月別アーカイブ: 2018年11月

全縁と鋸歯縁のヤマモモ

ヤマモモ

ヤマモモ Morella rubraは、暖地に自生する常緑樹ですが、横浜周辺では街路樹や公園樹に使用されることが多く、身近な樹種の一つです。葉は通常は縁に鋸歯(ギザギザ)のない全縁ですが、幼木では不規則な鋸歯が現れるとされています。それなりに大きくなった樹でも下位葉では鋸歯の出ることもあり、今日は全縁葉と鋸歯葉をならべて撮影することができました。撮影のため摘み取ったのですが、そのまま捨ててしまうのは申し訳なく、持ち帰ってパウチしてみました。

中区、南区の名木古木を巡る-20181125

今日は、南区金刀比羅大鷲神社で三の酉の日だと聴き、訪ねてみました。このエリアにもいくつか横浜市指定の名木古木がありました。
【クスノキ:子神社】中区日ノ出町2丁目132


【イチョウ:新善光寺】南区三春台133


【ケヤキ、クスノキ、ヒマラヤスギ:お三の宮日枝神社】南区山王町5丁目32


横浜市指定名木古木
指定番号不明 クスノキ(子神社)
指定番号不明 イチョウ(新善光寺)
No.49214 ケヤキ(お三の宮日枝神社)
No.49217 クスノキ(お三の宮日枝神社)
No.49218 クスノキ(お三の宮日枝神社)
No.49219 クスノキ(お三の宮日枝神社)
No.49220 クスノキ(お三の宮日枝神社)
No.201052 ヒマラヤスギ(お三の宮日枝神社)
No.201053 ヒマラヤスギ(お三の宮日枝神社)


【蒔田の森公園】市南区蒔田町154-1
蒔田の森ブロンズ像(テン、タヌキ、キツネ、ニホンザル)


イチョウ:浦郷小学校


 その他、本日撮影の写真です。ほぼ満開の一重桜をみかけましたがも花弁の形が違うし、花数が多すぎるので、フユザクラ(Cerasus x parvifolia ‘Fuyu-zakura’)ではなそさうです。ハナカイドウも咲いていましたし、暖かさに誘われた恐らくは狂い咲きと思われます。


【参考】
クスノキ Cinnamomum camphora
ノキシノブ Lepisorus spp.
イチョウ Ginkgo biloba
ヒマラヤスギ Cedrus deodara
ケヤキ Zelkova serrata
ツチイナゴ Patanga japonica
シンビジウム Cymbidium spp.
ノボロギク Senecio vulgaris
サザンカ Camellia sasanqua
マテバシイ Lithocarpus edulis
イヌツゲ Ilex crenata
ルリマツリ Plumbago auriculata
ケヤキ Zelkova serrata
ヤマモモ Morella rubra
オオヒラタシデムシ Eusilpha japonica
イロハモミジ Acer palmatum
マンリョウ Ardisia crenata
能見堂(久良岐公園)
アセビ Pieris japonica
カマツカ Pourthiaea villosa
シチヘンゲ Lantana camara
エノキ Celtis sinensis
ヒメツルソバ Persicaria capitata
ハナカイドウ Malus halliana
メキシコハナヤナギ Cuphea hyssopifolia(ハクチョウゲに似た6弁花、Leptospermum sp.マヌカの類か?)
アブチロン・チロリアンランプ Abutilon megapotamicum
コバノランタナ Lantana montevidensis
ハゼラン Talinum crassifolium
マサキ Euonymus japonicus
ハキダメギク Galinsoga quadriradiata
ヤツデ Fatsia japonica
ニワフジ Indigofera decora
蒔田教会
中村八幡宮
ハナカンナ Canna spp.
サクラの一種 Cerasus spp.
酉の市(金刀比羅大鷲神社)
イヌホオズキ Solanum nigrum
イヌビユ Amaranthus blitum
ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus
道慶地蔵尊
ニーオン Leucophyllum frutescens
白侘助 Camellia wabisuke
上大岡駅前の電飾

初冬の大宮

 本日、訳あって大宮の実家へ…。帰り道に武蔵一之宮氷川神社を通り抜けました。


歴史解説No.1 開園当時の氷川公園
 大宮公園のはじまりは、地元の要望により明治十八年九月二二日に誕生した氷川公園です。
 開園に向けて県庁に二九名からなる世話掛が設置され。土地の実測や規則の制定等の作業が進められました。
 構想作成の過程では、専門家として招いた東京の庭師・佐々木可村の白鳥池周辺の松林を伐採する案に再考を促す一幕もあったそうです。休憩施設の「合翠楼」を建設したほか、四阿、ベンチ、遊歩道等が整備されました。
 当初、管理には県勧業課があたり管理費を捻出するため、二万尾の鯉の養殖(水質が合わず失敗に終わりました)や料亭への借地、伐採木の払い下げなどが行われました。
 その後、明治二四年九月から一時、管理は大宮町に移りましたが、財政的な配慮により明治三一年四月から再び県営公園となっています。
     平成二十年三月 大宮公園事務所
銅版画「氷川公園萬松棲高島之景」明治21年(青木忠雄所蔵)


