秀樹」カテゴリーアーカイブ

山下町公園の天馬と四神獣

 本日(2026-02-20)は春節に合わせた(?)新年会でした。予定の時間まで少しあったので立ち寄った山下町公園では四神獣が飾られていました。
 維管束植物【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)
 哺乳類 生物系統樹 化石動物


 天馬 (Tianma / Pegasus)
 神獣(四神獣)
  玄武 (Xuanwu / Black Tortoise):北:冬:水:黒
  白虎 (Baihu / White Tiger)  :西:秋:金:白
  朱雀 (Zhuque / Vermilion Bird):南:夏:火:赤
  青龍 (Qinglong / Azure Dragon):東:春:木:緑


 ひときわ目立っている天馬につき、中国ではどのように考えられているかを調べてみました。手元にあった山海経の訳本から『天馬』が載っている箇所を特定し、デジタルアーカイブに登録されていた明治時代に刊行された写本に図が載っているのを見つけました。山海経は戦国時代から前漢の時代にかけて成立したと考えられていますが、図については後代の想像画と言われていますので、あくまでも参考にすぎないのですが、いずれにせよ、馬というよりは、ムササビあるいはコウモリのような小型哺乳類であると考えた方がよさそうです。そうしますと、山下町公園の天馬は、ギリシャ神話またはヘレニズムのペガサスのイメージなのだと思われます。あるいは、中国的にはこれは天馬ではなく、竜と馬の交配から生ずると云われる龍馬なのかも知れません。

 Copilotにいろいろと質問したところ、ヒナコウモリ(Vespertilio sinensis)は『体毛に白っぽい毛がまじりあうことが多い』だけでなく、模式産地が北京なので、天馬の正体候補と言えそうです。

山海経第三 北山経(国立国会図書館デジタルアーカイブ)
 又東北二百里ヲ曰馬成之山ト。其ノ上多文石其ノ隂多金玉。有獣焉其ノ状如シテ白犬而黒頭アリ見レハ人ヲ則飛フ(言ハ肉翅飛行自在)其ノ名ヲ曰天馬ト其ノ鳴自䚯。有鳥焉其ノ状如烏首白シテ而身靑シテ足黄ナリ是ヲ曰鶌鶋(屈居ノ二音或作鵈)其ノ鳴自䚺食ヘハ之不饑可以テ巳寓(未タ詳或曰寓猶ヲ缺也)

   
天馬:山海経第二十三圖を元にしたCopilot生成画像
   
天馬:山海経(翻訳本)の挿絵を元にしたCopilot生成画像

【高馬三良訳】
 さらに東北へ二百里、馬成ばせいの山といい、山にはあや石多く、山の北には金・玉が多い。獣がいる。その状は白い犬の如くで黒い頭、人を見れば飛ぶ。その名は天馬。鳴くときはわが名をよぶ。鳥がいる。その状は烏の如く、首は白くて身は青く、足は黄、これは鶌鶋くっきょと名づける。鳴くときはわが名をよぶ。これを食うと飢えず、もうろくをいやすによろし。

 馬成山  :太行山脈の北東部、あるいは山西省や河北省のどこかにあると推測(百度百科)
 文石(紋石):蛇紋石あるいはオニキス類か
 金・玉  :金属資源や翡翠などの鉱物資源
 寓    :耄碌と同じ意味かどうかは不明。缺は『ひび』であり、百度百科は『イボ』としています。

 なお、四神獣は山海経には記載がないようで、前漢(紀元前206年~紀元前8年)以降に成立したとされる四神獣(大杉,1997)は、山海経の起源(臼倉,2008)と考えられている戦国時代(紀元前5世紀~紀元前221年)にはまだ知られていなかったのかも知れません。四神獣については、キトラ古墳の例を挙げるまでもなく、我が国でも広く知られていますので、ここでの詳述は控えます。


【文献】
郭璞 伝ほか (1902) 山海経:18巻 三-四, 文光堂, 東京, 国立国会図書館デジタルコレクション, 山海経第三 北山経, p16, URL: https://dl.ndl.go.jp/pid/3464360/1/2, Accessed: 2026-02-22.
臼倉直樹 (2008)『山海経』の形成過程及びその性質, 立命館文學, (606), 1211~1189, URL: https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/606/606PDF/usukura.pdf, Accessed: 2026-02-22.
大杉徹 (1997) 四神考-前漢、後漢期の資料を中心として, 人文学論集, 15, 127-143, DOI: 10.24729/00004588, Accessed: 2026-02-22.
高馬三良訳 (1973) 山海経第三北山経, In 中国の古典シリーズ4, 抱朴子 列仙伝・神仙経伝 山海経, 467-472, 平凡社, 東京.



【参考】
 横浜イングリッシュガーデン(YEG)
 グリフィン Griffin
 イースター・ディスプレイ
 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
 スイセン ‘ラインベルト・アーリーセンセーション’ Narcissus X ‘Rijnveld’s Early Sensation’
 マンサク ‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’
 スノードロップ Galanthus nivalis
 河津桜(かわづざくら)Cerasus X kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 山茱萸(サンシュユ) Cornus officinalis
 ツワブキ ‘希木麒麟(きききりん)Farfugium japonicum X ‘Kikikirin’
 福寿草(フクジュソウ) Adonis ramosa
 ウメ ‘紅雲竜(べにうんりゅう)Armeniaca mume ‘Beni-unryu’
 ハヤザキマンサク ‘パープルシードリング’ Hamamelis vernalis ‘Purple Seedling’

こども植物園の福寿草

 横浜こども植物園では、フクジュソウとセツブンソウが開花していました。『福寿海』は最も多く栽培されているフクジュソウの品種のひとつで、同園内の野草園に植栽されているのはすべてこの品種の様です。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹
キンポウゲ科


 フクジュソウ Adonis pseudoamurensis Syn. Adonis ramosa
 フクジュソウ X ‘福寿海’ Adonis X ‘Fukujikai’


 フクジュソウ属は30種ほど記載されていて、我が国で自生するのはAdnis amurensis1種とされてきました(牧野,1940など)が、その後4種(A. amurensis, A. multiflora, A. ramosa, A. shikokuensis)が識別される様になりました(米倉,2012)。しかしながら、最近の遺伝子解析の結果によれば、A. amurensisA. ramosaは、我国には自生していない思われていたAdonis pseudoamurensisと違いが少ないことが判明しています(Zhang et al.,2023)。
 そのためかどうかは定かではありませんが、こども植物園での表示は『フクジュソウ(福寿草) Adonis pseudoamurensis』と表示されていました。まだ結論は出ていないのかも知れませんが、我が国でのフクジュソウ類は、下記の4種或いは4亜種というのが現状と思われます。
 キタミフクジュソウ Adonis amurensis Regel et Radde 1861
 アドニス・シュードアムレンシス Adonis pseudoamurensis W.T.Wang 1890
 フクジュソウ Adonis ramosa Franchet 1894
 シコクフクジュソウ Adonis shikokuensis Nishikawa et Koji Ito 2001

A. amurensis, A. ramosa, A. pseudoamurensisの3種が1種に統合されるとすれば、原則としての優先権はA. amurensisにあると思われますので、今後どのように判断されていくかに注目したいと思います。
優先権:第3節第11条 11.4
 属より下位のランクの分類群では、それぞれの分類群の正名は、同じランクの中で最も早く発表された合法名の最後の形容名とその分類群の帰属する属または種の正名との組み合わせである。ただし、……(以下略)
日本植物分類学会国際命名規約邦訳委員会訳・編集 (2019) 国際藻類・菌類・植物命名規約(深圳規約)2018日本語版, p36, 北隆館, 東京.

 なお、東アジアのフクジュソウ類命名の変遷については、Vasques et al.(2025)に詳しく書かれています。因みに手元の図鑑類では下記の様になっていました。

牧野富太郎 (1940) 牧野新植物図鑑, 183, 北龍館, 東京.
 フクジュソウ Adnis amurensis Regel et Radde

北村四郎・村田源 (1961) 原色日本植物図鑑, 234, 保育社, 東京.
 フクジュソウ Adnis amurensis Regek et Radde

出口長男(1968) 横浜植物誌, 89, 秀英出版, 東京.
 フクジュソウ Adonis amurensis Reg. et Rad.

