植物」カテゴリーアーカイブ

春の武山へ

 先週の大楠山に続いて今日は武山を訪ねました。途中で見かけたテンニンソウは、文献によると三浦半島からの報告例はないようですので同定間違いの可能性があります。できれば、花の季節にもう一度確認したいと思います。ナガサキアゲハはこの界隈でもすでに普通種なのかもしれません。
  神木相生松記(阿部倉諏訪明神社)
【文献】
 城川四郎(1987)神奈川県のテンニンソウについて、神奈川県自然誌資料, 8, 53-58.
 神奈川県植物誌調査会(2018)神奈川県植物誌2018(下)、1441-1442.
北原 正彦, 入來 正躬, 清水 剛(2001)日本におけるナガサキアゲハ(Papilio memnon Linnaeus)の分布の拡大と気候温暖化の関係、蛾と蝶、52:4、253-264、DOI:10.18984/lepid.52.4_253、Accessed:2019-09-16.


【参考】
(白花)ボリジ Borago officinalis
浅間山登山口
ウシハコベ Stellaria aquatica
浅間神社若宮
ネコノメソウ Chrysosplenium grayanum
アリドオシ Damnacanthus indicus
浅間神社
地蔵尊(浅間山山頂)
マサキ Euonymus japonicus
ウバユリ Cardiocrinum cordatum
ヤブニンジン Osmorhiza aristata
ウマノスズグサ Aristolochia debilis
ノハタカラクサ Tradescantia fluminensis
シャガ Iris japonica
オオジシバリ Ixeris japonica
カントウタンポポ Taraxacum platycarpum
オオバコ Plantago asiatica
モンキアゲハ Papilio helenus
ヒメウズ Semiaquilegia adoxoides
躑躅園之碑(武山山頂)
NTT横須賀研究開発センタ
追浜方面を望む
猿島方面を望む
ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrun
武山子安地蔵尊
キンレンカ Tropaeolum majus
龍塚山持経寺武山不動院
焼火地蔵菩薩(武山不動境内)
武山稲荷大明神(武山不動境内)
筆塚(武山不動境内)
身代り不動尊(武山不動境内)
マメヅタ Lemmaphyllum microphyllum
庚申塔:武山不動院参道
タブノキ Machilus thunbergii
カマツカ Pourthiaea villosa
ヤマグワ Morus australis
ハルジオン Erigeron philadelphicus
ソバ Fagopyrum esculentum
ノイバラ Rosa multiflora
マムシグサ Arisaema serratum
ジャコウアゲハ(♂) Byasa alcinous
ヒレハリソウ Symphytum officinale
庚申塔群:武4丁目26
ゼフィランサス Zephyranthes spp.
ヘラオオバコ Plantago lanceolata
ナギイカダ Ruscus aculeatus
庚申塔群:太田和5丁目116
キイチゴ Rubus spp.
オーストラリアン・ローズマリー Westringia fruticosa
クスノキ Cinnamomum camphora
コクサギ Orixa japonica
地蔵尊:衣笠町32
衣笠城追口遺址碑
ノダフジ Wisteria floribunda
ミズキ Cornus controversa
タチツボスミレ Viola grypoceras
キクイサビゾウムシ類 Dryophthorus spp.
ツメクサ Sagina japonica
阿部倉諏訪神社
帝釈天王奉賽碑(阿部倉諏訪神社)
ホタルガ Pidorus atratus
ナワシロイチゴ Rubus parvifolius
石塔群::阿部倉30-1
キリ Paulownia tomentosa
ハリエンジュ(ニセアカシア) Robinia pseudoacacia
ヒナゲシ類 Papaver spp.
コゴメウツギ Stephanandra incisa
ノビル Allium macrostemon のムカゴ
ミチヤナギ Polygonum aviculare
ヒメビジョザクラ Verbena tenera
カヤ Torreya nucifera
ヒメコウゾ Broussonetia kazinoki
キンラン Cephalanthera falcata
イヌガヤ Cephalotaxus harringtonia
タツナミソウ Scutellaria indica
テンニンソウ Leucosceptrum japonicum (?)
ノアザミ Cirsium japonicum
オオシマザクラ Prunus lannesiana var. speciosa
ナガサキアゲハ Papilio memnon
イヌツゲ Ilex crenata var. crenata
ノヂシャ Valerianella locusta
道六神:太田坂
オランダガラシ Nasturtium officinale
サツキ Rhododendron indicum


市制施行七十周年記念
 横須賀風物百選
  武山初不動
 初不動は、例年一月二十八日で、縁日商人や近在の善男善女でにぎわいます。
 ここに至る参詣道は、南部、一騎塚、須軽谷、北下浦と四方にあります。それらの登山口には、必ず前不動と呼ばれる不動明王像が立っていて、参詣人の案内役を勤めます。
 不動明王は、大日如来が一切の悪魔を払うために変身された姿で、災害を除き財宝を得る功徳があると言われています。とくに、武山不動尊は、航海安全の浪切不動として広く知られ、漁業関係者から厚く信仰されています。
 沿岸漁業者にとっては、この山頂が漁場を定める基準として、あるいは、港の方向を知る標準として欠かすことが出来ないお山であったことも信仰を深めた一因と思われます。
 「武山の不動さん」と親しまれるこの寺院の正式名称は、「龍塚山持経寺武山不動院」で浄土宗です。ここに安置される不動尊は、御小松天皇の御代、応永四年(一三九七)に奈良東大寺の沙門万務大阿闍梨(しゃもんまんむだいあじゃり)が、諸国行脚の途中に、現在の南部にあった持経院に立ち寄り、高さ三尺九寸(約一一七センチメートル)の不動尊を彫刻して本尊としたものです。その後、修験僧讃与見隋(さんよげんずい)が、この山頂に移したと伝えられています。
 この山頂には、オオムラサキ、博多白、妙義山のツツジが約二千本あり、毎年四月下旬に「武山つつじ祭」が行われています。また、この山頂は、一騎塚から現在地を経て砲台山、三浦富士、津久井に至るハイキングコースの一拠点でもあります。


   武山不動尊縁起由来
当山は浄土宗龍塚山持経寺不動院と称します。武山は昔日本武尊が弟橘比売命妃と共に御登りになられたので其の名がつけられたと謂はれ又三笠山、浩宮様方も学習院に在籍中は御遊覧にお登りになられた由緒ある歴史を持っております。仰も当不動尊は後小松帝の御写応永四年(西暦一、三九七)奈良東大寺門萬務大阿闍梨が諸国行脚の折当地に立寄り創建したもので国家安全萬民福利を祈願とする道場として一刀三禮感応の霊場、霊作たる不動明王を安置し奉り三浦半島の総鎮守として霊場一番の札所であります。
当山の標高は海抜二百余米の髙燥の地位を占め空気清浄閑雅にして遠くには霊峰富士の山を控え眺望絶佳なるをもって善男善女紳士淑女学生団体の参拝あり又航海者漁夫達の目標の場所として特に篤い信仰を寄せられております。  龍塚山持経寺武山不動院


  焼火地蔵菩薩
 焼火とは、島根県隠岐島の島前西ノ島町にある焼火山(たくひやま海抜452m)のことで北前船が航路の目標としている焼火権現を武山へ移した地蔵菩薩です。焼火山にある焼火神社に伝わる神火に祈念すると、船が遭難しかかった時には神火が出現して、安全な方向を示してくれると信じられ、海上交通に携わる人々の信仰を集めていました。この信仰の有様は、北斎・広重共に画いています。


武山稲荷大明神鳥居破損修理
 令和元年十月のおり、台風十五号で御神木が本堂の屋根に倒れかかり、急きょ枝を切り落とし徐々に鳥居の養生もした上で、伐採を始めたのずすが最後に御神木の根元を切り落とした際、鳥居に当たり破損。みの鳥居は、昭和三十九年に信徒の皆様が奉納された貴重な鳥居なので復元したおり、地元の(有)鈴木石材店鈴木俊充氏の協力で復元が完成いたしました。
信徒の皆様方に御寄付のお願いを申し上げます。
  令和二年一月吉日   武山不動院


  身代り不動尊・筆塚由来
 江戸時代末期文化の頃豪雨の中本堂脇のオオキの大木に落雷大木は真二つにさけ焼焦げとなりました。御本尊御本堂も無事なるを見た人々は御身代りと唱えました。その大木年代を経て芽を吹き青き葉枝をささえ旺盛なる力に感動し参拝の有信者が手を合わせ身代り不動尊を唱えこれをまつりました。
          合掌
筆塚
 人は皆筆により智を幸を知るその筆に感謝し成長する事を念じここに筆塚を信者の賛同御寄附を得て建立されました。
          合掌
     龍塚山持経寺武山不動院


