秀樹」カテゴリーアーカイブ

アマモ科の写真整理

 アマモ科(Zosteraceae)は、4属約20種で構成される海草で、温帯の浅海域を中心にして広く南北半球に分布しています(Coyer et al.,2013)。アマモ(Zostera marina)、スガモ(Phyllospadix iwatensis)などは、藻場の種たる構成種であり、多くの魚介類の産卵場、保育場となっています。さらに、広島湾での事例研究では、湾内のアマモ草体中の炭素量は164トンと概算されており(Tarawaki et al.,2002)、二酸化炭素固定に重要な役割を果たしていることからも注目されています。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【オモダカ目(Alismatales) アマモ科(Zosteraceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
アマモ属 Zostera
アマモ アマモ
Zostera marina Eel Grass

【文献】
Coyer JA, Hoarau Kuo GJ, Tronholm A, Veldsink J and Olsen JL (2013) Phylogeny and temporal divergence of the seagrass family Zosteraceae using one nuclear and three chloroplast loci, System Biodivers, 11(3), 271-284, 10.1080/14772000.2013.821187, Accessed: 2023-08-10.
Terawaki T, Tamaki H, Nishimura M Yoshikawa L and Yoshihda G (2002) Total amount of varbon and nitrogen in Zostera marina in Hiroshima Bay, western Seto inland Sea, Japan, Bull Fish Res Agen, 4, 25-32, 10.1371/journal.pone.0150890, Accessed: 2023-08-10.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.

ビブリス科の写真整理

 ビブリス科(Byblidaceae)は、ビブリス属(Byblis)のみで構成される外観はモウセンゴケに似た食虫植物で、APG体系ではシソ目に置かれています(APG-IV,2016)。かつてのビブリス科にはビブリス属に加えてロリドゥラ属(Roridula)も含められていましたが、遺伝子配列を用いた検討の結果、両属の間には目レベルを超える違いのあることが明らかとなり(Conran and Doeb,1993)、ロリドゥラ属は、ロリドゥラ科(Roridulaceae)として分離されツツジ目に移されています。ビブリス属は、オーストラリアとニューギニアに分布しており、かつて2種だったのに加えて今世紀に入ってからも新種記載が続いていて現在8種となっている様です(Katogi and Hoshi,2022)。

 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【ビブリス科周辺の系統推定図】(APG-IV,2016)

キク目群(Asterids)
│┌ミズキ目(Cornales)
││┌ツツジ目(Ericales)
└┤│└ロリドゥラ科(Roridulaceae)
 └┤┌キキョウ類(Campanulids)
  │││┌モチノキ目(Aquifoliales)
  ││└┤┌キク目(Asterales)
  ││ └┼エスカロニア目(Escalloniales)
  └┤  └┬ブルニア目(Bruniales)
   │   └┬セリ目(Apiales)
   │    └┬マツムシソウ目(Dipsacales)
   │     └パラクリフィア目(Paracryphiales)
   └シソ類(Lamiids)
    │   ┌ナス目(Solanales)
    │   ├シソ目(Lamiales)
    │  ┌┤└ビブリス科(Byblidaceae)
    │  │├ヴァーリア目(Vahliales)
    │ ┌┤├リンドウ目(Gentianales)
    │┌┤│└ムラサキ目(Boraginales)
    └┤│└ガリア目(Garryales)
     │└メッテニウサ目(Metteniusales)
     └クロタキカズラ目(Icacinales)

【シソ目(Lamiales) ビブリス科(Byblidaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ビブリス属 Byblis
ビブリス・リニフロラ ビブリス・リニフロラ
Byblis liniflora Australian Rainbow Plant

【文献】
Conran JG and Doeb JM (1993) The phylogenetic relationships of Byblis and Roridula (Byblidaceae-Roridulaccae) inferred from partial 18S ribosomal RNA sequences, Plant Syst Evol, 188, 73-86, DOI; 10.1007/bf00937837
Katogi T and Hoshi Y (2022) Determination of Chromosome Numbers and Genome Sizes in Six Species of Byblis (Byblidaceae), Cytologia 87(3), 277–280, DOI: 10.1508/cytologia.87.277, Accessed: 2023-07-11.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.

紅色植物の分類

 紅色植物(Rhodophytea)は、陸上植物と緑藻からなる緑色植物の姉妹群と考えられているグループで、光合成に必要となるフィコビリン色素を結合する蛋白フィコエリスリン(phycoerythrin)に由来する紅色を呈することが多いため紅色植物または紅藻と呼ばれています。近年、栄養不足が原因とも言われるスサビノリの色落ち現象は、紅藻本来の色が現れたものと言えます。ただし、単細胞種の中には紅色の色素を作らない種もあるそうですので、色だけで識別することはできません。
 Ragan et al.(1994)によれば最大で680属6000種が記載されており、その後の遺伝子解析により2亜門7綱が単系として識別されています(Yoon et al.,2006)。紅藻類には食料として利用される種が多く含まれており、アマノリ類(該当する分類名なし)はウシケノリ綱(Xu et al.,2016)に、テングサ類(Gelidium sp.)は真正紅藻綱(Yang et al.,2016)に分類されています。さらに、イデユコゴメ綱の中には、レアアースを蓄積する種(Galdieria sulphuraria)が知られており(Minoda et al,2015)、工業利用の実用化が期待されます。