長田武正 (1974) 検索入門野草図鑑6, 152, 保育社, 東京.
 フクジュソウ Adnis amurensis Regel et Radde

田村道夫 (1977) In 世界の植物68, 1605-1606, 朝日新聞社, 東京.
 フクジュソウ Adnis amurensis Regel et Radde

門田裕一 (1996) In 植物の世界93, 8-251, 朝日新聞社, 東京.
 フクジュソウ Adonis ramosa
 キタミフクジュソウ Adonis amurensis
 ミチノクフクジュソウ Adonis multiflora

米倉浩司 (2012) 日本維管束植物目録, 95左, 北龍館, 東京.
 キタミフクジュソウ Adonis amurensis Regel et Radde
 ミチノクフクジュソウ Adonis multiflora Nishikawa et Koji Ito
 フクジュソウ Adonis ramosa Franch.
 シコクフクジュソウ Adonis shikokuensis Nishikawa et Koji Ito

大西亘 (2018) In 神奈川県植物誌2018(上) 686, 神奈川県植物誌調査会, 小田原.
 ミチノクフクジュソウ Adonis multiflora Nishikawa et Koji Ito
 フクジュソウ Adonis ramosa Franch.
 シコクフクジュソウ Adonis shikokuensis Nishikawa et Koji Ito



 フクジュソウ Adonis pseudoamurensis Syn. Adonis ramosa
 フクジュソウ X ‘福寿海’ Adonis X ‘Fukujikai’
 セツブンソウ Eranthis pinnatifida
 ウメ Armeniaca mume
 メタセコイア Metasequoia glyptostroboides
 マツモ Ceratophyllum demersum
 カタヒバ Selaginella involvens
 ツワブキ Farfugium japonicum
 マンサク ‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’
 ミヤマシキミ Skimmia japonica
 慈光錦じこうにしき Aloe striata
 花麒麟(ハナキリン) Euphorbia milii
 錦蝶(きんちょう) Kalanchoe delagoensis
 クラッスラ・ムルティカヴァ Crassula multicava
 五色矢羽蕉(ゴシキヤバネショウ) Calathea makoyana Syn. Goeppertia makoyana Peacock Plant
 トラフヒメバショウ Calathea zebrina
 インコアナナス Vriesea carinata
 ヨウラクツツアナナス Billbergia nutans
 オオカナダモ Egeria densa
 ヤブツバキ Camellia japonica
 黄金伽羅木(オウゴンキャラボク) Taxus cuspidata var. nana cv. Aurescens
 地蔵菩薩立像・道標塔:南区六ツ川1丁目101
 水道橋:南区芹が谷1丁目1


【文献】
Vasques DT, Takahashi D, Ishikawa N, Kurata S, Nanami S and Ikeda H (2025) Genome‑wide analysis confirms the independent origin of the Japanese and Korean Adonis amurensis (Ranunculaceae), Plant System Evol, 311:16, DOI: 10.1007/s00606-025-01943-4, Accessed: 2026-02-18.
Zhang X-Y, Zhang Z-L, Zhang L-Q, Zhang L-F, Zhu J-Y and Xue C-S (2023) Complete chloroplast genome of Adonis pseudoamurensis W.T.Wang (Ranunculaceae), Mitochondrial DNA B, 8(9), 981-984, DOI: 10.1080/23802359.2023.2256493, Accessed: 2026-02-18.
Nishikawa T and Ito K (2001) A New Species of Adonis (Ranunculaceae) from Shikoku, Western Japan, Bull Natn Sci M us Tokyo B, 27(2,3), 79-83, DOI: , Accessed: 2026-02-18.
Shutoh K, Vasques DT and Ikaeda H (2024) Lectotypification of Adonis multiflora (Ranunculaceae), J Jap Botany, 99(5) 325–328, DOI: 10.51033/jjapbot.ID0229, Accessed: 2026-02-19
Son DC, Kim Y-Y, Park BK, Lee BS and Chang KS (2018) An updated checklist of Adonis (Ranunculaceae) from Korea, with a new locality record for Adonis multiflora, J Asia-Pacific Biodiv, 11(3), 462–467, DOI: 10.1016/j.japb.2018.07.001, Accessed: 2026-02-19


【参考】
 フクジュソウ Adonis pseudoamurensis Syn. Adonis ramosa
 フクジュソウ X ‘福寿海’ Adonis X ‘Fukujikai’

春浅いフラワーセンターで

 そろそろ春蜉蝣Spring Ephemeralが咲き始めているかも知れないと思って尋ねた大船フラワーセンターでしたが、玉縄桜が咲き始めていました。温室では金花茶が見頃です。
注:玉縄桜は園内の染井吉野の実生から育成されたそうです。園内には冬から早春にかけて開花するが多く植栽されていますし、遺伝子を調べた例はこれまで無いようですので、花粉親は不明のままと思われます。
 【文献】玉縄桜(登録品種データベース)

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹
【本日更新】キジカクシ科 キツネノマゴ科


【参考】
 大船フラワーセンター
 玉縄桜(たまなわざくら) Cerasus X yedoensis ‘Tamanawa-zakura’
 アサザ Nymphoides peltata
 ロウバイ Chimonanthus praecox
 寒桜(かんざくら)Cerasus x kanzakura ‘Praecox’
 プラタナス Platanus sp.
 ハクセキレイ Motacilla alba lugens
 ラッパスイセン Narcissus pseudonarcissus
○ホウチャクモドキ Disporopsis pernyi Evergreen Solomon’s Seal
 オオバノイノモトソウ Pteris cretica
 リキュウバイ Exochorda racemosa
 ソテツ Cycas revoluta ドンベア・ワリッキー Dombeya wallichii
 ブーゲンビリア Bougainvillea spectabilis
  ’サンデリアーナ’ ‘Sanderiana’
  ’オーラーラ’ ‘Oo-La-La’
 金花茶きんかちゃ Camellia petelotii
○ヒメハアザミ Acanthus montanus bear’s breech
 カエンカズラ Pyrostegia venusta
 カカオノキ Theobroma cacao
 ムシトリスミレ
  ピンギュラ・モクテズマエ X ‘ロツンディフロラ’ Pinguicula moctezumae X rotundiflora
  ピンギュラ ‘アフロディーテ’ Pinguicula agnata X P. moctezumae ‘Aphrodite’
  ピンギュラ ‘セトス’ Pinguicula ehlersiae X P. moranensis ‘Sethos’
 ヒロハザミア Zamia furfuracea
 キンセンカ Calendula officinalis
 リュウキュウアセビ X アセビ ‘スプリング・ベル’ Pieris koidzumiana X Pieris japonica ‘Spring Bell’
 チロリアンデイジー Bellis perennis
 ニワナズナ Lobularia maritima
 念仏講碑:岡本2丁目6-6

グリレス大目(Glires)の系統概要

 大型化することにより、地歩を固めていくことの多かった哺乳類ですが、グリレス大目(Glires)は小型を維持することにより、様々な環境に適応進出して、現在もっとも多様化の進んでいるグループとなっています(Corbert,1978)。遺伝子の解析により旧食虫目(Insectivora)と近縁であると考えられていたこともありましたが、ミトコンドリアDNAの解析結果に基づく系統でも、兎目(Lagomorpha)、齧歯目(Rodentia)のそれぞれが単系で、この2目からなる本大目も単系であることが支持されています(Lacher et al,2016))。
現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種
 哺乳類


【グリレス大目(Glires)の系統概要】Lacher et al.(2016)
 以前に参考にしたBlanga-Kanfi et al.(2009)より詳しい系統図を見つけたので、翻訳再掲しました。

