楚辞九歌:山鬼(屈原作)に登場する植物

 高校生時代にお気に入りだった漢籍のひとつが楚辞です。今なら、楚辞に登場する植物の写真も揃っていると思い整理してみました。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


漢名 (Chinese Name) 和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name)
薛茘へいれい オオイタビ
バラ目 クワ科
オオイタビ
Ficus pumila
女羅ぢょら ヒカゲノカズラ目
ヒカゲノカズラ科
ヨウラクヒバ
Phlegmariurus phlegmaria
辛夷しんい コブシ
モクレン目 モクレン科
コブシ
Magnolia kobus
けい モクセイ属
シソ目 モクセイ科
キンモクセイ
Osmanthus fragrans var. aurantiacus
石蘭せきらん ヒトツバ
ウラボシ目 ヒメシダ科
ヒトツバ
Pyrrosia lingua
杜衡とこう カンアオイ属
コショウ目 ウマノスズクサ科
カンアオイ
Asarum nipponicum
こう タケ亜科
イネ目 イネ科
モウソウチク
Phyllostachys heterocycla
かつ クズ
マメ目 マメ科
クズ
Pueraria lobata
杜若とじゃく ヤブミョウガ
ツユクサ目 ツユクサ科
ヤブミョウガ
Pollia japonica
松柏しょうはく 裸子植物
球果綱
クロマツ
Pinus thunbergii

  Sanki
山鬼:ゲームソフト『神都夜行录』より


  九歌:山鬼【読み下し】星川(1970)
若に人有り山の阿に、薛茘へいれいを被て女蘿ぢょらを帯とす。
既に睇を含みて又宣く笑う。子予の善く窈窕たるを慕う。
赤豹に乗りて文狸を従へ、辛夷しんいの車にかつらの旗を結び、
石蘭せきらんを被て杜衡とこうを帯とし、芳聲を折りて思ふ所に遣る。
余幽くわうに處りて終に天を見ず。路險難にして獨り後れて來る。
表く獨り山の上に立てば、雲容容として下に在り。
杳として冥冥として羌晝晦く、東風飄として神霊雨ふらす。
霊脩を留めて憺として歸るを忘れしめん。歳既に晏ければ、孰か予を華さかせん。
三秀を山閒に采るに、石磊磊としてかずら蔓蔓たり。
公子を怨んで悵として歸るを忘る。君我を思ひて閒を得ざるならん。
山中の人は杜若とじゃく芳しく、石泉を飮みて松柏しょうはくに蔭はる。
君我を思ひて然疑作りしならん。
雷填填として雨冥冥たり。猨啾啾として狖夜鳴く。風颯颯として木蕭蕭たり。公子を思へば徒らに憂に離るのみ。


  九歌:山鬼【原文】
若有人兮山之阿 被薜荔兮带女蘿
既含睇兮又宜笑 子慕予兮善窈窕
乘赤豹兮従文狸 辛夷車兮结桂旗
被石蘭兮带杜衡 折芳馨兮遗所思
余處幽篁兮终不見天 路险难兮独后来
表獨立兮山之上 雲容容兮而在下
杳冥冥兮羌晝晦 東風飄兮神霊雨
留霊脩兮憺忘歸 歳既晏兮孰華予
采三秀兮於山閒 石磊磊兮葛蔓蔓
怨公子兮悵忘歸 君思我兮不得閒
山中人兮芳杜若 飮石泉兮蔭松柏
君思我兮然疑作 
雷填填兮雨冥冥 猨啾啾兮狖夜鳴
風颯颯兮木蕭蕭 思公子兮徒離憂


【文献】
星川清孝 (1970) 楚辞, 新釈漢文大系34, 362p, 明治書院, 東京.
神都夜行录:山鬼, Accessed: 202602-26.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です