本邦産のサクラは2018年に新種記載された熊野桜を入れて11種とされていますが、人為的な交配、あるいは自然交雑により生じた桜の品種は100種を有に超えており、数え方によっては300種を超えるそうです。その中には成立経緯が明らかでなはない品種も多く含まれており、一般的には大島桜と江戸彼岸を交配して造られたと信じられてきた染井吉野でさえも3種目となる山桜の関与が示唆されるとの研究結果(加藤・松本,2014)もあります。このため桜の品種の多くは『里桜群』と総称されているのですが、交配の経緯が明らかな場合と、ほぼ親が明らかとされている品種につき親子関係を作図してみました。種名あるいは品種名に下線がついていれば写真にリンクしています。
日本産の桜から生じた交配種・交雑種 |
The crossbreeding of Japanese cherry blossoms |
【参考】
iOS(Safari)では、PDFからリンク先に辿りつけない様ですので、下記にリンクを用意しました。
【国内産種】
カンヒザクラ群
エドヒガン群
ヤマザクラ群
マメザクラ群
(
チョウジザクラ群
ミヤマザクラ群
【外国産種】
エドヒガン群(?)
ヒマラヤザクラ、Cerasus cerasoides
カラミザクラ群
ミザクラ群
【交配種・交雑種】
ウミネコ Cerasus x parvifolia ‘Umineko’(豆桜x大島桜)
クルサル Cerasus x ‘Kursar’(高嶺桜(千島桜)x寒緋桜)
アーコレード Cerasus sargentii x C. subhirtella ‘Accolade’(高嶺桜(千島桜)x大山桜)
【文献】
森林総合研究所多摩森林科学園(2014)サクラ保存林ガイド、111p.、東京.
森脇和郎・勝木俊雄(2011)遺伝研のさくら、151p.、遺伝学普及会、三島.
大島秀章・川崎哲也・田中秀明(2007)新日本の桜、263p.、山と渓谷社、東京.
Ohta S, yamamoto T, Nishitani C, Katsuki T, Iketani H and Omura M (2007) Phylogenetic relationships among Japanese flowering cherries (Prunus subgenus Cerasus) based on nucleotide sequences of chloroplast DNA, Plant Systematics and Evolution, 263, 209-225, URL: https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00606-006-0474-1.pdf, Accessed: 2022-04-01.
Katsuki T(2018) A New Species, Cerasus kumanoensis from the Southern Kii Peninsula, Japan, Acta Phytotaxonomica et Geobotanica, 69(2),119-126, DOI: 10.18942/apg.201801. Accessed: 2022-04-03.
加藤珠理・松本麻子(2014)、DNAから見た桜の栽培品種の再分類、森林科学、70、12-16.