マツバラン科(Psilotaceae)は、6属111種からなるグループで(PPG-I,2016)、その特異な形態故に、かつてはシダ類の中でも早い時期に分岐したと考えられていて、シダ類のリストの最初に記載されていました(大井,1957,田川,1959)が、現在ではハナヤスリ科が姉妹群と考えられています。神奈川県内でも多数の確認記録があり、近年分布を拡大している可能性もあるようです(神奈川県植物誌,2018)。本邦でのマツバラン科は、1種1種のみとされていますが、江戸時代には多数の品種が栽培されたことが記録に残されています(松葉蘭譜など)。
【マツバラン科(Psilotaceae)】ハナヤスリ亜綱(Ophioglossidae)ハナヤスリ目(Ophioglossales)
和名 (Japanese Name) | 画像 (Image) | 学名 (Latin name) | 英語名 (English name) |
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マツバラン属 Psilotum | |||
マツバラン |
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Psilotum nudum | Whisk Fern |
【文献】
神奈川県植物誌調査会(2018)神奈川県植物誌2018(上)、p23.
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
田川基ニ(1959)原色日本羊歯類植物図鑑、270p、保育社、東京.
長生舎主人 (江戸後期) 松葉蘭譜、URL: https://da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/portal/assets/500f5779-8c3a-0ac0-2597-1b6c4fad0d5b?pos=1, Accessed: 2024-07-09.
正宗巖敬(1952)マツバランの分布について、植物研究雑誌、27(3), 10, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/27/3/27_27_3_3397/_pdf/-char/ja, , Accessed: 2024-07-09.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-19.