こども植物園を尋ねて-柿展

 そろそろ秋の展示になっていると思って尋ねたこども植物園では昨日から「カキ展」が始まっていました。


カキ Diospyros kaki
【甘柿:展示】

 ’三国一さんごくいち
 ’鶴ノ子つるのこ
 ’禅寺丸ぜんじまる
 ’次郎じろう
 ’富有ふゆう
 ’絵御所えごしょ
 ’晩御所おくごしょ
 ’裂御所はぜごしょ
 ’蓆御所むしろごしょ
 ’天神御所てんじんごしょ
 ’水島御所みずしまごしょ
 ’久保くぼ
 ’興津おきつ20ごう
 ’清姫きよひめ
 ’黒熊くろくま
【渋柿:展示】

 ’山形紅柿やまがたべにがき
 ’平核無ひらたねなし
 ’会津見不知あいづみしらず
 ’夫婦柿めおとがき
 ’四ッ溝よつみぞ
 ’紋平もんぺい
 ’三郎座さぶろうざ
 ’菊平きくひら
 ’新平しんぺい
 ’西条さいじょう
 ’愛宕あたご
 ’豊基高柿ほうきこうし
 ’大麿盤ターモウバン
【その他カキ属:展示】

豆柿マメガキ(信濃柿) Diospyros lotus
常盤柿トキワガキ Diospyros morrisiana
老爺柿ロウヤガキ(衝羽根柿) Diospyros rhombifolia
浙江柿セッコウガキ Diospyros glaucifolia


カキ Diospyros kaki
【甘柿:果樹園】

 ’禅寺丸ぜんじまる
 ’次郎じろう
 ’伊豆いず
 ’II)-IQアイキュウ)-12IQ12
 ’興津系次郎おきつけいじろう
 ’一木系早生次郎いちきけいわせじろう
 ’唐須美えごしょ
 ’富有ふゆう
 ’幸田御所こうだごしょ
 ’絵御所えごしょ
 ’天神御所てんじんごしょ
 ’水島みずしま
 ’盆柿ぼんがき
 ’久保くぼ
 ’三ヶ谷御所みかたにごしょ
 ’正月しょうがつ
 ’清姫きよひめ
 ’御代柿みだいがき
 ’甘百目あまひゃくめ
 ’みかど
 ’東京紅とうきょうべに
【渋柿:果樹園】

 ’平核無ひらたねなし
 ’真光寺ダラリしんこうじだらり
 ’衣紋えもん
 ’四ッ溝よつみぞ
 ’鬼平おにへい
 ’三郎座さぶろうざ
 ’田倉たくら
 ’新平しんぺい
 ’西条さいじょう
 ’大和やまと
 ’川端かわばた
 ’宮崎無核みやざきたねなし
 ’豊基高柿ほうきこうし
 ’大麿盤ターモウバン
 ’台湾正柿たいわんしょうし
 ’富士ふじ
 ’清白寺せいはくじ
【その他カキ属:果樹園】

常盤柿トキワガキ Diospyros morrisiana
老爺柿ロウヤガキ(衝羽根柿) Diospyros rhombifolia
浙江柿セッコウガキ Diospyros glaucifolia


日本人のくらしとカキノキ
 秋空の下、枝もたわわに実ったカキノキは、日本の農村風景として私たちに大変なじみ深いものがあります。
 カキノキの果実は、干し柿や菓子の材料にするほか、柿渋・柿酢の原料など、果皮はたくあん漬けの風味づけに、ヘタはしゃっくり止めの薬として利用されています。また、葉もお茶や柿の葉寿司に、幹は材として、家具や箸、ゴルフクラブなどに役立ってきました。
 このように、1種類の果樹が人々の生活の中で多方面に利用されることは珍しく、それだけカキノキは古くから日本人の生活に深くかかわっています。


 「カキ」という名前の由来
 先に述べたように、カキの学名は Diospyros kakiで、diosは(ゼウス=神の)pyros(食べ物…もともとは小麦)という意味ですが、日本ではなぜ「カキ」と呼ぶのでしょう。「日本釈名」(貝原益軒著)によると「ア(暁)」が転じて「カキ」となったとしており、国語辞書の「大言海」には「ア(赤木)」がなまったものとしています。ほかに「)ガヤ(輝き)」から変化したなどの説があります。いずれもその果実の朱のような赤い色に由来しています。
 「植物渡来考」(向坂道治)では、カキノキが南方から日本へ渡って来た植物であり、「ビワ」や「ヤシ」などとともにインドの方言の呼び名と共通していることから南方系の言語がルーツであるとしています。
参考:「柿と人生」傍島善次著


 英語でカキを意味する言葉「persimmon」は、本来アメリカ大陸原産で北アメリカの先住民がドライフルーツとして食料にしていた「アメリカガキ Diospyrus verginiana」を指します。日本のカキは「Chinese Persimmon、Japanese Persimmon」またはそのまま「Kaki」とよばれます。


こども植物園とカキノキ
 こども植物園は、小麦の遺伝学で有名な木原均博士が設立した木原生物学研究所の跡地に開園しました。木原博士は京都大学退官に先がけて研究所を京都から横浜に移転しました。その時、京都大学からカキノキ62品種を譲り受けたのち、1956~1657年にかけて現在のくだもの園に植えました。今では92品種130本となり、植物園として最多の品種が集められています。
※カキノキ以外のカキ属を含めると種類数は97にのぼります。

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