キャンディタフト Iberis umbellata

 先月からラベンダーピンク色の花を咲かせ始めた不明種は、欧州原産の Iberis umbellataであることがわかりました。和名はイロマガリバナ(=色歪り花)(淵田ら,2017)のようですが、この趣味のよくない(?)ネーミングのためか、市場では属名のイベリス、あるいは英名のキャンディタフトとして流通しているようです。


 最初に気づいた時は、開花が始まったばかりでハナウドを思わせる左右対称の花から、セリ科かと思いましたが、葉をみるとキク科の様でもあり、開花が進むにつれ、伸びすぎたアリッサムのようになってきたので、イベリス属であることに思い当たりました。
 40種くらいが知られているイベリス属のうち、日本に入ってきているのは、l. amara, l. umbellata, l. sempervirens の3種が多いようでしたので、これらの画像を検索して種名まで辿りつきました。属名のイベリスはスペインの古名イベリアから、種小名のウンベラタは傘(アンブレラ)を思わせる花序の形(散房花序)から名付けられたそうです。英名のTuftも花序が房になることを意味しているようですが、和名はこの種では花色の変化が多様であることに着目したものと思われます。今朝確認すると、いつの間にか開花個体数が増えて白花も咲きだしていました。

【参考文献】
Iberis umbellata, Acta Plantarum, accessed 2018.6.9.
淵田早穂子ら(2017)外来種と園芸植物との名称対照表の作成, 日緑工誌、40(2)、352-364.

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