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内向敷石状と外向敷石状(外出自粛なので…)

内向敷石状と外向敷石状(外出自粛なので写真を整理してみました)
  ヤシ科植物の写真整理  ヤシ科植物原産地マップ  PALMeweb


 内向敷石状(induplicate)、外向敷石状(reduplicate)、どちらも聞きなれない単語ですが、ヤシ科植物に関する記述ではよくみかけます。『敷石状』は覆瓦状に対して使われる植物形態学の用語で、葉や花被の重ならない繰り返し構造を意味します。


カナリーヤシの葉
内向敷石状(∨字断面)

ブラジルヤシ属ヤシの葉
外向敷石状(∧字断面)

ソテツの葉
折り畳み構造はない

(外向敷石状葉の例は良い写真がなかったので、後日差し替えたいと思います)
ヒロハケンチャヤシからブラジルヤシ属ヤシの写真に差し替えました(2/8)

 ヤシ科植物の葉は若い時期には丁度扇子のように折り畳まれており、後に展開して扇状あるいは羽状になるのがこの科の特徴となっています。外観が似ているソテツ科植物の葉では、このような折り畳み構造はありませんので葉を近くで見ることが出来れば明確に区別できます。ヤシ科植物の展開された葉を表から見たときに断面が『∨』字になっているのが内向敷石状、『∧』字になっているのが外向敷石状です。英語ではそれぞれ『V-shaped in cross-section』、『A-shaped in cross-section』です。
 ヤシ科植物はこの敷石構造をみると亜科を判別するのに役立ちます。関東地方辺りでは野外栽培のできない、トウ亜科、ニッパヤシ亜科、ケロクシロン亜科ではすべて外向敷石状(∧)、ココヤシ、テーブルヤシ類、ブラジルヤシなどを含むアレカヤシ亜科もすべて外向敷石状(∧)です。一方、カナリーヤシ、ワシントンヤシ、ビロウ、シュロなどが含まれるコウリバヤシ亜科の植物は、一部の例外を除くと内向敷石状(∨)です。
 コウリバヤシ亜科で外向敷石状(∧)になる種はウチワヤシなど少数で、わが国の屋外では殆どみかけることが出来せんので、『∨』字型断面のヤシの葉を野外で見かけたらほぼコウリバヤシ亜科と考えられます。反対に、琉球、小笠原などでない限り、国内で『∧』字型の断面を持つ葉であれば、アレカヤシ亜科とみて間違いありません。
 なお、コウリバヤシ亜科に外向敷石状(∧)を示す種が含まれるのは、分類に間違いがあるのではと疑いたくなるのですが、遺伝学的手法による検討(Asmussen et al, 2006)でもこれまでの分け方が支持されているようです。


 春はすぐそこですが…。早く集団免疫状態になることを望んでおります。


【参考】
ヤシ科 Arecaceae (Palmae) (∨/∧)
 トウ亜科 Calamoideae (∧)
 ニッパヤシ亜科 Nypoideae (∧)
 コウリバヤシ亜科 Coryphoideae (∨/(∧))
  カナリーヤシPhoenix canariensis (∨)
  ワシントンヤシ Washingtonia filifera (∨)
  ビロウ Livistona chinensis (∨)
  シュロTrachycarpus fortunei (∨)
  ウチワヤシ Licuala grandis (∧:例外)
 ケロクシロン亜科 Ceroxyloideae (∧)
 アレカヤシ亜科 Arecooideae (∧)
  ココヤシ Cocos nucifera (∧)
  テーブルヤシ Chamaedorea elegans (∧)
  ブラジルヤシ Butia capitata (∧)
  ヒロハケンチャヤシ Howea forsteriana (∧)
 ソテツ Cycas revoluta
 寒咲花菜(かんざきはなな) Brassica sp.
【文献】
Dransfield J, Natalie WU, Lange CBA, Baker WJ, Harley MM & LewisCE (2008) Genera Palmarum – The Evolution and Classification of Palms, 219p., Kew Ryal Botanic Garden, UK,, DOI: 10.34885/92, Accessed: 2022-02-05.
Asmussen CB, Dransfield J, Deickmann V, Barfod AS, Pintaud J-C and Baker WJ (2006), A new subfamily classification of the palm family (Arecaceae): evidence from plasmid DNA phylogeny, Bot J. Linnean Soc. 151, 15-38. URL: https://academic.oup.com/botlinnean/article/151/1/15/2420456. Accessed: 2022-02-05.

