崎市環境総合研究所年報, (8), 61-71, URL: https://www.city.kawasaki.jp/300/cmsfiles/contents/0000126/126578/nenpou8_4houbun9.pdf, Accessed: 2024-09-21.
神奈川県植物誌調査会(2018)神奈川県植物誌2018(上)、p253-259.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.

ニヶ領用水を辿って

 漸く残暑が終りつつある今日は、多摩川から取水されているニヶ領用水に沿って下りながら散策してみました。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【参考】○:本日、初撮影種
 ニヶ領上河原堰
○ヒルムシロ Potamogeton distictus
 オオニワホコリ Eragrostis pilosa
 チカラシバ Pennisetum alopecuroides
 アオサギ Ardea cinerea
○チュウダイサギ Egretta alba modesta
○コウガイセキショウモ Vallisneria X pseudorosulata
 ハグロトンボ Calopteryx atrata
 ヨシ Phragmites australis
○オオイヌタデ Persicaria lapathifolia
○シロフクロタケ Volvopluteus gloiocephalus Syn. Volvariella speciosa
 ウキクサ Spirodela polyrhiza
○オオカナダモ Egeria densa
 マメアサガオ Ipomoea lacunosa
 ミニヒマワリ Helianthus annuus cv.
 オオスカシバ Cephonodes hylas
 キバナコスモス Cosmos sulphureus
○コナギ Monochoria vaginalis var. vaginata
 ルコウソウ Ipomoea quamoclit
 マゴイ Cyprinus carpio
 イヌタデ Persicaria longiseta
 ジュズダマ Coix lacryma-jobi
 ツユクサ Commelina communis
 ヌルデハイボケフシ白膠木・葉・疣・毛五倍子
 メリケンガヤツリ Cyperus eragrostis
 ノダフジ Wisteria floribunda
 イチョウ Ginkgo biloba 川崎市まちの樹50選保存樹木No.3175(右),3176(左):永池山長念寺
 クスノキ Cinnamonum canphora 川崎市まちの樹50選:登戸稲荷社
 ケヤキ Zelkova serrata 川崎市まちの樹50選:登戸稲荷社
 ノダフジ Wisteria floribunda:丸山教本庁
 クスノキ 川崎市まちの樹50選::丸山教本庁
 光のしじま:作 井上 (ばく)
 浅間社(登戸富士塚):川崎市多摩区登戸2919
 庚申塔:浅間社(登戸富士塚)
 南武線
 石塔群(船島福地蔵):宿河原1丁目27
 フウセンカズラ Cardiospermum halicacabum
 地蔵尊:宿河原1丁目9
 船島稲荷社
 カワラバト Columba livia
 二ヶ領宿河原堰
○ウグイ Tribolodon hakonensis
○ゲンゴロウブナ Carassius cuvieri
○ナガブナ Carassius auratus Subsp. 1
○ニゴイ Hemibarbus barbus
 フヨウ Hibiscus mutabilis
 ワタ Gossypium hirsutum
 サツマイモ Ipomoea batatas
○ミツバハマゴウ Vitex trifolia
 ショウジョウソウ Euphorbia heterophylla
 ヒメノウゼンカズラ Tecomaria capensis
 ヒガンバナ Lycoris radiata


国登録記念物 ニヶ領用水(にかりょうようすい)
 登録年月日:令和2(2020)年3月10日
 登録面積:82,236.07㎥

 令和2(2020)年3月、ニヶ領用水は多摩川に水源を有する最古級の農業用水であることや、開削以降利用する村々が協力して維持管理を行ってきた歴史があることなどから、その価値が認められ、大部分が国登録記念物に登録されました。
二ヶ領用水の誕生
 古くから大雨が降るたびに洪水や氾濫を繰り返す多摩川は、川沿いであっても灌漑利用が困難でした。小泉次太夫は、多摩川流域の灌漑治水事業に取組む徳川家康の命により、慶長4(1599)年から用水の開削工事を開始し、江戸時代初期の慶長16(1611)年、ニヶ領用水が完成しました。この名称は、稲毛領・川崎領のふたつの領地にまたがって開削されたことの由来します。以降、ニヶ領用水は現在の多摩区から川崎区までの農地を潤してきました。
田中休愚(きゅうぐ)による大改修
 完成から約100年が経った江戸時代中期になると、二ヶ領用水は各所で老朽化が目立つようになりました。そこで、享保10(1725)年から、川除御普請(かわよけごふしん)御用の田中休愚により大規模な改修工事が行われ、用水を分配する「久地分量樋(くじぶんりょうひ)」や「上河原取入口圦樋(かみがわらとりいれぐちいりひ)」などが新たに設置されました。その結果、江戸時代中期から後期にかけて周辺の新田灌漑面積は60ヶ村、約2,000haまで広がりました。
近代化する用水施設
 明治時代後期には施設の老朽化に加え、相次ぐ災害により二ヶ領用水は大きな被害を受けました。そこで、昭和11(1936)年から、用水路工事をはじめとする改修工事が開始されました。昭和16(1941)年には、それまでの分量樋に代わり、当時としては最も理想的で正確な自動・定比の分水装置である円筒分水が建設されました。
農業用水・工業用水を経て現在へ
 昭和に入り市内の工業化が進むと、二ヶ領用水は日本初の公営工業用水として、川崎の工業を支える役割を果たすようになります。
 一方、昭和30年代半ばの急激な都市化により、多くの生活用水が流入し、水質の悪化が問題となりました。こうした状況から、周辺住民による二ヶ領用水再生に向けた市民運動が盛んになり、日常的な市民の努力や下水道の整備などによって、水質は改善していきました。
 こうして二ヶ領用水は、農業用水や工業用水しての役割を経て、川崎市の発展の礎を築いたシンボルとして現在でも親しまれています。
多摩区の用水利用
 多摩区には、多摩川から二ヶ領用水への取水口である上河原堰と宿河原堰があります。建造時から昭和の初めまでは蛇籠堰(じゃかごぜき)という竹籠と砕石で造る堰でしたが、用水の不足により維持修繕費が多額にのぼることなどから、昭和20(1945)年には上河原堰、昭和24(1949)年には宿河原堰がコンクリート堰堤へと改修されました。
   令和3(2021)年3月 川崎市教育委員会