【参考】
 氷川神社神橋
 氷川神社神池
 宗像神社
 氷川稲荷神社
 松尾神社
 武蔵一之宮氷川神社楼門
 土手町の椎の木
 イロハモミジ Acer palmatum
 メタセコイア Metasequoia glyptostroboides(白鳥池)
 イチョウ Ginkgo biloba
 スダジイ Castanopsis sieboldii

大宮から与野へ

 今日は実家を訪ねた折に、大宮から与野へと辿ってみました。

【土手町の椎の木】大宮区土手町1丁目32
 かつて中山道の宿場町として栄えた大宮宿の目印だったといわれるスダジイ2本です。小学校中学校時代の友人宅がすぐ近くなのですが、大宮に住んでいた当時は気づきもせず前を何度も通り過ぎていました。今もそれほど目立つわけではありませんが、グーグルマップの航空写真で確認すると、多子稲荷の社叢林と並んで、この地の重要な遺された自然であることがわかります。


大宮公園
 大宮公園は、明治初期から整備されてきた県営公園で、現在では昭和末期から平成初期に整備された第二公園、第三公園と共に近隣から多くの人が訪れる緑地帯となっています。


アカシデ】大宮区高鼻町4丁目
 少なくとも50年前には既にそこにあり、面白い形ではありましたがそれほど重要とは思っていなかった樹ですが、最近になって囲いや説明板が設けられました。以前はこの木の近くでオナガの群れが騒いでいたのを覚えています。


アカシデ カバノキ科
 アカシデは樹高10~15mになる落葉高木で、北海道南部から九州、朝鮮半島に分布しています。低地から丘陵地の雑木林に生育し、樹皮は灰白色で滑らかですが、幹は肥大成長が均等に行われないため凹凸ができ、老木になると太い脈状の出入りが多くなります。名前の由来は、花穂の垂れ下がる様子が注連縄(しめなわ)に垂れ下がる紙(しで)に似て、新芽が赤いことによります。床柱、家具などに利用される他、盆栽界ではイヌシデとともにソロの名で親しまれています。
 このアカシデの木の樹齢は定かではありませんが、優に百年は超えていると推定され、大宮公園開園以来の歴史を見守り続けてきた木のひとつです。
  平成二十年九月
       埼玉県大宮公園事務所


シダレザクラ
 かつて相撲場だった場所にいつの間にか植栽されていたシダレザクラです。大宮公園のウェブサイトによれば、25年前に120年生の樹を移植したそうです。


  樹木名 シダレザクラ
   科名 ばら科
   属名 サクラ属
   樹齢 120年
 大宮公園は、明治18年埼玉県最初の公園として開園以来「サクラ」の名所として親しまれ、現在では「日本さくらの名所100選」の1つとなっている。しかし大宮公園の顔ともいえる「サクラ」も老木が多くなりつつある。そこでこの「シダレザクラ」は、樹木活性化事業の一環として、平成5年に今後も「サクラ」を健康な姿で後世に残すべく、そのシンボルとして植えたものである。


氷川参道の並木】大宮区吉敷町~高鼻町
 武蔵一之宮氷川神社の参道は700本近い大木に囲まれていますが、そのうち22本が、さいたま市天然記念物に指定されています。今日は三の鳥居から一の鳥居に向けて歩を進めました。


平成ひろば
 氷川参道の大宮中央通線から旧国道16号線までの区間については、平成元年7月に、さいたま市が都市緑地として整備し、「平成ひろば」と名づけられています。中央の遊歩道には御影石を敷き詰め、両側の緑地帯にはケヤキやサクラなどが植えられ、散策路が設けられています。都心部にある象徴的な都市景観として市民の憩いの場となり親しまれています。
二の鳥居
 現在、設置されている二の鳥居は、昭和51年(1976年)に明治神宮より移設されたものです。高さが約13メートル、幅約17メートルあり、木造の明神鳥居としては、関東最大級の規模を誇ります。鳥居に用いられている材木は、大正9年(1920年)に台湾の阿里山(アーリーシャン)で伐採された樹齢1200年以上のヒノキで作られているといわれています。