帝釈天王奉賽碑
 これまで何度か尋ねた折、殆ど読めなかった碑文が、本日午後3時過ぎには何が書いてあるかくらいは識別出来るようになっていました。逢魔時の絶妙な光加減のなせる業ですが、誤判読は残っていると思います。
注:明神の相生松は、阿部倉村七不思議のひとつとされています。


   神木相生松記
本社の背ニ巨枩アリ相傳テ神木トス張根雙幹鬱蒼一畝龍踊リ雲覆フ遠ク近ク
望ハ青幢ノ半空ニ懸カ如シ怪形翁鬱眞ニ愛スヘシ惜哉安政年中己枯レ今終二
朽株ヲ存スル而巳矣頃日予宿志ヲ以テ庚申塔ヲ本社ノ傍ニ建ツ其ノ成ニ及テ里中ノ
老少弓會シテ宴ヲ社前ニ張ル行酒ノ間タリ誇偶マ神木ノ事ニ及テ予卒余曰ク枯松
己成石ト堅客相視テ謁ク翁ノ言謬レリ古言樟樹千歳化石ト未タ松ノ石ニ化スル
ヲ聞サル也予笑テ辨セス杯ヲ挙ケ板ヲ撃テ大歌フ老少和舞社頭湧カ如シ己ニ
シテ夕陽客感帰ル予亦返テ寝ニ記リ恍惚聲アリヨリ翁ノ前言訛ハ則訛ナリ然
陰陽相感シ物類相拓ク古尚ホ非情ノ有情ニ變スル者アリ若春樟ノ化テ石ト為ル
ヲ信セハ松ノ變テ石ト為ルモ亦タ怪二足ラサル也況後人此碑二因テ曽テ巨松有
シヲ知ルヲ得ハ則チ松ノ堅心石ト為ルトヨシモ亦可也予驚テ之ヲ見レハ四壁□然
只タ冷風ノ窓紙ニ吟スル而己矣     關口老夫誌
     明治廿二巳丑年六月廿三日
        關口佐兵衛治 謹テ


阿部倉の七不思議【横須賀雑考より転記】
10.阿部倉の七不思議
 阿部倉の七不思議という口碑が昔からあり今でもこれが伝えられている。その七つとは(一)明神の相生之松、阿部倉の鎮守諏訪明神社境内に新しく松を植えるとこれが必ず相生の姿になるという。(後略)
【文献】
 横須賀文化協会(1968)阿部倉の七不思議、横須賀雑考、p.127.

阿部倉界隈を歩く

 先週に続いて、今日も逸見から阿部倉方面を訪ねました。
【主な経路】(逸見駅)~池上~阿部倉~坂本~ヴェルニー公園~西逸見~吉倉~田浦~船越~(自宅)


ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrun:沢山小学校
セイヨウカラシナ Brassica juncea
アブラナ科白さび病による菌癭 (さび病菌 Albugo candida)
レッドロビン Photinia glabra ×P. serrulata
キイロエダシャク Doratoptera virescens
ムラサキハシドイ Syringa vulgaris
ジャコウアゲハ(♂) Byasa alcinous
ジャコウアゲハ(♀) Byasa alcinous
マルバウツギ Deutzia scabra
カモガヤ Dactylis glomerata
ノダフジ Wisteria floribunda:横須賀しょうぶ園
馬頭観音:横須賀市平作4丁目8
両面地蔵尊:横須賀市阿部倉32-32
西面(両面地蔵尊)
東面(両面地蔵尊)
石塔群:横須賀市阿部倉30-1
信敬帝釋天王碑:横須賀市阿部倉諏訪神社
阿部倉諏訪神社
三界萬霊塔:葉山町木古庭1598
ヒメヒオウギ Freesia Laxa
アオイゴケ Dichondra micrantha
ゲンペイコギク Erigeron karvinskianus
ウサギアオイ Malva parviflora
カラスムギ Avena fatua
ハルジオン Erigeron philadelphicus
馬頭観音:横須賀市坂本町1丁目
子之神通り
ツゲ Buxus microphylla var. japonica
ショカッサイ Orychophragmus violaceus
一重バラ デンテイベス Rosa spp. “Dainty Bess”
ヒメシャリンバイ Rhaphiolepsis umbellata var. minor
正観音像:西逸見2丁目
オオジシバリ Ixeris japonica
長浦湾
ヤギ Capra hircus
田浦隧道
日本キリスト教団田浦教会
モモイロヒルザキマツヨイグサ Oenothera speciosa
コマツヨイグサ Oenothera laciniata
アメリカザイフリボク Amelanchier sp.

午後から久良岐公園へ

 今日は、昼から久良岐公園を訪ねました。
【主な経路】(上大岡駅)-久良岐公園-(屛風浦駅)


【参考】
石塔群(子育地蔵尊):上大岡東1丁目
ツタバウンラン Cymbalaria muralis
ハゴロモジャスミン Jasminum polyanthum
ヒメフウロ Geranium robertianum
久良岐公園
クルメツツジ Rhododendron x obtusum
イヌシデ Carpinus tschonoskii
モチノキ Ilex integra
ハナミズキ Cornus florida
コナラ Quercus serrata
クロマツ Pinus thunbergii
レッドロビン Photinia glabra × P. serrulata
ベニシジミ Lycaena phlaeas
アリウム・トリケトラム Allium triquetrum
ブルーベリー Vaccinium sp.
オニタビラコ Youngia japonica
オッタチカタバミ Oxalis dillenii

大楠山へ

 里桜の季節が過ぎゆく頃は躑躅の見頃でもあります。躑躅を探して訪ねた大楠山の周辺ではニリンソウやナツグミが花盛りでした。
【主な経路】(逸見駅)~沢山~池上~湘南国際村~大楠山山頂~阿部倉~塚山公園~十三峠~船越~浜見台~(自宅)


景観重要樹木指定ツツジ 52株:沢山小学校
ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrun


  つつじの群生
景観重要樹木指定ツツジ 52株
 沢山小学校の校庭を見おろす斜面に群生する自然樹形のツツジが横須賀市の”景観重要樹木”に指定されました(2018年3月31日)。これらのツツジのうち最も古い株群は、沢山小学校創立11年目となる1922年に旧学校制度の制定50周年を記念して植えられたもので、これまで一世紀近く地域住民を始め巣立って行った卒業生達に見守られ、『つつじが丘』の名で親しまれてきました。毎年春になると丘全体が花で埋まり、その名にふさわしい見事な景観を見せてくれます。
2020年3月吉日作成
          横須賀市沢山小学校
          沢山のつつじをまもる会


永島家のカヤ:かまくらと三浦半島の古木・名木50選
カヤ Torreya nucifera



木古庭不動滝
不動尊象
ニリンソウ Anemone flaccida
ツルカノコソウ Valeriana flaccidissima
タチツボスミレ Viola grypoceras
クサイチゴ Rubus hirsutus
フキ Petasites japonicus
ウバユリ Cardiocrinum cordatum
セッコク Dendrobium moniliforme
シャガ Iris japonica
滝谷山不動堂
ウラシマソウ Arisaema urashima
境内林(滝谷山不動堂)
モチツツジ Rhododendron macrosepalum
ヤマブキ Kerria japonica f. plena
シダレザクラ Cerasus spachiana
シジミバナ Spiraea prunifolia
クルメツツジ Rhododendron x obtusum
セイヨウタンポポ Taraxacum officinale