ニヶ領宿河原堰(にかりょうせきがわらぜき)
ニヶ領宿河原堰のあゆみ
 二ヶ領用水開削に着手したのは、江戸時代以前の1597年のことで、徳川家康の農業生産を高めるために小泉次太夫に命じ、1611年に完成しました。
 この二ヶ領用水に多摩川の水を取り入れ易くするために、宿河原に堰が設けられましたが、当時は竹製の蛇籠で造られていました。
 1949年(昭和24年)5月、安定した取水量を確保するために、コンクリート製の堰に改築されました。この時に造られたのが旧・宿河原堰で、ほとんどが固定部(洪水時も堰の高さが変わらない)でした。
 1974年(昭和49年)9月、台風16号による出水により狛江市側の堤防が決壊し、民家19軒が流されるという大きな災害が発生しました。
 1994年(平成6年)から川崎市と建設省(当時)の共同により治水安全の向上と水辺環境等なも配慮した改築工事に着手し、1999年(平成11年)3月に現在の宿河原堰が完成しました。
洪水を安全に流す
 治水安全の向上を図るため、旧堰より堰の高さを2m切り下げ、洪水時の水位を大幅に下げること裸子ました。
水辺環境や景観への配慮
 一方、宿河原堰周辺は交通の利便性からも多くの人々の憩いの場となっているとともに、堰上流の湛水面は多様な生物の生息域となっていました。このため、切り下げた堰に2mのゲートを設け可動堰とすることにより、日常は旧堰と同じ湛水面を確保し、堰周辺の豊かな水辺環境の保全にも配慮しました。
 また、起伏式ゲートの採用や堰下流側の水の流れの工夫などにより、旧堰が創出していた景観や雰囲気にも配慮した構造としました。
◇「土木学会デザイン賞2010 優秀賞」を受賞◇
 新しい堰は、起伏式ゲートを採用することにより、視界を遮ることなく、上空への広がりを確保し、自然石や特殊型枠を使用し石張り風に仕上げることで人口構造物のイメージを軽減しました。これらを含めたさまざまな工夫が総合的に評価を得て、受賞しました。   国土交通省 関東地方整備局 京浜河川事務所 2012.3作成


船島稲荷社のゆかり
聖なる母多摩川の川辺に古くは中の島現在は船島と云うふるさとがある、此の地を開拓した我等の祖先は堤の近くに信仰の氏神として稲荷社を祀った治水興農の守護神として爾来幾百年しはしば暴風雨水害に見舞はれ度々境内を移したりした、昭和十二年境内には決壊し樹令数百年に及ぶ神木は流され社殿は水浸しとなるも常に霊験加護を信じ神徳に浴さんとする氏子の信仰心を結集し社を復興して今日に到ったのである、稲荷社の歴史を信仰をもちつゝ自然と共に生きてきた吾等の祖先の足跡とも考へられる「日の本は神の国なり神まつる昔のてぶり忘るゝなゆめ」とその歌にあるように今も参詣人がたえないのである教聖初代不動教会長関山盛衆師も有力な信者の一人である、先に氏子一同相計り本殿を近代風に改築し神徳を礼賛し今亦拾周年を迎へる当り玉垣をめぐらして神域を整え景仰の誠を捧げ遺風を顕彰しようとするものである茲に一文を草し以て崇敬の念を表する所以である。
   昭和五十四年十一月吉日
     船島稲荷社改築拾周年記念委員会
          委員長 田中交司 選併書

※:出展は明治天皇が詠んだ
「わが國は神のすゑなり神まつる 昔の手ぶり忘るなよゆめ」であったと思われる。太平洋戦争前までは教科書に載っていた歌のようなので、建碑当時の年配者にはよく知られていたと推測されます。

【文献】
藤井伸二, 勝山輝男, 狩山俊悟 and 牧 雅之 (2027) コウガイセキショウモの野生化個体群を神奈川県と岡山県に記録する, Bunrui, 17(1), 43-47, DOI: 10.18942/Bunrui.01701-05, Accessed: 2024-09-21.
糟谷大河, 丸山隆史, 池田裕, 布施公幹 and 保坂健太郎 (2018) 日本新産種 Volvopluteus earlei(ハラタケ目,ウラベニガサ科), 日菌報, 59, 47-52,DOI: 10.18962/jjom.jjom.H30-06, Accessed: 2024-09-22.
Rylková K, Kalous L, Bohlen J, Lamatsch DK, Petrtýl M (2013) Phylogeny and biogeographic history of the cyprinid fish genus Carassius (Teleostei: Cyprinidae) with focus on natural and anthropogenic arrivals in Europe, Aquaculture, 380-383, 13-20, DOI: 10.1016/j.aquaculture.2012.11.027, accessed: 2024-09-22.
信濃教育會編 (1939) 第二課 敬神崇祖、in 青年學校終身及公民教科書巻一-本科男子五年制用、p.8-14、PDF: , accessed: 2024-09-23.

