広葉樹材は導管の配置によって、環孔材、散孔材、放射孔材に分けることが出来ますが、今日はアラカシの切り株に、典型的な放射孔材の木口面を見ることが出来ました。
さらにハカランダの切り株もあり、散孔材のサンプルとして撮影したのですが、ウェブで検索するとハカランダは環孔性散孔材なのだそうです。環孔性散孔材というのは、半散孔材のことだと思います。学生時代、外材の事はあまり学ばなかったこともあり、目から鱗の新発見でした。もっとよく見てくればよかったと、ちょっと後悔です。
–> やはり、キリモドキは散孔材の様です。
追記:2018.3.16 11:00
ハカランダ(Jacaranda)と呼ばれる植物に二種類あることに気づきました。これまで私が知っていたのは、キリモドキ(Jacaranda mimosifolia)であって、スペイン語だと『ハカランダ』ですが、日本では英語風に発音する『ジャカランダ』の名でも知られているラベンダー色の花を付けるノウゼンカズラ科の高木です。
一方、1992年にCITES付属書Ⅰに記載されたため、幻のギター材とまで言われるブラジリアン・ローズウッド(Dalbergia nigra)もハカランダと呼ばれることがあるようです。こちらの花色は白で、現地ブラジルでのポルトガル語の発音では『ジャカランダ』となるそうです。分類的にはキリモドキとは異なるマメ科で、
件のウェッブ情報で半散孔材(semidiffuse porous wood)とされたのは、Dalbergia nigraのほうでした。先週、木口面を見かけたJacaranda mimosifoliaは、肉眼で見た感じでは散孔材(diffuse porous wood)だったのですが、機会があればよく観察したいと思います。
ジャカランダフェスティバル2016 (神奈川歯科大学) |
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【参考文献】 佐伯 浩(1993)この木なんの木、海土社、132pp.
追記2:2018.3.16 21:00
キリモドキ属 Jacaranda は散孔材との文献を見つけました。
【文献】
Santos GD & Miller RB (1997) Wood Anatomy of Jacaranda (Bignoniaceae): Systematic Relationships insection monolobos and dilobos as suggested by twig and stem wood rays, IAWA Journal, 18:4, 369-383. URL:https://www.fpl.fs.fed.us/documnts/pdf1997/santo97a.pdf, accessed: 2018-03-16.