氷川参道の四季
 氷川神社及び参道付近では、様々な行事が行われています。年頭の1月1日には歳旦祭が催され、お正月の三が日には、毎年200万人以上の参拝者が訪れます。8月1日の例祭では、お祓いを受けた山車や神輿を参道沿いで見ることができます。年末の大湯祭(だいとうさい)(12月10日)と同時に開催される十日市(とおかまち)では、縁起物の熊手のほか様々な露店が立ち並び、多くの人で賑わいます。
 また、参道の並木は、四季折々に豊かな変化を見せてくれます。春の芽吹きと若葉、夏の涼しい緑陰、秋には色づき始めた葉が日々変化する様、荘厳な冬の木立などといった景観はすばらしく、さらに並木敷きに植栽された低木や地衣類も、季節により花を咲かせ、訪れる人々の心を和ませてくれます。
          平成29年11月設置 さいたま市


時の柱:建畠覚造(たてはたかくぞう)作 2000 (与野駅前)


展正(Devoloping Life)市村緑郎(いちむらりょくろう)作 1996 (与野本町駅前)


発展(Devoloping)建畠覚造(たてはたかくぞう)作 1995 (与野本町駅前)


【参考】
 スダジイ Castanopsis sieboldii
 アカマツ Pinus densiflora
 瓢箪池
 プラタナス Platanus spp.
 メタセコンア Metasequoia glyptostroboides(白鳥池)
 アカシデ Carpinus laxiflora
 オナガ Cyanopica cyana
 枝垂桜(しだれざくら)Cerasus spachiana ‘Itosakura’
 氷川神社楼門:大宮区高鼻町4丁目1
 クスノキ Cinnamomum camphora
 三の鳥居:大宮区高鼻町2丁目407
 イロハモミジ Acer palmatum
 二の鳥居:大宮区高鼻町1丁目171
 大正期の二の鳥居(説明板を撮影)
 氷川緑地
 ケヤキ Zelkova serrata (W188,W168,E154,E33,E22)
 一の鳥居:大宮区吉敷町4丁目97-4
 時の柱 (与野駅前)
 展正(与野本町駅前)
 発展(与野本町駅前)

秋咲のバラ-横浜イングリッシュガーデン

 熱い日が続いた今年の夏秋でしたが、漸く涼しくなり、いつの間にか秋咲のバラま季節も終わりが近くなってきましたので、今日は家内と横浜イングリッシュガーデンを訪れました。


 以下はバラ以外の写真です。

【参考】
 栽培種のバラ
  ブラッシング・アイスバーグ Rosa ‘ZENfupinkice’ Blushing Iceberg
  紫の苑 Rosa ‘Murasaki no Sono’
  ピース Rosa ‘Peace’
  ゴールデン・オールディー Rosa ‘FRYescape’ Golden Oldie
  スプリンター Rosa ‘INTersprint’ Sprinter
  小紫 Rosa ‘ZENpokome’ Komurasaki
  ジュヌヴィエーブ・オルシ Rosa ‘Genevieve Orsi’
  ガーデンパーティー Rosa ‘Garden Party’
  レッド・ムーン Rosa ‘Red Moon’
  ブルー・バユー Rosa ‘KORkultop’ Blue Bajou
  紅 Rosa ‘KEIfumonmu’ Kurenai
  ダスキー・メイドゥン Rosa ‘Dusky Maiden’
  イングリッド・バーグマン Rosa ‘POUIman’ Ingrid Bergman
  スウィート・マーマレード Rosa ‘HORcogjil’ Sweet Marmalade
  パット・オースチン Rosa ‘AUSmum’ Pat Austin
  ミセス・オークリー・フィッシャー Rosa ‘Mrs. Oakly Fisher’
  イージー・ダズ・イット Rosa ‘HARpageant’ Easy Does It
  ロータリー・サンライズ Rosa ‘FRYglitzy’ Rotary Sunrise
  ボレロ Rosa ‘MEIdelweis’ Bolero
  (シューシャンパーニュ) Rosa ‘ZENshuchampagne’
  アイスバーグ Rosa ‘KORbin’ Iceberg
  ユキ・サン Rosa ‘MEIdona’ Youki San
  雪っ子 Rosa ‘Yukikko’
  グラミス・キャッスル Rosa ‘AISlevel’ Glamis Castle
  アンナプルナ Rosa ‘DOrblan’ Annapurna
  ジャスト・ジョーイ Rosa ‘Just Joey’
  アンボス・フンケン Rosa ‘Ambossfunken’
  タイフーン Rosa ‘Typhoon’
  芳醇 Rosa ‘Hohjun’
  シェエラザード Rosa ‘Sheherazad’
  マルキーズ・ドゥ・メルトイユ Rosa ‘Marquise de Merteuil’
  ティクレッド・ピンク Rosa ‘FRYhunkey’ Tickled Pink
  はな Rosa ‘ZENpohana’ Hana
  スイート・マザー Rosa ‘Sweet Mother’
  さくら Rosa ‘ZENposakura’ Sakura
  カーディナル Rosa ‘KORlingo’ Kardinal
  チャーリー・アンバー Rosa ‘ZENmicharliam’ Charlie Amber
  リトル・チョコ Rosa ‘Little Choco’
  一葉 Rosa ‘ZENfi\uichi’Ichiyoh
  陽炎 Rosa ‘Kagero’
  茶々 Rosa ‘Cha-Cha’
  スパイスド・コーヒー(ヴィダル・サスーン) Rosa ‘MACjuliar’ Spiced Coffee
 ハナアオイの一種 Lavatera spp.
 ヒメリンゴ Malus x cerasifera
 オオヤエクチナシ Gardinia jasminoides f. ovalifolia
 オオカッコウアザミ Ageratum houstonianum
 オオケタデ Persicaria orientalis
 パンダスミレ Viola hederacea
 ジュウガツザクラ Cerasus x subhirtella cv. Autumnalis
 グレビレア Grevillea spp.
 ハナカンナ(ベンガルタイガー) Canna‘Bengal Tiger’

