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オランダ王国大使公邸一般公開

 家内が応募しておいてくれたチューリップガーデンの一般公開に行ってきました。100種以上あるといわれる栽培種(Tulipa gesneriana)以外のチューリップ属の展示はなかったのですが、多くの栽培品種を目にすることができました。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹
 チューリップ属 ユリ科


【参考】
 オランダ王国大使公邸
 (栽培種)チューリップ Tulipa gesneriana
 ミッフィー像
 大本山増上寺大門
 芝大門之雪:川瀬巴水


大本山増上寺 大門
平成二十八年三月 東京都より 無償譲与
同 二十九年三月 耐震改修工事
      十月 大門再建八十周年
天下和順 日月清明 風雨以時 災厲不起
國豊民安 兵戈無用 崇徳興仁 務修禮讓
   八十八世大僧正 戒譽季生


  大門沿革碑板
大門ハ三縁山増上寺ノ総門ニシテ
古来江戸名所ノ一トシテ人口ニ膾炙セリ
慶長十三年徳川氏増上寺創建ノ際ノ造営ニ係ル
明治十一年十月東京府ニ寄附セラレタリシガ
其ノ後東京市ノ管理ニ帰スルヤ
芝公園内ノ施設トシテ保存ニ務メタルモ
近年破損著シク永ク保存ニ堪エザルニ至リシ爲
地元芝公園改良期成金並ニ株式会社不動貯金銀行
協賛ノ下ニ其ノ原形ニ則リ新タニ復興ノ業ヲ
起シ茲ニ其ノ竣功ヲ見タリ依テ之ガ落慶ノ典
ヲ行フニ方ヨリ由来ヲ略記シ以テ後世ニ伝フ
     東京市
昭和十二年十月


港区指定有形文化財
建造物 大門
 大門は、増上寺本堂、三解脱門とともに境内の軸線を形成する門で、初代の門は江戸時代に木造で建設されました。現存するこの門は、東京市土木局建築課の設計、安藤組の施工によって昭和十二年(一九三七)に木造から鉄骨鉄筋コンクリート造で再建されたものです。鉄骨鉄筋コンクリート造を採用しつつも、先代の意匠を踏襲することが試みられています。大規模な高麗門です。反りを伴った切妻屋根、線形をもつ持送り、垂木、六葉なども木造さながらの表現となっています。
 昭和十二年の建築総工費は二万円が投じられましたが、そのうちの一万一千円は、大門の向かいにあった不動貯金銀行の頭取、秋野元次郎の寄附によるものです。また、昭和五十年代に実施された大門の塗り替えや瓦の修理は、地元有志の尽力によるもので、大門が地域の人々によって支えられてきたことが分かります。
 戦災を免れ、地域の象徴であること、増上寺総門としての歴史的意味から、貴重な建造物です。
平成二十九年九月二十七日
     港区教育委員会


川瀬巴水「芝大門之雪」~新東京百景~
昭和11年2月写 木版画32X22cm 版元:渡邉庄三郎(渡邉木版美術) 画像提供:常泉幸雄
川瀬巴水(かわせはすい)は、明治16(1883)年5月18日、芝区露月町(ろげつちょう)36番地(現、港区新橋5丁目6番)に生まれた。本名文治郎(ぶんじろう)。明治43年、日本画家鏑木清方(かぶらぎきよたか)に入門。大正7(1918)年以降は、新しい時代の芸術的浮世絵画「新版画(しんはんが)」を提唱し制作した版元渡邉庄三郎(わたなべしょうざぶろう)の下で、風景版画の絵師として活躍、昭和32(1957)年11月27年に亡くなるまで、約700図の新版画を制作した。
 巴水にとって、増上寺は生地に近くなじみ深い場所。『新東京百景』の第1作で描いたのは、その増上寺の旧総門「大門」であった。紅色の大門に雪を降らせ、巴水自身にも見える傘差す人物を添景とし、情緒的日本風景を表現した。また、紅白の色調は、版画ならではの美的効果を生んでいる。ここに、珍しく自動車を描き、近代都市「新東京」を象徴させた。
 巴水が描いた木造の大門は、昭和12年、回向院(えこういん)(墨田区両国所在)に移築され、20年、空襲で焼失した。本作品は、往時の大門を知る貴重な資料でもある。
          清水久男 (新版画研究家)
Hasui Kawase Shiba Daimon gate in Snow “One-hundred view of new Tokyo”
Sketch :February, 1936 Wood v;ock print
Publisher: Shozaburo Watanabe (S. Watanabe Color Print Co.)
Image provided by yukio Tsuneisumi Presented by daimon Promotion Association

          平成30年(2018)年10月 大門振興会 寄贈

チューリップ属(Tulipa)内の系統

 チューリップ属内にいくつかのクレード(分岐群)が存在することは間違いないようですが、最近の研究結果でも多くの入れ子構造が残されていますし、研究グループ間での相違もあるようですので、今後とも整理が進められるのだと思われます。下記に最近の研究成果2例を引用しておきます。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹
 ユリ科