水道道から横浜イングリッシュガーデンへ

 いつもとはルートを変えて、今日は日ノ出町から横浜イングリッシュガーデンを尋ねました。追浜駅では、ホームドアの設置工事か始まっていました。
【マップ】うらが道、かなざわ道、など
【主な経路】(日ノ出町駅)ー野毛三丁目公園-尻こすり坂-藤棚-水道橋-横浜イングリッシュガーデン-金沢横丁-いわな坂-清水ヶ丘公園-(南太田駅)


日本近代水道最古の水道管 (野毛三丁目公園)
 明治20年(1882)、日本最初の近代水道がイギリス人パーマーの指導により、ここ横浜の地に誕生しました。相模川と道志川の合流点(現津久井町)に水源を求め、44km離れた野毛山貯水池に運ばれた水は、浄水され、市内に給水されました。
 当時の水道管を利用して造られたこの記念碑は、パーマーを始め、多くの先人たちの偉業を偲んで建立したものです。
 The oldest water pipes are used underground herem in Nogezaka. There pipes were set up bt Henry Spencer Palmer in 1887. We make this monument with a part of these pipes and we praise in this place that many pineers including Mr. Palmer who achieved this feat.


横濱開港の先覺者 佐久間象山の碑 (老松町63)
 安政元年一八五四年米国の使節ペリーが来朝のおり、松代藩軍議役として横浜村にいた佐久間象山先生は、当時の新思想家でありまた熱心な開国論者であった。先生は日本か世界の先進国からとり残されることを憂え幕府の要路に対してしばしば欧米諸国
との通商交易の必要なことを献策した。またその開港場として横浜が最適地であることを強く主張し幕府の決意を促して、国際港都横浜の今日の発展の緒を作った。不幸にも先生はその後京都に遊説中攘夷派刺客の兇刃のために木屋町三條で客死した。時に元治元年一八六四年七月十一日のことであった。本年はたまたま開国百年の記念すべき年に当るのでわれわれ有志相はかりその功績たたえるためにここに顕彰の碑を建て、永く後世に伝えることとした。
  昭和二九年十月一日
       佐久間象山顕彰会
            横浜市長 平沼亮三書


 野毛のつり橋
1970年(昭和45年)6月28日、「一万人市民集会」が開催された。その時、野毛山動物園分会場で、一老人が「交通量が増えている折り動物園と遊園地は遊び場が二分されている状況で子供達には危険だ。地下道か歩道橋を設置してほしい」と訴えた。
 これを本会場の横浜文化体育館で聞いた当時の飛鳥田市長は、清水、塩田両助役と相談、「さっそく実行いたしましょう」と確約、即刻工事に取りかかり、翌年3月に完成したのがこの橋である。
 橋の名称は、市内の小中学生から募集し「野毛の橋」と「つり橋」を合成し「野毛のつり橋」と決定した。
(出展:横浜市野毛山動物園(1982)『野毛山動物園のあゆみ』一部改変)


橋の概要
 種類:斜張橋
 橋長:59m
 塔柱高さ:18.2m
 幅員:4m
 竣工:1971年(昭和46年)
 設計者:柳宗理
 総工費:52000万円(当時)


斜張橋と柳宗理
 橋のデザインは、プロダクトデザイナーである柳宗理やなぎそうり氏に依頼した。当時、日本の歩道橋は美観を無視したものがほとんどで、最低限の機能があり構造的に問題がなければよいとされていた。しかし、土木構造物を魅力的にデザインすることで、都市空間の質を上げようとする柳氏の考えから、斜張橋という当時では最新の構造で設計された。そして、その特徴的な造形から野毛のシンボルとして設置から現在にいたるので広く市民に愛されている。


水道みち「トロッコ」の歴史
 この水道みちは、津久井郡三井村(現:相模原市緑区三井)から横浜村の野毛山浄水場(横浜市西区)まで約44kmを、1887年(明治20年)わが国最初の近代水道として創設されました。
 運搬手段のなかった当時、鉄管や資機材の運搬用としてレールを敷き、トロッコを使用し水道管を敷設しました。横浜市民への給水の一歩と近代消防の一歩を共に歩んだ道です。