葉山町指定重要文化財 天然記念物
 木古庭滝不動尊常緑樹林及び境内樹林
  昭和四十三年二月二十九日指定 第九号


木古庭神明社


   神明社略歴
 当地旧家にして元名主、伊東家(当主敏三郎氏)所蔵の地誌明細記及び社寺明細書に依れば、神明社は、古来、木古庭の氏神として、藪の里一二〇三番地に在って、天照皇太神と、向津日賣命(むかつひめのみこと)を奉斎して来ましたが、明治四十二年十一月十八日、政治権力の干渉により、廃祀となり、祭神は、上山口、杉山神社に合祀され、境内地は、仝神社の所有に帰し、社殿は取払われて、滅亡しました。
 昭和二十一年、当地の有志は、祭神を、杉山神社御在籍の儘、非公式に、不動堂境内の祠の一隅にお迎えして、祭祀を営み始めましたが、その祠も、老朽甚だしく、再び、祭神の御處遇に窮する状態となりました。
 昭和四十一年、有志十二名、検討の結果、此の事態を打開する道は、神社再興以外にない、との結論に到達しました。幸いにも、前記伊東敏三郎氏が、現境内一、二二四平方米(三七〇坪)を寄附されましたので、前記有志は、之に力を得て、神社設立発起人ちなり、広く浄財を募ると同時に、境内地の造成と、御神木の調達に着手、二ヶ年後の昭和四十三年八月に至って、漸く、本殿の完成を見るに至りました。
 仝年仝月二十四日、遷宮式が挙行され、此の日、初めて、祭神は、六十年間に亘る流離の末、漸く、此處に、安住の地を得られました。
 神奈川県知事は、申請により、本神社と、その規則を厳密に審査し、本神社が、神道に従って、祭祀を行い、併せて、社会の福祉に貢献し得る能力を具備するものとして、昭和四十五年四月三十日附を以て、神社と、その規則を認証しましたので、神社は宗教法人となり、茲に神社の再興が達成されました。
 仝四十七年八月、杉山神社は、神明社設立を祝して、藪の里の旧領を神明社に無償贈与されました。
 仝四十九年、現氏子総代十一名、拝殿の建立を計画、氏子及び崇敬者より、浄財を募り、仝年九月、之を完成し、神社の施設を著しく拡張、整備しました。 (終)
  附記
 此の略歴を記すに当り、私共の私見と御願いを述べさせて頂き度う存じます。抑々、神明社の再興は、祭神の御神徳の然らしめたことゝはいえ、前任総代各位のご尽力と、氏子崇敬者の皆様のご協力によって、実を結んだものとして、私共一同、唯々、感激の他ありません。何卒、今後共、皆様におかれましては、神社の護持に特別のご配慮を賜わり、更に進んで、その隆昌のため、ご協力あらなことを切にお願いする次第であります。(以上)
  昭和四十九年九月二十日
          神明社拝殿完成に際し
             氏子総代一同謹記



葉山町指定重要文化財 建造物
 大沢の庚申塔
  木古庭七六一番地 青木家所有


  上山口の棚田
 この棚田は『にほんの里100選』(2009年)に選ばれた上山口の代表的な棚田で、地域の環境循環型営農(稲作、畑作、酪農、水資源、生活文化)の中核をなしています。また、身近な生き物との共存を目指しています。
 2000年には、この棚田で収穫されたお米が皇室の新嘗祭に献上されています。


  湘南国際村とは?
 湘南国際村は、葉山町と横須賀市にまたがる約200haの区域です。
 昭和43年に三井不動産㈱が土地(当時はゴルフ場)を取得し、土砂崩れなどの災害が発生していたこの地域に適切な防災対策を行いながら、緑豊かな国際交流拠点として開発を進め、平成22年1月に整備を完了しました。
 現在、湘南国際村には、「湘南国際村センター」をはじめとする11ヶ所の研究施設、2ヶ所の研究機関と住宅が立地しています。


  湘南国際村めぐりの森
 湘南国際村めぐりの森(約100ha)は、三浦半島最高峰の大楠山(標高241m)に連なる緑のネットワークを掲載する貴重な緑地です。
 このかけがえのない自然を保全し、未来に残していくため、三井不動産㈱は、三浦半島在来種の樹種による緑の復元や散策路の整備などを行い、平成22年3月に神奈川県に寄付しました。
 現在、神奈川県では、樹種をはじめとする地域固有の自然に配慮した森づくりを、様々な企業や団体と協働により進めています。
※「めぐりの森」は、太陽の恵みを森林資源の活用から植樹・森づくりへの「循環」させていくことをイメージして名付けられました。


モッコウバラ Rosa banksiae
ドクムギの一種(ホソムギ?) Lolium sp.
ダールベルグデージー Thymophylla tenuiloba
コマツヨイグサ Oenothera laciniata
ヤマグワ Morus australis
イタドリ Fallopia japonica
ナガミヒナゲシ Papaver dubium
カラクサナズナ Lepidium didymum
オランダミミナグサ Cerastium glomeratum
ヤエムグラ Galium spurium
馬頭観音:葉山町木古庭1698
シロバナタツナミソウ Scutellaria indica f. amagiensis
アサリナ Asarina procumbens
ヒイラギ Osmanthus heterophyllus
キツネノボタン Ranunculus quelpaertensis
タチツボスミレ Viola grypoceras
大沢の庚申塔:葉山町木古庭761
ホウチャクソウ Disporum sessile
ハルジオン Erigeron philadelphicus
カキノキ Diospyros kaki
チャンチン Toona sinensis
セダムの一種 Sedum oaxacanum (?)
キランソウ Ajuga decumbens
上山口の棚田
ムラサキケマン Corydalis incisa
ヒメオドリコソウ Lamium purpureum
カキドオシ Glechoma hederacea
シロバナヤハズエンドウ Vicia sativa subsp. nigra var. segetalis f. albiflora
ハナヤエムグラ Sherardia arvensis
オオジシバリ Ixeris japonica
江ノ島遠望
カントウタンポポ Taraxacum platycarpum
ブタナ Hypochaeris radicata
湘南国際村
ユズリハ Daphniphyllum macropodum
地球環境戦略研究機関(IGES)
大楠山
ヒメコウゾ Broussonetia kazinoki
ナツグミ Elaeagnus multiflora
スズメノエンドウ Vicia hirsuta
イヌシデ Carpinus tschonoskii
ツボスミレ Viola verecunda
富山(とみさん)(房総)遠望(大楠山山頂より)
イヌガヤ Cephalotaxus harringtonia
ウワバミソウ Elatostema umbellatum
石塔群:阿部倉30-1
ハゴロモジャスミン Jasminum polyanthum
阿部倉諏訪神社
東京湾の夜景(塚山公園より)

