同じ職場のKさんから、『金澤八景の近くの住宅地のど真ん中に謎の母子像があるらしい』と伺いました。どうやらそれほど歴史のあるものではなさそうなので、最近埋め立てられた柳町だろうと予測をして、訪ねてみました。
柳町は、昭和41年(1966年)に完了した平潟湾埋立事業によって誕生した新しい街で、六浦川、侍従川、平潟湾に囲まれた地区ですが、件の母子像は整然とした区画のほぼ中央にすぐ見つかりました。
母子像の由来は下記のウェブサイトに詳しく記載されており、作者の清水多嘉示は、三笠公園の東郷平八郎像や八聖殿のキリスト像などの作成者でもあり、母子像は4体存在するそうです。
【碑文より】
母子像
この像は、昭和41年(1966年)史跡豊かな景勝の地、金澤八景に誕生した柳町のシンボルとして建てられました。
作者は、絵画・彫刻に多くの優れた作品を残した日本芸術院会員・文化功労者の清水多嘉示先生(1987年~1981年)です。近代彫刻の巨匠フランスのブールデルに師事した先生は、師の卓越した技を受け継ぎ、その作風は格調高く温かさと慈愛に満ちています。
この母子像も、平和を願う住民の気持ちを見事に表現しており、末永く柳町の発展を見守り続けることでしょう。
平成20年(2008年)全面的に修復が行われ、正式に宅地造成業者から横浜市に寄贈されました。
平成22年1月 柳町町内会