  近代水道発祥の地(野毛山貯水場跡)
明治20年(1887年)10月、日本最初の近代水道は横浜に誕生した。当時の横浜は、埋立地が多く良い水が得られないため、長い間飲み水や伝染病に苦しみ、また大火事にも悩まされていた。いつでもどこでも安全で良い水が欲しいという人々の夢は、この近代水道の完成によって実現された。
 横浜の水道は、英国人H・S・パーマーの設計・監督によるものであるが、沖守固県知事をはじめ三橋信方(後に市長となる)、三田善太郎など多くの日本人の努力を忘れることはできない。
 パーマーは、横浜のほかにも大阪・神戸・函館・東京などの水道計画に貢献した。さらに、横浜開港工事や横浜ドックの設計など港湾整備の面でも業績を残したほか、天文台の建言やロンドンタイムスへの寄稿など広い分野で活躍し、明治23年(1883年)54才で没し東京青山墓地に眠る。
 横浜水道創設100周年を迎えるにあたり、パーマー像をこの地に建て、先人の業績を讃え、明日への発展を願いたいと思う。
          昭和62年4月 横浜市長 細郷道一


   藤棚の由来
 横浜へ向う保土ヶ谷街道の要衝であった此の地に、明治の初め頃より道行く人の憩の酒饅頭店があった。その店先の藤棚に来る春毎に見事な純白の花房を垂れ町の飾り門の観を呈し行き交う人は勿論市電の窓越しにも観賞され、当時誰言うともなく此の辺りを藤棚というようになった。
 昭和三年町名改正の際此のあたり一帯を藤棚町と命名した。惜しいことに戦災で焼失し名のみを残し今日に至った。そこでゆかりの藤を偲んで藤の棚復興実行委員会を作り、有志のご協賛を仰ぎ茲に名実伴った藤の棚が復元されたのである。
  昭和五十二年四月吉日
    藤の棚復興実行委員会


西区歴史街道 保土ケ谷道

○西区歴史街道 ~西区は道の交差点、すべての道は開港へ~
西区は、昭和19年4月1日に、中区から独立して誕生しました。今から250年ほど前までは、現在の西区の区域は、芝生村(しぼうむら)と戸部村(とべむら)が、東海道の景勝地である「袖ケ浦」という三角形の内海をはさんで成り立っていました。神奈川宿台町から見た風景は、たいへん美しく、「武蔵国第一の景」と言われるほどでした。
宝永4(1707)年の富士山大噴火による降灰の影響等で海が浅くなり湿地帯になっていくと、18世紀以降、埋め立てによる新田開発が進められ、「宝暦新田」「平沼新田」「岡野新田」などが造成されました。その結果、150年ほど前の「袖ケ浦」は、畑と塩田の風景に変わりました。なお、「横浜道」ができるまでは、神奈川から開港場へは須崎神社前から渡し船によっていました。
西区には「東海道(とうかいどう)」「横浜道(よこはまみち)」「保土ケ谷道(ほどがやみち)」という三つの古道が通っていました。
江戸時代の大動脈であった「東海道」は、江戸方からは袖ケ浦の海岸に沿って、神奈川宿台(元、神奈川区台町)の坂を下り、大通り(環状1号)に出て観行寺の前を通り、浅間下交差点を横切って浅間下公園の中を抜け、浅間神社へと続いていました。そして、追分、現在の松原商店街を通り、天王町、帷子町を経て保土ケ谷宿へつながっていました。
わが国は、安政6(1859)年に開港し、横浜村(現在の関内地区)に開港場が築かれました。そのとき、東海道と開港場を結ぶために作られたのが「横浜道」で、初めは「しんみち」と呼ばれていました。浅間下交差点近くの薬局横が起点で、岡野・平沼新田の埋立地と海面の境に盛土して通とし、帷子川、石崎川の河口に「新田間橋」「平沼橋」「石崎橋(現敷島橋)」を経て開港場に至っていました。
また、「保土ケ谷道」は、保土ケ谷宿と戸部村を結ぶ古道で、現在の保土ケ谷区岩間町大門通り交差点で東海道と別れ、鉄道線路をこえて安楽寺(保土ケ谷区西久保町)から左折、藤棚商店街を通り、願成寺の下の通り「暗闇(くらやみ)坂」を抜け、伊勢町商店街から「横浜道」に合流していました。
開港場をめざして全国から集まる人々や物資は、この西区内の三つの古道をひんぱんに行き交いました。それにともない、わが国に入ってきたさまざまな文化も、これらの道を通って全国に伝えられていきました。重要な役割を果たしてきた三つの古道の周辺には、さまざまな歴史資源が残っています。
     2004年12月設置
     西区観光協会、西区土木事務所、西区役所


