Sol Biancaの『G』-太陽の船ソルビアンカより

 外に出れないので、バックアップ用のハードディスクを整理していると面白い発見がある。先週みつけた『宇宙の守護神像』によく似た絵があった筈と思って探していて、OVA作品『太陽の船ソルビアンカ』に出て来る宇宙船Sol BiancaのOS(AI)である『G』の立体映像をみつけた。


 当該作品は、1999年に制作されたOVAだが、1990年に発表され未完のままになっている『ソル・ビアンカ』のサイドストーリーでもある。両作品間には、ほぼ10年のブランクがあったためか、声優陣が総入れ替えで、設定やメカデザイン等もいろいろと変更になっているのだが、宇宙船のフォルムが美しい事には変わりがなく、お気に入りの作品のひとつである。

 作品の舞台は、人類が宇宙に進出してから数百年が過ぎ、宇宙開拓時代のテクノロジーが失われている時代で、ソルビアンカ号はかつてのテクノロジーで造船された船という設定になっている。船の主要な制御は人工知能『G』に任されており、その立体映像がアールヌーボー調の女神像であった。

 発表時の時代背景としては、折しもiMacが1998年に発売されたところで、パソコンの基本性能が充足してきて、機能とは関係ないデザインにも注目するユーザにまでパソコンが普及していった時代であった。かく言う私も、(さすがにiMacには手を出さなかったが)PowerMacは何台か続けて購入したことを思い出した。宇宙船用OSの立体映像など、無駄と言ってしまえばそれまでだが、所謂戦艦タイプの宇宙船とは趣を異にする良さがあると思う。

 当該作品は、音楽にも特筆するものがあり、特にオープニングテーマ『To Bee Free』のスリリングなオーケストレーションは今でも十分に通用する優れたものだった。この機に全作品のテーマ曲の歌詞を再録しておく。和訳部分は、そういう解釈もあるかも知れないという温かい目でご覧いただき、不十分な点はご容赦いただきたい。


『To Be Free』太陽の船ソルビアンカ(1999年):オープニングテーマ
 作詞:Marie Cochrane / 作曲:長岡成貢 / 編曲:長岡成貢
 歌:Stella Furst
 演奏:スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団

Though you try to drain my mind
With all your foolish lies
I am fragile but powerful
No need to deny
Listen to my deed
I know your scheme
Is just a constant bluff
I need to get away
From this game you like to play

To be free
As free as a bird can be
Got a goal to reach
Be free
As free as a bird can be
Though you may not believe it

【意訳】
—————————————————————
愚かな虚言で疲れさせようしても、私は壊れやすいようでも力強い。
私の権利を否定せずに耳を傾けて欲しい。
ポーカーフェイスを続けていることは見抜いている。
私は、このゲームを終りにする必要がある。
鳥のように自由になるためのゴールは決まった。
鳥がそうであるように自由になるために。
あなたには理解できないだろうが……


『You’re not all alone』太陽の船ソルビアンカ(1999年):エンディングテーマ
 作曲 山路教斗詞、作詞 Marie Cochrane
 歌 Kryie

There are times when life can be cruel
Blink your eyes; it’ll pass before you know
A done deal… Believe me…

What is that my mother used to say?
“Rome was never built in just one day
By the ancient who reigned”

You’re not all alone.
You’re not all alone.
Don’t think that you’re all alone in the universe
You gotta hang your head high

Striving but not winning
Thriving but not giving in
The beast I have fed is now in rage
Chasing for the rainbow
Winding empty handed
Every dog has own day

【意訳】
———————————————
惨めな状況に陥るときは、瞬く間に過ぎて行くだろう。
それは定められたこと、信じなさい。
母はいつもなんと言っていたか?
『ローマは(いにしえ)の覇者によっても一日にしてならず。』
あなたは一人ではない。
あなたは一人ではない。
この宇宙でたった一人ではないと信じなさい。
(こうべ)を高く(もた)げていなさい。
勝利することなくても努力し、
降伏することなく目標に向かって進みなさい。
飼いならされた獣は、今、霊感を得て、
虹に向かい、徒手空拳でも曲がりくねった道を突き進む。
報われる日は、必ず訪れる。


『負けないで』ソルビアンカ(1990年):エンディングテーマ
 作詞:安岡孝章、作・編曲:安岡孝章
 歌:NAO

さよならを言い出せなくて 今夜は
少しだけ疲れたような その横顔
繋いだ手と手が とても冷たくて
交わし合う囁きさえも
Lonely stance call
強がって昨日のように笑ってるのね
夢のシルエット
思い出して 遠い約束
負けないで この想いは
言葉にさえならないけど
振り返れば すぐ側に私がいるから

黄昏が二人をいつか追い越して
少しだけ
あの日のような匂いがするね
時の強さに
壊れそうな幾つもの Lonely
風に乗せる想いは
言葉にさえ出来ないけど
きっといつも側にいて
輝き続けていて

何も言わずにそっと口づける
その瞳のままに映して
全ての事をまっすぐに
負ないで 片思いは
それだけ切なくても
きっといつもあなたらしく
輝き続けていて
負けないで この想いは
言葉にさえ出来ないけど
振り返れば すぐ側に私がいるから


『少年の瞳』ソルビアンカ2(1991年):エンディングテーマ
 作・編曲:軒上恒星
 作詞・歌:ASAO

腕の中で抱かせてくれ 悲しみが僕に似合うよ
世界中の 地上への 黒い雨が降り灌いでる
君を苦しめてる 闇に炎を灯していたい
壊れた未来も滅びゆく愛も 生まれ代われるように

傷ついた翼たちが
ひと時の安らぎに寝る
君は未来を行く 風をみた
世界中で愛し合う誰かに 微笑みが
もう一度 It’s grin for you
戻るように

傷ついた翼たちが
空へ帰って行くその日は
少年の瞳が風をみた
きっと会える
もう一度 二人で飛べるよ
いつでも It’s grin for you
待っているから

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