 維管束植物の分類【陸上植物小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【紅藻植物門(Rhodophyta) 真正紅藻綱(Florideophyceae) マサゴシバリ目(Rhodymeniales) マサゴシバリ科(Rhodymeniaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
マサゴシバリ属 Rhodymenia
マサゴシバリ マサゴシバリ
Rhodymenia intricata

【紅藻植物門(Rhodophyta) ウシケノリ綱(Bangiophyceae) ウシケノリ目(Bangiales) ウシケノリ科(Bangiaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
アマノリ属 Neopyropia
スサビノリ スサビノリ
Neopyropia yezoensis Syn. Porphyra yezoensis Nori

【紅色植物(Rhodophyta)の系統概要】(Yoon et al.,2006)

  ┌紅色植物門(Rhodophyte)
  ││┌紅藻亜門(Rhodophytina)
  ││││   ┌ウシケノリ綱(Bangiophyceae)
  ││││   │├タニウシケノリ(Bangia alropurpurea)
  ││││  ┌┤└チシマクロノリ(Porphyra purpurea)
  ││││  │└真正紅藻綱(Floridaophyceae)
  ││││ ┌┤ ├ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)
  ││││ ││ └ダルス(Palmaria palmata)
  ││││┌┤└─ロデラ綱(Rhodellophyceae)
  │└┤│││  ├(Dixoniella grisea)
  │ ││││  └(Rhodella violacea)
  │ │││└──チノリモ綱(Porphyridiphyseae)
  │ │└┤   ├(Flintiella sanguinaria)
  │ │ │   └(Porphyridium aerugineum)
  │ │ │┌──ベニミドロ綱(Stylonematophyceae)
  │ │ ││  │ ┌ベニミドロ(Stylonema alsidii)
  │ │ └┤  └┬┴(Rhodosorus marinus)
  │ │  │   └(ニセウシケノリBangiopsis subsimplex)
  │ │  └──オオイシソウ綱(Compsopogonophyceae)
  │ │     ├オオイシソウ(Compsopogon coerulens)
  │ │     └(Rhodochaete parvula)
  │ └イデユコゴメ亜門(Cyanidophytina)
  │  └イデユコゴメ綱(Cyanidophyceae)
  │   │   ┌シアニディオシゾン(Cyanidioschyzon merolae)
  │   │ ┌┬┴(Galdienia maxima)
  │   │┌┤└イデユコゴメ(Cynanidium caldarium)
 ┌┤   ││└┬(Cyanidium sp. Sybil)
 ││   └┤ └(Cyanidium sp. Monte Rotaro)
 ││    └┬(Galdieria sulphuraria DBV009)
 ││     └(Galdieria sulphuraria SAG106-79)
┌┤└緑色植物亜界(Viridiplantae)
┤└─灰色植物門(Glaucophyta)
└──シアノバクテリア門(Cyanobacteria)

【文献】
Ragan MA, Bird CJ, Rice EL, Gutell RR, Murphy CA and Singh RK (1994) A molecular phylogeny of the marine red algae (Rhodophyta) based on the nuclear small-subunit rRNA gene, Proc Natl Acad Sci. 91(15), 7276-72800, DOI: 10.1073/pnas.91.15.7276, Accessed: 2024-08-03.
Yoon HS, Müller KM, Sheath RG, Ott FD and Bhattacharya D (2006) Defining the major lineages of Red Alfae (Rhodophyta), J Phycol, 42, 482–492, DOI: 10.1111/j.1529-8817.2006.00210.x10.1111/j.1529-8817.2006.00210.x, Accessed: 2024-08-03.
Yang EC, Boo SM, Bhattacharya D, Saunders GW, Knoll AH, Fredericq S, Graf L and Yoon HS (2016) Divergence time estimates and the evolution of major lineages in the florideophyte red algae, Sci Rep, 6:21361, DOI: 10.1038/srep21361, Accessed: 2024-08-04.
Boo GH, Kim KM, Nelson WA, Riosmena-Rodríguez R, Yoon KJ and Boo SM (2014) Taxonomy and distribution of selected species of the agarophyte genus Gelidium (Gelidiales, Rhodophyta), J Appl Phycol, 26, 1243–1251, DOI: 10.1007/s10811-013-0111-7, Accessed: 2024-08-04.
Minoda A, Sawada Suzuki HS, Miyashita S, Inagaki K, Yamamoto T and Tsuzuki M (2015) Recovery of rare earth elements from the sulfothermophilic red alga Galdieria sulphuraria using aqueous acid Environmental biotechnology, Appl Microbiol Biotechnol, 99, 1513–1519, URL: https://doi.org/10.1007/s00253-014-6070-3, Accessed: 2024-08-04.
高橋昭善・大森雄治 (2009) 三浦半島海藻図鑑、208p、横須賀市自然・人文博物館、横須賀.

