ナナフシ目(Phasmatodea)は、かつて直翅目に置かれていたグループが独立して目となったのですが、ミトコンドリアDNA配列を用いた解析結果では、シロアリモドキ目(Embioptera)、ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)との間で入れ子が確認されています(Song et al.,2020)ので、目としての単系性をも含めて、今後検討が続けられていくと思われます。
本目は熱帯域に分布する種が多いこともあり、このブログではコヒガンの花と一緒に写っていた写真が一枚だけみつかりました。
【昆虫綱の分類概要】 【陸上植物の分類概要】
【ナナフシ目(Phasmatodea)の系統概要】 (Song et al.,2020)
┌蜉蝣(カゲロウ)目(Ephemeroptera)
┤┌革翅(ハサミムシ)目(Dermaptera)
│├カワゲラ目(Plecoptera)
└┤┌直翅(バッタ)目(Orthoptera)
││┌ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)
└┤│┌カカトアルキ目(Mantophasmatodea)
└┤├ガロアムシ目(Grylloblattodea)
│├シロアリモドキ目(Embioptera)
│├┬蟷螂(カマキリ)目(Mantodea)
└┤└ゴキブリ目(Blattodea)
└┬チビナナフシ亜目(Timema)
└ナナフシ目(Phasmatodea)
┤┌革翅(ハサミムシ)目(Dermaptera)
│├カワゲラ目(Plecoptera)
└┤┌直翅(バッタ)目(Orthoptera)
││┌ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)
└┤│┌カカトアルキ目(Mantophasmatodea)
└┤├ガロアムシ目(Grylloblattodea)
│├シロアリモドキ目(Embioptera)
│├┬蟷螂(カマキリ)目(Mantodea)
└┤└ゴキブリ目(Blattodea)
└┬チビナナフシ亜目(Timema)
└ナナフシ目(Phasmatodea)
【ナナフシ目(Phasmatodea) ナナフシムシ科(Prisomeridae)】
和名 (Japanese Name) | 画像 (Image) | 学名 (Latin name) | 英語名 (English name) |
---|---|---|---|
ナナフシ属 Baculum | |||
ナナフシ(ナナフシモドキ) |
|
Baculum irregulariterdentatum | Walking Stick |
撮影した当初は、ナナフシかナナフシモドキが判別がつかず、ナナフシの一種としていました。その後、和名命名者の記載ミスでナナフシは存在していなかったため、ナナフシモドキがナナフシと呼ばれるようになったことを知りました。従って、ナナフシとナナフシモドキは同じ種だったことになります。写真では触角が短いので、エダナナフシではないのでナナフシと思われますが、そもそもこのグループは学名が今後変更なる可能性も有りそうです。
【文献】
Song N, Li X, Na R (2020) Mitochondrial genomes of stick insects (Phasmatodea) and phylogenetic considerations, PLoS ONE, 15(10):e0240186, DOI: 10.1371/journal.pone.0240186, Accessed: 2024-01-21.
Yang H, Engel MS, Shih C, Song F, Zhao Y, Ren D and Gao T (2023) Independent wing reductions and losses among stick and leaf insects (Phasmatodea), supported by new Cretaceous fossils in amber, BMC Biology, 21:210, DOI: 10.1186/s12915-023-01720-0, Accessed: 2024-01-21.