トチカガミ科の写真整理

 トチカガミ科(Hydrocharitaceae)は、18属約120種からなる水生植物のグループで、ハナイ科が姉妹群と推定されていてオモダカ目の所属になっています(Chen et al.,2022; APG-IV,2016)。我国でのトチカガミ科の多くの種は絶滅が危惧されていて、クロモ(Hydrilla verticillata)もその例ですが、その原因は北米から帰化したオオカナダモ、コカナダモの分布拡大が影響したと考えられています(沖ら,1989)。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【オモダカ目(Alismatales)の系統関係】Chen et al.(2022)
カワツルモ科(Ruppiaceae)は試料が供試されなかったため記載がありません。

  ┌オモダカ科(Alismataceae)
 ┌┤┌トチカガミ科(Hydrocharitaceae)
 │└┴ハナイ科(Butomaceae)
┌┤    ┌┬ヒルムシロ科(Potamogetonaceae)
││   ┌┤└アマモ科(Zostraceae)
┤│  ┌┤└┬ベニアマモ科(Cymodoceaceae)
││ ┌┤│ └ポシドニア科(Posidoniaceae)
││┌┤│└マウンディア科(Maundiaceae)
│└┤│└シバナ科(Juncaginaceae)
│ │└ホロムイソウ科(Scheuchzeriaceae)
│ └レースソウ科(Aponogetonacaeae)
└┬サトイモ科(Araceae)
 └チシマゼキショウ科(Tofieldiacaeae)

【トチカガミ科(Hydrocharitaceae)の系統関係】Chen et al.(2012)

  ┌クレードA(Clade A)
  ││ ┌┬ウミヒルモ属(Halophila)      ┐
  ││ │└┬ウミショウブ属(Enhalus)     ├海草
  ││┌┤ └リュウキュウスガモ属(Thalassia) ┘(Seagrasses)
 ┌┤│││ ┌クロモ属(Hydrilla)
 ││└┤│┌┤┌ネカマンドラ属(Nechamandra)
 ││ │└┤└┴セキショウモ属(Vallisneria)
┌┤│ │ └イバラモ属(Najas)
│││ └┬リムノビウム属(Limnobium)
│││  └トチカガミ属(Hydrocharis)
┤│└クレードB(Clade B)
││ │  ┌アパランテ属(Apalanthe)
││ │ ┌┴┬オオカナダモ属(Egeria)
││ │┌┤ └コカナダモ属((Elodea)
││ └┤└┬ミズオオバコ属(Ottelia)
││  │ └スブタ属(Blyxa)
││  └ラガロシフォン属(Lagarosiphon)
│└ストラティオテス属(Stratiotes)
└ハナイ科ハナイ属(Butomus)Out group

【オモダカ目(Alismatales) トチカガミ科(Hydrocharitaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
トチカガミ属 Hydrocharis
トチカガミ トチカガミ
Hydrocharis dubia Asian Frogbit
クロモ属 Hydrilla
クロモ クロモ
Hydrilla verticillata Esthwaite Waterweed
セキショウモ属 Vallisneria
コウガイセキショウモ コウガイセキショウモ
Vallisneria X pseudorosulata Tape Grass
オオカナダモ属 Egeria
オオカナダモ オオカナダモ
Egeria densa Large-flowered Waterweed

【文献】
Chen L-Y, Lu B, Morales-Briones DF, Moody ML, Liu F, Hu G-W, Huang C-H, Chen J-M and Wang Q-F (2022) Phylogenomic Analyses of Alismatales Shed Light into Adaptations to Aquatic Environments, Mol Biol Evol, 39(5):msac079, DOI: 10.1093/molbev/msac079, Accessed: 2023-09-15.
Chen L-Y, Chen J-M, Gituru RW and Wang Q-F (2012) Generic phylogeny, historical biogeography and character evolution of the cosmopolitan aquatic plant family Hydrocharitaceae, BMC Evol Biol, 12:30, DOI: 10.1186/1471-2148-12-30, Accessed: 2023-09-15.
沖陽子、今西競、中川恭二郎 (1989) 沈水雑草オオカナダモ,クロモ,コナダモの生育環境及び外部形態の変異性に関する研究、農學研究, 62(1), 31-48, URL: https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5/51165/20160528105547132020/bbr_62_1_031_048.pdf, Accessed: 2023-09-15.
藤井伸二, 勝山輝男, 狩山俊悟 and 牧 雅之 (2027) コウガイセキショウモの野生化個体群を神奈川県と岡山県に記録する, Bunrui, 17(1), 43-47, DOI: 10.18942/Bunrui.01701-05, Accessed: 2024-09-21.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.

海の公園から泥牛庵へ

 何か藻類の写真が撮れればと思い、海の公園を尋ねました。

 【生物の系統概要】【真核生物】【シダ類】【裸子植物】【被子植物】【菌類】【哺乳類】【鳥類】【昆虫類】 【節足動物】 【軟体動物】【後生動物


【参考】○:本日、初撮影種
 センニンソウ Clematis terniflora
 メナダ Planiliza haematocheilus
 デュランタ Duranta erecta
 エノコログサ Setaria viridis
 ノウゼンカズラ Alstroemeria aurea
○ウミニナ Batillaria multiformis
○イワフジツボ Chthamalus challengeri
 マガキ Crassostrea gigas
 未来へのタマゴ(作者:日本造形)
  これは、宇宙・生命・自然など、あらゆる意味を秘めている。「さあ、何が生まれてくるのかな?」次代を担うタマゴ達へ贈ります。 平成5年3月
 コノテガシワ Platycladus orientalis
 ムラサキナツフジ Callerya reticulata
○カワラヒワ Chloris sinica
 カリン Pseudocydonia sinensis
 レモン Citrus limon
○トチカガミ Hydrocharis dubia
○アズマザサ Sasaella ramosa
 アレチヌスビトハギ Desmodium paniculatum
 メリケンカルカヤ Andropogon virginicus
 マテバシイ Lithocarpus edulis
○アナアオサ Ulva australis
 ハマボウ Hibiscus hamabo
 カランコエ Kalanchoe blossfeldiana
 ゴシキトウガラシ Capsicum annuum
 サンショウモ Salvinia natans
 クルクマ・ペティオラタ Curcuma petiolata
 クルクマ・シャローム Curcuma alismatifolia
 キムネクマバチ Xylocopa appendiculata
 ネズミモチ Ligustrum japonicum
 ヤマアジサイ ‘光月’ Hydrangea serrata ‘Kogetau’
  一重額咲き。鋸葉があり、弁は重なる。葉が乳白色になる独特の品種。新葉は緑色だが、その後六月頃から乳白色に変化し、十一月頃まで葉色を楽しめる。
 瀬戸神社のカヤ Torreya nucifera:横浜市指定名木古木 No.48137
 吼月山(くげつさん)泥牛庵:金沢区瀬戸11-1
 石塔群(庚申、馬頭観音、青面金剛、猿田彦):
 ハス Nelumbo nucifera
 ウキクサ Spirodela polyrhiza
 スイレン Nymphaea sp.
○クロモ Hydrilla verticillata
○ラセンイ Juncus effusus ‘Spiralis’
 エノキグサ Acalypha australis
○セスジスズメ Theretra oldenlandiae
 カラムシ Boehmeria nivea
 アオツヅラフジ Cocculus trilobus
 タマシダ Nephrolepis cordifolia (の貯水球)
 メドハギ Lespedeza cuneata