兎形目(Lagomorpha) 
┤│┌──────────ナキウサギ科(Ochotonidae)
│└┤          └ナキウサギ Ochotona princeps
│ └──────────ウサギ科(Leporidae)
│            └アナウサギ Oryctolagus cuniculus
齧歯目(Rodentia)
 │┌ハツカネズミ関連系統群(Mouse-related clade)
 │││┌─ビーバー形亜目(Castrimporpha)
 ││││ │┌─────ビーバー科(Castoridae)
 ││││ └┤     └アメリカビーバー Castor canadensis  
 ││└┤  │┌────ポケットマウス科(Heteromyidae)
 ││ │  └┤    └ハーマンカンガルーネズミ Dipodomys heermanni
 ││ │   └────ホリネズミ科(Geomyidae)
 └┤ │        └キガオホリネズミ Cratogeomys castanops
  │ │┌ウロコオリス形亜目(Anomaluromorpha)
  │ │││┌─────ウロコオリス科(Anomaluridae)
  │ └┤└┤     └ビークロフトウロコオリス Anomalurus beecrofti
  │  │ └─────トビウサギ科(Pedetidae)
  │  │       └トビウサギPedetes capensis 
  │  └ネズミ形亜目(Myomorpha) 
  │   │┌─────トビネズミ科(Dipodidae)
  │   └┤     └ヒメミユビトビネズミ Jaculus jaculus
  │    │┌────トゲヤマネ科(Platacanthomidae)
  │    └┤    └ホソオトゲヤマネ Typhlomys cinereus
  │     │┌───メクラネズミ科(Spalacudae)
  │     └┤   └シリアヒメメクラネズミSpalax ehrenbergi
  │      │┌──カンガルーハムスター科(Calomyscidae)
  │      └┤  └カンガルーハムスター Calomyscus bailwardi
  │       │┌─ネズミ科(Muridae)
  │       └┤ └ダイコクネズミ Rattus norvegicus
  │        │┌マダガスカルネズミ科(Nesomyidae)
  │        └┤└サバンナアフリカオニネズミ Cricetomys gambianus
  │         └キヌゲネズミ科(Cricetidae)
  │          └バラブキヌゲネズミ Cricetulus barabensis
  │┌リス関連系統群(Squirrel-related clade)
  ││└───リス形亜目(Sciuromorpha)
  ││    │┌───ヤマネ科(Gliroidae) 
  └┤    └┤   └アフリカヤマネ Graphiurus murinus
   │     │┌──ヤマビーバー科(Aplodontidae)
   │     └┤  └ヤマビーバー Aplodontia rufa
   │      └──リス科(Sciuridae) 
   │         └ジュウサンセンジリス Ictidomys tridecemlineatus
   └テンジクネズミ関連系統群(Cavy-related clade)
    │┌──ヤマアラシ亜目(Ctenohystrica = Hystricomorpha)
    ││  │┌───ディアトミス科(Diatomyidae)
    ││  └┤   └ラオスイワネズミ Laonastes aenigmamus
    └┤   └───グンディ科(Ctenodactylidae)
     │       └アトラスグンディ Ctenodactylus gundi 
     │┌─ヤマアラシ顎亜目(Hystricognathi)
     ││ └────ヤマアラシ科(Hystricidae) 
     └┤      └マレーヤマアラシ Hystrix brachyura
      │┌フィオミス小目(Phiomorpha)
      │││ ┌──アフリカイワネズミ科(Petromuridae)
      └┤│┌┤  └アフリカイワネズミ Petromus typicus
       │││└──ヨシネズミ科(Thryonomyidae)
       │└┤   └ヨシネズミ Thryonomys swinderianus
       │ │┌──デバネズミ科(Bathyergidae)
       │ └┤  └ダマラデバネズミ Fukomys damarensis
     ┌─┘  └──ハダカデバネズミ科(Heterocephalidae)
     │       └ハダカデバネズミ Heterocephalus glaber 
     └テンジクネズミ小目(Caviomorpha)
      │ ┌────アメリカヤマアラシ科(Erethizontidae)
      │┌┤    └カナダヤマアラシ Erethizon dorsatum 
      │││┌───パカ科(Cuniculidae) 
      ││└┤   └ヤマパカ Cuniculus taczanowskii
      └┤ │┌──テンジクネズミ科(Caviidae)
       │ └┤  └テンジクネズミ Cavia porcellus 
       │  └──アグーチ科(Dasyproctidae) Cavia porcellus 
       │     └マダラアグーチ Dasyprocta punctata
       │ ┌───パカラナ科(Dinomiydae)
       │┌┤   └パカラナ Dinomys branickii 
       ││└───チンチラ科(Chinchillidae) 
       └┤    └オナガチンチラ Chinchilla lanigera
        │┌───チンチラネズミ科(Abrocomidae)
        ││   └ベネットチンチラネズミ Abrocoma bennettii
        └┤ ┌─デグー科(Octodontidae)
         │┌┤ └デグー Octodon degus 
         ││└─ツコツコ科(Ctenomyidae)
         └┤  └ボリビアツコツコ Ctenomys boliviensis
          │┌─フチア科(Capromyidae)
          └┤  └デマレフチア Capromys pilorides
           │┌アメリカトゲネズミ科(Echimyidae)
           └┤└ヨロイトゲネズミ Hoplomys gymnurus
            └ヌートリア科(Myocastoridae)
             └ヌートリア Myocastor coypus

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【グリレス大目(Glires)の系統概要】Blanga-Kanfi et al.(2009)

グリレス大目(Glires)
└┬兎形目(Lagomorpha):ウサギ
 └齧歯目(Rodentia):ネズミ
  │┌リス形亜目(Sciuromorpha)
  ││├リス上科(Sciuridea)
  │││└┬リス科(Sciuridae)
  │││ └ヤマビーバー科(Aplodontidae)
  ││└ヤマネ科(Griridae)
  ││  ┌ネズミ型亜目(Myomorpha)
  └┤ ┌┤└┬トビネズミ科(Dipodidae)
   │ ││ └┬メクラネズミ科(Spalacidae)
   │┌┤│  └┬キヌゲネズミ科(Cricetidae)
   ││││   └ネズミ科(Muridae)
   │││└ウロコオリス形亜目(Anomaluromorpha)
   └┤│ └┬ウロコオリス科(Anomaluridae)
    ││  └トビウサギ科(Pedetidea)
    │└ビーバー形亜目(Castorimorpha)
    │ └┬ビーバー科(Castoridae)
    │  └┬ホリネズミ科(Geomyidae)
    │   └ポケットマウス科(Heteromyidae)
    └ヤマアラシ形亜目(Hystricomorpha)
      └┬グンディ科(Ctenodactylidae)
       └ヤマアラシ亜目(Hystricognathii)
        └┬ヤマアラシ科(Hystricidae)
         │┌┬デバネズミ科(Bathyergidae)
         └┤└┬アフリカイワネズミ科(Petromuridae)
          │ └ヨシネズミ科(Thryonomyidae)
          └テンジクネズミ形類(Caciomorpha)
           └┬┬テンジクネズミ科(Caviideae)
            │└アメリカヤマアラシ科(Erethizontidae)
            └┬チンチラ科(Chinchillidae)
             └デグー上科(Octodontoidea)

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【文献】
Corbert EH (田隅本生訳) (1978) 齧歯類と兎類, In 新版脊椎動物の進化・下巻, 85-101, 築地書館, 東京.
日本哺乳類学会分類群名・標本検討委員会 (2018) 世界哺乳類標準和名目録, 哺乳類科学,58(別冊), 1-53, DOI: 10.11238/mammalianscience.58.S1, Accessed: 2026-02-12.
Lacher TE, Murphy WJ, Rogan J, Smith AT, and Upham NS (2016) Evolution, Phylogeny, Ecology, and Conservation of the Clade Glires: Lagomorpha and Rodentia, in Handbook of the Mammals of the World, 15-26, Accessed: 2026-02-11.
Blanga-Kanfi S, Miranda H, Penn O, Pupko T, DeBry RW and Huchon D (2009) Rodent phylogeny revised: analysis of six nuclear genes from all major rodent clades, BMC Evol Biol, 9:71, 10.1186/1471-2148-9-71, Accessed: 2026-02-11.