大船フラワーセンターにシャクナゲを訪ねる

 桜の開花の早かった今年ですので、時期を逃さないようにシャクナゲを見に行ってきました。


シャクナゲ Rhododendron sp.
 ”太陽” Rhododendron cv. “Taiyoh”
 ”平野白” Rhododendron cv.
  “太陽” x “アイベリーズ・スカーレット” Rhododendron cv. “Taiyoh” x “Ivery’s Scarlet”
  (“太陽” x “アカボシ”) x (“太陽”) Rhododendron cv. (“Taiyoh” x “R. hyperythrum“) x (“Taiyoh”)
アカボシシャクナゲ Rhododendron hyperythrum
アイスランドポピー Papaver nudicaule
ネモフィラ Nemophila menziesii
タイワンリス Callosciurus erythraeus thaiwanensis
ニオイアラセイトウ Erysimum cheiri
セイヨウカキドオシ Glechoma hederacea
ゲンゲ Astragalus sinicus
モッコウバラ Rosa banksiae
ラムズイヤー Stachys byzantina
マトリカリア “カルロス” Tanacetum parthenium cv. “Carlos”
サクラ Cerasus sp.
 玉縄桜たまなわざくら
 染井吉野(そめいよしの)Cerasus x yedoensis
 一葉(いちよう)Cerasus Sato-zakura group ’Hisakura’
 松月(しょうげつ)Cerasus Sato-zakura group ‘Superba’
 普賢象(ふげんぞう)Cerasus Sato-zakura group ‘Alborosea’
 関山(かんざん)Cerasus Sato-zakura group ‘Sekiyama’
 富士霞桜(ふじかすみざくら)Cerasus x yuyame (マメザクラ x カスミザクラ)
プラタナス Platanus sp.
ハナズオウ Cercis chinensis
ムラサキツユクサ Tradescantia ohiensis
ウメ Armenica mume
ハナモモ Amygdalus persica
ヒメシャリンバイ Rhaphiolepsis umbellata var. minor
シダレカツラ Cercidiphtllum japonicum f. pendulum
ヒラドツツジ Rhododendron x pulchrun
コマユミ Euonymus alatus form. striatus
キリシマツツジ ‘大胡蝶(ダイコチョウ)Rhododendron × obtusum ‘Daikochou’
エビネ Calanthe discolor
ヤマモミジ ‘稲葉枝垂(イナバシダレ)Acer matsumurae
オオモミジ ‘門尽(モンズクシ)Acer amoenum ‘Monzukushi’
イロハモミジ ‘七瀬川(ナナセガワ)Acer palmatum ‘Nanasegawa’
ヤマモミジ ‘錦紅葉(ニシキモミジ)Acer matsumurae cv. ‘Nishikimomiji’
オオモミジ ‘増紫(マスムラサキ)Acer amoenum ‘Masumurasaki’
オオモミジ ‘大盃(オオサカズキ)Acer amoenum ‘Ohsakazuki’
ハナノキ Acer pycnanthum
フラサバソウ Veronica hederifolia
モミジ類
ムラサキケマン Corydalis incisa
アメリカアカバナトチノキ Aesculus pavia
セイヨウキランソウ Ajuga reptans
ツルニチニチソウ Vinca major
ベルベリス・ウィントネンシス Berberis x wintonensis
ベルベリス・アシアティカ Berberis asaitica
ボリジ Borago officinalis
セリンセ ‘ブルーキウイ’ Cerinthe ‘Blue Kiwi’
アメリカザイフリボク Amelanchier canadaensis
ワスレナグサ Myosotis spp.
ヒナギク Bellis perennis
トウカエデ Acer buergerianum
オウゴンマサキ Euonymus japonicus var. aurea
セイヨウヒイラギ Ilex aquifolium
小町ミツバツツジ Rhododendron dilatatum
ヒラドツツジ ’伊豆の輝’ Rhododendron × pulchrum ‘金太陽’ × ‘日の出霧島’
ロウバイ Chimonanthus praecox
クルメツツジ ‘紫竜の舞(シリュウノマイ)Rhododendron x obtusum
クレマティス アルマンディー ‘アップル ブロッサム’ Clamatis armandii ‘Apple Blossum’
カロライナ・ジャスミン Gelsemium sempervirens
シャガ Iris japonica
リキュウバイ Exochorda racemosa
リョウブ Clethra barbinervis
ヤマブキ Kerria japonica
ツガ Tsuga sieboldii
クサイチゴ Rubus hirsutus
イヌシデ Carpinus tschonoskii
ニリンソウ Anemone flaccida
ハナニラ Ipheion uniflorum
ナツグミ Elaeagnus multiflora
シロバナタンポポ Taraxacum albidum
ヤクシマオナガカエデ Acer capillipes var. morifolium
ヤエコデマリ Spiraea cantoniensis var. plena
マンサク ‘エレナ’ Hamamelis x intermedia ‘Jelena”
シナマンサク ‘パリダ’ Hamamelis mollis ‘Pallida’
シロヤマブキ Rhodotypos scandens
セイヨウバクチノキ Prunus laurocerasus
オオデマリ Viburum tomentosum
サラセニア フラバ Sarracenia flava
ハナキリン Euphorbia milii var. Splandens
緑の鈴(グリーンネックレス) Senecio rowleyanus Syn. Curio rowleyanus
ウナズキヒメフヨウ Malvaviscus arboreus var. mexicanus
メキシコハナヤナギ Cuphea hyssopifolia
ブッシュミント Prostanthera ovalifolia
グレビレア ‘アメジスト’ Grevillea cv. ‘Amethyst’
グレビレア ‘ピグミーダンサー’ Grevillea cv. ‘Pigmy Dancer’
グレビレア ‘スカーレットスプライト’ Grevillea cv. ‘Scarlet sprite’
レプトスペルムム・フラベスケンス Leptospermum flavescens
オーストラリアン・ローズマリー Westringia fruticosa
ドンベヤ・ティリアケア Dombeya tilliacea Syn. Xeropetalum tiliaceum
ブーゲンビレア Bougainvillea sp.
 ’オォーラーラ’ ‘Oo-La-La’
 ’カリフォルニア・ゴールド’ ‘California Gold’
コエビソウ Justicia brandegeeana
ウスムラサキ Strobilanthus auriculatus var. dyerianus
ムラサキヤモメカズラ Petrea volubilis
ペトレア ウォルビリス ‘アルビフローラ’ Petrea volubilis ‘Albiflora’
ツンベルギア マイソレンシス Thunbergia mysolensis
ディスティクティス ブッキナトリア Distictis buccinatoria
ルリイロツルナス Solanum seaforthianum
コプシア フラビダ Kopsia flavida Syn. Cerbera flavida
コダチチョウセンアサガオ Brugmansia x candida
ヒメバショウ Musa uranoscopos
コダチヤハズカズラ Thunbergia erecta
アカサヤネムノキ(エバーフレッシュ) Cojoba arborea var. augustifolia
ネッタイスイレン ‘ドーベン’ Nymphaea spp. cv. ‘Dauben’
マンゴー Mangifera indica
コーヒー Coffea arabica
エリオステモン ディフォルミス Philotheca difformis
ハナマキ Callistemon citrinus
ソテツ Cycas revoluta
オモダカ Sagittaria trifolia
ミツガシワ Menyanthes trifoliata
シダレエンジュ Sophora japonica var. pendula
ドッコンソウ Oresitrophe rupifraga
オキナワチドリ Amitostigma lepidum
シロバナハッカクレン Podophyllum spp.
ムサシアブミ Arisaema ringens
ヒトリシズカ Chloranthus quadrifolius
シュンギク Glebionis coronaria
ショカッサイ Orychophragmus violaceus
ヒメハナビシソウ Eschscholzia caespitosa
キバナヒナギク Coleostephus multicaulis
キンセンカ Calendula officinalis
もち麦(ハダカムギ) Hordeum vulgare var. nudum
アネモネ Anemone coronaria
ケヤキ Zelkova serrata
陽谷山龍寶寺山門:鎌倉市植木129
カラタチ Poncirus trifoliata
(植木)諏訪神社:鎌倉市植木96
ヘビイチゴ Potentilla hebiichigo
キュウリグサ Trigonotis peduncularis
ヤエムグラ Galium spurium
タチイヌノフグリ Veronica arvensis
ヒメウズ Semiaquilegia adoxoides
ヒメオドリコソウ Lamium purpureum
ツゲ Buxus microphylla var. japonica
サンショウ Zanthoxylum piperitum
湘南のぞみキリスト教会:鎌倉市岡本1丁目12-1
ベニバナトキワマンサク Loropetalum chinense var. rubra
ノダフジ Wisteria floribunda


 陽谷山龍寶寺案内 根府川石製の案内板
宗派 曹洞宗
本尊 釈迦牟尼仏
開山 泰?宗榮大和尚
開基 玉縄城主(北条綱成、氏勝)
本堂 木造銅葺重層入母屋造
  (昭和三十五年建立) 設計 大岡 実
山門 江戸時代元禄年間造
鐘楼堂 設計 大岡 実
    面山瑞方禅師の銘文記す
一、玉縄北条氏の供養塔
一、荒井白石公の碑
一、金比羅宮 一、子育て地蔵堂
一、福徳稲荷堂(天保年間造)
一、弁天堂 一、道祖神
一、玉縄ふるさと館
・旧石井家住宅(国重要文化財)
・歴史民俗資料館(鎌倉市指定)
  平成二十七年二月 三十三世 鐵牛良光 代


     由緒
 この神社は、今からおよそ四百二十年前当時の玉縄城主
北条綱成公が、軍神の称ある信州諏訪の建御名方富命、八
坂刀売命二座の神霊を玉縄城内の諏訪檀に勧請したものと
伝えられている。
その後、神社は元和年間玉縄城の廃城、さらに幾星霜を経
て現在のこの位置に移された。この時すでに鎌倉権五郎景
政一門の霊を祀った御霊神社があり、この神社と諏訪神社
と合祀され村民の両大社への崇敬あつく、五穀豊穣、村内
安全と繁栄を祈願する祭典が毎年行われている。
ちなみに北条綱成公は、黄八幡といわれた有名な武将であ
ったが、天正十五年七十三才で没した。公一門の墓は社殿
脇の山頂にある。
   昭和六十三年十二月吉日     諏訪神社

桜花爛漫

 染井吉野の満開期が近づいています。野毛でランチの後、二人で大岡川を散策。昼から仕事がある家内とは別行動で、子ども植物園を尋ねました。
【主な経路】
 (上大岡駅)-大久保-東永谷-芹が谷-六ッ川-永田台-永田南-(弘明寺駅)



