沼間の伝説

 逗子市の南東に位置する沼間は、かつての沼地を埋め立てた地域で、大蛇の伝説が残されています。奈良時代に、この地を訪れた行基和尚が、十一面観音の功徳により、七つの頭を持つ大蛇を調伏したと沼間山法勝寺縁起に記されています。
 大蛇というのは、時として荒れ狂うことのあった田越川水系のことでしょう。行基本人がどれほど関わったかは想像の域を出ないところではありますが、各地で治水事業に貢献した行基集団の貢献を記念したものと思われます。
 大蛇の七つの首を祀った社が、かつては谷戸ごとにあったらしいので、いつかその地を探してみるのも面白そうです。


【文献】
 川口謙二(1962)相模国武蔵国土風記、272p、錦正社、東京.
 逗子教育委員会(1971)逗子市文化財調査報告書第2集 沼間・池子、99p.
 逗子教育委員会(1978)文化財散歩-ふるさと・逗子、73p.

【参考】
 タイワンリス Callosciurus erythraeus
 ギンヨウアカシア Acacia baileyana
 鈴木家・桐ヶ谷家のケヤキ Zelkova serrata
 五霊神社の大イチョウ Ginkgo biloba
 アケボノスミレ Viola rossii
 アカザ Chenopodium album
 沼間のスダジイ Castanopsis sieboldii
 ヤブソテツ Crytomium fortunei
 イノデ Polystichum polyblepharum

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