卒業までの7ヶ月

 本日は2026-02-13。完全退職の最終出勤日まで残り7日となりました。その様なおり、40年ほど前に発売されたCDが手元にあったことを思い出しました。私も再来週からはスーツ&ネクタイで装うことはもうないのだと思います。
Moon_and_Love
(2ndアルバム Moon & Love K32X210 1987)
卒業までの7ヶ月(花王ビオレCMソング)
八木さおり
森雪之丞詞/中崎秀也曲/武部聡志編曲

✽夏のセーラー服を 棚に仕舞った時
 ふっと気づいたの 二度と着ないこと
 寒い風が吹く 季節をふたつ越せば
 卒業が来るわ

 春が近づいたら きっと逢えなくなる……
 そんな哀しみが 胸を熱くして
 不意に立ち止まり 声にならない言葉
 叫んでる

 September 乙女座生まれのあなたに贈るの
      未来を見てね 双眼鏡
 October  「恋する心が覗けたよ」なんて
      頬にくちづけされた
 もっと勇気をだして もっときらめくの
 卒業式までの7ヶ月

 Nobember 枯葉を並べて「ス・キ・ヨ」と書いても
      子犬がじゃれて 読めないの
 December 優しい瞳で 不安を消してね
      心 凍えないうちに
 もっとみつめあって もっとときめくの
 卒業式までの7ヶ月

✽Repeat

 離ればなれになる 朝が来ても平気
 誓いあう愛は 引き裂かれないわ……
 ハートの鏡に お互いの微笑が
 重なっている

厳冬期のイングリッシュガーデンでは、

 一昨日の雪がまだ少し残っていましたが、ミモザに早咲きの桜と、春はすぐそこまで来ていました。
現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種


【参考】
 横浜イングリッシュガーデン YEG
 グリフィン Griffin
 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
 スイセン ‘ラインベルト・アーリーセンセーション’ Narcissus X ‘Rijnveld’s Early Sensation’
 河津桜(かわづざくら)Cerasus X kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 マンサクク Hamamelis japonica
 クリスマスローズ Helleborus orientalis
 スノードロップ Galanthus nivalis
 清水ヶ丘教会:南区南太田1丁目37-10
 二宮尊徳(たかのり)像:西区中央1丁目35-3

肉歯目(Creodonta)の系統概要

 食肉目(Canivora)の祖先と考えられていた肉歯目(Creodonta)ですが、多系であることが明らかにされ(Corbert,1978)、現在では、旧肉歯目は正式な分類群とは認められていません。新たな系統位置としては食肉目を内包する食肉型類(Carnivoramorph)の姉妹群に相当するようです。古第三紀暁新世(Paleocene)の末期には、現生食肉目の祖先種に当たる食肉型類と分岐し、化石の証拠から新第三期中新世(Miocene)の初期には姿を消したと考えられています(Salcido et al,2025)。

現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種
 現生食肉目(Canivora) 現生広獣類 哺乳類


【肉歯目(Creodonta)周辺(獣亜綱Theria)の系統概要】Salcido and Polly(2025)
 (†)は絶滅属(種)、SDSM:サウスダコタ鉱業技術大学古生物学コレクション

後獣下綱(Metatheria)
││┌有袋類(Marsupialia)
│││└┬────オポッサム属 Didelphis 
│││ └┬───フクロオオカミ属 Thylacinus(†) 
│└┤  └┬──タスマニアデビル属 Sarcophilus
│ │   └──オオネズミクイ属 Dasyuroides
┤ │┌────アルコキルス属 Allqokirus(†)
│ └┤┌┬──クラドシクティス属 Cladosictis(†)
│  └┤└────シパロシロン・グラシリス Sipalocyon gracilis(†)
│   └┬──プロチラシヌス属 Prothylacinus(†)
│    └┬─アルクトディクティス属 Arctodictis(†)
│     └─ボルヒエナ属 Borhyaena(†)
真獣下綱(Eutheria)
 │┌メソニクス目(Mesonychia)
 └┤│┌──────ディサックス・ラシュランロウバティエリ
  │└┤           Dissacus rashlanloubatieri(†)
  │ └┬───シノニクス属 Sinonyx(†) 
  │  └┬──パキアエナ属 Pachyaena(†)
  │   └┬─モンゴルステス属Mongolestes(†)
  │    └┬シノプロテリウム属 Synoplotherium(†)
  │     └──ハルパゴレステス属の一種 Harpagolestes sp.(†)
  │┌肉歯目(Creodonta)
  └┤│ ┌────パトリオフェリス属 Patriofelis(†)
   ││┌┴──────オキシアエナ・フォルシパタ Oxyaena forcipata(†)
   │└┤ ┌─────アルフイア・ショショニエンシス Arfia shoshoniensis(†)
   │ │┌┤┌────オキシアエノドン・ディシレルス Oxyaenodon dysclerus(†)
   │ ││└┴──リムノシオン属 Limnocyon(†)
   │ └┤ ┌──トリテムノドン属 Tritemnodon(†)
   │  │┌┴┬─ブリコテリウム属 Brychotherium(†)
   │  └┤ └───プテロドン・ダシウロイデス Pterodon dasyuroides(†)
   │   │┌────オキシアエノイデス・ショロッセリ Oxyaenoides schlosseri(†)
   │   └┴ヒエノドン属 Hyaenodon 
   │     │┌┬ヒエノドン属の一種 Hyaenodon sp SDSM(†)
   │     └┤└ヒエノドン・ミノール Hyaenodon minor(†)
   │      └┬ヒエノドン・レプトセファルス Hyaenodon leptocephalus(†)
   │       └ヒエノドン・クルシアンス Hyaenodon crucians(†)
   └食肉型類(Carnivoramorph)
    │┌┬──────ビバラプス・アクトゥス Viverravus acutus(†)
    └┤└──────ディディミクス・ブロテヌス Didymictis protenus(†)
     │┌────ネオブルパブス属 Neovulpavus(†)
     └┤┌─────ブルパブス・プロフェクトゥス Vulpavus profectus(†)
      └┴┐
┌───────┘
食肉目(Canivora)
 │  ┌ステノプレシクティス科
 │ ┌┤└──────ステノプレシクティス属 Stenoplesictis(†)
 │ │└ネコ科(Felidae)
 │ │ │┌─────プロアイルルス属 Proailurus(†)
 │ │ └┴┬─────シュードアエルルス・バリドゥス Pseudaelurus validus(†)
 │ │   └┬────トラ Panthera tigris 
 │┌┤    └───チーター属 Acinonyx 
 │││ ┌パームシベット Paradoxurus hermaphroditus
 │││┌┴┬ケープジェネット Genetta tigrina    ├ジャコウネコ科
 ││└┤ └ヨーロッパジェネット Genetta genetta  │(Viverridae) 
 ││ │┌──────パレオガレ属 Palaeogale(†)  ┘
 ││ └┤┌マングース科(Herpestidae) 
 └┤  ││└┬────エジプトマングース Herpestes ichneumon
  │  └┤ └────シママングース Mungos mungo
  │   └ハイエナ科(Hyaenidae)
  │    │┌───イクチテリウム属 Ictitherium(†)
  │    └┤┌┬──シマハイエナ Hyaena hyaena> 
  │     └┤└──カッショクハイエナ Parahyaena brunnea
  │      └┬──ブチハイエナ Crocuta crocuta 
  │       └─アドクロクータ属 Adcrocuta(†)
  │  ┌アライグマ科(Procyonidae)
  │ ┌┤└アライグマ Procyon lotor 
  │ │└クマ科(Ursidae)
  │┌┤ └┬ヘミキオン属Hemicyon(†)
  │││  └アメリカグマ Ursus americanus
  ││└イタチ科(Mustelidae)
  └┤ │┌┬フロリディクティス属 Floridictis
   │ └┤└┬ブラキプサリス属 Brachypsalis(†)
   │  │ └スセニクティス属 Sthenictis(†)
   │  └┬ヨーロッパアナグマ Meles meles
   │   └┬クズリ Gulo gulo 
   │    └┬トリゴニクス属の一種 Trigonictis sp.(†)
   │     └イイズナ Mustela nivalis
   │┌アンフィキオン科(Amphicyonidae)
   │││┌┬──────アンフィキオン・ロンギラムス Amphicyon longiramus(†)
   ││││└┬────シネロス属 Cynelos(†)
   ││└┤ └────プリオキオン属 Pliocyon(†)
   └┤ │┌┬─────ダフォネノドン属の一種 Daphoenodon sp.(†)
    │ └┤└─────ダフォネノドン・マイナー Daphoenodon minor(†)
    │  └┬─────ダフォナス・ハートショルニアヌス Daphoenus hartshornianus(†)
    │   └─────ダフォナス・ベトゥス Daphoenus vetus(†)
    └イヌ科(Canis)
     │┌─ヘスペロキオン亜科(Hesperocyoninae)
     ││ └┬───ヘスペロキオン属 Hesperocyon(†)
     └┤  └┬──サンカヘタンカ属 Sunkahetanka(†)
      │   └┬─キノデスムス属 Cynodesmus(†)
      │    └─メソキオン属 Mesocyon(†)
      │┌イヌ亜科(Caninae)
      └┤└┬────オオカミ(イヌ) Canis lupus 
       │ └────ダイアウルフ Aenocyon dirus(†) 
       └ボロファグス亜科(Borophaginae)
        └┬───デスモキオン属 Desmocyon(†)
         └┬───メタトマルクトゥス・カナブス Metatomarctus canavus(†)
          └┬──エルロドン・タクソイデス Aelurodon taxoides(†)
           └┬─エピキオン・サエブス Epicyon saevus(†)
            └ボロファグス属 Borophagus(†)