【文献】
加戸隆介 (2023) 日本沿岸の人工構造物に付着するフジツボ類の形態的特徴と分布(前編), 海生研ニュース, (160), 4-7, URL: https://www.kaiseiken.or.jp/study/lib/news160kaisetu.pdf, Accessed: 2024-09-14.
加戸隆介 (2024) 日本沿岸の人工構造物に付着するフジツボ類の形態的特徴と分布(後編), 海生研ニュース, (161), 5-8, URL: https://www.kaiseiken.or.jp/study/lib/news161kaisetu.pdf, Accessed: 2024-09-14.
金末姫・山口寿之 (1996) イワフジツボおよびオオイワフジツボ(蔓脚亜綱,完胸目,イワフジツボ科)の幼生発生と類縁関係, Marine Fouling, 12(2), 1-23, DOI: 10.4282/sosj1979.12.2_1, Accessed: 2024-09-14.


  泥牛庵縁起
開基 北條高時(鎌倉幕府第十四代執権)
開山 南山士雲禅師(鎌倉円覚寺第十一世)
開創 正中二年(一三二五年)
移転 元禄年間
 米倉家柳沢吉保六男を養子に迎え皆川藩より転封、金沢六浦藩陣屋創設に当たり現在の京急金沢駅裏谷戸の旧寺領より現在地へ移転となる。
本尊 聖観世音菩薩(北條高時公護守仏)
脇仏 子育て地蔵尊(元六浦地蔵堂本尊)下野国小山家遺児供養仏


  泥牛庵庚申塔
道教由来の更新思想により庚申塔は江戸時代街道の整備と共に全国の寺社の辻付近に多く建てられるようになりました。通行人の道中安全や疫病、災害を防ぐ意味と、また六十日に一度訪れる庚申の日に体内の三尸の虫が天帝に人間の罪悪事を告げ口に行くことを阻止するために一晩中皆衆が集まり夜を明かした場所にもなりました。当庵の庚申塔は豊れ九年間に据えられたもので正面左から三猿像、馬頭観音塔、青面金剛塔、猿田彦神塔の順に並んでいます。

腕足動物門(Brachiopoda)の系統概要

 腕足動物門(Brachiopoda)は古生代が始まる前から生息していたグループで、古生代ペルム紀末、そして中生代白亜紀末の大絶滅にも生き延びた生物群です(Carlson,2016)。かつては、ホウキムシ綱(Phoronidea)コケムシ綱(Bryozoa)とともに腕足綱(Branchiopoda)として触手動物門(Tentaculate)に置かれていましたが、現在では3綱とも独立の門に格上げされています。
 外見は二枚貝によく似ていますが、二枚貝の殻が左右に着くのに対して、腕足類の殻は背側(Dorsal)と腹側(Ventral)に配置するのが大きな違いで、背側の基部から肉茎(Pedicle)と呼ばれる組織が背側に出て、これで基質に付着する種が多いとされています(Carlson,2016)。
 これまで記載されてきた腕足動物の95%以上は化石種であり(Carlson,2016)、現生種は約350種と言われています(池田・倉持,1997)。軟体動物の貝殻の主成分は炭酸カルシウムですが、腕足動物の貝殻の主成分はリン酸カルシウム(calcium phosphate)である種もあり(Luo et al.,2015)、殻の成分による分類も試みられたことがあるようですが、系統との関係は明らかではないようです。

 【生物の系統概要】【真核生物】【シダ類】【裸子植物】【被子植物】【菌類】【哺乳類】【鳥類】【昆虫類】 【節足動物】 【軟体動物】【後生動物


【腕足動物門(Brachiopods)の系統概要】Carlson(2016)、†:絶滅目

┌他の冠輪動物(Lophotrochozoan)
│  ┌舌殻亜門(Linguliformea)
│  ││┌舌殻綱(Lingulata):リン酸カルシウムの殻
┤  ││││┌アクロトレタ目(Acrotretida)(†)
│  │└┤└┤┌シャミセンガイ目(Lingulida)
│ ┌┤ │ └┴シフォノトレトラ目(Siphonotretida)(†)
│ ││ └パテリナ綱(Paterinata)
│ ││  └パテリナ目(Paterinida)(†)
│ │└頭殻亜門(Craniiformea)
│┌┤ └┬頭殻綱(Craniata):炭酸カルシウムの殻
│││  └┬頭殻目(Craniida)
└┤│   └┬クラニオプス目(Craniopsida)(†)
 ││    └トリメレラ目(Trimerellida)(†)
 │└?箒虫動物(Phoronida)
 │┌オボレラ綱(Obolellata)(†)
 └┼キレータ綱(Chileata)(†)
  ├クトルギナータ綱(Kutorginata)(†)
  └┬ストロフォメナ綱(Strophomenata)(†)
   └嘴殻綱 (Rhynchonellata)(†):リン酸カルシウムの殻
    └新有関節クラウンクレード(Neoarticulata crown clade)
     │┌ペンタメルス目(Pentamerida)(†)
     └┤┌┬クチバシチョウチン目(Rhynchonellida)
      ││└┬アトリパ目(Atrypida)(†)
      └┤ └┬ホウズキガイ目(穿殻目)(Terebratulida)
       │  └アチリス目(Athyridida)(†)
       │┌テキデラ目(Thecideida)
       └┼スピリファー目(Spiriferida)(†)
        └スピリフェリニダ目(Spiriferinida)(†)