【参考】
 染井吉野(ソメイヨシノ)Cerasus x yedoensis
 横浜市指定名木古木 No.202023 イチョウ Ginkgo biloba :青木神社
 シャクナゲ Rhododendron spp.
 ソメイヨシノ:西岸山千手院蓮華寺
 ボケ Chaenomeles speciosa
 ドウダンツツジ Enkianthus perulatus
 アケビ Akebia quinata
 マメカミツレ Cotula australis
 キクザキリュウキンカ Ficaria ficarioides
 アメリカザイフリボク Amelanchier sp.
 口紅スイセン Narcissus poeticus
 モッコウバラ Rosa banksiae
 ハルジオン Erigeron philadelphicus
 オニタビラコ Youngia japonica
 大島桜(オオシマザクラ) Cerasus speciosa
 アカメガシワ Mallotus japonicus
 メタセコイヤ Metasequoia glyptostroboides
 ニリンソウ Anemone flaccida
 タチツボスミレ Viola grypoceras
 ムラサキケマン Corydalis incisa
 シャガ Iris japonica
 スモモ Prunus salicina
 プリムローズ Primula vulgaris
 プリムラ・プルホニキアナ Primula x pruhoniciana ‘Wanda’
 プリムラ・ポリアンサ Primula x polyantha (P. vulgaris x P. Veris)
 プリムラ・エラティオル Primula elatior
 シベリアツルボ Scilla ciberica
 アオキ Aucuba japonica
 キケマン Corydalis heterocarpa var. japonica
 ヤマブキ Kerria japonica
 横浜市指定名木古木 No.59002 クスノキ Cinnamomum camphora :子ども植物園
 ユズリハ Daphniphyllum macropodum
 ヒイラギ Osmanthus heterophyllus
 セイヨウヒイラギ ‘アルゲンテア マルギナタ’ Ilex aquifolium ‘Argentea Marginata’
 アマミヒイラギモチ Ilex dimorphophylla
 バイモ(アミガサユリ) Fritillaria thunbergii
 ハチジョウイチゴ Rubus ribisoideus
 乙女椿 Camellia japonica f. otome
 キバナオドリコソウ Lamium galeobdolon
 クリスマスローズ Helleborus sp.
 イロハモミジ Acer palmatum
 シナレンギョウ Forsythia viridissima
 クレマチス Clematis spp.
 横浜緋桜(よこはまひざくら)Cerasus jamasakura cv. Kenrokuen-kumagai x C. campanulata
 ウバメガシ Quercus phillyraeoides
 カリン Chaenomeles sinensis
 ニワウメ Prunus japonica
 ツタバウンラン Cymbalaria muralis
 ヒメジョオン Erigeron annuus
 カラスノエンドウ Vicia sativa
 ヤエムグラ Galium spurium


【説明文より転記】
プリムラ ポリアンタ
 Primula x Polyantha
分類学上の「プリムラ ポリアンタ」はイチゲサクラソウ Primura(プリムラ) vulgaris(ウルガリス) (プリムローズ)とキバナクリンザクラ Primura(プリムラ) veris(ウェリス) (カウスリップ) との自然交雑種をさし、日本でも庭先などに植えられているのを見かけることがあります。セイタカセイヨウサクラソウ Primura(プリムラ) elatior(エラティオル) (オクスリップ) に似ているため間違われることが多く、イギリスでは「フォルスオクスリップ」 False Oxlip「False(フォルス)=偽の」と呼びます。


 ヒイラギ(柊) Osmanthus heterophyllus モクセイ科
原産地 日本(本州…福島県以西・四国・九州・沖縄)/台湾
 古くより節分にヒイラギにイワシの頭をつけたものを門戸にかけて、魔よけとする風習があります。
 山地に生える。高さ4~8mになる常緑樹。葉は、老木では全縁(鋸歯がない)のものが多くなります。11月頃、香りのある花を咲かせる雌雄異株。果実は6~7月に黒紫色に色着きます。キンモクセイなどと同じ、モクセイ科の植物です。クリスマスに飾る「セイヨウヒイラギ」や「ヤバネヒイラギモチ」はモチノキ科です。なお、葉の付き方が違うので、すぐ見分けることが出来ます。
 「ヒイラギ」…対生
 「セイヨウヒイラギ」など…互生


 セイヨウヒイラギ(西洋柊)イングリッシュホーリー Ilex aquifolium モチノキ科
原産地 ヨーロッパ~アフリカ北西部、アジア南西部
 ホーリーともよばれる常緑小低木です。葉の縁のするどくとがった鋸歯や冬でも葉が青いこと、そらに赤い果実を着けることから、ヨーロッパでは古くから邪悪なものをとおざけると信じられてきました。また、キリストが十字架にかけられた時の荊の冠に用いられたという言い伝えがあり、神聖な木とされています。
 雌雄異株、高温多湿な日本では旺盛に育ちにくく、実も成りにくいため、育てやすく実着きの良い中国原産の「ヤバネヒイラギモチ I. cornutaをクリスマスホーリーとして利用します。
 これらヒイラギモチの仲間は木が成熟すると葉の鋸歯はなくなります。(全縁という。)


 アマミヒイラギモチ(奄美柊黐)Ilex dimorphophylla モチノキ科
原産地 日本…奄美大島(湯湾岳固有)
 近年、「ヒメヒイラギ」などの名前で園芸店に並ぶのはこの「アマミヒイラギモチ」で、セイヨウヒイラギなどと同じモチノキ属の植物です。奄美大島の湯湾岳(ゆわんだけ)のみに自生しますが、もともと自生地が限られているうえ乱獲されたため、現在、自生地では若木が数本確認されているにすぎない危機的状態です。種小名domorphophyllaは2型のという意味で、樹が若いうとは葉の鋸歯がとがっていますが、成熟すると鋸歯が無くなり全縁となるためです。この性質は「セイヨウヒイラギ」などほかの多くのヒイラギモチも同様です。雌雄異株で、雌木に赤い実を着けます。
 希少種が人の手によって大量に増やされた稀な例と言え、容易に求めることができる植物ですが、大変貴重な植物です。

大宮で-2021.3.20

 春の訪れの早い今年は、大宮公園の染井吉野がもう2分咲きです。


【参考】
 染井吉野(ソメイヨシノ)Cerasus x yedoensis
 アカシデ Carpinus laxiflora
 桜名所100選碑
 白鳥池
 ニオイタチツボスミレ Viola obtusa

川崎東部を散策

 今日は、昼から川崎駅を起点に東側を歩いてみました。この界隈には八幡社が多いのですが、八幡太郎(源 義家)との関係があるようです。
【主な経路】(川崎駅)-鈴木町-大師町-川中島-鋼管通-渡田-小田-菅沢町-鶴見-(花月総持寺駅)



稲毛神社:川崎区宮本町7−7
御社殿再建記念碑(稲毛神社)
山王さまの大銀杏
(左から)浅間神社、佐々木神社、川崎天満社、白山神社(稲毛神社境内)
子神社(稲毛神社境内)
大鷲神社(稲毛神社境内)
稲毛神社境内相殿(左から、福田稲荷神社、金刀比羅宮、松尾神社、大神宮、八坂神社、御嶽神社、三峯神社)


川崎市まちの樹50選 No.1 山王さまの大銀杏 稲毛神社)


  御神木大銀杏
  十二支めぐり
 この御神木大銀杏は、樹齢約一千年といわれ、当神社の長い歴史と尊い由緒を物語っています。
 江戸時代には東海道を旅する者に「山王さまの大銀杏」として知られ、安藤広重の「武相名所旅絵日記」などに当時の神々しい姿が描かれています。
 また、別の書物には「この大銀杏の周囲を回りながら願い事をするとことごとく叶う。特に縁結び子授け、子育て、学問・習い事の向上に霊験があり、参拝者が絶えない」と書かれています。
 さらに、色紙に願い事を書いて枝に結び、葉のある頃には一葉をとって御守りとするとよい、と伝えられています。
 戦前は神奈川県指定の天然記念物となっていましたが、惜しくも昭和二十年、戦火を浴びて大きく損傷してしまいました。しかし、年とともによみがえり、その生命力の強さは御神霊のなせるわざと人々はいよいよ篤い信仰を寄せています。と同時に近年、平和のシンボルとしても仰がれるようになりました。
 昭和六十一年、稲毛神社境内整備事業の一環として、この御神木の周囲に十二支のブロンズ(制作川村易)を置き、十二支めぐりとして整備いたしました。
 また、「十二支講」が結成され毎年例祭を行い、動物愛護・自然保護を主題とした集いが開かれています。
 ご自分の生まれ年の神像を通してご祈願ください。


史跡東海道川崎宿
  稲毛神社
 当社は明治維新まで「山王社」といわれた。鎮座地の「堀の内」は、この付近を開発し「川崎荘」とした在地武士の館跡と推定される地名であり、当社も同荘の鎮守として勧請されたものとみられる。
 中世における当社の推移は定かでないが、応永11年(一四〇四)に大般若経書写奉納の動きがあった。近世初頭、伊奈氏による備前検知をうけ、20石の朱印を安堵され、以降川崎宿の惣鎮守として、人々は事あるごとに当社へ詣で地域の精神的紐帯となった。
 8月の例祭は宮座の制を残す古式なものである。
          川崎市