  袖ヶ浦から工場・鉄道・水道道へ
 戸部村と保土ケ谷宿の間の奥深い入り江であった袖ヶ浦は帷子川から排出される土砂により年々浅くなり、江戸時代後期には新田として開発されやすい場所となっていました。現在の西横浜駅がある場所は、自然にできた中州を宝暦13(1763)年に埋め立て、尾張屋新田となり、この辺り一帯は昭和3(1926)年に市に編入さるまで尾張屋町と呼ばれていました。
 明治5(1872)年に初代横浜駅(現、桜木町駅)まで鉄道が敷設されるとともに、塩田から陸地化し、新田間川、石崎川などが整備され、舟運や駅の開設により木材、捺染、ガス、電線などの工場が立地するようになりました。
 鉄道業は、関東大震災以降、法施行に伴い大幅に発展します。当初、神中鉄道は、二俣川~厚木間を開通させ、相模川で採取された砂利などを横浜方面へ供給していました。昭和4(1929)年に路線は西横浜まで延伸し、昭和8(1933)年には横浜駅に乗り入れました。
 横浜の発明家家山与七は、電力需要が盛んになるに伴い、輸入に頼らずに国産の電線を供給するという信念から、明治29(1896)年に自身の電線製造所を横浜電線製造株式会社へ改め、明治35(1902)年に現在の西平沼に製造工場を新設しました。その後、同社と古河合名会社(現在の古河機械金属(株))とま事業提携により古河電気工業(株)が発足し、尾張屋新田一帯はインフラ構築を支える工業地域となり現在(住宅展示場として活用中)に至ります。
 また、本サインが設置されている跨線橋の下は、西区の水道道の入口にあたります。


【参考】
 ホームドア設置工事の始まった追浜駅
 日本近代水道最古の水道管 (野毛三丁目公園)
 野毛山公園碑
 知恵の箱 1993 望月Mochizuki菊磨Kikuma
 佐久間象山の碑(野毛山公園)
 野毛のつり橋
 近代水道発祥の地碑
 近代水道発祥の地(野毛山貯水場跡)
 野毛山貯水場跡
 ロウバイ Chimonanthus praecox
 尻こすり坂(水道道)
 セダムの一種 Sedum sp.
 神中神髙希望ヶ丘髙 発祥の地碑
 藤棚交差点
 西戸部町塩田横枕西部公私道路修理記念之碑(西区浜松町9)
 ノジスミレ Viola yedoensis
 水道橋
 横浜イングリッシュガーデン
 ワシントンヤシ Washingtonia filifera
 エレガンスみゆき Cerasus x Armenica mume ‘Elegance Miyuki’
 パンジー Viola × wittrockiana
 オオヤエクチナシ Gardinia jasminoides f. ovalifolia
 冬桜(ふゆざくら)Cerasus x parvifolia ‘Fuyu-zakura’
 ミツマタ Edgeworthia chrysantha
 (西久保)杉山神社
 (伏見)稲荷社:保土ケ谷区帷子町2丁目69
 金沢横丁道標四基
 石難坂(石名坂)
 庚申塔(御所台地蔵前)
 御所台地蔵尊
 御所台の井戸
 北向地蔵尊
 エノキ Celtis sinensis (ゆずの木)
 ソテツ Cycas revoluta

シンノウヤシ和名の由来など

 シンノウヤシ(Phoenix roebelenii)は、ヤシ科コウリバヤシ亜科に分類されるフェニックス属のヤシです。お好みソースの甘みになくてはならないデーツを実らせるナツメヤシや結構大きく育つカナリーヤシなどと同属ですが、本種は比較的耐寒性があり、あまり大きくならないため、地植えだけでなく鉢植えも見かけます。
 『シンノウ』ヤシときいて、当然、中国最古の本草書(薬物書)とされる『神農本草経』に記載されている薬効あらたかなヤシだと思っていたのですが、確認のため調べてみたところそうではありませんでした。