【腕足動物門(Brachiopoda) 嘴殻綱(Rhynchonellata) ホウズキガイ目(穿殻目)(Terebratulida)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
テレブラタリア科(Terebrataliidae) テレブラタリア属(Terabratalia)
カメホウズキチョウチン カメホウズキチョウチン
Terabratalia coreanica (Lamp Shell)
フレヌリア科(Frenulinidae) フレヌリア属(Frenulina)
フレヌラソデガイ フレヌラソデガイ
Frenulina sanguinolenta

【文献】
Carlson SJ (2016) The Evolution of Brachiopoda, An Rev Earth Planet Sci, 44, 409–438, DOI: 10.1146/annurev-earth-060115-012348, Accessed: 2024-09-03.
Hatai K (1936) A note on a recent Branchiopod, Frenulina sanguinolenta (Gmelin), with Remarks in the Subfamily Dallininae Beecher, Venus, 6(1), 1-14, DOI: 10.18941/venusomsj.6.1_1, accessed: 2024-09-04.
池田等・倉持卓司 (1997) 相模湾から採集された腕足類, 神奈川自然誌資料 (18), 39-44, DOI: 10.32225/nkpmnh.1997.18_39, accessed: 2024-09-02.
Saito M (1996) Early loop ontogeny of some Recent laqueid brachiopods, Trans Proc Palaeont Soc Japan, 183, 485-499, URL: https://www.palaeo-soc-japan.jp/download/TPPSJ/TPPSJ_NS183.pdf, accessed: 2024-09-04.
Saito M and Endo K (2001) Molecular phylogeny and morphological evolution of laqueoid brachiopods, Paleontol Res, 5(2), 87-100, DOI: 10.2517/prpsj.5.87, Accessed: 2024-09-04.
内田亨監修 (1979) 新編日本動物圖鑑、793p, 北龍館、東京.
Luo Y-J, Takeuchi T, Koyanagi R, Yamada L, Kanda M, Khalturina M, Fujie M, Yamasaki S, Endo K and Satoh N (2015) The Lingula genome provides insights into brachiopod evolution and the origin of phosphate biomineralization, Nature Communications, 6:8301, URL: https://www.nature.com/articles/ncomms9301, Accessed: 2024-09-05.

有孔虫門(Foraminifera)の系統概要

 有孔虫は5億4200万年前に始まった古生代カンブリア紀初期の地層に化石の証拠が残されているグループで、主として炭酸カルシウムから形成される殻(Test)と網状仮足(Reticulopodia)を持つアメーバ様の細胞から構成されています。殻に仮足を出すための無数の穴があることから有孔虫と呼ばれるのですが、この殻が石灰質でない、または殻を持たない種もあり、この様な化石には残りにくい現生種の遺伝子解析の結果、現在では近縁と考えられている褐藻や珪藻などからの分岐年代は11億5千万年前から6億9千万年前という推定も報告されています(Pawlowski et al,2003)。
 有孔虫は化石種を含めると1440属3万4000種以上、現生種に限ると約4000種が記載されていると言われます(高柳・今島,1998)。このうち化石種、特に年代によって構成種の交代が明瞭なフズリナ目は古生代の示準化石として重要です。有孔虫には浮遊性と底生性のグループがありますが、いずれも水中二酸化炭素の固定に大きく寄与しているので、放散虫類、貝類、珊瑚類などと同様に、その消長が地球温暖化に影響することが危惧されるグループでもあります。

 【生物の系統概要】【真核生物】【シダ類】【裸子植物】【被子植物】【菌類】【哺乳類】【鳥類】【昆虫類】 【節足動物】 【軟体動物】【後生動物


【有孔虫門(Foraminifera)周辺の系統概要】Cavalier-Smith et al(2018)
 有孔虫門は単系統であり放散虫門が姉妹群と考えられていますが、それらの上位系統はコンセンサスが得られているとは限りません。ここでは、Adl et al.,2019)の整理
とは異なる提案の一例を示しておきます。

クロミスタ(Chromista)
│┌ハロサ亜界(Harosa = SAR)
└┤│┌リザリア(Rhizaria)
 │││├ケルコゾア門(Cercozoa)
 │└┤│├レティクロフィロサ(Reticulofilosa)
 │ ││└モナドフィロサ(Monadofilosa)
 │ │└レタリア(Retaria)
 │ │ ├エンドミクサ門(Endomyxa)
 │ │ └エクトレタ(Ectoreta)
 │ │  ├放散虫門(Radiozoa)
 │ │  └有孔虫門(Foraminifera)
 │ └ハルバリア(Halvaria)
 │  ├不等毛類(Heterokonta)≒Stramenopiles:褐藻、珪藻など
 │  └アルベオラータ(Alvoelara):ゾウリムシ、夜光虫など
 └ハクロビア(Hacrobia)
  ├クリプチスタ門(Cryptista)
  └ハプチスタ門(Haptista):円石藻など

【有孔虫門(Foraminifera)の分類概要】Pawlowskia et al.(2013)
遺伝子配列も加味した分類の一例です。
モノタラミド類(Monothalamids)
 殻室は単独で有機質または膠着質により形成される。側系統と考えられている。
  アログロミア目(Allogromiida)
  アストロリザ目(Astrorhizida)
  クセノフィオフォラ目(Xenophyophorea)
チューボタラーム綱(Tubothalame)
 殻は複数の管状の室から構成されていて石灰質により形成される。
  ミリオリア目(Miliolida)
  スピリリナ目(Spirillinida)
グロボタラメア綱(Globothalamea)
 殻は複数の球状の室から構成されていて石灰質により形成される。
  ロタリア目(Rotaliida)
  ロベルティナ目(Robertinida)
  テクスツラリア目(Textulariida目)
  カルテリナ目(Carterinida目)
所属不明の目
  ラゲナ目(Lagenida)
  フズリナ目(Fusulinida)
  インヴォルティナ目(Involutinida)