中区、南区の名木古木-20181110

【主な経路】
(自宅)-柴漁港-(新杉田駅-石川町駅)-象の鼻パーク-山下公園-港の見える丘公園-元街小学校-キリン園-(元街小学校)-山手公園-藤澤山浄光寺-中村八幡宮-横浜橋商店街-黄金町駅


【ヒマラヤスギ1群13本】山手公園:中区山手町230


かつて大宮の実家にはヒマラヤスギがありました。成長の早い樹で家の土台に影響を与えかねないくらいに大きくなってきたので、伐採されてしまったのですが、私にとっては2階の窓を開けると何時もそこにあった一番身近な樹でした。
今日は、山手公園のヒマラヤスギが日本で初めて植栽された樹々であると知り、改めて訪ねてみました。グラフヨコハマ115号(2000)によれば1群13本なのですが、現在、樹齢100年を超えていそうなのは、テニス発祥記念館の周囲に5本、テニスコート側に7本の12本の様です。


横浜市地域史跡
日本最初の洋式公園(山手公園)
登録年月日 平成八年十一月五日
所在地   中区山手町二三〇番地
所有者   横浜市
登録区域  中区山手町二三〇番地の一部
横濱居住の外国人の間には山手方面の遊園地を望む声があり、慶応二年(一八六六)に外国公使団との間で結ばれた「横浜居留地改造及競馬場墓地等約書」(慶応約書)によって、その要求が幕府に認められました。しかし、この中の公園計画は具現化しないで終わりました。
明治二年(一八六九)に居留民代表から改めて要求が出されたのに対して、日本政府は山手妙香寺付近の土地約六千坪を、慶應約書で約束した地土地の代替地として貸与しました。公園の造成は居留民が行い、明治三年五月六日(一八七〇年六月四日)に開園したのが山手公園です。
明治十一年(一八七八)からは、居留外国人女性で組織される横浜レディズ・ローン・テニス・クラブ(横浜婦女弄鞠社(ろうきゅうしゃ))が管理することとなり、クラブハウスとコートがここに設けられました。
横浜市教育委員会


日本庭球發祥之地(昭和五十三年十月 安部民雄書)


山手公園は1870年(明治3年)横浜の居留地外国人のレクリエーションの場としてつくられた。1878年レディース ローン テニス アンド クロッケークラブ、現在の横浜インターナショナルテニスクラブがこの地に5面のテニスコートを建設した。
この地は日本のテニス発祥の地とされる。
昭和53年10月15日
横浜インターナショナル テニス クラブ
Yamate park was created in 1870 as a recreation area for residents of the Yokohama foreign settlement. In 1878 the ladies’ lawn tennis and croquet club, now known as Yokohama international tennis clubm here biult five courts. This site has been recognized as the birthplace of tennis in japan.
October 15, 1978
Yokohama International tennis club


【コルクガシ】横浜市立元街小学校:中区山手町36番地
山手公園の隣の元街小学校にはコルクガシ等の名木古木があることになっていますが、今日は門が閉ざされており、確認できませんでした。
–> 確認できました(20190625)


