普賢菩薩が乗り物としていた象が普賢象。その普賢象の鼻を思わせる葉化した2本の雌蕊をもつことで知られるのが八重のサトザクラの一品種である『普賢象』Cerasus × lannesianaです。
金沢八木のひとつと知られる称名寺の普賢象桜は、かねさわ物語(1838年)によれば、1614年に刊行された『名所和歌物語』に既に記載されており、昭和初期までは金沢文庫の近傍に普賢象が植栽されていたようですが、現在、称名寺周辺に八重桜は確認できません。
横浜で山桜と言えば、菊名の桜山公園が知られていますが、こちらはもっともポピュラーな八重桜品種の関山で、普賢象はみられません。関内のさくら通りも主要品種は関山ですが、こちらには普賢象と思われる八重桜が数本植栽されています。
さて、身近で撮影しやすい普賢象として、中央水産研究所の普賢象を撮影してみました。葉化した2本の雌蕊がはっきりと見て取れます。象の鼻とというより2本の牙のイメージなのでしょう。