【リザリア下界(Rhizaria) 有孔虫門(Foraminifera) 有孔虫綱(Foraminifera) ロタリア目(Rotaliida)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
カルカリナ科(Calcarinidae) バキュロジプシナ属(Baculogypsina)
星の砂:ホシズナの殻 星の砂:ホシズナの殻
Baculogypsina sphaerulata Star Sand
カルカリナ科(Calcarinidae) カルカリナ属(Calcarina)
太陽の砂:カルカリナ属の一種の殻 太陽の砂:カルカリナ属の一種の殻
Calcarina sp. Sun Sand
ソリテス科(Soritidae) ゼニイシ属(Marginopora)
ゼニイシ属の一種の殻 ゼニイシ属の一種の殻
Marginopora sp. (Marginopora)

【リザリア下界(Rhizaria) 有孔虫門(Foraminifera) ポリタラメア綱(Polythalamea) フズリナ目†(Fusulinida)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
シュワゲリナ科(Schwagerinidae) トリティシーテス亜科(Triticitinae) トリティシーテス属(Triticites)
トリティシーテス属の一種(化石) トリティシーテス属の一種
Triticites sp. (Fusulina)
トリティシーテス属は、古生代カシモビアン(Kasimovian):3億700万年前から3億370万年前に生息していた(Ueno,2021)有孔虫で、かつてはフズリナ科シュワゲリナ亜科とされましたが、近年ではシュワゲリナ科に格上げされています。

【文献】
Pawlowski J, Holzmann M, Berney C, Fahrni J, Gooday AJ, Cedhagen T, Habura A and Bowser SS (2003) The evolution of early Foraminifera, PNAS, 100(20), 11494-11498, DOI: 10.1073/pnas.203513210, Accessed: 2024-09-11.
Cavalier-Smith T, Chao EE and Lewis R (2018) Multigene phylogeny and cell evolution of chromist infrakingdom Rhizaria: contrasting cell organisation of sister phyla Cercozoa and Retaria, Protoplasma, 255, 1517–1574, DOI: 10.1007/s00709-018-1241-1, Accessed: 2024-09-08.
Pawlowskia J, Holzmanna M and Jarosław Tyszka J (2013) New supraordinal classification of Foraminifera: Molecules meet morphology, Mar Micropaleontol, 100, 1–10, DOI: 10.1016/j.marmicro.2013.04.002, Accessed: 2024-09-09.
藤田和彦 (2001) 星砂の生物学、みどりいし、(12)、26-29、URL: https://www.amsl.or.jp/midoriishi/1208.pdf, Accessed: 2024-09-08.
藤田和彦 (2013) サンゴ礁海域に分布する大型底生有孔虫の生態, Jap Coral Reef Soc, 15. 57-77, 10.3755/jcrs.15.57, Accessed: 2024-09-13.
Ueno K (2021) Carboniferous fusuline Foraminifera: taxonomy, regional biostratigraphy, and palaeobiogeographic faunal development, In Lucas SG, Schneider JW, Wang X and Nikolaeva S eds, The Carboniferous Timescale, Geological Society, London, Special Publications, 512, 327–496, DOI: https://doi.org/10.1144/SP512-2021-107, Accessed: 2024-09-08.
Adl SM, Bass D, Lane CE, Lukeš J , Schoch CL, Smirnov A, Agatha S, Berney C, Brown MW, Burki F, Cárdenas P, Čepička I, Chistyakova L, Campo Jd, Dunthorn M , Edvardsen B, Eglit Y, Guillou L, Hampl V, Heiss AA, Hoppenrath M, James TY, Karnkowska A, Sergey Karpovh,ab, Eunsoo Kimx, Koliskoe M, Kudryavtsev A, Lahr DJG,Lara E, Gall LL, Lynnag DH, Mann DG, Massan R, Mitchell EAD, Morrow C, Park JS, Pawlowski Powell MJ, Richter DJ, Rueckert, Shadwick L, Shimano S, Spiegelar FW, Torruella G, Youssef N, Zlatogurskyh V and Qianqian Zhangaw Q (2019) Revisions to the Classification, Nomenclature, and Diversity of Eukaryotes, J Eukaryot Microbiol, 66, 4-119, DOI: 10.1111/jeu.12691, Accessed: 2024-01-11.

隠翅目(Siphonaptera)の系統概要

 隠翅目(Siphonaptera)は、長翅(シリアゲムシ)目のユキシリアゲムシ亜目が姉妹群と考えられていて、16科2500種以上が記載されています(Whiting,2008)。翅を二次的に失ったノミのグループが単系であることは間違いないようですが、長翅目との入れ子関係が認められるので、将来的には長翅目内に移されるかも知れません。
 生きた蚤の類は、40年ほど前に1頭だけ捕獲したことがあったのですが、特に珍しいとも思わず、標本にしてはいませんでした。写真は目黒寄生虫館で展示されている模型で、雄のヒトノミと思われます。
 【昆虫綱の分類概要】 【陸上植物の分類概要】【動物界(Animalia)の系統概要】【真核生物(Eukaryota)の系統概要


【隠翅(ノミ)目(Siphonaptera)の系統概要】(Whiting,2008)
┌外群:ユキシリアゲムシ科(Boreidae)
┤ ┌スナノミ科(Tunigidae)
│ │ ┌ピジオプシロモルファ下目(Pygiopsyllomorpha)
│ │ │ │┌リュコプシラ科(Lycopsyllidae)
│┌┤ │ └┴┬ピジオプシラ科(Pygiopsyllidae)
│││┌┤   └スティヴァリ科(Stivaliidae)
││└┤│ ┌マラコプシルラ科(Malacopsyllidae)
└┤ │└┬┴コプトプシュラ科(Coptopsyllidae)
 │ │ └クテノフタルムス科(Ctenophthalmidae)
 │ │┌ゴブリンノミ科(Stephanocircidae)
 │ └┤┌┬ヒストリコシラ科(Hystrichopsyllidae)
 │  ││└クテノフタルムス科(Ctenophthalmidae)
 │  └┤ ┌┬クテノフタルムス科(Ctenophthalmidae)
 │   │┌┤└ヴァーミプシラ科(Vermipsyllidae)
 │   └┤└ロパロプシル科(Rhopalopgyllidae)
 │    │┌┬クテノフタルムス科(Ctenophthalmidae)
 │    └┤└ヒプソフタルミ科(Hypsophthalmidae)
 │     └クテノフタルムス科(Ctenophthalmidae)
 │ ┌キマエロプシルルス科(Chimaeropsyllidae)
 └┬┴ヒトノミ科(Pulicidae)
  └ケラトプスシロモルファ下目(Ceratopsyllomorpha)
    └┬レプトプシルラ科(Leptopsyllidae)
     └ナガノミ上科(Ceratopsyllidea)