【チューリップ連(Tulipaea)の系統概要】(Dekhkonov et al.(2025)

ユリ科(Liliaceae) ユリ亜科(Lilioideae) チューリップ連(Tuiipaea)
┌チューリップ属Tulipa
││  ┌クレードC(Clade C)
││  ││         ┌トゥリパ・グレイギリィ T. greigii
││  ││        ┌┴トゥリパ・タシガニカ T. x tschimganica
┤│  ││       ┌┴─トゥリパ・ドゥビア T. dubia
││  ││      ┌┴──トゥリパ・アルバティ T. alberti
││  ││     ┌┴───トゥリパ・アナドロマ T. anadroma
││ ┌┤│     │  ┌─トゥリパ・ミシェリアナ T. miacheliana
││ │││    ┌┤ ┌┴─トゥリパ・フォステリアナ T. fosteriana
││ │││   ┌┤│┌┴──トゥリパ・ヒッサリカ T. hissarica
││ │││   ││└┴───トゥリパ・アフィニス T. affinis
││ │││  ┌┤└─────(栽培種)チューリップ T. gesneriana 
││┌┤││  ││ ┌────トゥリパ・レーマニアナ T. lehmanniana
││││││ ┌┤│┌┴────トゥリパ・バーショウウィ T. borszczowii
││││││┌┤│└┴─────トゥリパ・ベーミアナ T. behmiana
││││││││└───────トゥリパ・ツベルゲニアナ T. tubergeniana
│││││└┤└┬───────トゥリパ・アルタイカ T. altaica
│││││ │ └───────トゥリパ・イリエンシス T. iliensis
│││││ └┬────────トゥリパ・フェルガニカ T. ferganica
│││││  └────────トゥリパ・シャリポヴィ T. scharipovii
││││└クレードB(Clade B)
││││ │      ┌───トゥリパ・シュレンキィ T. schrenkii
│└┤│ │     ┌┴───トゥリパ・オストロブスキアナ T. ostrowskiana
│ ││ │    ┌┴────トゥリパ・コルパコプスキアナ T. kolpakowskiana
│ ││ │   ┌┴─────トゥリパ・ブランキステモン T. branchystemon
│ ││ │  ┌┴──────トゥリパ・オストロブスキアナ T. ostrowskiana
│ ││ │ ┌┴┬──────トゥリパ・コロルコヴィ T. korolkowii
│ ││ │┌┤ └──────トゥリパ・インターメディア T. intermedia var. intermedia
│ ││ ││└┬───────トゥリパ・ゼナイダエ T. zenaldae
│ ││ └┤ └┬──────トゥリパ・ゼナイダエ T. zenaldae
│ ││  │  └──────トゥリパ・レメルシィ T. lemmersii
│ ││  └┬────────トゥリパ・テトラフィラ T. tetraphylla
│ ││   └────────トゥリパ・ティアンシャニカ T. thianschanica
│ │└トゥリパ・シンキアンゲンシス(新疆鬱金香) Tulipa sinkiangensis
│ └クレードA(Clade A)
│  │  ┌─────────トゥリパ・パテンス T. patens
│  │┌┬┴─────────トゥリパ・シルベストリス T. sylvestris
│  └┤└──────────トゥリパ・タルダ T. tarda
│   └┬──────────トゥリパ・ソクディアナ T. sogdiana
│    └──────────トゥリパ・ブセアナ T. buhseana
└┬アマナ Amana edulis 
 └カタクリ Erythronium japonicum 

【チューリップ連の系統概要】Eker et al.(2024)