食虫植物展

 こども植物園で開催中の食虫植物展を見てきました。


【食虫植物展】


食虫植物とは
 昆虫などの小動物を捕らえて栄養にしている植物たちを食虫植物と呼びます。養分にとぼしい土地をすみかに選んだ食虫植物の祖先たちは、不足する栄養分を小動物から得ようと葉を捕虫するための道具に進化させ、さらには自ら消化液を出して獲物を消化吸収するようになりました。なお、消化液を出さずバクテリアの力を借りて分解されたものを栄養として吸収する種類を食虫植物に含める場合もあります。しかし、捕らえた獲物だけから栄養をたよっているわけではなく光合成をしてい自分でも栄養分を作り出しているので、万が一小動物を捕らえることができなくても枯れることはありません。
 南極大陸を除く世界各地の標高の低い土地から高い山まで見られ、湿原などの湿った土地や池・沼などに生えています。


ビブリスの仲間 -Byblis- ビブリス科
 オーストラリア原産で、現在8種に分類されています。リニフロラほか5種はオーストラリア北部やパプアニューギニアなどの熱帯地域、バガンテア、ラメラタは地中海性気候のオーストラリア南西部に離れて分布していて、同じ仲間でも生えている環境が全く違います。
 長い間、消化酵素が認められなかったため、食虫植物ではないという意見がありました。しかし最近になって、消化液を出しているということがわかり、食虫植物であることが確定しました。


モウセンゴケの仲間 -Drosera- モウセンゴケ科
 世界中(南極大陸以外)に分布がみられ、湿原などの湿った場所に生えています。日本には「モウセンゴケ」や「コモウセンゴケ」、地下に塊茎をつくる「シイモチソウ」など6種ほどが自生しています。葉にある腺毛の先から粘液を出し、腺毛や葉を動かし、獲物を包み込んで消化します。
 オーストラリア南西部には「ピグミーサンデュ」とよばれる非常にちいさなモンセンゴケの仲間が分布しており、これらはムカゴでも繁殖します。
 「もうせん(毛氈)」とは毛などで織った敷物のことで、日本ではおもに赤い毛氈(緋毛氈)が多く使われました。この植物の腺毛は陽がよく当たると真っ赤に色づくため「モウセンゴケ(毛氈苔)」と名づけられました。


タヌキモとミミカキグサの仲間 -Utricularia- タヌキモ科
 世界中(南極大陸以外)に分布がみられ、池沼や湿地に生育しています。この仲間には根がありません。タヌキモ類とミミカキグサ類は同じタヌキモ属に含まれますが、タヌキモの仲間はおもに水中に浮かんで生活しており、一方のミミカキグサの仲間は湿原の泥の中や、森林の苔と岩のあいだ、またパイナップル科の植物の葉のあいだにたまった水の中など生育場所はさまざまで、タヌキモ類とちがい水上に葉を出します。いずれも小さな生き物を吸い込んで捕らえます。日本には「タヌキモ」や「ミミカキグサ」、日本でしか見られない「フサタヌキモ」、世界で最も小さい食虫植物といわれる「ヒメミミカキグサなとが自生しています。フサフサと水中にただようようすをタヌキのしっぽにたとえて「タヌキモ」と呼びます。


ハエトリグサ –Dionaea muscipula- モウセンゴケ科 (ハエトリソウ、ハエジゴク)
 欧米では、葉のようすを女神のまつ毛にたとえて、ビーナス・フライトラップ(女神のハエ取り器)ともよびます。閉じ合わさる形をした、捕虫葉の内側には獲物の動きを感じとる数本の感覚毛があり、獲物が葉の中に入りその感覚毛にふれると0.5秒というすばやい速さで葉が閉じ合わさるしくみになっています。そして閉じた葉はさらに中の獲物をしめつけ押しつぶすと、消化液を出して消化吸収します。
 アメリカ合衆国のノースカロライナ州とサウスカロライナ州のごく限られた地域の湿原に生育していて、現在では国によって厳重に保護されています。


プロッキニアの仲間 -Brocchinia- パイナップル科
 私たちが食用にするパイナップルの仲間で、ヘリアンフォラと同じく南アメリカ北部のギアナ高地が原産です。葉の構造は単純で、葉と葉の間にたまった甘い香りを発する水(強い酸性)の中に落ちた昆虫などの小さな生き物を、バクテリアに分解させて養分を吸収します。レドゥクタ(B. reducuta)とヘクティオイデス(B. hechtioides)、タテイ(B. tatei)の3種が食虫植物として知られています。


ヘイシソウの仲間 -Sarracenia- サラセニア科
 北アメリカのおもに大西洋沿岸をふるさととする植物です。一般的には学名の「サラセニア」で呼ばれ、8種(分類によっては11種)ほどに分類されています。1日中陽の当たる湿った土地にしっかりと根を伸ばして生育しており、筒状になったカラフルな葉の中に消化液が溜まっていてい、さそい込まれて中に落ちた虫などをとらえ栄養にしています。筒の内側には下を向いた毛がたくさん生え、落ち込んだ獲物は上がることができず、動くほど中へ中へと入りこんでしまいます。春、新しい葉が出る前後に赤色やクリーム色のユニークな形の花を咲かせます。また冬の間は冬芽を作って休眠します。