【ヒトノミ科(Pulicidae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ヒトノミ科(Pulicidae) ヒトノミ属Pulex
ヒトノミ(♂)模型 ヒトノミ(♂)模型
Pulex irritans Human Flea

(蝋模型の)製作者・沼田 仁吉(ぬまた じんきち)
 沼田は1915年の帰国直後から、北里研究所の技師として長らく従事していた。(目黒寄生虫館)初代館長で医師の亀谷 了(かめがい さとる)とは、戦後、診療所に通う患者として交流を深めた。1953年に当館が創設されると、展示用として寄生虫の蝋模型を製作、寄贈した。
 沼田の作品は当館所蔵の35点の他、北里柴三郎記念館(東京都港区)所蔵の15点が確認されている。


【文献】
Whiting MF, Whiting AS, Hastriter MW, Dittmar K (2008). A molecular phylogeny of fleas (Insecta: Siphonaptera): origins and host associations, Cladistics, 24, 677-707, DOI: j.1096-0031.2008.00211.x.
University of Florida, human flea, URL: https://entnemdept.ufl.edu/Creatures/URBAN/MEDICAL/human_flea_Pulex_irritans_Linnaeus.htm, Accessed: 2024-09-08.

寄生虫館(目黒)と『きらら舎』(東十条)

 今日は、午前中に目黒寄生虫館に寄った後、注文品を受け取りにきらら舎へ行ってきました。


【参考】〇は初撮影種


 大鳥神社
 イチョウ Ginkgo biloba (大鳥神社神木)
 切支丹灯籠
 オニドコロ Dioscorea tokoro
 コムラサキ Callicarpa dichotoma
〇ホザキナナカマド Sorbaria sorbifolia
〇クジラヒジキムシ Pennella balaenopterae
 ヒトノミ Pulex irritans ♂ (模型:目黒寄生虫館)


 初音ミク(ポカリスエット・コラボ)


 (あずま)軒:残念ながら、店主の足の具合がよくないとのことで閉店中でした。
〇オオクサキビ Panicum dichotomiflorum
 きらら舎
 柏木神社
 ムベ Stauntonia hexaphylla
 アメリカノウゼンカズラ Campsis radicans
 オジギソウ Mimosa pudica
〇リュウキュウアオイ Corculum cardissa (軟体動物門二枚貝綱ザルガイ目)
〇フレヌラソデガイ Frenulina sanguinolenta ビサヤ諸島ボホール島周辺海域産(腕足動物門)
〇トリティシーテス属の一種(フズリナの化石) Triticites sp. (有孔虫門)
 トリティシーテス属は、古生代カシモビアン(Kasimovian):3億700万年前から3億370万年前に生息していた(Ueno,2021)有孔虫で、写真の標本は米国ネブラスカ州で採集されたものをきらら舎でお譲りいただきました。
〇ゼニイシ Marginopora sp.
〇太陽の砂:カルカリナ属の一種の殻 Calcarina sp. 星の砂(ホシズナの殻) Baculogypsina sphaerulata
 形が記憶と異なるので念のため調べたところ、ホシズナとは別種でした。ただし、タイヨウノスナとホシズナの殻を合わせて星の砂と呼ぶこともあるそうですので、一般名としては『星の砂』でも間違いではありません。こちらもきらら舎で購入。


  大鳥神社
     下目黒3-1-2
 この神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征にゆかりがあるといわれるこの地に、大同元年(806)創建された区内最古の神社です。江戸地図として古いものとされる「長禄江戸図」に書かれている古江戸9社の1つで、目黒村の総鎮守でもありました。祭神は日本武尊を主神とし国常立尊(くにとこたちのみこと)弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)を合祀しています。
 毎年11月に開かれる酉の市は、東京では古いものの1つといわれており、現在も都内では有数の賑いをみせています。この一のいわれは日本書紀に「十月己酉(つちのととり)に日本武尊を遣わして、熊襲を撃つ」とあり、尊の出発日が酉の日であったことから、おこったと伝えられています。
 毎年9月の例大祭には、目黒通りに大小30余基の町みこしが勢揃いします。それとともに社殿では「大々(だいだい)神楽・剣の舞」が奉納されます。11月の酉の市には、「大々神楽・熊手の舞」が神前で舞われます。
 境内には、東京都の天然記念物に指定された「オオアカガシ」の老木や三猿だけの延宝塔、元禄時代(1688~1703)や宝永年間(1704~1710)の屋根付庚申塔など5基の石造物もあります。また、俗に切支丹灯籠といわれる「織部式灯籠」や、天保6年(1835)の酉の市に神楽を奉納した記念碑などもあります。
     平成7年3月
     目黒区教育委員会


東京都指定天然記念物
 大鳥神社のオオアカガシ
    所在地  目黒区下目黒三の一のニ
    指定   昭和三八年三月一九日
    指定解除 平成二四年三月二一日
 大鳥神社境内に生育していたオオアカガシは、基本種のアカガシに比べ非常に大きく、薄い葉を茂らせ、また、雄花穂の花軸はアカガシより太く長く、苞や果実も大きいという特徴からアカガシの変種とみなされました。新変種名の基準となった本樹は、学術上貴重な樹木として、昭和三八年に東京都の天然記念物に指定されました。本樹の枝葉は、現在でもオオウカガシCtclebalnopsis scuta (Thimb.) Oerst. var. megaphylla Hayashi var. nov. のタイプ標本として、国立科学博物館筑波実験植物園に保管されています。
 指定時に樹高約一六メートル、幹周り一・六メートルあった本樹は、生育環境の変化等により昭和五〇年代初め頃から樹勢の衰退がはじまり、数回にわたる樹勢回復事業も実施されましたが、平成一四年枯死が確認されました。またも後継樹育成のため挿し木により増殖も試みましたが、成功せず、平成二四年に指定解除されました。
 ここに説明版を設置し、都内でも学術上貴重な名木が存在したことを後世に伝えるものです。
 平成二四年三月 建設 東京都教育委員会


