海の公園方面では……

 今日は、海の公園方面で春の訪れを探してみました。すると、今が盛りのヤマモモの花に多数たかっている昆虫を見かけました。体長3mm程度で遠目にはシロアリの羽蟻にも見えましたが、はるかに小さくて、第一印象は膜翅目(ハチ・アリの類)でした。家に帰って手持ちの図鑑で広腰亜目のナギナタハバチ科と推定して、ウェブで検索したところ、この科の普通種であるマダラナギナタハバチらしいことを突き止めました。ハチの仲間では、ハチらしいハチの仲間である細腰亜目より、体節の括れがはっきりしない広腰亜目のほうが古くから生息してきたと考えられてきましたが、その中でもナギナタハバチ科は祖先種と考えられているだけでなく、最近では完全変態をする、つまり蛹の時期を持つ昆虫すべての祖先形であると考えられる(山本・町田,2019)ようになっているのだそうです。今日は、ふとしたことから、2億年余りの由緒ある昆虫に出会えました。


【文献】
山本鷹之・町田龍一郎(2019)マダラナギナタハバチXyela variegata Rohwer, 1910 の胚発生過程の概略(昆虫綱・膜翅目・広腰亜目・ナギナタハバチ科), Proc. Arthropod. Embryol. Soc. Jpn. 52, 53–54, URL: http://aesj.co-site.jp/Vol52/2019_Vol.52_53.pdf, Accessed: 2022-03-28.
Goulet H and Huber JT edt. (1993)Family XYELlDAE, p.111 in Hymenoptera of the world: An Identification Guide to families, Agriculture Canada, Ottawa, Ontario. 680p., URL: https://cfs.nrcan.gc.ca/publications?id=35617, Acecced: 2022-03-28.
Zenodo by CERN, Xyela variegata Rohwer 1910, DOI: 10.5281/zenodo.5261723, Accessed: 2024-01-30.


 キュウリグサ Trigonotis peduncularis
 寒緋桜(かんひざくら)Cerasus campanulata
 ヒイラギ Osmanthus heterophyllus
 寒咲花菜(かんざきはなな) Brassica sp.
 染井吉野(そめいよしの)Cerasus x yedoensis
 大島桜(おおしまざくら)Cerasus speciosa
 鷹取川 (ソメイヨシノ)
 ボラ Mugil cephalus
 イヌカキネガラシ Sisymbrium orientalis
 海苔(ひび)
 ナワシログミ Elaeagnus pungens
 梅桃(ユスラウメ) Prunus tomentosa
 ウバメガシ Quercus phillyraeoides
 カラタネオガタマ Magnolia figo Syn. Michelia figo
 ユズリハ Daphniphyllum macropodum
 タブノキ Machilus thunbergii
 山桜(やまざくら)Cerasus jamasakura
 小彼岸(コヒガン) Cerasus x subhirtella cv. Subhirtella
 土筆(スギナ Equisetum arvenseの胞子茎)
 御車返(みくるまがえし)Cerasus x Sato-zakura Group ‘Mikurumakaeshi’
 河津桜(かわづざくら)Cerasus x kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 スダジイ Castanopsis sieboldii
 ヤマモモ Morella rubra
 マダラナギナタハバチ Xyela variegata
 ノボロギク Senecio vulgaris
 ゼニアオイ Malva sylvestris
 レンギョウ Forsythia suspensa
 西柴
 神代曙(じんだいあけぼの)Cerasus x yedoensis ‘Jindai akebono’

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