【その他】


熱帯性スイレン(昼咲き) Tropical Dat Blooming Water Lilies
 東南アジアからアフリカにかての、おもに熱帯域に分布するスイレンの仲間(スイレン科 スイレン属)、また、それらを元に交配して誕生した園芸品種を「熱帯性スイレン」または「熱帯スイレン」と呼びます。青~紫、桃~紅、白、黄といった豊富な花色を楽しむことができることが、大きな魅力です。高水温でよく成長し花を咲かせますから、日当たりさえよければ、年々暑さが厳しくなる日本の夏には非常に適した園芸植物といえるでしょう。
 育種の中心は、アメリカやタイで、国際的な品評会も行われています。近年、温帯性スイレンとの亜種間交配も次々と発表されており、今後が楽しみです。なお、白色や紅色の花を咲かせる夜咲きの種類もあります。


二千年前の古代ハス大賀ハス
 一九五一(昭和二六)年に植物学者の大賀一郎博士たちは千葉県検見川の東京大学厚生農場内(現・東京大学総合運動公園)の泥炭層を掘り進め、地下約六メートルの青泥層から三月三〇日に種子一粒を発見しました。そのあと四月六日にニ粒の種子を発見し、同年五月六日に大賀博士宅(東京都府中市)で発芽処理が行われ、発芽した実生苗のうちの一株だけがその後順調に成長しました。一九五二年(昭和二七)年七月十八日にはじめて開花し、一九五四(昭和二九)年三月三十一日付で千葉県の天然記念物「検見川の大賀蓮」として指定されています。大賀ハスは他のハスとくらべ性質がやや弱く、特に容器栽培ではあまり花を咲かせません。
 なお、ハスの花は早朝から開き昼には閉じます。そして開きはじめてから四日目に散ります。
 大賀ハスのおもな特徴
■葉の表面はすべすべしており、ざらつかない。
■花弁の条線がはっきりしていない。
現在、各地で大賀ハスとして公開されているもののなかには、大賀ハスとは明らかに違うとおもわれる個体が多く見受けられます。たとえ大賀ハスから採れた種子から成長した株でも大賀ハスとは呼べません。なお、この株は、千葉県農業試験場より当園に譲渡された正真正銘の大賀ハスです。
     一部参照:千葉県ホームページ「大賀ハス何でも情報館


【参考】○は本日初撮影種、◎は科としても初撮影
ビブリス科(Byblidaceae)
◎ビブリス・リニフロラ Byblis liniflora


タヌキモ科(Lentibulariaceae)
○ピンギクラ・プリムラフロラ Pinguicula primuliflora
○ウトリクラリア・ディコトマ Utricularia dichotoma
○ミミカキグサ Utricularia bifida
○イチョウバミミカキグサ Utricularia livida


モウセンゴケ科(Droseraceae)
 ヤツマタモウセンゴケ Drosera binata var. multida f. extrema
 トウカイモウセンゴケ Drosera tokaiensis subsp. tokaiensis
○コモウセンゴケ Drosera spathulata
○イトバモウセンゴケ Drosera filiformis
○ツルギバモウセンゴケ Drosera adelae
 アフリカナガバノモウセンゴケ Drosera capensis
○ドロセラ・マダガスカリエンシス Drosera madagascariensis
 ハエトリグサ Dionaea muscipula


ウツボカズラ科(Nepenthaceae)
○ネペンシス ‘レグレヤナ’ Nepenthes X ‘Wrigleyana’
 (ナンヨウウツボカズラ X フッカーウツボ(ウツボカズラ x ツボウツボカズラ))
 (N. mirabilis X N. X Hookeriana(N. rafflesiana X N. ampullaria)
○ネペンシス・グラキリフロラ Nepenthes graciliflora Syn. N. alata
○ネペンシス ‘ミクスタ’ Nepenthes X ‘Mixta’
 (N. northiana X N. maxima)
○ネペンシス ‘インターメディア’ Nepenthes X ‘Intermedia’
 イビツウツボカズラ Nepenthes ventiricosa
○ネペンシス・マダガスカリエンシス Nepenthes madagascariensis
○ネペンシス・アルボマルギナータ Nepenthes albomarginata


パイナップル科(Bromeliaceae)
 ブロッキニア・レドゥクタ Brocchinia reducuta


サラセニア科(Sarraceniaceae)
○ウスギヘイシソウ Sarracenia alata
 シラフヘイシソウ Sarracenia leucophylla
○モミジヘイシソウ Sarracenia rubra subsp. gulfensis
○コヘイシソウ Sarracenia minor
○ヒメヘイシソウ Sarracenia psittacina
○サラセニア ‘スカーレット・ベル’ Sarracenia X ‘Scarlet Bell’
○ムラサキヘイシソウ Sarracenia purpurea Subsp. venosa