  稲毛神社 御社殿再建記念碑
 み氏子が
心ひとつに
  香ぐわしく
 甍も高く
   成りし
新宮
  宮司 市川浩之助 撰
  万衆 西川光男 敬書


 御社殿の概要
設計 文化財専門審議会専門委員
監理 横浜国立大学工学部長
    工学博士大岡實
施行 株式会社小川組
起工 昭和三十七年四月二日
竣工 昭和三十八年九月二十五日
總坪数 一〇一.二一坪
棟髙 一一.五メートル(三八尺)
構造形式 神明造り總体鉄筋コンクリート
       屋根銅板葺
總工費 四、〇〇〇万円


  浅間神社
御祭神 木花咲夜比売命(このはなさくやひめのみこと)
御神徳 農業養蚕山林
    酒造の守護神
    縁結び子授け
    安産の神
例祭日 六月一日
 当浅間社はもと稲毛神社の小高い築山の上にまつられていました。江戸時代末期、川崎の生んだ偉大な宗教家。西川万翁徳行(天保四年・一八三三没)を先達として富士浅間講「タテカワ講」が組織され、当浅間神社が日常活動の拠点であり、富士登拝の出発点でした。幕末、幕府の命により結社が禁止されたためタテカワ講はおとろえましたが、その後も近在の人々から篤く総数されています。左右の石碑に見える元山満行(嘉永二年・一八四九没)は、滿翁の子、明山徳行(明治二年・一八六九没)は滿翁の養子で、ともにタテカワ講の後継者でした。


  佐々木神社
御祭神 少名彦名命(すなくひこなのみこと)
    宇多天皇
    佐々木四郎高綱公
御神徳 武道上達
    家門隆盛
    心身健康
例祭日 十月十九日
 佐々木四郎高綱公は源頼朝の命をうけて稲毛神社(当時河崎山王社)の造営奉行となり、砂子に館をかまえて改修工事にあたられました。公は敬神の念篤い武将で、邸内に祖神を祀る近江の沙沙貴神社を建立し、朝夕尊崇しておられました。公の没後、里人は遺徳をしのんで公の霊をも合せ祀り佐々木明神として崇敬しました。佐々木神社ははじめ街道沿いの宗三寺の斜向いにまつられ、宗三寺の管理のもとにありましたが明治初年、神仏分離令によって稲毛神社の管理となり、さらに、明治末年、合祀令によって当所に遷されました。現在、近郊の佐々木氏の子孫の方々によって例祭が行われています。


  川崎天満社
御祭神 菅原道真公
御神徳 学問成就・文芸上達
    災難防除
例祭日 一月二十五日


  白山神社
御祭神 白山媛神(しらやまひめのかみ) (菊理媛神(くくりひめのかみ))
    伊邪那岐神(いざなぎのかみ)伊邪那美神(いざなみのかみ)
御神徳 国家安泰 工事安全
    子孫繁栄 五穀豊穣
例祭日 五月六日


  子神社(ねのじんじゃ)
御祭神 大国主命(おおくにぬしのみこと)(大黒さま)
御神徳 商売繁盛、子孫繁栄
例祭日 九月十九日
 当子神社は、江戸時代には()(はら)にまつられていて里人から篤く信仰されていました。明治三年、須ヶ原、久根崎(今の港町、旭町、本町三丁目)の人々によって建て替えられました。社殿は総欅造りで、彫師小川清蔵による見事な彫刻がほどこされており、台石には当時の有力者の名が多数刻されています。明治四十五年、合祀令により勧進主のひとの森五郎作家に移し邸内社となっていましたが、昭和三十二年、森家の転宅の際、当所に遷座されました。なお、明治三年にはまだ川崎宿が存続していましたので、この社殿は、現存する宿場時代の唯一の建物です。


  大鷲神社(おおとりじんじゃ)
御祭神 日本武尊(やまとたけるのみこと)
御神徳 五穀豊穣
    家内安全
    商売繁盛
    交通安全
例祭日 十一月酉日(酉の位置)
 当大鷲神社がここにまつられた正確な年代は分かりませんが、江戸時代末期か明治初年のことと思われます。日本武尊は父景行天皇の命を受けて熊襲・蝦夷などの征討に当られ、数々の武勲をあげ、偉業を達成された英雄神ですが、死後、その御霊は白い大鳥となって天に昇っていかれたところから尊をまつる神社は大鳥(大鷲)神社と呼ばれます。
大鷲神社のお祭りである酉の市には農具の位置がたち、鶏などが売られていましたが、江戸時代後期におおとりが「大取り」に通じるところから熊手で集め、枡で計らなければならないほど、作物が取れお金が儲かるという民間信仰が生まれ、恵比寿大黒・稲穂、おかめ、千両箱、宝船等々あらゆる縁起のよいものを飾り付けた熊手や枡が売られるようになりました。当大鷲神社の酉の市も例年、生業発展、家内安全、心願成就などを祈る善男善女で夜半までにぎわいます。


  福田稲荷神社
御祭神 宇迦之御魂神・豊宇氣比売神
例祭日 四月第一日曜日
御神徳 五穀豊穣・商売繁盛・心願成就


  金刀比羅宮
御祭神 大物主神
例祭日 十月十日
御神徳 航海の神、徳福の神


  松尾神社
御祭神 大山咋神・市杵島姫神
例祭日 四月二日
御神徳 酒造・土木の神、縁結び、飲食業繁栄、技芸上達


  大神宮
御祭神 天照大御神・豊受大神
例祭日 十月十七日
御神徳 国家安泰、五穀豊穣、産業発展、開運招福


  八坂神社
御祭神 素戔嗚尊・稲田姫命・八柱御子神
例祭日 六月七日
御神徳 国家安泰、五穀豊穣、除疫病、商売繁盛、縁結び


  御嶽神社
御祭神 櫛真知命、大己貴命・少名彦名命
例祭日 五月八日
御神徳 医療・医薬・酒造の神、縁結び、商売繁盛


  三峯神社
御祭神 伊弉諾尊・伊弉冉尊
例祭日 十二月二日
御神徳 国家安泰、子孫繁栄、家内安全、商売繁盛



若宮八幡宮:川崎区中島2丁目15-1
稲荷神社(左)・大鷲神社(右)(若宮八幡宮境内)
庚申塔(若宮八幡宮境内)
カヤ(若宮八幡宮境内)
ナギ(若宮八幡宮境内)
大師河原酒合戦三百五十年記念碑


 保存樹林
  昭和五十年七月 指定第三号
主な樹種 イチョウ・カヤ
 所有者の御厚意により保存樹林の指定をしました。貴重な緑を大切にしましょう。
     川崎市


慶安二年五月池上太郎右衛門幸広即ち大蛇丸底深はその一統を集め江戸の酒將地黄坊樽次が率いる酒門の猛者たち十七名を迎えて酒合戦に及びしこと天下に著聞セリここにその三百五十年を記念し碑を建立す
    平成十一年五月吉日
                 古江亮仁 誌
 建碑者 大蛇丸直系酔翁亭十三世 池上幸政
                   よ志子
              宮司 中村博彦 代
              賛助 石渡孝明 舞川扇彩
                 宮川日佐夫 水鳥の会


 大師河原酒合戦三百五十年記念碑
水鳥記(すいちょうき)によると慶安二年(一六四九)大蛇丸底深(大師河原開拓に成功し、名主となった池上太郎右衛門幸広)のもとに地黄坊樽次(前橋藩主酒井忠清の寵臣、医者で儒学者茨城春朔)が酒豪をひきつれて大師河原に乗り込み三日三晩酒飲みの強さを競ったという史実にのとった豪快で勇壮な酒合戦の物語です。
水鳥とは、水 –> (さんずい)・鳥 –> 酉、即ち酒のことです。
水鳥の祭(十月第二日曜日)
現代に再現した祭りで大本山川崎大師平間寺に大蛇丸底深方十五名、地黄坊樽次方十七名が集結しお互いに名乗り合い酒飲み合戦を繰り広げながら練り歩き、若宮八幡宮で和睦となる。
地元の歴史と酒の文化を顕彰する楽しいお祭りです。
   平成十一年五月吉日
                宮司 中村博彦


金剛山金乗院平間寺(川崎大師):川崎市川崎区大師町4−48


川崎市まちの樹50選 No.2 クスノキ
五重塔(平間寺)