【文献】
Corbert EH (田隅本生訳) (1978) 肉歯類と食肉類, In 新版脊椎動物の進化・下巻, 113-148, 築地書館, 東京.
Salcido CJ and Polly PD (2025) Parallelism of mandibular function in therian carnivores: a morphometric, phylogenetic, and finite element analysis, Paleobiology, 1–17, DOI: 10.1017/pab.2025.10068, Accessed: 2026-02-03.

食肉目(Canivora)の系統概要

 イヌ、ネコ、クマなどから構成される食肉目(Canivora)は、絶滅した肉歯目(Creodonta)から分岐して、現生種は列脚亜目と鰭脚亜目に二分される(今泉,1991)と考えられてきましたが、現在では遺伝子を用いた解析の結果を踏まえて、系統図は大きく書き換えられています。その結果、肉歯目は多系であったことが明らかとなり、食肉目はネコ型亜目とイヌ型亜目に二分されています。
 アシカ、アザラシ、セイウチからなる旧鰭脚亜目は、クマ科の姉妹群としてクマ下目の所属となり(Agnarsson et al.,2010)、肉食が主体のこの目の中で、植物食を特異的に発達させたパンダ類のうち、レッサーパンダはイヌ科の姉妹群となるレッサーパンダ科として独立科となり(Sato et al.,2012)、ジャイアントパンダはクマ科の基底部に位置付けられています(Peng et al.,2007)。

現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種
 肉歯目(Creodonta) 現生広獣類 哺乳類


【食肉目(Canivora)の系統概要】Agnarsson et al.(2010)
 ネコ型、イヌ型の2亜目が単系であることは広く認められている様です。この例でのレッサーパンダはイヌ下目の所属になっていますが、その後、Sato et al.(2012)ではクマ科目イタチ上科に移されています。

奇蹄目(Perissodactyla):ウマ、サイ、バク
┴┬鱗甲目(Pholidota):センザンコウ 
 └食肉目(Canivora)
  │┌ネコ型亜目(Feliformia)
  │││┌──────キノボリジャコウネコ科(Nandiniidae)
  ││└┤┌─────ジャコウネコ科(Viverridae) 
  ││ └┤┌┬───オビリンサン科(Prionodontidae)
  └┤  ││└┬──ハイエナ科(Hyaenidae) 
   │  └┤ └┬─マダガスカルマングース科(Eupleridae)
   │   │  └─マングース科(Herpestidae) 
   │   └────ネコ科(Felidae) 
   └イヌ型亜目(Caniformia)
    │┌イヌ下目(Cynoidea)
    ││└┬────レッサーパンダ科(Ailuridae) 
    └┤ └────イヌ科(Canidae) 
     └クマ下目(Arctoidea)
      │ ┌───クマ科(Ursidae) 
      │┌┴鰭脚類(Pinnipedia) 
      └┤ │┌┬セイウチ科(Odobenidae)
       │ └┤└アシカ科(Otariidae)
       │  └─アザラシ科(Phocidae)
       └イタチ上科(Musteloidea) → 【イタチ上科
        │┌───キンカジュー属 Potos
        └┴┬─スカンク科(Mephitidae) 
          └┬アライグマ科(Procyonidae) 
           └イタチ科(Mustelidae) 

【イタチ上科(Musteloidea)の系統概要】Sato et al.(2012)

 肉食が主体の食肉目の中で、植物食を特異的に発達させたパンダ類のうち、レッサーパンダはイヌ科の姉妹群となるレッサーパンダ科に、ジャイアントパンダはクマ科に配置されています。

  ┌イタチ科(Mustelidae)
  ││     ┌ゾリラ亜科(Ictonychinae) 
  ││    ┌┤└┬グリソン族(Lyncodontini)
  ││   ┌┤│ └ゾリラ族(Ictonychini)
 ┌┤│  ┌┤│└カワウソ亜科(Lutrinae) 
 │││ ┌┤│└─イタチ亜科(Mustelinae) 
┌┤││┌┤│└──イタチアナグマ亜科(Helictidinae) 
│││└┤│└───クズリ亜科(Guloninae) 
┤││ │└┬───ラーテル亜科(Mellivorinae)
│││ │ └───アナグマ亜科(Melinae) 
│││ └─────アメリカアナグマ亜科(Taxidiinae)
││└アライグマ科(Procyonidae) 
│└─レッサーパンダ科(Ailuridae) 
└──スカンク科(Mephitidae) 

【ジャイアントパンダ周辺の系統概要】Peng et al.(2007)

 ミトコンドリアDNAの重鎖にある蛋白質の遺伝子配列を、近隣結合法(neighbor-joining)で解析した結果です。

     ┌クマ科(Ursidae) 
     ││ ┌ヒグマ Ursus arctos
    ┌┤│┌┴ホッキョクグマ Ursus maritimus
   ┌┤│└┴─マレーグマ Helarctos malayanus
   ││└───ジャイアントパンダ Ailuropoda melanoleuca 
   │└鰭脚類(Pinnipedia) 
  ┌┤ │┌┬─ハイイロアザラシ Halichoerus grypus
  ││ └┤└─ゼニガタアザラシ Phoca vitulina
 ┌┤│  └┬─ニュージーランドアシカ Phocarctos hookeri
 │││   └─トド Eumetopias jubatus
 ││└イタチ上科(Musteloidea) 
┌┤│ │┌┬──アメリカテン Martes americana
│││ └┤└──レッサーパンダ Ailurus fulgens 
┤││  └┬──アライグマ Procyon lotor
│││   └──シマスカンク Mephitis mephitis
││└──────イヌ Canis lupus familiaris
│└───────ネコ Felis silvestris catus
└鱗甲目(Pholidota) 
 └───────オナガセンザンコウ Phataginus tetradactyla