 ゼニゴケ(雌器托) Marchantia polymorpha
 ゼニゴケ(雄器托) Marchantia polymorpha
 横浜南キリスト教会:六ツ川2-1-14
 ヒャクニチソウ Zinnia elegans
 ミンミンゼミ Hyalessa maculaticollis
 スイレン ‘スター・オブ・ザンジバル’ Nymphaea X ‘Star of Zanzibar’ (N. ‘Mornig Star’ X N. ‘Purple Zanxibar’)
 スイレン ‘ペンシルヴァニア’ Nymphaea ‘Pennsylvania’ (N. caerulea X N. nouehali var. znzibariensis)
 ホシザキスイレン Nymphaea nouchali var. zanzibariensis Syn, Nymphaea colorata
 ハス Nelumbo nucifera
○オオアカバナ Epilobium hirsutum
 ヤマトタマムシ Chrysochroa fulgidissima
○ウバタマムシ Chalcophora japonica
◎オオゴキブリ Panesthia angustipennis spadica
◎クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa
 ヒオウギ Iris domestica
 オミナエシ Patrinia scabiosifolia
 ミズヒキ Persicaria filiformis
 ヤブミョウガ Pollia japonica
 ハンゲショウ Saururus chinensis
○メハジキ Leonurus japonicus
○コノシメトンボ Sympetrum baccha matutinum
 アイ Persicaria tinctoria
○ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. Asiatica
 カラタチ Poncirus trifoliata
 カジノキ Broussonetia papyrifera
 アズキ Vigna angularis
〇カワラケツメイ Chamaecrista nomame
 ケチョウセンアサガオ Datula inoxia
○アジアワタ Gossypium arboreum var. obtusidolium
 キンカン Citrus japonica Syn. Fortunella margarita

植物界の系統概要と当ブログでの収録数

 以前に作図した系統図より、単純化されて緑藻類の基部が分かりやすくなった現在の植物界全体の系統図(Leebens-Mack et al.,2019)を見つけましたので、和訳再録しておきます。併せて、現時点での当ブログでの収録種数を、維管束植物について数えてみました。一部亜種を含む数なので、記載種約30万に対する当ブログでの収録種数は約2000種(0.7%)といったところです。
 維管束植物の分類【陸上植物小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【植物界の系統推定図】(Leebens-Mack et al.,2019)

            ┌被子植物(Angiospermae)
            ││             ┌コア・バラ目群(Core rosids)
            ││            ┌┴ユキノシタ目(Saxifragales)
            ││           ┌┴ブドウ目(Vitales)      │
            ││          ┌┴ビャクダン目(Santalales)    │
            ││         ┌┤ ┌キク目群(Asterids)      │
            ││         │└┬┴ベルベリドプシス目      ┝真正双子葉類 
            ││         │ │  (Berberidopsidales)    │ (Eudicots)
            ││         │ └ナデシコ目(Caryophyllales)   │
            ││        ┌┴グンネラ/ビワモドキ        │
            ││        │  (Gunnera and Dillenia)      │
            ││       ┌┴ツゲ/ヤマグルマ           │
            ││       │  (Buxus and Trochodendron)     │
            ││      ┌┴ヤマモガシ目(Proteales)        │
            ││     ┌┴キンポウゲ類(Ranunculids)        ┘
            ││    ┌┴マツモ(Ceratophyllum demersum)
            ││   ┌┴モクレン目群/センリョウ目(Magnoliids and Chloranthales)
            ││   │   ┌ユリ目/キジカクシ目     ┐
            ││   │   │ (Liliales and Asparagales) │
            ││   │  ┌┴ツユクサ目群(Commelinids)  │
            ││  ┌┤ ┌┴ヤマノイモ目/タコノキ目    ┝単子葉類
            ││  ││ │  (Dioscoreales and Pandanales)│(Monocots)
            ││  │└┬┴オモダカ目(Alismatales)     │
            ││ ┌┤ └ショウブ(Acorus americanus)    ┘
            ││┌┤└アウストロバイレヤ目(Austrobaileyales)
           ┌┤└┤└スイレン目(Nymphaeales)          ┝ANA側系統群
           ││ └アンボレラ属(Amborella)          ┘(ANA grade)
           │└裸子植物(Gymnosperms)
           │ │   ┌ヒノキ目(Cupressales)
          ┌┤ │  ┌┴ナンヨウスギ目(Araucariales)
          ││ │ ┌┴マツ科(Pinaceae)
         ┌┤│ │┌┴グネツム目(Gnetales)
         │││ └┴ソテツ類/イチョウ(Cycads and Ginkgo)
         ││└大葉シダ類(Ferns)
        ┌┤│ │  ┌ウラボシ亜綱(Polypodiidae)
        │││ │ ┌┴リュウビンタイ亜綱(Marattiidae)
        │││ │┌┴ハナヤスリ亜綱(Ophioglossidae)
        │││ └┴トクサ亜綱(Equisetidae)
        ││└小葉植物(Lycophytes)
        │└コケ植物(Bryophytes)
        │ │ ┌蘚類(Mosses)
       ┌┤ │┌┴苔類(Liverworts)
      ┌┤│ └┴ツノゴケ類(Hornworts)
      ││└接合藻綱(Zygnematophyceae)       ┐
     ┌┤└コレオケーテ藻綱(Coleochaetales)     │
    ┌┤└シャジクモ属(Chara)             ┝ストレプト藻側系統群
    │└クレブソルミジウム目(Klebsormidiales)     │(Streptophyte algae grade)
   ┌┤ ┌スピロテニア・ミヌタ(Spirotaenia minuta)  │
   │└┬┴クロロキブス・アトモフィティクス      │
   │ │ (Chlorokybus atmophyticus)         │
  ┌┤ └メソスティグマ・ビリデ(Mesostigma viride)   ┘
 ┌┤└┬プラシノ藻目(Prasinococcales)          ┐緑藻側系統群
┌┤│ └緑藻植物(Chlorophyta)              ┴(Chlorophyte algae grade)
┤│└灰色植物(Glaucophytes)
│└紅色植物(Rhodophytes)
└外群(Outgroup)


