蓮、薔薇、擬宝珠など

 ハスの花の季節には早朝開園しているとのウェブ情報を見かけたので、朝一で大船フラワーセンターを尋ねました。
 ハス科 2023-06-18 現生植物 現生生物 後世動物
【本日更新のページ】バラ科 キジカクシ科 トケイソウ科 膜翅目 鞘翅目



 ウォレマイ・パイン Wollemia nobilis Wollemi Pine
 ハス Nelumbo spp.


大船フラワーセンターにハスが来た経緯
 大船フラワーセンターは2020年1月静岡県沼津市の本廣寺の関戸慈誠住職から約190品種のハスを譲り受けました。関戸住職は前任の蓮興寺(静岡県沼津市)で約30年間ハスを育ててきましたが、栽培の継続が困難になり、新しい担い手を探していらっしゃいました。2019年、当園の園長である榎本浩が栽培の引継ぎを申し出たところ、譲渡を快諾していただきました。
 2024年には大阪市のこの花咲くや館、及び蓮文化研究会から合計20品種のハスを譲り受けるなど、当園にて管理を行っていたハスと併せて、現在261品種のハスを園内に転じ字ています。


大賀ハス
 日本では非常に有名はハスで、1951年千葉の検見川の東京大学厚生農場の敷地内から縄文時代(約2000年前の地層)の丸木舟が発見され、大賀博士は多くの協力者を得て、その地下から3個のハスの実を発掘しました。そのうちの1個が発芽・開花しました。大賀博士にちなんで命名され平和のシンボルとして世界各国に株分けされています。花はピンク色で条線がぼやけており、葉の表面が触ると他の品種に比べてすべすべとした感触があります。別名「二千年蓮」。


珍しいハス
○植松家系
 沼津の植松家の代々受け継がれてきたコレクション。一般には出回っていないので名前が付いていません。植松家の祖先は武田氏の宿將須田朝重で、武田が敗れたあと、朝重の嫡男李重が天正十二年(1584)年に居を決め、沼津で開墾や植林にいそしみ花卉類の収集もしました。花長者として有名になり、庭も帯笑園と名付けられ江戸に下る公家や大名、または明治政府の官僚、皇后、皇太子などが立ち寄り花卉類と京文化の交換の場となりました。
○大石寺系
 日蓮宗総本山の大石寺で昔から受け継がれてきたハス。一般に出回っていません。「大石NO. 」というのがそのまま正式名称になっています。
○巨椋池系
 巨椋池とは戦前まではハスの名所として世に知られた池です。現在の京都市、宇治市、久世郡久御山町くみやままちにまたがり、面積約800ヘクタールにも及んだところでしたが、農地・水田として埋め立てられ、今はありません。現在交通の要衝ともなっています。
 池であった当時、面積100ヘクタールほどのハスの群生地が広がっていました。この広さは中国の著名な蓮池にも匹敵します。池跡地の田んぼを巡り採取した幼芽を育成した蓮が巨椋池系と呼ばれています。巨椋池系の品種は約90種類ほどあります。
大賀ハス(こども植物園)


ハス Nelumbo nucifera
 紅蜀蓮華しょっこうれん
 玉鶯ぎょくおう
 朱雀の舞姫すざくのまいひめ
 玉繍ぎょくしゅう
 玉繍蓮ぎょくしゅうれん
 喜上眉梢きじょうびしょう
 絢爛華けんらんか
 西村白にしむらしろ
 巨椋大島おぐらおおしま
 巨椋の曙おぐらのあけぼの
 巨椋の香おぐらのかおり
 巨椋瑞光おぐらずいこう
 巨椋の彩雨おぐらのさいう
 常楽じようらく
 春不老はるふろう
 多彩たさい
 輪王蓮りんのうれん
 美中心びちゅうしん(美中紅?)
 不忍池斑蓮しのばずのいけまだらはす 瑞姫みずひめ
 花火はなび
 黄陽きよう
 アルバ・グランディフローラ ‘AlbaGrandiflora’ (?)
 乗県碧蓮じょうけんへきれん
 天竺斑蓮てんじくまだらはす
 紅がにべにがに
 内側の縮れた花弁の形がカニの手のように見えることから「紅がに」と名付けられた。内田又男氏が育成したもの。中盤(荷鼻)の形は下の点々が大きく流れる模様となり、荷鼻から判断できるハスでもある。