【文献】
今泉吉典監修 (1991) 食肉目 (世界の動物|分類と飼育2), 235p, どうぶつ社, 東京.
Agnarsson I, Kuntner M and May-Collado LJ (2010) Dogs, cats, and kin: A molecular species-level phylogeny of Carnivora, Mol Phylogen Eviol, 54, 726-745, DOI: 10.1016/j.ympev.2009.10.033, Accessed: 2026-02-01.
Sato JJ, Wolsan M, Prevosti FJ, D’Elía G, Begg C, Begg K, Hosoda T, Campbell KL and Suzuki H (2012) Evolutionary and biogeographic history of weasel-like carnivorans (Musteloidea), Mol Phylogen Evol, 63(3), 745-757, DOI: 10.1016/j.ympev.2012.02.025, Accessed: 2026-02-02
Peng R, Zeng B, Meng X, Yue B, Zhang Z, Zou F (2007) The complete mitochondrial genome and phylogenetic analysis of the giant panda (Ailuropoda melanoleuca), Gene 397, 76–83, DOI: 10.1016/j.gene.2007.04.009, Accessed: 2026-02-08
Bininda-Emonds (2004) Phylogenetic Position of the Giant Panda, In Giant Pandas: Biology and Conservation (Lindburg DG and Baragona K eds.), DOI: 10.1525/california/9780520238671.003.0002, Accessed: 2026-02-08

ウシ科(Bividae)の系統概要

 このグループでのタクソン(分類階級)は、上位で鯨偶蹄目が認められたこともあり、論文間で分類レベルの一致しないことが多くなっています。系統の見直しも少なからず行われていて、例えば中央アジアに生息するサイガは、蹄の構造などに基づきヤギ亜科の所属とされてきましたが(今泉,1988)、ミコトコンドリアRNAを利用した解析によりブラックバック亜科に移されています(Kuznetsova and Kholodova,2002)。なお、ウシ亜科とヤギ亜科とが分岐したのは約3000万年前(古第三紀漸新世)と推定されています(Hiendleder,1998)。
現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種
 鯨偶蹄目 反芻下目 ウシ族 ヤギ族


【現生ウシ科(Bovidae)周辺の系統概要】Bibi(2013)

┌────マメジカ科(Tragulidae) 
│    └┬──────────────ヒメマメジカ Tragulus kanchil
│     └──────────────ミズマメジカ Hyemoschus aquaticus
┤┌───プロングホーン科(Antilocapridae)
││   └───────────────プロングホーン Antilocpra americana 
└┤┌──キリン科(Giraffidae) 
 ││  │ ┌──────────────アンゴラキリン Giraffa camelopardalis angolensis
 ││  └┬┴──────────────コルドファンキリン Giraffa camelopardalis antiquorum
 ││   └──────────────オカピ Okapia johnstoni 
 └┤┌─シカ科(Cervidae) 
  ││ │ ┌┬────────────アクシスジカ Axis axis
  ││ │┌┤└────────────アカシカCervus elaphus
  ││ └┤└─────────────ホエジカ Muntiacus muntjak
  ││  └┬─────────────ミュールジカ Odocoileus hemionus
  ││   └┬────────────キバノロ Hydropotes inermis
  ││    └────────────ヘラジカ Alces alces
  └┤┌ジャコウジカ科(Moschidae) 
   └┤└┬──────────────コビトジャコウジカ Moschus berezovskii
    │ └──────────────シベリアジャコウジカ Moschus moschiferus
    └ウシ科(Bovidae)
     │ ┌────ニルガイ族(Boselaphini)
     │┌┤    └┬───────ニルガイ Boselaphus tragocamelus
     │││     └───────ヨツヅノレイヨウ Tetracerus quadricornis
     ││└ウシ亜科
     ││ │┌───ブッシュバック族(Tragelaphini) 
     ││ ││   │┌──────レッサークーズー Tragelaphus imberbis
     ││ ││   └┤┌┬────ニアラ Tragelaphus angasii
     ││ └┤    ││└────ブッシュバック Tragelaphus scriptus 1
     ││  │    └┤ ┌───クーズー Tragelaphus strepsiceros
     ││  │     │┌┴┬──ジャイアントイランド Tragelaphus derbianus
     ││  │     └┤ └──イランド Tragelaphus oryx 
     ││  │      │┌┬──ボンゴ Tragelaphus eurycerus
     ││  │      └┤└──シタツンガ Tragelaphus spekii 
     ││  │       └┬──ブッシュバック Tragelaphus scriptus 2
     ││  │        └──ブッシュバック Tragelaphus scriptus 3
     ││  └┬──────────サオラPseudoryx nghetinhensis
     └┤   └──ウシ族(Bovini)
      │      │ ┌─────アフリカスイギュウ Syncerus caffer
      │      │┌┴┬─────カラバオ(スイギュウ) Bubalus bubalis carabanesis
      │      ││ └┬────スイギュウ Bubalus bubalis bubalis
      │      ││  └────ローランドアノア Bubalus depressicornis
      │      └┤  ┌────バンテン(インドシナ亜種) Bos javanicus birmancus
      │       │ ┌┴┬──ガウル Bos gaurus
      │       │┌┤ └───バンテン Bos javanicus javanicus
      │       ││└┬───アメリカバイソン Bos bison
      │       └┤ └───ヤク Bos grunniens
      │        │ ┌────ウシ Bos taurus taurus 
      │        └┬┴────コブウシ Bos taurus indicus
      │         └────ヨーロッパバイソン Bos bonasus
      │ ┌────────────インパラ Aepyceros mealampus
      │┌┴┬───────────ベーツアンテロープ Neotragus batasi
      ││ └───────────スニNesotragus moschatus
      └┤    ┌────────クリップスプリンガー Oreotragus oreotragus
       │ ┌──┴ダイカー族(Cephalophini)
       │ │   │┌┬─────マクスウェルのダイカー Philantomba maxwelli
       │ │   ││└┬────ブルーダイカー1 Philantomba monticola 1
       │ │   └┤ └────ブルーダイカー2 Philantomba monticola 2
       │ │    │┌┬────サバンナダイカー Sylvicapra grimmia
       │ │    ││└┬───セスジダイカー Cephalophus dorsalis 
       │┌┤    ││ └┬──ソメワケダイカー Cephalophus jentinki
       │││    └┤  └┬─キイロダイカー Cephalophus silvicultor
       │││     │   └─アボットダイカー Cephalophus spadix
       │││     │┌────アダースダイカー Cephalophus adersi
       │││     └┤ ┌┬─ピーターズダイカー Cephalophus callipygus 3
       │││      │┌┤└─オギルビーダイカー Cephalophus ogilbyi
       │││      └┤└┬─ピーターズダイカー1 Cephalophus callipygus 1
       │││       │ └─ピーターズダイカー2 Cephalophus callipygus 2
       │││       └┬──シロハラダイカー Cephalophus leucogaster
       │││        └┬─アカダイカー Cephalophus natalensis
       │││         └┬ズグロダイカー Cephalophus nigrifrons
       │││          └ワキアカダイカー Cephalophus rufilatus
       └┤└──ブラックバック族(Antilopini)
        │   │┌──────────モウコガゼル Procapra gutturosa
        │   └┤┌┬────────スタインボック Raphicerus campestris
        │    ││└┬───────ベイラ Dorcatragus megalotis
        │    └┤ └┬──────キルクディクディク Madoqua kirkii
        │     │  └──────エリトリアディクディク Madoqua saltiana
        │     │┌────────オリビ Ourebia ourebi
        │     └┤┌───────サイガ Saiga tatarica 
        │      └┤┌┬─────スプリングボック Antidorcas marsupialis 
        │       ││└─────ジェレヌク Litocranius walleri
        │       └┤┌─────ブラックバック Antilope cervicapra
        │        ││  ┌┬─インドガゼル Gazella bennettii
        │        ││ ┌┤└──コウジョウセンガゼル
        │        ││ ││   Gazella subgutturosa subgutturosa
        │        └┤ │└┬──サンドガゼル Gazella subgutturosa marica
        │         │┌┤ └┬エドミガゼル Gazella cuvieri
        │         │││  └リムガゼル Gazella leptoceros
        │         │││┌──スペックガゼル Gazella spekei
        │         ││└┤┌┬─サハランドルカスガゼル Gazella dorcas osiris
        │         └┤ └┤└─ペルゼルニガゼル Gazella dorcas pelzelnii
        │          │  └┬─ニューマンガゼル Gazella gazella erlangeri
        │          │   └─マウンテンガゼル Gazella gazella gazella
        │          │┌┬──コリンガゼル1Eudorcas rufifrons 1
        │          └┤└──コリンガゼル2Eudorcas rufifrons 2
        │           └┬──グラントガゼル Nanger granti
        │            └┬─ダマガゼル Nanger dama
        │             └─ゼメリングガゼル Nanger soemmerringii
        │  ┌───リーボック Pelea capreolus
        │┌─┴リードバック族(Reduncini) 
        ││  │┌┬リードバック Redunca arundinum
        ││  └┤└マウンテンリードバック Redunca fulvorufula
        ││   └┬ウォーターバック Kobus ellipsiprymnus
        ││    └リーチュエ Kobus leche
        └┤ ┌ブルーバック族(Hippotragini)
         │ ││┌┬ローンアンテロープ Hippotragus equinus
         │ │└┤└セーブルアンテロープHippotragus niger 
         │┌┤ └┬アダックス Addax nasomaculatus
         │││  └┬ベイサオリックス Oryx beisa
         │││   └┬オリックス Oryx gazella
         │││    └┬シロオリックスOryx dammah> 
         │││     └アラビアオリックス Oryx leucoryx 
         └┤└ハーテビースト族(Alcelaphini) 
          │ │┌┬ボンテボック Damaliscus pygargus
          │ └┤└┬キタハーテビースト Alcelaphus buselaphus buselaphus
          │  │ └ハーテビースト Alcelaphus buselaphus lichtensteinii
          │  └┬オグロヌー1 Connochaetes taurinus 1 
          │   └┬オジロヌー Connochaetes gnou
          │    └オグロヌー2 Connochaetes taurinus 2
          │┌──────チルー Pantholops hodgsonii
          └┴ヤギ族(Caprini) ヤギ族
            │ ┌───ジャコウウシ Ovibos moschatus 
            │┌┤┌┬─ニホンカモシカ Capricornis crispus 
            ││└┤└┬チュウゴクカモシカ Capricornis milneedwardsii
            └┤ │ └タイワンカモシカ Capricornis swinhoei
             │ └┬─チュウゴクゴーラル Naemorhedus griseus griseus
             │  └┬アカゴーラル Naemorhedus baileyi
             │   └(亜種)チュウゴクゴーラル Naemorhedus griseus evansi
             │┌─────────ヒツジ(綿羊) Ovis aries  ヒツジ属
             └┤ ┌┬──────バーバリーシープ Ammotragus lervia
              │┌┤└──────アラビアン タール Arabitragus jayakari
              ││└┬──────ピレネーシャモア Rupicapra pyrenaica
              └┤ └──────シャモア Rupicapra rupicapra 
               │┌───────シロイワヤギ Oreamnos americanus 
               └┤┌──────ターキン Budorcas taxicolor 
                └┤┌─────バーラル Pseudois nayaur 
                 ││ ┌───ヌビアアイベックス Capra nubiana
                 └┤┌┤┌┬─アイベックス Capra ibex 
                  ││└┤└─スペインアイベックス Capra pyrenaica
                  └┤ └┬─ヤギ(山羊) Capra hircus 
                   │  └┬カフカスアイベックス Capra caucasica
                   │   └マーコール Capra falconeri
                   └┬───ヒマラヤタール Hemitragus jemlahicus 
                    └───シベリアアイベックス Capra sibirica