注:側系統群(grade)は、現在の知見では多系と考えられていて従来体系との繋がりを確保するために階級を設定せずに仮置きされているグループで『段階群』の訳語もあります。一方、クレード(clade)は単系統であることは確認されていても階級が定められていないグループで訳語は『分岐群』です。グレードをクレードに置き換えていくのが、現在の分子系統整理の目的の一つとなっており、近年ではかつての『門』『綱』などの分類階級はあまり重視されなくなりつつあるようです。例えば、被子植物の分類体系であるAPG(Angiosperm Phylogeny Group)分類では、綱を設定せずに綱相当以上の高位群はすべてクレードまたはグレードとして扱っています。


【維管束植物の収録割合】2024-11-10時点

分類群(Taxon)
(Order)

(Family)

(Genus)
種(亜種)
(Species)
維管束植物計 70 (82%) 234 (49%) 1134 (8.3%) 2220 (0.72%)
被子植物 50 (78%) 197 (47%) 1048 (8.0%) 2079 (0.70%)
裸子植物 7 (100%) 12 (100%) 40 (48%) 68 (6.3%)
大葉シダ 11 (100%) 23 (48%) 43 (14%) 64 (0.61%)
小葉植物 2 (67%) 2 (50%) 3 (17%) 9 (0.67%)

カッコ内の%値は、全記載数(推定値)に対する割合です。


【文献】
One Thousand Plant Transcriptomes Initiative (Leebens-Mack JH, Barker MS, Carpenter EJ, Deyholos MK, Gitzendanner MA, Graham SW, Grosse I, Li Z, Melkonian M, Mirarab S, Porsch M, Quint M, Rensing SA, Soltis DE, Soltis PS, Dennis W. Stevenson DW, Ullrich KK, Wickett NJ, DeGironimo L, Edger PP, Jordon-Thaden IE, Joya S, Liu T, Melkonian B, Miles NW, Pokorny L, Quigley C, Thomas P, Villarreal JC, Augustin MM, Barrett MD, Baucom RS, Beerling DJ, Benstein RM, Biffin E, Brockington SF, Burge DO, Burris JN, Burris KP, Burtet-Sarramegna V, Caicedo AL, Cannon SB, Çebi Z, Chang Y, Chater C, Cheeseman JM, Chen T, Clarke ND, Clayton H, Covshoff S, Crandall-Stotler BJ, Cross H, dePamphilis CW, Der JP, Determann R, Dickson RC, Stilio Shona Ellis S, Fast E, Nicole Feja N, Field KJ, Filatov DA, Finnegan PM, Floyd SK, Fogliani B, García N, Gâteblé G, Godden GT, Goh F(QU), Greiner S, Harkess A, Heaney JM, Helliwell KE, Heyduk K, Hibberd JM, Hodel RGJ, Hollingsworth PM, Johnson MTJ, Jost R, Joyce B, Kapralov MV, Kazamia E, Kellogg EA, Koch MA, Konrat MV, Könyves K, Kutchan TM, Lam V, Larsson A, Leitch AR, Lentz R, Li F-W, Lowe AJ, Ludwig M, Manos PS, Mavrodiev E, McCormick MK, McKain M, McLellan T, McNeal JR, Miller RE, Nelson MN, Peng Y, Ralph P, Real D, Riggins CW, Ruhsam M, Sage RF, Sakai AK, Scascitella M, Schilling EE, Schlösser E-M, Sederoff H, Servick S, Sessa EB, Shaw AJ, Shaw SW, Sigel EM, Skema C, Smith AG, Smithson A, Stewart JrCN, Stinchcombe JR, Szövényi P, Tate JA, Tiebel H, Trapnell D, Villegente M, Wang C-N, Weller SG, Wenzel M, Weststrand S, Westwood JH, Whigham DF, Wu S, Wulff AS, Yang Y, Zhu D, Zhuang C, Zuidof J, Chase MW, Pires JC, Rothfels CJ, Yu J, Chen C, Chen L, Cheng S, Li J, Li R, Li X, Lu H, Ou Y, Sun X, Tan X, Tang J, Tian Z, Wang F, Wang J, Wei X, Xu X, Yan Z, Yang F, Zhong X, Zhou F, Zhu Y, Zhang Y, Ayyampalayam S, Barkman TJ, Nguyen N-P, Matasci N, Nelson DR, Sayyari E, Wafula EK, Walls RL, Warnow T, An H, Arrigo N, Baniaga AE, Sally Galuska S, Jorgensen SA, Kidder TI, Kong H, Lu-Irving P, Marx HE, Qi X, Reardon CR, Sutherland BL, Tiley GP, Welles SR, Yu R, Zhan S, Gramzow L, Theißen G and Wong GK-S (2019) One thousand plant transcriptomes and the phylogenomics of green plants, Nature, 574(31), 679-685, DOI: 10.1038/s41586-019-1693-2, Accessed: 2024-07-29.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-07.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-19.
Christenhusz MJM and Byng JW (2016) The number of known plants species in the world and its annual increase, Phytotaxa. 261(3), 201–217. DOI: 10.11646/phytotaxa.261.3.1, Accessed: 2023-10-05.