 『神農』ではなく『親王』に由来するそうで、原田(2010)によれば、シンノウヤシの和名は、空海十大弟子のひとり真如(高岳(たかおか)親王)が、同種の自生地ラオスを訪ね客死(865年頃)したことを偲んで松崎直枝により1930年に記載公開されたのだそうです。今となっては、高岳親王はもちろん神農本草経も一般にはあまり知られていないでしょうから、別名のヒメナツメヤシのほうが和名としてふさわしいのかも知れません。
 『神農本草経』は2世紀頃に成立したと言われ、原典は散逸したものの同書の注解書に載っているヤシ科植物としては、ビンロウ(檳榔)があり、わが国でも正倉院薬庫に檳榔子(ビンロウの実)が所蔵され、8世紀末には実際に胃健薬、駆虫薬として処方されていたようです(柴田,1999)。また、村越(2019)によると、西暦1111年に任淵の注解により刊行された『山谷詩集注』には桄榔(クロツグ)と椰子皮が示されているそうです。さらに下って、わが国では貝原益軒の編纂により1709年に刊行された『大和本草』には、『沙菰米(さごべ)』(サゴヤシ:巻之四穀類)、『梹椰子』(ビンロウ:巻之十果木類)、『椶櫚』(シュロ:巻之十一木之中)、『犬椶櫚』(シュロチク:巻之十二木之下)が載っています。
【文献】
神農本草経、エーザイ収蔵品デジタルアーカイブ、URL: http://www.eisai.co.jp/museum/information/facility/archive/30159/comment.html, Accessed:2022-01-02.
村越貴代美(2019)『山谷詩集注』を読む:本草とその周辺、慶応大学日吉紀要, 51< 39-69, URL: https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN10032394-20191231-0039, Accessed:2022-01-02.
柴田承二(1999)正倉院の薬庫調査、ファルマシア, 34(2), 156-161, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/34/2/34_KJ00002924896/_pdf/-char/ja, Accessed: 2022-01-03.
貝原益軒編(1709)大和本草、URL: https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2557463, Accessed: 2022-01-07.
原田幸雄(2010)シンノウヤシ Phoenix roebelenii O’Brien の和名の由来、植物研究雑誌, 85, 51-52, URL: http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_085_51_52.pdf, Accessed:2022-01-02
【参考】
 シンノウヤシ(親王椰子) Phoenix roebelenii
 ビンロウ(檳榔) Areca catechu
 クロツグ Arenga engleri
 サゴヤシ Metroxylon sagu
 シュロ Trachycarpus fortunei
 シュロチク Rhapis humilis

追浜七福神巡り『追浜九福神+α』

 正月なので、今日は近場の七福神巡り。追浜の七福神は2013年から公開されていますが、毘沙門天の像を保有する寺がふたつあるので、8カ所を巡ることになります。加えて浦郷町には大国主社があるのでこちらも併せて回ってみました。今日はいつもとは反対に右回りでした。
本日の経路マップ  2013年1月19日  2015年12月25日  2017年1月19日


【主な経路】
 (自宅)-久遠山良心寺(布袋尊)-無量山正光寺(福禄寿)-補陀山自得寺(大黒天)-おしんめ様-浦谷山法福寺(毘沙門天)-雷神社-金剛山正禅寺(毘沙門天)-楽浦山能永寺(弁財天)-深浦山独園寺(恵比須尊)-大国主社(大黒天)-坂中山観音寺(寿老人)-(自宅)

【参考】
 ソテツ(蘇鉄) Cycas revoluta
 シンノウヤシ(親王椰子) Phoenix roebelenii
 センダン(栴檀) Melia azedarach
 ニオイシュロラン(匂棕櫚蘭) Cordyline australis
 一遍上人象(能永寺)
 枝垂れ梅(能永寺)
 マサキ() Euonymus japonicus
 コミュニティハウス榎戸亭
 二ホンスイセン(日本水仙) Narcissus tazetta



  獨園晩鐘
かならずと
 暁かけて
ちぎりしも
 獨り園生の
入りあひの鐘

  安政戊午旭松閣吉隆撰
     獨園晩鐘より
      加藤煌雪謹書

  獨園晩鐘
三浦半島北部の景勝地を浦郷八景と題し安政五年に撰された和歌の一首
北郷の静寂の中に獨園寺晩鐘の音がとける江戸時代の情景を表現しています
 浦郷八景(北郷八景)を巡る


市制施行七十周年記念
横須賀風物百選 官修墓地
 明治政府を辞めて、鹿児島に帰っていた西郷隆盛は、政府に不満を持つ人々の懇願に抗しきれず、ついに兵を挙げました。ときに明治十年二月十五日、西南の役であります。三万余の西郷軍を討つために明治政府は、有栖川宮熾仁親王を征討総督とし、総勢六万余の兵力を九州に向かわせました。大部分の兵士は徴兵でした。
 この戦役で、政府軍戦死者は六千二百余人にのぼり、戦傷病者は数えきれないほどでした。戦傷病者を輸送するため、和歌山丸と東海丸が派遣されましたが、その帰港中に船内でコレラが発生しました。政府は、両船に長浦湾口での停船を命じ、急きょ箱崎に仮の避病舎を建て、診療にあたりました。
 しかし、その努力もむなしく、十月二十一日以降、毎日のように死者が続きました。これらの遺体は、黒崎海岸(現在の浦郷町五丁目地先)で火葬に付されました。そのうち、遺族不明の四十八名は、そのまま黒崎に埋葬され、官修墓地として政府が維持管理にあたりました。
 明治四十五年、黒崎が海軍用地として買収されたため、大正二年四月、四十八基の墓石は、現在地に移され修復が加えられました。
 毎年、四月下旬には地元郷友会の人々によって慰霊祭が行われています。

