山下町公園の天馬と四神獣

 本日(2026-02-20)は春節に合わせた(?)新年会でした。予定の時間まで少しあったので立ち寄った山下町公園では四神獣が飾られていました。
 維管束植物【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)
 哺乳類 生物系統樹 化石動物


 天馬 (Tianma / Pegasus)
 神獣(四神獣)
  玄武 (Xuanwu / Black Tortoise):北:冬:水:黒
  白虎 (Baihu / White Tiger)  :西:秋:金:白
  朱雀 (Zhuque / Vermilion Bird):南:夏:火:赤
  青龍 (Qinglong / Azure Dragon):東:春:木:緑


 ひときわ目立っている天馬につき、中国ではどのように考えられているかを調べてみました。手元にあった山海経の訳本から『天馬』が載っている箇所を特定し、デジタルアーカイブに登録されていた明治時代に刊行された写本に図が載っているのを見つけました。山海経は戦国時代から前漢の時代にかけて成立したと考えられていますが、図については後代の想像画と言われていますので、あくまでも参考にすぎないのですが、いずれにせよ、馬というよりは、ムササビあるいはコウモリのような小型哺乳類であると考えた方がよさそうです。そうしますと、山下町公園の天馬は、ギリシャ神話のペガサスのイメージなのだと思われます。

 Copilotにいろいろと質問したところ、ヒナコウモリ(Vespertilio sinensis)は『体毛に白っぽい毛がまじりあうことが多い』だけでなく、模式産地が北京なので、天馬の正体候補と言えそうです。

山海経第三 北山経(国立国会図書館デジタルアーカイブ)
 又東北二百里ヲ曰馬成之山ト。其ノ上多文石其ノ隂多金玉。有獣焉其ノ状如シテ白犬而黒頭アリ見レハ人ヲ則飛フ(言ハ肉翅飛行自在)其ノ名ヲ曰天馬ト其ノ鳴自叫。有鳥焉其ノ状如烏首白シテ而身靑シテ足黄ナリ是ヲ曰鶌鶋(屈居ノ二音或作鵈)其ノ鳴自䚺食ヘハ之不饑可以テ巳寓(未タ詳或曰寓猶ヲ缺也)


天馬:山海経第二十三圖を元にしたCopilot生成画像


【高馬三良訳】
 さらに東北へ二百里、馬成ばせいの山といい、山にはあや石多く、山の北には金・玉が多い。獣がいる。その状は白い犬の如くで黒い頭、人を見れば飛ぶ。その名は天馬。鳴くときはわが名をよぶ。鳥がいる。その状は烏の如く、首は白くて身は青く、足は黄、これは鶌鶋くっきょと名づける。鳴くときはわが名をよぶ。これを食うと飢えず、もうろくをいやすによろし。

 馬成山  :太行山脈の北東部、あるいは山西省や河北省のどこかにあると推測(百度百科)
 文石(紋石):蛇紋石あるいはオニキス類か
 金・玉  :金属資源や翡翠などの鉱物資源
 寓    :耄碌と同じ意味かどうかは不明。百度百科は『イボ』としています。

 なお、四神獣は山海経には記載がないようで、前漢(紀元前206年~紀元前8年)以降に成立したとされる四神獣(大杉,1997)は、山海経の起源(臼倉,2008)と考えられている戦国時代(紀元前5世紀~紀元前221年)にはまだ知られていなかったのかも知れません。四神獣については、キトラ古墳の例を挙げるまでもなく、我が国でも広く知られていますので、ここでの詳述は控えます。


【文献】
郭璞 伝ほか (1902) 山海経:18巻 三-四, 文光堂, 東京, 国立国会図書館デジタルコレクション, 山海経第三 北山経, p16, URL: https://dl.ndl.go.jp/pid/3464360/1/2, Accessed: 2026-02-22.
臼倉直樹 (2008)『山海経』の形成過程及びその性質, 立命館文學, (606), 1211~1189, URL: https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/606/606PDF/usukura.pdf, Accessed: 2026-02-22.
大杉徹 (1997) 四神考-前漢、後漢期の資料を中心として, 人文学論集, 15, 127-143, DOI: 10.24729/00004588, Accessed: 2026-02-22.
高馬三良訳 (1973) 山海経第三北山経, In 中国の古典シリーズ4, 抱朴子 列仙伝・神仙経伝 山海経, 467-472, 平凡社, 東京.



【参考】
 横浜イングリッシュガーデン(YEG)
 グリフィン Griffin
 イースター・ディスプレイ
 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
 スイセン ‘ラインベルト・アーリーセンセーション’ Narcissus X ‘Rijnveld’s Early Sensation’
 マンサク ‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena’
 スノードロップ Galanthus nivalis
 河津桜(かわづざくら)Cerasus X kanzakura ‘Kawazu-zakura’
 山茱萸(サンシュユ) Cornus officinalis
 ツワブキ ‘希木麒麟(きききりん)Farfugium japonicum X ‘Kikikirin’
 福寿草(フクジュソウ) Adonis ramosa
 ウメ ‘紅雲竜(べにうんりゅう)Armeniaca mume ‘Beni-unryu’
 ハヤザキマンサク ‘パープルシードリング’ Hamamelis vernalis ‘Purple Seedling’

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