ヤシ科の亜科への検索表(外出自粛なので…part2)

【概要】ヤシ科の5つの亜科の特徴
 トウ亜科は、果実(子房)が瓦状の鱗片で覆われる。
 ニッパヤシ亜科は、地上の幹が確認できず、雌花が頂生する。
 コウリバヤシ亜科は、内向敷石状に葉が裂けていることが多い。
 ケロクシロン亜科は、外向敷石状で雌雄異株のことが多い。
 アレカヤシ亜科は、外向敷石状で雌雄同株のことが多く、花は3花が集合する。


 手持ち資料では適当な検索表がなかったので和訳したのですが、英語の方が寧ろわかりやすかったかも知れません。述語には誤訳もあるかと思います。でも意味合いはこの様な感じで、その概要は上記です。


ヤシ科-亜科への検索表 (Dransfield et al,2008)
1.子房と果実は瓦状の鱗片に覆われている。花は両性花あるいは単性花で、稀に二形花柱性、単生花あるいは2集花(dyads)で配列し、稀に扇状集散花序(多出集散花序)を形成する。
     —————————————トウ亜科(Calamoideae)
1.子房と果実は無毛、または、楯形か基部で付着している鱗片、毛、コルク質の疣、棘などを有するが、瓦状の鱗片はない。花は両性花あるいは単性花で、しばしば両性花で、単生花あるいは3集花(triads)で配列、あるいは扇状集散花序(多出集散花序)を形成する。
     —————————————2.
2.雌花は頂生し、離生して大きく非対称な心皮を3(-4)個、花被を6個有する。雄花は雌花の下方の花序の先端の穂状花序に集生し、それぞれ離生する線形の花被を6個、堅固な柄上に3個の葯を配する。
     —————————————ニッパヤシ亜科(Nypoideae)
2.雌花は頂生せず、もし頂生しても雌雄異株で複数部分に分かれる。雄花は遊離または合着する雄蕊を有し、ごく稀に堅固な柄上に葯を生ずる。
     —————————————3.
3.葉は向軸の折れ目に沿って裂けて内向敷石状の裂片となった小葉を生じる、扇状、羽状複葉、二回羽状複葉、稀に折れ目の間で避けたり、背軸の折れ目に沿って裂け(常に扇状とな)る。または、先端小葉が裂けずに内向敷石状の裂片となる。
     —————————————コウリバヤシ亜科(Coryphoideae)
          → Trachycarpeae連の属への検索表
3.葉は背軸の折れ目に沿って裂けて外向敷石状の裂片となった小葉を生じる、常に羽状複葉で、全て二裂し羽状の畝を生じる。
     —————————————4.
4.花は通常は単性で雌雄異株、稀に雌雄同株で、単軸性の株となる。
     —————————————ケロクシロン亜科(Ceroxyloideae)4.花は常に単性で、通常は雌雄同株、稀に雌雄同株で、花は3花が集合する(triads)、それぞれの花は雌花1花、雄花2花で構成される。ごく稀に縦に配列し(acervuli)、さらに稀に単生する。
     —————————————アレカヤシ亜科(Arecoideae)


【文献】
Dransfield J, Natalie WU, Lange CBA, Baker WJ, Harley MM & LewisCE (2008) Genera Palmarum – The Evolution and Classification of Palms, 219p., Kew Ryal Botanic Garden, UK,, DOI: 10.34885/92, Accessed: 2022-02-06.
下野綾子, 植物の繁殖-自殖?他殖?, URL: https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/0816.html, Accessed: 2022-02-08.

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