本日、雨天。雨宿りのつもりで立ち寄った横浜駅地下二階の南北通路で「神奈川臺石﨑樓上十五景一望之圖」と称する初代歌川広重の複製図をみかけました。制作年が正しければ最晩年の作で、ここに示されていた15景を名称を頼りにプロットしてみると(ありえない配置になっているので)『広重は必ずしも現場で取材していないことがある』という説に納得がいきます。
画面右に描かれている櫻屋はいまでも営業を続ける田中屋の前身、左下の橋は滝の川に今でも架かっている滝の橋です。神奈川台場の構築が始まるのは翌年(1859年)のことですし、この風光明媚な入江(袖ヶ浦)のほぼ中央でランドマークタワーが開業するのは135年後になります
神奈川臺石﨑樓上十五景一望之圖
安政五年(1858年):初代安藤広重画(横浜開港資料館所蔵)
「臺町十五景」
01.清水山清水
02.将軍山櫻花
03.本覚寺宿鴉
04.芝生の秋
05.鹿野山(望)月
06.平沼塩煙
07.芙峯遥望
08.港千鳥
09.宮洲汐干
10.野毛海苔舟
11.橫濱漁火
12.権現山夕陽
13.洲乾雪
14.本牧舶風
15.洲嵜神社