【タブノキ、サザンカ、ヒマラヤスギ】フェリス女学院大学:横浜市中区山手町37
フェリス女学院大学には、少なくとも2本、名木古木指定の樹がありました。中学部、高等部も含めて近年の指定木が他にもあるようです。


【スダジイ】藤澤山浄光寺:南区中村町1丁目37-2


スダジイだけでなくツゲもあったらしいのですが、それらしい樹はみあたりませんでした。


中村八幡宮:南区八幡町1
辿りついた頃にはすっかり暗くなっていました。アカガシとスダジイがある筈ですが、案内板もなくよくわかりませんでした。鳥居脇に明治時代の水準点が残されていました。
–> 11/25の昼間にも再訪しましたが、それらしい樹は発見できず、検索しましたところ、『平成17年指定解除』という、ウェブ情報をみつけました。


横浜市地域史跡
内務省地理寮水準点(高低几号(ぎごう)標)
登録年月日 平成十年十一月九日
所在地   南区八幡町一番地
所有者   宗教法人 中村八幡宮
登録区域  南区八幡町一番地の一部
明治維新以来、わが国が近代国家となっていく上で、測地事業は欠くことのできない事業でした。明治政府は。明治七年(一八七四)一月、内務省に地理寮(後に地理局となる)を設置し、集中的に開港の五港(横浜・神戸・新潟・函館・長崎)や東京・大阪・京都などの主要都市の市街図作成に力を注ぎ、内務省地理寮は、明治十七年(一八八四)以降に参謀本部陸地測量部に移管されるまで測地事業を担当しました。
横浜は、近代測量による地図(五千分の一)が完成した最初の開港地で、明治七年~八年(一八七四~五)に三角測量及び水準測量が行われ、明治十四年(一八八一)に実測図が刊行されました。このときの水準点が内務省地理寮水準点(高低几号標)です。
この水準点は、「」の記号(几号)を不朽物や石標などに彫刻して標識とするよう内務省から布達されていました。
市内に所在する内務省地理寮水準点のうち、「中村八幡宮」参道入口の角柱に彫刻されているものは、当時の地図と比較して位置が動いていないと思われます。
横浜市教育委員会


【キリンビール開源地】キリン公園:中区山手町37


麒麟麦酒開源記念碑
安政五年徳川幕府が獨断専行して國を開くや歐米人續〃として横濱に来たりしが彼等は居㽞地と稱せらるゝ一區域の中に居住す天沼は此居㽞地に属し嫩草斜に連り高木短樹其間を點綴し清泉滾々として崖下に湧き氣清く風軟かに一幅春園の晝の如し明治五年米人ダブリウ・コープランド此處に工場を建設しスプリング・ヴアレー・ブリュワリーと稱して麦酒を醸造す是れ日本に於ける麦酒醸造の開源にして今日の麒麟麦酒株式會社の前身なりとす明治十八年後藤象次郎伯岩﨑弥之助男爵増島六一郎博士澁澤榮一子益田孝男カークウッド、グラバ、ベルツ、カールローデの諸君唱首となって同志を糾合しジャパン・ブリュワリー・コンパニーと稱する麦酒に麒麟麦酒と命名す明治二十九年更に之を株式會社に改めゼ・ジヤパン・ブリュワリー・コンパニー・リミテッドと命名し前年香港政廳に登録したる事業を日本政府に登録す明治四十年豊川良平近藤應平男米井源治郎瓜生震田中常徳髙木豊三髙田正久草郷清四郎今村繁三磯野長蔵等の諸君主唱して麒麟麦酒株式會社を起しゼ・ジャパン・ブリュワリー・コンパニー・リミテッドの事業を継承して以来資本を増加して事業を擴大し天沼工場のみにても地域七千五百九十八坪に達せしが大正十二年の震災に遭ふて工場を鶴見に新築し之より更に事業を伸長し滿洲朝鮮にまで分工場を増設す其初居㽞外國人の需要に應ずるがために醸造せられたる麒麟麦酒は其風味と香旨により國民的飲料となりて全國に弥浸し外國品の輸入を防遏するのみならず却って外國に輸出せらるゝに至る始めて日本の土を踏む外國人嵜甕中の玉淀を汲み盞内の金波を傾け圖らざりき日本またミュンヘンビールありガムブリナスの神は扶桑の地をも祝福するかと嘆賞するに至る麒麟麦酒の()達の跡を見るに一粒の種子が生長繁茂して亭〃たる參天の大樹となり朝暉を受けては丘陵を掩ひ夕陽を負ふては江海を翳ふに至るが如し今麒麟麦酒株式會社が其祥の地たる天沼に記念碑を達つるに會ひ文を撰して其事を誌るす之を讀む者必らず麒麟麦酒株式會社達の歴史は日本國勢開展の歴史と其軌を一にするを感ぜん
昭和十二年一月            竹越與三郎撰  野本白雲書