 白白蓮びゃくはくれん
 悄英しょうえい
 舞妃蓮まいひれん
 大賀蓮と王子蓮の交配種、優雅な舞姿を連想させることから妃殿下にイメージを重ねて、「舞妃蓮」と名付けられる。昭和43年に東宮御所に献上された。


 飛舞蓮ひぶれん
 ローズプレナ ‘Rose Plena’
 丈炎の舞じようえんのまい
 常陸の曙ひたちのあけぼの
 大灑錦たいさいきん
 暁風涼月ぎょうふうりょうげつ
 西円寺青蓮さいえんじせいれん
 カロライナ・クイーン ‘Carolina Queen’
 ミセス・スローカム ‘Mrs. Slocum’
 玉葉黄ぎょくようき
 花雲淡紅かうんたんべに
 アメリカ黄蓮あめりかおうれん
 雲之霞くものかすみ
 オハイオ蓮おはいおばす
 漁山紅蓮ぎょざんこうれん
 花色は桃色で条線は鮮明。漁山は声明(僧が仏の徳をたたえて節をつけて唱える)の起源地として伝説に残る中国の地。DNA分析では、現在伝わる藤壺蓮、浄台蓮、漁山紅蓮、桜蓮は、同一と判定された。これらは、形質的にも極似している。


 古楚女こそめ
 大空蓮だいくうれん
 大内池おおうちいけ
 インド白蓮いんどびゃくれん
 仏足蓮ぶっそくれん
 明妃めいひ
 宮西みやにし
 友誼牡丹ゆうぎぼたん
 大賀蓮おおがはす(種子系)
 重水華ちょうすいか
 黄玉杯こうぎょくはい
 白万葉しろまんよう
 唐招提寺蓮とうしょうだいじれん
 玉泉寺妙蓮ぎょくせんじみょうれん
 奈良蓮ならばす
 白君子小蓮しろくんししょうれん (?) ペリーズ・ジャイアント・サンバースト “Perry’s Giant Sunburst”
 斑桃まだらもも (?)
 寿星桃じゅせいとう
 詩仙堂西湖蓮しせんどうさいこれん


 剣舞蓮けんぶれん
 毎葉蓮まいようれん
 花上りが非常に良いのが特徴。ハスは節から一対の葉と花を上げてくるが、実際には花の方はすべてが上がってくるわけではない。しかし、本品種はそのすべての葉ごとに花が上がるほど花付がいいという意味で毎葉蓮の名が付いた。


 御所車ごしょぐるま
 金輪蓮きんりんれん
 西福寺観世さいふくじかんぜ
 即非蓮そくひれん
 植松10
 大石寺23
 植松03
 植松02
 大石寺08
 植松19
 大石寺21
 粉松球ふんしょうきゅう
 (突然変異)
 紫玉蓮しぎょくれん
 赤大君子あかだいくんし
 天照爪紅てんしょうつまべに
 天嬌てんきょう
 廬山白蓮ろざんびゃくれん
 植松球うえまつきゅう
 神采しんさい
 碧翠蓮へきすいれん
 小舞妃しょうまいひ
 小金鳳しょうきんほう
 揚州碗蓮ようしゅうわんれん
 祥隆紅蓮しょうりゅうこうれん