【文献紹介】生物系統学(三中,1997)

 ポスドク時代に同じ科だった先輩から(著者割で)お頒けいただいた一冊です。当時は勿論、今でも系統学のスタンダードな教科書ではないかと思います。今でこそ、クレード、グレートの等のタームはWikiPediaにも載っているくらいポピュラーになっていますが、当時はどこの辞書にも載っていませんでしたので、大変新鮮に感じたことを想い出します。あの頃の私は、字面では理解できたものの、この本の本質は理解できていなかったのだと思います。単にテクニックを示すだけではなく、著者の想いが込められている佳書ですから、我国での系統学黎明期を飾るマイルストーンと言える一冊です。

 出版から四半世紀を過ぎた今、他にも良書は有るのかも知れませんが、私にとっては大切な一冊となっています。三中氏は、進化学を中心話題としたメーリングリスト『Evolve』の主催者でもありましたので、いろいろと勉強させて頂きました。今にして思えば、献辞サインくらい戴いておけばよかったと悔やまれますが、(自筆の)メモ書きが挟まっていて、日めくりの裏紙だっことに今更気づきました。これも氏の人柄を忍ばせる良き思い出となっています。


【文献】
三中信弘 (1997) 生物系統学、458p、東京大学出版会、東京.
 第1章-なぜ系統を復元するのか
 第2章-系統とはなにか
 第3章-分岐学-その起源と発展
 第4章-分岐学に基づく系統推定
 第5章-系統が語る言葉


Pooh wonderred if being a faithful Knihght meant that you just went on being faithful without being told things. The House At Pooh Corner
「プーは、忠実な騎士であるということは、何も言われなくてもただ忠実であり続けることなのかと考えました。」プー横町に建った家

針葉樹と広葉樹

 『針葉樹→裸子植物』『広葉樹→被子植物』と理解されていることが普通のようですし、特に年配の方では『そう習った』と記憶している方も多いと思います。広辞苑(1983)でも『針葉樹:裸子植物の一群』と定義されているのですが、何事にも例外はあるもので、針葉(needle leaf)の被子植物、広葉(broad leaf)の裸子植物も存在しています。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【文献】
 新村出 (1983) 広辞苑第三版、p1260、岩波書店、東京.

緑藻植物の分類

 これまでの定義による緑藻類は多系であることが微細形態や遺伝子の解析により明らかとなったため、車軸藻を陸上植物に近い別のクレードとして定義することを初めとして、分類体系は大きく組み替えられています。下図は葉緑体の遺伝子配列に基づく系統推定の一例です。この図では接合藻が描かれていないのですが、最近の解析結果によれば接合藻はプラシノ藻よりさらに陸上植物に近い位置に配置されるという報告(Gontcharov,2008; 鈴木,2021)もあります。接合藻が現在仮置きされているストレプト藻が側系統であることは間違いない様ですので、近い将来、門を越えての移動があると思われます。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【緑藻植物周辺の系統図】(Fang et al.,2017)

┌車軸藻植物と陸上植物(Charophyte Green Algae and Land Plants)

緑藻植物門(Chlorophyta)
 └┬─────プラシノ藻綱(Prasinophytes)
  └コア緑藻植物門(Core Chlorophyta)
   │┌───ペディノ藻綱(Pedinophyceae)
   └┼───クロロデンドロン藻綱(Chlorodendrophyceae)
    └┬────クロレラ目(Chlorellales)          ┬トレボウクシア藻綱
     └┬─コア・トレボウクシア藻綱(Core Trebouxiophyceae) ┘(Trebouxiophyceae)
      └┬アオサ藻綱(Ulvophyceae)
       └緑藻綱(Chlorophyceae)

 再編後も残されている狭義の緑藻綱は、恐らく単系になったと思われますが、下位分類についてはブートストラップ法による再現性が不十分で、未だ定まっていないようです(Müller et al.,2004)。