川中島神明社:川崎区川中島1丁目12-12


 保存樹林
  昭和五十年七月 指定第四号
主な樹種 イチョウ・クヌギ・エノキ
 所有者の御厚意により保存樹林の指定をしました。貴重な緑を大切にしましょう。
     川崎市


さいの神(川中島神明神社境内)
 注:扁額は「賽の神」となっている。
   さいの神(歳の神)
延宝七年(西暦一六七九年)川中島村民によって建てられた赤子を抱いている子育て地蔵の御姿の「さいの神」で左側はその木地白衣観音といわれる。その「さいの神」はいつ頃からかかぜ・はやりかぜ・百日咳等の咳に希代にごりやくがあると里人の信仰をあつめ現在でも近在近郊は勿論遠く東京・横浜方面より参詣する人があとをたたない。古いしきたりによればごりやくを受けたい人は堂前の麻をお借りして咽喉(のど)に巻きごりやくを受けてなおると新しい麻や絵馬を奉納してきた。「さいの神」はもともと地境辻の神で悪疫悪霊が村内に入るのを防ぐ神さまだったようだ。いつかこれが咳の神として信仰を集めるようになったものと思われる。このことは全国各地に例がない訳ではない。子育て地蔵のお姿の「さいの神」は珍しい。ちなみにこの地は江戸時代の川中島村と大師河原村藤崎との地境に当たる。
   昭和六十年五月吉日
         川中島町内会



川中島八幡神社:川崎区川中島2丁目15-1
天満宮(川中島八幡神社境内)
稲荷森稲荷神社(とうかもりいなりじんじゃ)(川中島八幡神社境内)
神明社(川中島八幡神社境内)
厳島社(川中島八幡神社境内)
庚申塔(川中島八幡神社境内)


 保存樹林
  昭和五十一年八月 指定第十二号
主な樹種 イチョウ・サクラ・シイノキ
 所有者の御厚意により保存樹林の指定をしました。貴重な緑を大切にしましょう。
     川崎市


   八幡神社御由来
     御祭神 誉田別命(ほったわけのみこと)(十五代応神天皇)
     御祭礼 八月十五日
         近年は上旬の土・日曜日
 八幡神社は古来から中島の鎮守として、町民の崇敬の中心であります。ご創建の年代は明らかではありませんが、昭和二十年頃までは本殿に二十余枚の棟札が保存されており、その中の文中に「元和二年(西暦一六一六年・徳川時代)初期)社殿修復」の記録がありました。
 また古くは十一世紀の頃八幡太郎源義家公による「後三年の役」の功績を後世に伝えるために創建されたとも語られることがありますが確証はありません。
 この中島は多摩川下流の堆積地層の中州がやがて小島になり、鎌倉時代に至り、ようやく古地図に記載された程の地域であり、江戸時代初期には戸数わずか十三戸、徳川後期に至っても五十戸たらずでありました。
 その頃より村民協力し八幡神社を創建護持し、更に村内の名刹「光明山遍照寺」の庇護もあり、例年御祭礼を執行し、御神輿巡行や村芝居を興行して近隣村落を併せての一大行事が行われてきました。しかし不幸にして、昭和二十年四月十五日第二次世界大戦による戦災を受け、その一切を焼失してしまいましたが、氏子町民の協力により、昭和三十四年八月吉日、現在の御社殿が再建されたものであります。
   平成二十一年八月吉日
       社殿再建五十周年記念
              中島八幡神社 氏子会


天満宮
 御祭神 菅原道真公
 御祭礼 二月二十五日


稲荷森稲荷神社(とうかもりいなりじんじゃ)
 御祭神 宇迦御魂神(うがのみたまのみこと)
 御祭礼 二月ruby>初午(はつうま)


神明社
 御祭神 天照大御神(あまてらすおおみかみ)


厳島社
 御祭神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
 御祭礼 四月初巳の日



大島八幡神社:川崎区大島3丁目4-8
権現社(大島八幡神社境内)
クスノキ(大島八幡神社境内)
カヤ(大島八幡神社境内)
ツゲ(大島八幡神社)
    大島八幡神社
一、御祭神 主神 誉田別命(ほむたわけのみこと)(応神天皇 八幡神)
      配神 伊弉諾尊(いざなぎのぎこと) 伊弉冉尊(いざなぎのみこと)
一、例祭  八月第一土曜日、日曜日
一、宮司  市川緋佐麿(稲毛神社宮司の兼務)
一、鎮座地 川崎市川崎区大島三丁目四番八号
一、御由緒
 当神社は江戸時代に別当をつとめていた心観寺が火災に遭い、古い記録の一切が失われたため、その由来は(つまび)らかではありません。往昔、源義家が八幡太郎と名乗って前九年、後三年の両大役(一〇五一~一〇八七)に勝利を得、関東に一大勢力築いて以来、源氏一族は八幡神を氏神としてその御神威を慕い武運長久、家門隆盛を祈って、それぞれの領域に八幡社を建立致しました。当八幡神社も、この地域の住民たちが両大役の折源氏方の将兵の宿泊に民家を提供したり、兵糧を提出したりして協力したことに対し、源氏一族が感謝のしるしとして建立したものと伝えられています。


  大島新田開拓の碑
埋もれた玉も磨かなければ光を放つことはない。これと同じように大島邑の海辺もこの父に会わなかったら永く不毛の地として終わったのでありましょう。わが家は代々村長をつとめてきたが父の代になってこの石ころの海浜を開拓して村人の為になるようにとのかねてからの思いを村民に訴えた。時の代官も殖産に力を入れていたので村民も卒先してこの計画に賛同した。築提工事は日夜をとわず強行されたが幾度かの山のような大波に襲われ精魂を傾けた長堤も一朝にして烏有に帰した。だが剛直の父は一度や二度で挫けるものでしなかった。村人共に益々奮い立って遂にこの難事業の完成にごぎつけた。宝暦五年から明和七年までに実に十六年を費やしての大事業であった。九年後安永八年視察にみえた代官は測量を命じ境界を正して整然たる神殿にした。それからと言うもの海浜は魚介が沢山取れ塩作りも盛んとなり村民の生活を潤すこと一通りではなかった。父の尽力まことに大であり一詩を石に刻して意中を後世に伝えたい。
枯れ果てた地が一変して魚塩の利をもたらし肥沃な耕地となったのは村民たちが精をつくしそれが神に通じて豊かな生計が約束された益々わが村が繁栄することを願うものである。
    文化七年庚午春二月辛亥 武蔵国橘樹郡大島邑
                 青木 均 (宗碩)
                 常山 并


姥ヶ森弁財天:川崎区鋼管通3丁目3−13


  姥ヶ森という地名発祥
 由来を探求するには、渡田二丁目は新田神社と深い関係にあり鎌倉時代からの領主で。(わたり)新左衛門源早勝(新田義貞公の家臣)の土地で、ごく最近までは姥ヶ森町内会館は新田神社の土地であった(区画整理で購入)
 明治初期の頃、この辺は、小高い丘で裾は松林で沖を通る船は、松林を目標にして漁に出たと云う。そこに新左衛門の隠居所とし見られる潰れ屋敷に古井戸と神様を祀ったらしい祠があった。
 村人の話題が新田神社の土地だから稲毛神社の神官に観てもらおうと云うことになり、見てもらったところ、意外も意外、霊験あらたかな「インド」の女神で弁舌、音楽に無量の福徳を与える弁財天(日本でも七福神の一つ)であることが判った。この儘、潰れ屋敷に野晒にも出来ず、神社の氏子総代と相談の末、新田神社の御守本尊として移転することが決まりお堂を建立し、明治十二年頃移転した。その時は無銘の弁財天であったが、稲毛神社の神官の粋な計らいで姥が住んでいた森だから姥ヶ森弁財天と命名されて現在に至っている。又、古井戸の御神水は。毎年八月二日に組み上げ新田神社に奉納し稲毛神社の大御神輿が新田神社に渡御の際、お清めの御神水として御神輿におかけする。これを怠ると大御神輿は暴れ狂うと云う伝説があるとも云われているが本当にあったと云うことも聞いている。
         平成十一年五月吉日
     鋼管通三丁目、四丁目、五丁目、南渡田
                 姥ヶ森町内会
             会長  大橋新太郎



新田神社:川崎区渡田2丁目14-8
ケヤキ(新田神社境内)
姥ヶ森弁財天(新田神社境内)
神明社(新田神社境内)
稲荷大明神2宇(新田神社境内)
亘新左衛門尉早勝の墓(新田神社境内)