バラ Rosa
 デンティ・ベス ‘Dainty Bess’
 ピース ‘Peace’
 ゴールデン・チャッピー ‘Golden Chappy’
 ピンク・サクリーナ ‘Pink Sakurina’
 カウンティ・フェア ‘County Fair’
 マチルダ ‘Matilda’
 シークレットロパフューム ‘Secret Perfume’
 ミセス・オークリィ・フィッシャー ‘Mrs. Oakley Fisher’
 フラウ・ホレ ‘Frau Holle’
 金蓮歩 ‘Kinrenpo’
 ティファニー ‘Tiffany’
 オリンピック・ファイヤー ‘Olympic Fire’
 桜貝 ‘Sakuragai’
○ロサ・ギガンテア Rosa giganrea Manipur Wild-Tea Rose
 ロサ・キネンシス・ミニマ Rosa chinensis var. minima
 イザヨイバラ Rosa roxburghii
 ノイバラ Rosa multiflora


日比谷花壇が管理するようになってから随分管理が良くなったフラワーセンターなのですが、古い説明版には信用できないものが残されている様です。

 レンゲギボウシ(黄覆輪) Hosta X fortunei
 コバギボウシ Hosta sieboldii syn. Hosta albo-marginata
 ギボウシ属の一種 Hosta sp.
 ホスタ・ウィリーニリィ Hosta cv. ‘Willy Nilly’
○マルバノタマカンザシ Hosta plantagina
 ホスタ・ハルシオン Hosta cv. ‘Halcyon’
 ホスタ・シャンデー Hosta cv. ‘Shandy’
 オハツキキボウシ(白覆輪) Hosta undulata var. Erromena
 ホスタ・シェードファンファーレ Hosta cv. ‘Sade Fanfare’
 タチギボウシ(黄中斑) Hosta sieboldii var. rectifolia Erect Hosta
 トクダマギボウシ(斑入り) Hosta sieboldiana var. condensata
 黄金姫トクダマ Hosta sieboldiana ‘Tokudama Aureonebulosa’
○スジボウシギ Hosta undulata Wavy Plantain Lily
 黄金コバギボウシ Hosta sieboldii ‘Ougon’
 オオバギボウシ Hosta sieboldiana
 ギボウシ属の一種 Hosta sp.
 ホスタ ‘武州錦’ Hosta ‘BushuNishiki’



 ヤマグルマ Trochodendron aralioides
 プラタナス Platanus sp.
 アエスクルス・パルウィフロラ Aesculus parviflora
○ニホンミツバチ Apis cerana japonica
○マメコガネ Popillia japonica
 シロタエギク Jacobaea maritima
 イヌタヌキモ Utricularia tenuicaulis
 ギャラックス・ウルセオラタ Galax urceolata
 ウォーターバコパ Bacopa caroliniana
 マルバデイゴ Erythrina crista-galli ‘Maruba-Deigo’
 ムサシアブミ Arisaema ringens
 ウラハグサ Hakonechloa macra
 ハアザミ Acanthus mollis
 ネムノキ Albizia julibrissin
 チョウセンアザミ(カルドン) Cynara cardunculus
 セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
 ヒマワリ Helianthus annuus
 カンレンボク Camptotheca acuminata
 テイキンザクラ ‘ホコバヤトロファ’ Jatropha integerrima
 キバナキョウチクトウ Thevetia peruviana
 ペトレア・ウォルビリス Petrea volubilis
 シクシン Combretum indicum
 キフゲットウ Alpinia zerumbet ‘Variegata’
 パイナップル Ananas comosus
○パッシフローラ・サンギノレンタ Passiflora sanguineolenta
○ステノカルプス・サリグヌス Stenocarpus salignus
 ケヤキ Zelkova serrata


【文献】
日本花蓮協会 (2015) 日本で栽培されている品種, URL: http://www.j-lotus.org/hanabunrui/7%20sirohitoe.htm, Accessed: 2025-06-30.
久保中央, 金子明雄, 山本和喜 (2015) SSRマーカーに基づく巨椋池系品種群を含む日本国内花蓮品種の分類, 育種学研究, 17, 45–54, DOI: 10.1270/jsbbr.17.45, Accessed:2025-06-30.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です