今日(2016年1月24日)は、久里浜周辺に位置する吉井八景縁の地を訪ねました。吉井八景は横須賀雑考に記載がありますが、撰年も撰者も不明とされています。数は8つ揃っていますが瀟湘型になっておらず、秋月が観月、帰帆が釣船となっており、慕雪の代わりが曉色になっています。
【池田落雁】
まずは、池田地区の最高峰池田山に登ってみました。山は住宅地になっていて、今も造成工事中です。頂上付近には桜、おそらくはオオシマザクラの大木が沢山ありましたので、今度は春に尋ねてみたいものです。
【吉井夕照】
午前中に横浜横須賀道路の北側の吉井鎮守の安房口神社を、午後に南側の吉井山清水院眞福寺を尋ねました。池田山もそうでしたが、眞福寺の御林はドングリでいっぱいでした。
【森崎夜雨】
森崎では妙覚寺を尋ねました。大きなスダジイや竹林が印象的でした。
【萱山晩鐘】
普門山慈眼院
【矢部晴嵐】
現在「矢部」の名前の付く地名は小矢部と大矢部がありますが、今回は大矢部を歩いてみました。義明山満昌寺は、三浦義明の墓所がある臨済宗の寺です。近くには、三浦義明を祭神とする近殿神社や薬師寺跡もあります。横浜横須賀道路の南側の市営公園墓地内の林も当時の風情を残しているようです。
【佐原暁色】
瀟湘八景型であれば、慕雪とすべきところを曉色としているようです。現在佐原には横浜横須賀道路の佐原インターチェンジができて、大きく様変わりしています。佐原2丁目公園にはサッカー場もできていました。
【久村釣船】
この地域に海はないので釣船としたのでしょうが、現在の久村には船が運航できるような河川も見かけなくなっています。少し離れた平作川
【城山観月】
秋月とすべきところが観月になっています。吉井城山にあった怒田城にかかる月を愛でたものと推定されます。額田城址は、現在吉井貝塚として公開されています。奇しくも今日は満月の日です。
【参考文献】
高橋恭一(1968)三浦半島の八景、横須賀雑考、p.466-477.
以下、本日撮影した写真です。