【山手214番館】中区山手町214番地


横浜市指定有形文化財(建造物)
山手二一四番館
所有者 学校法人 横浜協立学園
所在地 横浜市中区山手町二一四番地
時代  昭和初期
構造及び形式 木造・地下室鉄筋コンクリート造
二階建・地下一階・色付洋風瓦葺
建築面積二六七、三平方メートル
員数  一棟
山手二一四番館は、旧居留地であった山手の西南に位置し、現存する大正末から昭和初期にかけての西洋館の中で、規模も大きく意匠が整った、横浜を代表する西洋館の一つです。建物の最初の所有者は不詳ですが、かつてスウェーデン領事館として利用されていたことがありました。
建物は、斜面地の特性を生かして建てられ、大きな袴腰屋根を持ち、二階の窓は屋根窓の形式をとっています。間取りは、玄関ホールと階段を中心に、左右に主たる部屋を配した、中廊下型のプランです。
また、この山手二一四番館は一時期、莫町・明治初期に活躍した著名な写真家F・ペアトの所有となっていた場所です。
平成七年三月
横浜市教育委員会


【中央水産研究所】『潮騒の記憶-海との調和』1993 関根信夫 作


【癸巳化成】『ヒトを彩るサイエンス』1992.5 DESIGN 村井和章


【キリン基盤技術研究所/健康技術研究所】『生命の躍動 升 Kāi』吉川陽一郎 Yoichiro Yoshikawa


その他本日撮影の写真です。


【参考】
横浜市指定名木古木
No.95002 ヒマラヤスギ1群13本 (山手公園)
No.201080 ヒマラヤスギ (フェリス女学院中学校・高等学校)
No.201082 タブノキ (フェリス女学院大学)
No.201087 サザンカ (フェリス女学院大学)
No.51010 スダジイ (浄光寺)
麒麟麦酒開源記念碑
山手二一四番館
『潮騒の記憶-海との調和』1993 関根信夫 作
『ヒトを彩るサイエンス』1992.5 DESIGN 村井和章
『生命の躍動 升 Kāi』吉川陽一郎 Yoichiro Yoshikawa
ヒマラヤスギ Cedrus deodara
コルクガシ Quercus suber
タブノキ Machilus thunbergii
サザンカ Camellia sasanqua
スダジイ Castanopsis sieboldii
カリン Pseudocydonia sinensis
イヌツゲ Ilex crenata
センダン Melia azedarach
ビワ Eriobotrya japonica
ヒメユズリハ Daphniphyllum teijsmannii
シンテッポウユリ Lilium x formolongi
ジョロウグモ Nephila clavata
トベラ Pittosporum tobira
マルバグミ Elaeagnus macrophylla
ナワシログミ Elaeagnus pungens
ホルトノキ Elaeocarpus sylvestris
ツワブキ Farfugium japonicum
アクアプラザ(中央水研)
イヌマキ Podocarpus macrophyllus
オオキバナカタパミ Oxalis pes-caprae
イソギク Chrysanthemum pacificum
シャリンバイ Rhaphiolepis indica var. umbellata
ネズミモチ Ligustrum japonicum
エリカ・ウィンターファイヤー Erica oatesii
ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrum
ハナツクバネウツギ Abelia x grandiflora
ガザニア(白花) Gazania rigens
フレンチ・ラベンダー Lavandula dentata
キダチロカイ Aloe arborescens
アオツヅラフジ Cocculus orbiculatus
ヒサカキ Eurya japonica
ガガイモ Metaplexis japonica
アシ Phragmites australis
ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus
レストランかをり
ユリカモメ Larus ridibundus
フランス山の揚水風車
セイヨウカマツカ Aronia arbutifolia
横浜福音教会:南区中村町2-125-1
横浜橋商店街
光のモニュメント(大通り公園:光の波間広場)

ふなばしアンデルセン公園で-

 最近、Youtubeで評判になっているエレクトーンプレイヤー826Asukaのステージがあると聴き、家内と二人でふなばしアンデルセン公園を訪ねました。


【参考】
 ノボタン Melastoma candidum
 コスモス “センセーション” Cosmos bipinnatus “sensation”
 コスモス “イエローガーデン” Cosmos bipinnatus “Yellow garden”
 平和を呼ぶ:岡本太郎作
 コウヤマキ Sciadopitys verticillata
 アンデルセン像
 バラ “うらら” Rosa “urara”
 ベゴニア Begonia Semperflorens
 スイショウ Glyptostrobus pensilis
 レオノチス Leonotis leonurus.
 メタセコイア Metasequoia glyptostroboides
 クマシデ Carpinus japonica