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【現生ウシ族(Bovini)周辺の系統概要】MacEachern et al.(2009)
 (†)は絶滅種

     ┌ウシ Bos taurus
     ││┌┬ヘレフォード種 (Hereford)
    ┌┤└┤└ホルスタイン種 (Holstein)
   ┌┤│ └─トゥリ種 (Tuli)
   ││└─ヤク Bos grunniens (Yak)
  ┌┤└───バイソン Bison bison
  ││┌───バンテン Bos javanicus (Banteng)
 ┌┤└┤┌──ガウル Bos gaurus (Gaur)
 ││ └┴──ミタン Bos frontalis (Mithan)
┌┤│┌アフリカスイギュウ Syncerus caffer (African Buffalo)
││└┴家畜スイギュウ
┤│  │┌┬Bubalus bubalis bubalis (Asian Buffalo river type)
││  └┤└Bubalus bubalis carabanensis (Asian Buffalo swamp type)
││   └┬Bubalus bubalis bubalis (Indian Water Buffalo Murrah)
││    └Bubalus bubalis bubalis (Indian Water Buffalo Indian)
│└バイソン・アンティクゥス Bison antiquus(†) (Ancient bison)
└イランド Taurotragus oryx (Eland)

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【現生ヤギ族(Caprini)の系統概要】Hassanin et al.(2009)
 ミトコンドリアDNAを用いた解析結果でも、ヤギ族(亜科)がヤギ亜族(Caprina)、ジャコウウシ亜族(Ovibovina)のふたつに分岐していることが示されています。

┌──────チルー Pantholops hodgsonii
│┌ヤギ亜族(Caprina)
┤││┌┬──バーバリーシープ Ammotragus lervia
││││└──アラビアン タール Arabitragus jayakari
│││├┬──ピレネーシャモア Rupicapra pyrenaica
││└┤└──シャモア Rupicapra rupicapra 
││ ├───ターキン Budorcas taxicolor 
└┤ ├───バーラル Pseudois nayaur 
 │ │ ┌─ヌビアアイベックス Capra nubiana
 │ │ ├┬マーコール Capra falconeri
 │ │┌┤└ヤギ(山羊) Capra hircus 
 │ ├┤└┬アイベックス Capra ibex 
 │ ││ └スペインアイベックス Capra pyrenaica
 │ │├──シベリアアイベックス Capra sibirica
 │ │└──ヒマラヤタール Hemitragus jemlahicus 
 │ ├───シロイワヤギ Oreamnos americanus 
 │ └───ヒツジ(綿羊) Ovis aries  ヒツジ属
 └ジャコウウシ亜族(Oviboina)
  └┬───ジャコウウシ Ovibos moschatus 
   └┬──チュウゴクゴーラル Naemorhedus griseus
    └┬─ニホンカモシカ Capricornis crispus 
     └─スマトラカモシカ Capricornis sumatraensis

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【現生ヒツジ属(Ovis)の系統概要】Rezaei et al.(2010)
 野生のヒツジ属の7種についてのミトコンドリアDNA塩基配列を用いた系統関係の概要です。パサンを家畜化したものがヤギと考えられています。

┌ウシ Bos taurus 
┼パサン(ノヤギ) Capra aegagrus
└┬ターキン Budorcas taxicolor 
 └ヒツジ属 Ovis
  │  ┌┬ムフロン(European Mouflon) Ovis musimon
  │ ┌┤└アジアムフロン(Asiatic Mouflon) Ovis gmelinii
  │┌┤└ウリアル(Urial) Ovis vignei
  └┤└アルガリ Ovis ammon(Argali) 
   └┬シベリアビッグホ-ン(Snow Sheep) Ovis nivicola
    └┬ドールビッグホ-ン(Dall Sheep) Ovis dalli
     └ビッグホ-ン(Bighorn) Ovis canadensis 

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【家畜ヒツジ(Ovis aries)の起源】Hiendleder et al.(2001)
 家畜としてのヒツジ(綿羊)はムフロン、ウリアルなどの交配により育種されたと考えられています。

 ┌┬ムフロン(European Mouflon) Ovis musimon
┌┤└ヒツジ=綿羊 Ovis aries 
┤└ウリアル(Urial) Ovis vignei
└アルガリ Ovis ammon(Argali) 

