嗣法山傳心寺

 嗣法山傳心寺は、『かなざわの霊場めぐり』の第23番として掲載されている曹洞宗の寺院です。近年は、横濱金澤七福神の毘沙門天の霊場となっているので、何度か尋ねたこともありました。今日は、新編武蔵風土記稿の傳心寺の項に『白山社門ニ入テ右ニアリ小社ナリ』とあるので確認してきたのですが、境内にも入定塚のある境外地にも、それらしい社や祠は見つけることが出来ませんでした。


 境内を散策するうちに『洋算比例自在』の著者として知られる原魯?の碑があることに気づきました。


  入成(入定)塚之由来
むかし小柴と野島は濱づたい乃細道で結ばれて居りました。海乃荒る度海岸線は壊されて浜人達は困て居りました。或る秋乃夕ぐれ通りかゝった旅乃修行者(六部)が此乃地は人柱たてねばこ乃通り荒れるであろう。私がそ乃人柱にたってあげたいが今は修行の身で三年後には必ず約束を果たすといふて立ち去りました。月日に関守なく三年後の秋乃夕暮枯すゝき乃茂み乃中にこ乃修行者が立って居りました。
四尺四方の穴を掘り自分乃浩身を埋めて息をするために竹の箸を入れて静かに念佛鉦乃音に変ってそ乃餘韻は静かに秋乃夜空に流れます。虫の音が悲しく調和しますと、とう〱七日目葉末乃露乃悲しき朝を迎いました。併し其乃後はこ乃修行者乃捨身乃功徳に依り道は流される事は無くなりました。浜人は大変喜び感謝乃心を罩めて塚(入成塚)を立てゝこ乃修行者乃霊を弔いました。其乃後タンがらみぜんそく等になった人が願がけをしてたくさんの御りやくを戴いたと信仰されています。
昭和五十年丙己歳長月 川畠金介翁口伝に依る
           富井氏保管控書に依る


 嗣法山傳心寺山門
 開山大和尚禅師歴住大和尚碑
 地蔵尊
 原魯?先生埜碑
 毘沙門天
 伝海入定塚



 聖観世音菩薩像:平潟公園(金沢区平潟町16)
 新しい像と思われます。本尊を同じくする野島山染王寺に縁のある像でしょうか?

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