 保存樹林
  昭和五十年七月 指定第二号
主な樹種 イチョウ・ケヤキ
 所有者の御厚意により保存樹林の指定をしました。貴重な緑を大切にしましょう。
     川崎市


   新田神社
   御祭神 新田義貞(にったよしさだ)
   配信  天照大御神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
       宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)
       亘新左衛門尉早勝(わたりしんざえもんのじょうはやかつ)
   御神徳 家門隆盛 武道上達 心身健康
   御例祭 八月第一土・日曜日(元七月二日、後十月十日)
   御由緒御沿革
 社伝によれば、新田義貞公が延元三年(一三三八年)七月二日、越前国藤島(現在福井市内)で討死の際、その臣亘新左衛門尉早勝が公の差添の名剣と七ツ入子の名鏡及び錦の陣羽織の三種の品を得てこの地に携えて帰り、ひたすら冥福を祈って供養していたところ、里人らも公の徳を追慕し、その三種の形見を早勝に乞い早勝と共に永和元年(一三七五年)七月二日清浄の地を求め孤松の下に埋納し、廟を営んで新田大明神と崇め、この地の鎮守とし里人武人らの信仰が厚く祭田の寄進もあったと伝えられております。
 また俚伝によれば、正月元旦と七月二日の晩にしこの地に軍馬が嘶く声がすることがあり、これは河北矢口村(現在の東京都大田区内)に鎮座されている公の二子義興公が父霊のもとに参るためと言われておりました。
 明治六年村社に列格、後幣帛料供進神社に指定。戦禍により建物悉く焼失したが昭和三一年社務所、同三八年社殿、同四三年神楽殿の再建を遂げ、平成三年社務所を改築した


姥ヶ森弁財天
御祭神 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
御神徳 学問・芸術上達 福徳円満
   御由緒御沿革
 昔「姥ヶ森」あるいは「森山」と呼ばれた地(現在鋼管通り三丁目)に鎮座しておりましたが明治末年合祀令により新田神社に遷されました。その森には新田義貞公寄進の馬場と御手洗の池があったという伝えがあります。
 当弁天社と稲毛神社は極めて縁が深く古より同神社祭礼の大神輿巡幸の御旅所で現在も毎年八月三日御巡幸になり、その際御手洗の池の跡と伝える井戸から汲んだ御神水を大神輿に降り注ぎ神霊を鎮めると共に、当神社前で神奈川県の文化財に指定されている宮座式が古式床しく行われます。


稲荷大明神
御祭神 宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)
御神徳 五穀豊穣 商売繁盛
   御由緒御沿革
 石造の稲荷宮は、基金が続いた江戸時代末期、当寺農村地帯であった渡田村の村民が五穀豊穣を祈願して勧請。当地域では稲荷信仰が盛んで、大正末期まで稲荷講があって近隣互助と当稲荷宮の維持にあたりました。
 初午には祠を筵で囲み、その中で子供達がお供物をいただきながらおこもりしてのお祭りが行われ、子供達にとって楽しい年中行事の一つでありました。
 稲荷宮の台座には、渡田村村民四八名の氏名が刻まれております。木造の稲荷宮は、氏子会社の敷地内に祀られていましたが、昭和三十年代の移転の際ここに遷されました。


亘新左衛門尉早勝の墓
   御由緒御沿革
 言伝えによれば、当社創建に深くかかわる新田義貞公の臣亘新左衛門尉早勝が領地であった渡田村で永和三年(一三七七年)七月二日没した後、里人がその旧居跡(現在渡田三丁目)に祠(御霊社)を建立し、傍らに墓石を建てその霊を鎮めていたが明治末年当社境内に遷されました。
 亘新左衛門尉早勝は、栗生左衛門尉忠良、畑六郎左衛門尉時能、篠塚伊賀守重廣と共に新田義貞公の勇猛な家臣四天王の一人でした。渡田、小田地区には四天王の末えいと伝える家系があり、また当地区の急速な開発前には四天王縁りの塚もありました。また昔は渡田村を亘田と書いたという伝えもあります。


日枝大神社:川崎区小田2丁目14−7
八王子社(日枝大神社境内社)
旧鳥居と力石日枝大神社境内)


    日枝大神社御由緒沿革
  御祭神 大山咋神(おおやまくいのみこと)(神) 世に山王ともいわれる土の地主神
       またの名 山末之大神
  御功績 山城丹波地方を開拓せられ、特に水害を除き庶民の社会福祉を図りました。国土就中都市開発と建設の守護で造酒の神としても有名です。
 日枝大神社は皇紀一六〇八年天歴二年戊申(西暦九四八年三月中日)人皇六十二代村上天皇の御代京都比叡山坂本山王権現(日?神社)の御分霊を勧請したもので、山王権現と号し比叡宮と称しました。
 始めは小田村の西隅に社殿がありましたが、いつの頃からか(不明)現在の処に遷座されたといわれます。旧跡地には有名な銀杏の神木があって大正時代まで残っていたとのことです。
 旧幕(江戸幕府)の頃御朱印地拾石で隣村新田村(現浅田町)菅沢村(現鶴見区菅沢町)等の惣鎮守でした。
 大祭は四月中の申の碑。神輿渡御の際は村内旧家十二人がいづれも馬に乗り警固供奉して三ヶ村を巡幸しました。その行列は頗る古風を極めたものといわれます。
 明治維新までは真言宗円能院が別当職でした。
 明治六年十二月村社に列せられて社号も日枝大神社と改められ、大祭日は五月十五日と定められました。
 大正十三年三月十四日の神饌幣帛料供進する神社に指定されました。
 昭和二十四年四月十五日太平洋戦争の戦禍に罹り氏子の九割と共に焼失しました。
 昭和二十四年五月十四日本殿再建翌年五月仮拝殿建設
 昭和三十二年四月十五日現在の御社殿を復興完成いたしました。
 社に一緒に祭られている神
 天照皇大神・大山津見命・木花開耶姫命・大国主之命・豊受姫命


旧鳥居と力石(さし石)
 旧鳥居は宝暦六年(一七五六年)に建てられ安山岩製のもので伊豆石あるいは小松石と思われ川崎周辺でも数少ない立派なものでした。新編武蔵風土記稿に「…拝殿の前に石鳥居たつ…」とありますこの旧鳥居は大正十二年関東大震災により倒壊、その後大正十五年に現在の御影石の鳥居が再建されました。明治十七年に当社を訪れた池田忠政は「愚老忠政遊覧記」の中に「山王権現ノ御社有リ今ハ日枝ノ御神ト奉申菅沢村、小田村、下新田右三ヶ村ノ氏神也」と記し鳥居には、菅沢村、小田村、下新田村、氏子中の銘が刻まれているのを絵入りで紹介しています。又現在(平成八年)川崎市域で確認されているものの中では最古のものです。「寶暦六丙子歳十二月現在辨龍代健之」とあるのは円能院八世辨龍和尚です。
 力石は寺社でよくみかけるもので祭礼のときなど近郷近在の若者が石を持ち上げ、さし上げると、そこに名前、重さ、年号を刻み改めて神社に奉納されたものとおもわれます。力石の中には元禄十五年の銘があり、これも川崎市で最古の力石となります。


境内社 八王子社
合祀社名
 稲荷神社
 浅間神社
 神明社
 杉山社
 子神三峯合祀社
 大鷲神社


 大山祇神社:鶴見区菅沢町13-10
 朝陽山八幡神社:鶴見1丁目10-10


【参考】
 クリスマスローズ Helleborus sp
 イチョウ Ginkgo biloba
 ユズリハ Daphniphyllum macropodum
 レンギョウ Forsythia suspensa
 ハマダイコン Raphanus sativus f. raphanistroides
 大島桜(オオシマザクラ) Cerasus speciosa
 ヒアシンス Hyacinthus orientalis
 クロマツ Pinus thunbergii
 寒緋桜(かんひざくら)Cerasus campanulata
 カヤ Torreya nucifera
 ナギ Nageia nagi
 クスノキ Cinnamomum camphora
 モミジ Acer spp.
 アイビーゼラニウム Pelargonium peltatum
 ひまわり調剤川中島薬局:川崎区川中島1丁目12-9
 ハナニラ Ipheion uniflorum
 ツゲ Buxus microphylla var. japonica
 星乃湯:川崎区追分町15-2
 庚申堂:川崎区小田1丁目18-9
 伊藤の坂:鶴見区鶴見1丁目
 庚申堂:鶴見区鶴見1丁目10-3