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【文献】
今泉吉典監修 (1988) 偶蹄目 III (世界の動物|分類と飼育7), 167p, どうぶつ社, 東京.
Bibi F (2013) A multi-calibrated mitochondrial phylogeny of extant Bovidae (Artiodactyla, Ruminantia) and the importance of the fossil record to systematics, BMC Evol Biol, 13:166, URL: http://www.biomedcentral.com/1471-2148/13/166, Accessed: 2026-01-06.
MacEachern S, McEwan J and Goddard M (2009) Phylogenetic reconstruction and the identification of ancient polymorphism in the Bovini tribe (Bovidae, Bovinae), BMC Genomics, 10:177, DOI: 10.1186/1471-2164-10-177, Accessed: 2026-01-13
Rezaei HR, Naderi S, Chintauan-Marquier IC, Taberlet P, Virk AT, Naghash HR, Rioux D, Kaboli M, Pompanon F (2010) Evolution and taxonomy of the wild species of the genus Ovis (Mammalia, Artiodactyla, Bovidae), Mol Phylogen Evol, 54, 315–326, DOI: 10.1016/j.ympev.2009.10.037, Accessed: 2026-01-24.
Hassanin A, Ropiquet A, Couloux A and Cruaud C (2009) Evolution of the Mitochondrial Genome in Mammals Living
at High Altitude: New Insights from a Study of the Tribe Caprini (Bovidae, Antilopinae), J Mol Evol, 68, 293–310, DOI: 10.1007/s00239-009-9208-7, Accessed: 2026-01-24.
Hiendleder S, Janke A and Wassmuth R (2001) Molecular data on wild sheep genetic resources and domestic sheep evolution, Arch Tierz Dummerstorf, 44, Special Issue, 271-279, URL: https://www.researchgate.net/publication/229051636_Molecular_data_on_wild_sheep_genetic_resources_and_domestic_sheep_evolution, Accessed: 2026-01-10.
Hiendleder S, Lewalski H, Wassmuth R and Janke A (1998) The complete mitochondrial DNA sequence of the domestic sheep (Ovis aries) and comparison with the other major ovine haplotype, J Mol Evol, 47(4), 441-448, DOI: 10.1007/pl00006401, Acceseed: 2026-01-10.
Kuznetsova MV and Kholodova MV (2002) Molecular Support for the Placement of Saiga and Procapra in Antilopinae (Artiodactyla, Bovidae), J Mammal Evol, 9(4), DOI: 10.1023/A:1023973929597, Accessed: 2026-01-10.
平山秀介 (1981) わが国におけるめん羊飼育の現状と問題点、日本畜産学会北海道支部会報, 23(2), 70-78, URL: https://hlgs.jp/archive/hbjszs_23-2-07.pdf?utm_source=copilot.com, Accessed: 2026-01-10.
農林水産省畜産局畜産振興課 (2025) めん羊・山羊をめぐる情勢, URL: https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/tikusan_sogo/attach/pdf/sonota-29.pdf, Accessed: 2026-01-10.
Kuznetsova MV and Kholodova MV (2002) Molecular Support for the Placement of Saiga and Procapra in Antilopinae (Artiodactyla, Bovidae), J Mammal Evol, 9, 271–280, URL: https://link.springer.com/article/10.1023/A:1023973929597, Accessed: 2026-01-24.


ウシ科(Bovidae) ウシ亜科(Bovinae)

 
 ブッシュバック Tragelaphus scriptus
 
 イランド Tragelaphus oryx
 
 シタツンガ Tragelaphus spekii
 
 ウシ Bos taurus taurus

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ウシ科(Bovidae) ダイカー亜科(Cephalophinae)

 
 セスジダイカー Cephalophus dorsalis

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ウシ科(Bovidae) ブラックバック亜科(Antilopinae)

 
 サイガ Saiga tatarica
 
 スプリングボック(アルビノ) Antidorcas marsupialis

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ウシ科(Bovidae) ブルーバック亜科(Hippotraginae)

 
 セーブルアンテロープ Hippotragus niger
 
 シロオリックス Oryx dammah
 
 アラビアオリックス Oryx leucoryx
 
 コーブ Kobus kob
 
 クロリーチュエ Kobus leche

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ウシ科(Bovidae) ハーテビースト亜科(Alcelaphinae)

 
 オグロヌー Connochaetes taurinus
 
 カーマハーテビースト Alcelaphus Caama

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ウシ科(Bovidae) ヤギ亜科(Caprinae)/ヤギ族(Caprini)
 サイガ(大鼻羚羊)は、ミコトコンドリアRNA解析の結果、ブラックバック亜科の所属となっています(Kuznetsova and Kholodova,2002など)が、かつてはカモシカ類(Goat Antelope)とされていた経緯がありますので、ここにも再掲しました。


 
 ジャコウウシ Ovibos moschatus

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 ニホンカモシカ Capricornis crispus

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 サイガ Saiga tatarica

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 ヒツジ(綿羊) Ovis aries

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 ヒツジ・サフォーク種 Ovis aries Sheep ‘Suffolk’

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 アルガリ Ovis ammon

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 オオツノヒツジ Ovis canadensis

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 シャモア Rupicapra rupicapra

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 シロイワヤギ Oreamnos americanus

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 ターキン Budorcas taxicolor
 
 ゴールデンターキン Budorcas taxicolor bedfordi

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 スーチョワンバーラル Pseudois nayaur szechuanensis

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 アイベックス Capra ibex

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 ヤギ Capra hircus

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 ヒマラヤタール Hemitragus jemlahicus

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反芻下目(Ruminantia)の系統概要

 かつての反芻亜目は、上位タクソンで鯨偶蹄目が認められたことにより、偶蹄亜目反芻下目とされることが多くなっています。このグルーブでは胃が4つに分化していて、反芻(噛み戻し)を行うことが共通の特徴ですが、最も初期に分化したマメジカ科では、主として消化物の水分調整を行っている第三胃(Omasum)を欠いています。それ以外の種では4つの胃を持っていることが共通しています。
 Gatesy(2013)によれば、反芻類がクジラとカバから構成されるクレードから分岐したのは、5,910万年前(新第三紀中新世末期)、マメジカ科が他の反芻類と分岐したのは、4,630万年前(新第三紀鮮新世前期)と推定されています。

現生生物の系統概要】【植物界の系統概要】【後世動物の系統概要】【化石種
 鯨偶蹄目(Cetartiodactyla)  シカ科(Cervidae) ウシ科(Bovidae)


【現生反芻下目(Ruminantia)の系統概要】Fernández and Vrba(2005)

┌マメジカ科(Tragulidae)
┤┌┬プロングホーン科(Antilocapridae) 
││└キリン科(Giraffidae) 
└┤ ┌ジャコウジカ科(Moschidae) 
 │┌┴シカ科(Cervidae)
 ││ │┌キバノロ亜科(Hydropotinae)
 ││ └┤┌シカ亜科(Cervinae) 
 └┤  └┴オジロジカ亜科(Capreolinae) 
  └ウシ科(Bovidae)
   │┌ウシ亜科(Bovinae) 
   └┤┌ブラックバック亜科(Antilopinae) 
    └┤┌ダイカー亜科(Cephalophinae) 
     ├┴┬リーボック亜科(Peleinae)
     │ └リードバック亜科(Reduncinae)
     │┌インパラ亜科(Aepycerotinae)
     └┤┌┬ハーテビースト亜科(Alcelaphinae) 
      └┤└ブルーバック亜科(Hippotraginae) 
       └┬チルー亜科(Pantholopinae)
        └ヤギ亜科(Caprinae) 

【文献】
Fernández MH and Vrba ES (2005) A complete estimate of the phylogenetic relationships in Ruminantia: a dated species-level supertree of the extant ruminants, Biol Rev, 80, 269–302, DOI: 10.1017/S1464793104006670, Accessed: 2026-01-30.
Bibi F (2013) A multi-calibrated mitochondrial phylogeny of extant Bovidae (Artiodactyla, Ruminantia) and the importance of the fossil record to systematics, BMC Evol Biol, 13:166, URL: http://www.biomedcentral.com/1471-2148/13/166, Accessed: 2026-01-06.
Gatesy J (2013) Whales and even-toed ungulates (Catariodactyla), 511-515, in The Timetree of Life, Hadges SB and Kumar S Eds, Oxfors Unic Press, URL: https://timetree.org/public/data/pdf/Gatesy2009Chap81.pdf, Accessed: 2026-01-31.