【緑藻植物門(Chlorophyta) アオサ藻綱(Ulvophyceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
アオサ目(Ulvales) アオサ科(Ulvaceae) アオサ属 Ulva
アナアオサ アナアオサ
Ulva australis Sea Lettuce
スミレモ目(Trentepohliales) スミレモ科(Trentepohliaceae) スミレモ属 Trentepohlia
スミレモ スミレモ
Trentepohlia aurea Ulvophytes

【ストレプト植物門(Streptophyta) 接合藻綱(Zygnematophyceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
アオミドロ目(Spirogyrales) アオミドロ科(Spirogyraceae) アオミドロ属 Spirogyra
アオミドロ アオミドロ
Spirogyra sp. Pond Scum

【文献】
Fang L, Leliaert F, Zhang X-H, Penny D and Zhong B-J (2017) Evolution of the Chlorophyta: Insights from chloroplast phylogenomic analyses, J Syst Evol, 55(4), 322-332, DOI: 10.1111/jse.12248, Accessed: 2024-07-27.
Gontcharov AA (2008) Phylogeny and classification of Zygnematophyceae (Streptophyta): current state of affairs, Fottea, 8(2), 87–104, DOI: 10.5507/fot.2008.004, Accessed: 2024-07-28.
鈴木重勝 (2021) 比較ゲノム解析より明らかにされた緑色植物の初期進化, Jpn. J. Phycol. (Sôrui) 69: 86–94, URL: http://sourui.org/publications/sorui/list/Sourui_PDF/Sourui69(2)_86.pdf, Accessed: 2024-07-28.
Müller T, Rahmann S, Dandekar T and Wolf M (2004) Accurate and robust phylogeny estimation based on profile distances: a study of the Chlorophyceae (Chlorophyta), BMC Evol Biol, 4:20, DOI: 10.1186/1471-2148-4-20, Accessed: 2024-09-15.

ツルキジノオ科の写真整理

 ツルキジノオ科(Lomariopsidaceae)は、かつてはオシダ科に属していましたが(大井,1957)、現在ではオシダ科から独立し(PPG-I,2016)、同様にシノブ科から独立したタマシダ科(Nephrolepidaceae)が姉妹群と考えられています(Hennequin et al.,2010)。

 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【ツルキジノオ科(Lomariopsidaceae)】薄嚢シダ亜綱(Polypodiidae)ウラボシ目(Polypodiales)ウラボシ亜目(Polypodiineae(Eupolypods I))

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ヘツカシダ属 Bolbitis
ムニンヘツカシダ ムニンヘツカシダ
Bolbitis quoyana

【文献】
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
Hennequin S, Hovenkamp P, Christenhusz MJM and Schneider H (2010) Phylogenetics and biogeography of Nephrolepis – a tale of old settlers and young tramps, Bot J Kinnean Soc, 164, 113-127, 10.1111/j.1095-8339.2010.01076.x, Accessed: 2023-12-17.
Nitta JH, Schuettpelz E, Ramírez-Barahona S and Iwasaki W (2022) An open and continuously updated fern tree of life, Front Planr Sci, 13:909768, 17p, DOI: 10.3389/fpls.2022.909768, Accessed: 2023-11-28.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-26.
Shen H, Jin D, Shu J-P, Zhou X-L, Lei M, Wei R, Shang H, Wei H-J, Zhang R, Liu L, Gu Y-F, Zhang X-C and Yan Y-H (2018) Large-scale phylogenomic analysis resolves a backbone phylogeny in ferns, GigaScience, 7, 2018, 1–11, DOI: 10.1093/gigascience/gix116, Accessed: 2023-11-18.

マツバラン科の写真整理

 マツバラン科(Psilotaceae)は、6属111種からなるグループで(PPG-I,2016)、その特異な形態故に、かつてはシダ類の中でも早い時期に分岐したと考えられていて、シダ類のリストの最初に記載されていました(大井,1957,田川,1959)が、現在ではハナヤスリ科が姉妹群と考えられています。神奈川県内でも多数の確認記録があり、近年分布を拡大している可能性もあるようです(神奈川県植物誌,2018)。本邦でのマツバラン科は、1種1種のみとされていますが、江戸時代には多数の品種が栽培されたことが記録に残されています(松葉蘭譜など)。

 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【マツバラン科(Psilotaceae)】ハナヤスリ亜綱(Ophioglossidae)ハナヤスリ目(Ophioglossales)

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
マツバラン属 Psilotum
マツバラン マツバラン
Psilotum nudum Whisk Fern

【文献】
神奈川県植物誌調査会(2018)神奈川県植物誌2018(上)、p23.
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
田川基ニ(1959)原色日本羊歯類植物図鑑、270p、保育社、東京.
長生舎主人 (江戸後期) 松葉蘭譜、URL: https://da.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/portal/assets/500f5779-8c3a-0ac0-2597-1b6c4fad0d5b?pos=1, Accessed: 2024-07-09.
正宗巖敬(1952)マツバランの分布について、植物研究雑誌、27(3), 10, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/27/3/27_27_3_3397/_pdf/-char/ja, , Accessed: 2024-07-09.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-19.