「御神木」
 年代不詳の昔から武蔵野の名木と知られ昭和5年、熱心な町民運動の末、境内に献木される。昭和20年の空襲に見舞われるも復活した奇跡の大銀杏である。


  大鳥神社御由緒
御祭神 主祭神 日本武尊(やまとたけるのみこと) 景行(けいこう)天皇の皇子で、熊襲討伐、東国の蝦夷を平定
    相殿神(あいどののかみ)
        国常立尊(くにとこたちのみこと) 日本の国開きの神様
        弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと) 日本武尊の妃
  御由緒  例祭 九月九日に近い日曜日
 景行天皇の御代(七一~一三〇)当所に国常立尊を祀った社がありました。景行天皇の皇子である日本武尊は、天皇の命令で熊襲を討ち、その後、東国の蝦夷を平定しました。この東夷征伐の折当社に立寄られ、東夷を平定する祈願をなされ、また部下の「目の病」の治らんことをお願いされたところ、東夷を平定し、部下の目の病も治ったことから、当社を盲神(めくらがみ)と称え、手近に持っておられた十握剣(とつかのつるぎ)を当社に献って神恩に感謝されました。この剣が天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)で、現在当社の社宝となっています。
 東征の後、近江伊吹山の妖賊を討伐になられましたが、病を得て薧ぜられました。日本書紀に「尊の亡骸を伊勢の能褒野(のばの)に葬したところ、その陵より尊の霊が大きな白鳥となられ倭国を指して飛ばれ、倭の琴弾原(ことひきのはら)、河内の舊市邑(ふるいちむら)に留まり、その後、天に上られた」とあり、このことからも日本武尊を鳥明神と申す訳です。当社の社伝によると「尊の霊が当地に白鳥としてあらわれ給い、鳥明神として祀る」とあり、大同元年(八〇六)社殿が造営されました。当社の社紋が鳳の紋を用いているのはこのためです。江戸図として最も古いとされる長禄の江戸図(室町時代)に当社は鳥明神として記載されております。
  酉の市(八つ頭と熊手の由来)
 当社の酉の市は都内でも古く、江戸時代に始まります。酉の市が毎年十一月の「酉の日」に行われるのは、尊の熊襲討伐の出発日が酉の日だった為その日を祭日としました。酉の日の当日、御神前に幣帛として「八つ頭」と「熊手」を奉献します。「八つ頭」は尊が東征の時、八族の各頭目を平定された御功業を具象化したもので、「熊手」は尊が焼津で焼討ちに遭われた時、薙ぎ倒した草を当時武器であった熊手を持ってかき集めさせ、その火を防ぎ、向火(むかえび)をもって賊を平らげ、九死に一生を得た事を偲び奉るためのものです。ここから古来より、「八つ頭」は人の上に立つように出世できるという縁起と結びつき、「熊手」は家内に宝を掻き込むという意味で縁起物として広く信仰を集めました。大鳥神社の社名「おおとり」は、「大取」に通ずる為、宝物を大きく取り込むという商売繁盛開運招福の神様として、多くの人達の信仰を集めております。また、酉の市当日はね社殿において、この縁起のもとになる「開運熊手守」が授与されます。


  切支丹灯籠
 かつて肥前島原藩主松平主殿頭(まつだいらとのものかみ)の下屋敷にあったものと伝えられる。後に境内へ移されたもの。竿石の下部に刻まれた像には足の表現がなく、イエス像を仏像形式に偽装した珍しい型の織部灯籠である。キリシタンへの弾圧と迫害が厳しくなった寛永・正保・慶安の頃から江戸中期にかけて作られたものと考えられる。他の宗教からも大鳥神社は、崇敬の念を持たれていたという事がわかる。


  柏木神社の由緒
 柏木神社は、元享年間(西暦一三二一~一三二四年)に現神谷三丁目の荒川の畔に、伊邪那美命を御祭神とする神谷の総鎮守神として建立されました。
 広く子孫繁栄と家庭円満、和楽を念じ、縁結びの神、安産の神として崇敬されると共に、荒川を行き来する舟の安全を祈る交通安全の神としても有名であった。
 その昔は、社域は広大で神楽殿もあり、樹木の聳える荘厳な森に囲まれ、神谷内外の人々で賑わっていましたがね大東亜戦争が激化するに伴い境内は軍需工場に接収され、昭和十八年十二月ね現神谷一丁目にあった須賀社の御祭神・須佐之男命わ合祀し、現在地に遷宮されました。
 その後、昭和五十四年八月、神谷内外の氏子有志の奉賛により現在の社殿が建立され、令和五年九月、永い歴史を受け継ぎ、創建七百年を迎えました。
  令和五年九月吉日
          宗教法人 柏木神社


【文献】
藤田和彦 (2001) 星砂の生物学、みどりいし、(12)、26-29、URL: https://www.amsl.or.jp/midoriishi/1208.pdf, Accessed: 2024-09-08.
Ueno K (2021) Carboniferous fusuline Foraminifera: taxonomy, regional biostratigraphy, and palaeobiogeographic faunal development, In Lucas SG, Schneider JW, Wang X and Nikolaeva S eds, The Carboniferous Timescale, Geological Society, London, Special Publications, 512, 327–496, DOI: https://doi.org/10.1144/SP512-2021-107, Accessed: 2024-09-08.
University of Florida, human flea, URL: , Accessed: 2024-09-08.