   ┌トゥリパ亜属 Subgen. Tupipa
   │└トゥリパ節 Tulipa
   │ │     ┌────トゥリパ・アルメナ T. armena
   │ │    ┌┴────トゥリパ・アレッペンシス T. aleppensis
   │ │   ┌┴─────トゥリパ・ラディ T. raddi
   │ │  ┌┴──────トゥリパ・シンテニシィ T. sintenisii
   │ │ ┌┤┌──────トゥリパ・アルメナ T. armena
   │ │ │└┴──────トゥリパ・ジュリア T. julia
   │ │ │      ┌─トゥリパ・レルナニアナ T. lelunanniana
   │ │ │     ┌┴─トゥリパ・ボルシェウィ T. borszczowii
   │ │┌┤    ┌┴──トゥリパ・ウンドゥラティフォリア T. undulatifolia
   │ │││   ┌┴───トゥリパ・スアベオレンス T. suaveolens
  ┌┤ │││  ┌┴────(栽培種)チューリップ T. gesneriana 
  ││ │││ ┌┴─────トゥリパ・スアベオレンス T. suaveolens
  ││ └┤│┌┴──────トゥリパ・ウロフィラ T. ulophylla
  ││  │││   ┌───トゥリパ・ヴベンデンスキィ T. vvedenskyi
  ││  │└┤  ┌┴───トゥリパ・ギレイギィ T. greigii
  ││  │ │ ┌┴────トゥリパ x チムガニカ T. x tschimganica
  ││  │ │┌┴─────トゥリパ・アルベティ T. arberti
  ││  │ └┴──────トゥリパ・カウフマニカ T. kaufmanniana
  ││  │   ┌─────トゥリパ・コロルコウィ T. korolkowii
  ││  │  ┌┴─────トゥリパ・インテルメディア T. intermedia
  ││  │ ┌┴──────トゥリパ・オストロウスキアナ T. ostrowskinana
  ││  │┌┴┬──────トゥリパ・コルパコウスキアナ T. kolpakowskiana
  ││  └┤ └──────トゥリパ・テトラフィラ T. tetraphylla
  ││   └────────トゥリパ・レンメルシィ T. lemmersii
  ││┌エリオステモネス亜属 Subgen. Eriostemones
  ││││┌シルベストリス節 Sect. Sylvestres
  ││││││       ┌トゥリパ・プルチェラ T. pulchella
  ││││││      ┌┴トゥリパ・シンナバリナ T. cinnabarina
  ││││││     ┌┴─トゥリパ・フミリス T. humilis
  ││││││    ┌┴──トゥリパ・オルファニデ T. orphanidea
  │││└┤│   ┌┴───トゥリパ・クリティカ T. cretica
  │││ ││  ┌┴────トゥリパ・フミリス T. humilis
  │││ ││ ┌┴─────トゥリパ・スプリンゲリ T. sprengeri
  │└┤ ││┌┤ ┌────トゥリパ・レゲリィ T. regelii
  │ │ │└┤│┌┴────トゥリパ・タルダ T. tarda
 ┌┤ │ │ │└┴─────トゥリパ・パテンス T. patens
 ││ │ │ │┌──────トゥリパ・シルベストリス T. sylvestris
 ││ │ │ └┤┌─────トゥリパ・カルディカ T. kardica
 ││ │ │  └┴─────トゥリパ・サクサティリス T. saxatilis
 ││ │ └ビフトレス節 Sect. Biftores
 ││ │  │   ┌────トゥリパ・トゥルケスタニカ T. turkestanica
 ││ │  │  ┌┴────トゥリパ・ビフロリフォルミス T. bifloriformis
 ││ │  │ ┌┤┌────トゥリパ・トゥルケスタニカ T. turkestanica
 ││ │  │┌┤└┴────トゥリパ・ビフロリフォルミス T. bifloriformis
 ││ │  └┤└──────トゥリパ・ビフローラ T. biflora
 ││ │   └───────トゥリパ・コユンクイ T. koyuncui
 ││ └クルシアナ亜属 Subgen. Clusiana
 ││  │ ┌──────トゥリパ・クルシアナ T. clusiana 
 ││  │┌┤┌───────トゥリパ・モンタナ T. montana
 ││  ││└┴───────トゥリパ・クルシアナ T. clusiana
 ││  └┴─────────トゥリパ・リニフォリア T. linifolia
┌┤└─オリチア亜属 Subgen. Orithyia
││  └┬──────────トゥリパ・ユニフローラ T. unflora
││   └──────────トゥリパ・ヘテロフィラ T. heterophylla
┤└アマナ Amana edulis 
カタクリ Erythronium japonicum 


【文献】
Dekhkonov D, Asatulloev T, Yusupov Z, Tojiboeva U, Ergashov I, Sun W, Deng T, Hang Sun H and Tojibaev K (2025) Comparative chloroplast genome and phylogenetic analysis of Central Asian tulips, Nord J Bot, 2025: e04460, DOI: 10.1111/njb.04460, Accessed: 2026-03-09.
Eker İ, Hacıoğlu BT and Özgişi K (2024) Phylogeny and infrageneric classification of tulips, Plant System Evol, 310, 23, DOI: 10.1007/s00606-024-01907-0, Accessed: 2026-03-21.

よこはまの桜は……

 横浜の染井吉野はすでに満開間近、横浜緋桜も満開です。染井吉野より開花の早い神代曙はそろそろ見納めですので、雨がちで気温の高い日が続くのであれば、週末まではもちそうにありません。


 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹
バラ科【桜の品種:交配種・交雑種 江戸の五色桜 海の公園の八重桜 横浜イングリッシュガーデン】

【参考】
 染井吉野(そめいよしの) Cerasus x yedoensis ‘Somei-yoshino’:蒔田公園
 横浜緋桜(よこはまひざくら)Cerasus jamasakura cv. Kenrokuen-kumagai X C. campanulata:蒔田公園
 神代曙(じんだいあけぼの) Cerasus x yedoensis ‘Jindai akebono’/染井吉野(そめいよしの) Cerasus x yedoensis ‘Somei-yoshino’:山王橋
 カワラバト Columba livia
 神代曙(じんだいあけぼの) Cerasus x yedoensis ‘Jindai akebono’/染井吉野(そめいよしの) Cerasus x yedoensis ‘Somei-yoshino’:大岡川
 大島桜(おおしまざくら) Cerasus speciosa:汽車道
 染井吉野(そめいよしの) Cerasus x yedoensis ‘Somei-yoshino’:さくら通り