金沢、磯子の名木古木-20181103

先週に続いて、今日は金沢区の北部から磯子区の名木古木を訪ねました。

【タブノキ】釜利谷東4丁目7-19
個人宅のタブノキです。


【スダジイ】釜利谷市民の森
金沢動物園のコアラバス終点からほど近い場所に生えているスダジイです。お社はありませんが、浅間大明神の石碑があります。


【ボダイジュ、イチョウ、カヤ3本】寶勝寺:氷取沢町126
双体道祖神碑があるので、何度か尋ねたことがある飯盛山寶勝寺です。指定番号が明示されているのは菩提樹のみです。ある程度年を経たイチョウは1本だけですが、カヤの木3本がどれかは定かではありません。


【マテバシイ、スダジイ】栗木神社:栗木2丁目13-21


国常立尊を祀る栗木神社では、マテバシイ、スダジイの各1本が名北古木に指定されています。鳥居の脇には、大正天皇御大典記念に植樹されたイロハモミジもありました。


【タブノキ3本、アカガシ2本】篁修寺:磯子区森5丁目9-6


指定番号が表示されているのは、裏手の墓地にあるタブノキ1本だけです。三門脇のタブノキ2本と三門に至る石段の両脇のアカガシ2本が指定木と思われます。


【スダジイ7本、ケヤキ】森浅間神社:森2丁目16-7


森浅間神社の社叢林は神奈川県の天然記念物に指定されており、そのうち何本かが横浜市の名木古木に指定されています。


神奈川県指定天然記念物
森浅間神社とその周辺の樹叢
平成六年二月十五日 指定
森浅間神社は、東京湾に面した丘陵地東端に位置しています。周辺は宅地開発され大規模団地に接していますが、急な斜面にスダジイが優占する常緑広葉樹林を擁しています。神社雌雄変域は、屛風ヶ浦と呼ばれる急傾斜あるいは切りたった斜面を有する丘陵地、台地が続いており、斜面崩壊を抑止する機能を維持している自然林は、この地域ではきわめて重要な位置づけにあります。社叢林は南から東側の斜面にスダジイかせ優占したヤブコウジ・スダジイ群集として残されています。参道石段の東側に胸高直径一メートルに達するスダジイも見られ、亜高木としてヤブツバキ、林床にはベニシダがめだちます。社叢林中には横浜市の古木・名木指定の木もあり、いずれも推定樹齢二百年で社叢林の主要な構成木となっています。
一方、神社に隣接して朝日不動とよばれる湧水池があり、その周囲にはケヤキが優占するタブノキ林が見られ、ケヤキの胸高直径は六三~七六センチメートルと大きく、樹高二十メートルの株分となりよく保全されています。林床には、キチジョウソウの他にベニシダ、オオイタチシダ、イワガネソウなどのシダ植物も生育しています。このように森浅間神社社叢林を中心にした樹叢は、市街地台地斜面にまとまって残る貴重な自然林であります。
•お願い
この天然記念物を、伐採したり荒らしたりしないで、大切に保護してください。
平成六年三月二十八日     神奈川県教育委員会
横浜市教育委員会


【スダジイ】朝日不動滝
朝日不動の近くにも名木・古木に指定されたスダジイがあります。滝のすぐ前には大きなケヤキがあり、注連縄が張られていました。


朝日不動滝由来
この滝の水源は背後の赤穂原台地より(現汐見台)湧出する清水で古来より存在していた。建武二年(一三三五年)鎌倉扇ヶ谷亀谷山権現堂六代修験者長円法印時の将軍守邦親王の命に依り創建された森浅間神社より百五拾年後の明応年中(一四九二~一五〇〇年)権現堂十五代修験者長恵法印が武州森村に移り住むに及んで、これを開設したと伝えられる。次いでこの滝に不動明王を祀り不動滝として修験者の修行の場とした。寛政十二年(一八〇〇年)幕府により女人の富士登山が許されてから富士信仰が盛んになり各地に富士講中が出来た。森浅間社には富士山を象り三方からの登山路があり、信仰から武州小富士として崇敬され多くの富士講中の人々が白装束でこの滝に打たれて祈願した(注富士講中記念碑)滝の口から流れ落ちる水に朝日が輝く荘厳さに朝日滝とも称された。今は台地の開発に依り水の量は半減した。滝壺の左上に清滝神社が有り弁天様が祀られていたが(明治四十一年浅間神社に合祀された)大正九年地元有志に依り改修が行われた(注再築記念碑)。昭和三十六年六月集中豪雨のため崩壊埋没し現在に至った。同五十六年五月より神社総代世話人会有志により滝壺の浚渫を行い埋没して居た不動明王(注崖面中央)とその使者である制多迦童子(向って左)金伽羅童子(向って右)二体の石像を発掘したが破損のため新らたに復元し旧石像二体を祠に安置した。同年八月浅間講々員の浄財と世話人会の奉仕により復元工事を完成し同月八日復元祝祭を齊行す。
昭和五拾六年八月八日


