連休最後となった今日、金沢区の釜利谷でギンラン(Cephalanthera erectra)を見つけました。コナラを主体とする雑木林の尾根筋で、10個体ほどが丁度花期を迎えていました。埋立地ではない場所で初めて撮影できたこの写真を見ると、昨年からこの界隈でよくみかけるクゲヌマラン(C. longifolia)と思われる植物とは明らかに違っており、花に明らかな距を持っているだけでなく、葉もこちらのほうが幅広で寧ろキンラン(C. falcata)に近いように見えました。花期もギンランのほうが少なくとも1週間は遅くなるようです。
【参考】
2017.5.1 ギンラン類似種、そしてキンラン
2017.4.25 今年のクゲヌマラン(類似種?)
2016.5.15 金沢区に生育するクゲヌマランあるいはギンラン類似種
【本日の主な経路】
追浜-傍示堂-谷津浅間神社-能見堂跡-氷取沢-氷取沢緑地-円海山(153.3m)-手子神社-六浦-追浜
以下、本日撮影の主な写真です。
【参考】
傍示堂
イソトマ Isotoma axillaris
ツボスミレ Viola verecunda
ギンラン (Cephalanthera erectra)
赤井不動尊
ナルコユリ Polygonatum falcatum
金澤八景根元地碑
タニウツギ Weigela hortensis
国土交通省円海山無線中継所
NKH円海山FM放送所
円海山(153.3m)山頂
馬頭観音
円海山の鉄塔
【浅間神社石段改修竣工記念】
御祭神木花開耶姫尊
神代紀に曰、天孫の曰はく、汝が懐める所の者は、吾が子にあらじとのたまふ。木花開耶姫、忿り恨みまつりて曰く、妾が娠めるところ、若し天孫の胤にあらずば、必ずまさに雥け滅びなむ。實に天孫の胤ならば火も害ふこと能はじといふ。即ち無戸室を作りて、其の内に入り居り、火を放けて室を焼く。煙の内より三子生ず。火、少しも害ふ所なし。ゆえに、安産を称へ奉り、并に火災を除き、無實の難を救う守護神なり。従って保食神より五穀を傳へ、狭名田の稲を以て天甜酒を醸す。又(神虫)を養ひて神の御衣を織る。故に五穀成就、酒造養(神虫)守護の御神なり。
○○書(署名は読み取れず)
注:(神虫)は神と虫を上下に配した一文字。
雥(隹x3)は「群がった鳥」の意であり、『焦』の異字体『𤓪げる』の誤用か。
木花開耶姫: 大山祇神の女。
天孫: 天照大神の孫、瓊瓊杵尊。皇孫とも。
三子: 火闌降命 ・ 彦火火出見尊 ・ 火明命の三柱。
傍示堂の石塔群
昔、このあたりは天神山脈が東西に連なって、和田山・室ノ木に達する険しい山道でした。その尾根道の峠を南北に貫く小径が「浦賀道」で、その小径の傍らに、古くから五輪塔・地蔵・庚申塔が祀られていました。
特にこの場所は、浦郷村(現在の追浜)六浦庄村(金沢区)の村境いである事と又、相模・武蔵の國境いでもありましたので、隣村から悪人や、病気が入らぬよう、そして自身の長寿を祈ったのが、ここの石塔群です。
六体揃った舟型の石の中にお地蔵さまが彫られている「六地蔵」とお首が落ちて見るからに痛々しい「六地蔵」がありますが、「六地蔵信仰」は人間の死後、六道(天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)を輪廻転生すると言われ、自身と亡者の死後の幸せを願ったものでありましょう。
「庚申塔」は、人間が穀物を食べるようになり、穀物のなかに住んでいる「三尸の虫」が人間の体内に入り、その行動を監視します。
そして十干十二支で言う「庚申」の日、その人間が眠りに入った時に体内から飛び去って、「天帝」にその人間の悪事を報告します。
そのために「庚申」の日は「三尸の虫」が自分の体内から飛び去らないように「講」を造ったりして夜を徹します。
「講」を続ける事三十三回を一座として、その折ふしに庚申塔を建てます。
「五輪塔」は鎌倉・室町時代に建てられたものが多く、宇宙の五大要素の空・風・火・水・地を表現しています。正面には「梵字」が彫られています。
ここに祀られている「五輪塔」は約六百年前のもので四面に「梵字」が彫られている大変貴重なものです。
平成八年二月
追浜地域文化振興懇話会