【ナギ】金蔵院:磯子4丁目3-6
金蔵院本堂前のナギは瀕死状態です。


魚塚(鮭塚)の由来
この題字は当時の市長有?忠一氏の揮毫になるもので昭和三年塩同業組合が牛頭山妙法寺の中央小島建立し爾来五十年の永きに亘り業界発展の願いを込めて毎年十一月十一日に供養を続けて来た。
大戦後は中央市場水産部自治会が此の碑の維持管理に当って来たが此の度建立五十周年を期し当海向上金蔵院の境内に移転改修をすることとした。
爾今は魚類全般の象徴として子々孫々魚介類の供養を行い水産関係者の繁栄を祈願する。
昭和子十三年十一月
横浜市中央卸売市場
本場水産部自治会
南部水産部自治会


曠古の盛儀を擧けさせ給ふ今年は偶本組合の設立貮拾周年
に相當せり隆運に會し協和輯穆各志を伸へ業務の順調なる
は幸慶禁ナる能はさるなり仍て同志相議り建碑を企て鹽魚
中最も重要品たる鮭の名に因みて鮭塚と命し以て一は記念
となし一は一層結束を固うナるの資となさいとせるか幸に
有吉横濱水産會長の揮毫を辱うしたるは本組合の光榮之に
過きたるはなし乃ち之か由來を記して他日に傳ふと云爾
横濱鹽魚商組合
昭和三年十一月
建碑擔當者 組合長 畑川大作
副組合長 中田伴平
陸前石巻 石井敬三郎刻


【横浜市指定名木・古木】
No.200405 タブノキ(釜利谷東4丁目7-19)
指定番号不明 スダジイ(釜利谷市民の森)
No.59004 ボダイジュ(飯盛山寶勝寺)
指定番号不明 イチョウ(飯盛山寶勝寺)
指定番号不明 カヤ3本(飯盛山寶勝寺)
No.200044 マテバシイ(栗木神社)
No.200045 スダジイ(栗木神社)
No.49270 タブノキ(鳳林山篁修寺)
指定番号不明 タブノキ2本(鳳林山篁修寺)
指定番号不明 アカガシ(鳳林山篁修寺)
指定番号不明 アカガシ(鳳林山篁修寺)
No.48124 スダジイ(森浅間神社)
No.48125 スダジイ(森浅間神社)
No.48126 スダジイ(森浅間神社)
No.48127 スダジイ(森浅間神社)
No.48128 スダジイ(森浅間神社)
No.201602 ケヤキ(森浅間神社)
No.201603 スダジイ(森浅間神社)
No.201604 スダジイ(森浅間神社)
No.201605 スダジイ(森浅間神社)
No.48123 スダジイ(朝日不動滝)
No.49256 ナギ(金蔵院)


以下、本日撮影のその他の写真です。


【参考】
タブノキ Machilus thunbergii
ボダイジュ Tilia miqueliana
アカガシ Quercus acuta
スダジイ Castanopsis sieboldii
マテバシイ Lithocarpus edulis
ケヤキ Zelkova serrata
ナギ Nageia nagi (syn.:Podocarpus nagi)
コミカンソウ Phyllanthus lepidocarpus
イヌタデ Persicaria longiseta
エノコログサ Setaria viridis
クロガネモチ Ilex rotunda
キヅタ Hedera rhombea
金沢動物園
ルドベキア Rudbeckia spp.
ガウラ Gaura lindheimeri
トネアザミ Cirsium comosum ver. incomptum
ヤツデ Fatsia japonica
ホトトギス Tricyrtis hirta
ノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophylla
ユウガギク Aster iinumae
ヤブミョウガ Pollia japonica
カクレミノ Dendropanax trifidus
エゴノキ Styrax japonica
コバノセンナ Cassia coluteoides
ノアサガオ Ipomoea indica
ツワブキ Farfugium japonicum
サザンカ Camellia sasanqua
オオキバナカタバミ Oxalis pes-caprae
ボケ Chaenomeles speciosa