ヤシ科植物の原産地

 休暇中は暇だったので、さらに写真を整理。ヤシ科植物の写真をGoogleMapに落としてみました。ココヤシを初めとして現在の分布が広域になっていて原産地の特定が困難な種も多いので、プロットは地球規模で見たときの凡その位置です。こうしてみるとワシントンヤシ、ブラジルヤシなど、日本でよく見かける種は、原産地も比較的高緯度であることがわかります。アフリカ東部のマダガスカル島周辺や東南アジア地域で特に種多様性に富んでいることもなんとなく見えてきました。
 何か傾向がみられないかと思って亜科ごとにアイコンの色を変えています。コウリバヤシ亜科は北半球に、アレカヤシ亜科は南半球に多いようにも見えますが、それほど定かではないようです。 【ヤシ目

→ Dransfield et al.(2008)によれば、コウリバヤシ亜科は化石の知見と系統発生の仮説から北半球の熱帯起源であることが強く支持されているそうです。一方、アレカヤシ亜科は白亜紀の終わりにケロクシロン亜科から分化したと考えられているそうですので、もともとの分布はカリブ周辺であったのかも知れません。白亜紀には既にアメリカ大陸はアフリカ大陸と分離していた筈なので、それからどうやって分布を拡大していったのかは興味深く思われます。いずれにせよ、アレカヤシ亜科は、ヤシ科のなかでは最も多くの属を分化しており、現在の分布は広域にわたっています。(2022/2/9)
【文献】
Dransfield J, Natalie WU, Lange CBA, Baker WJ, Harley MM & LewisCE (2008) Genera Palmarum – The Evolution and Classification of Palms, 219p., Kew Ryal Botanic Garden, UK,, DOI: 10.34885/92, Accessed: 2022-02-09.

年末はいつも通りにアルボの丘へ

 年末も迫ってきましたので、例年通りに叔母の住むアルボの丘へ。今年は家内に仕事依頼が入っていたので双子と三人でした。


【参考】
 ラナンキュラス(ハナキンポウゲ) Ranunculus asiaticus
 ベニアミメグサ Fittonia albivenis ‘Verschaffeltii’
 シロアミメグサ・コンパクタ Fittonia albivenis ‘Argyroneura Compacta’

ヤシ科植物の写真整理


 この二ヶ月ほどでヤシ科植物の写真がだいぶ溜まってきましたので一覧表に整理してみました。画像をクリックすれば拡大できます。表中の属の並び順は、Dransfield et al.(2008)の分類表に準拠しています。PALMwebによれば、ヤシ科には188属あるとのことですので、属レベルでのカバー率は15%程(28/188)ですが、この界隈で地植えできる種は限られていますので、今後、属数が増えることはあまりななさそうです。
 APG-IV体系による植物の目一覧 ヤシ目
【主な撮影地】
 夢の島熱帯植物館 板橋熱帯環境植物館 江の島サムエル・コッキング苑 追浜、逗子 横須賀 葉山


【ヤシ科(Arecaceae)】

トウ亜科
Calamoideae
ニッパヤシ亜科
Nypoideae
コウリバヤシ亜科
Coryphoideae
ケロクシロン亜科
Ceroxyloideae
アレカヤシ亜科
Arecooideae
和名 画像 学名 英語名 原産地
トウ亜科 Calamoideae
トウ
(籐)
No Image Calamus sp. Rattan palms 東南アジア、オーストラリア、熱帯アフリカ
ニッパヤシ亜科 Nypoideae
ニッパヤシ ニッパヤシ
Nypa fruticans Nipa palm
Mangrove palm
東南アジア、オーストラリア
コウリバヤシ亜科 Coryphoideae  トップへ
カナリーヤシ カナリーヤシ
Phoenix canariensis Canary Island date palm
Pineapple palm
カナリア諸島
ナツメヤシ ナツメヤシ
Phoenix dactylifera Date palm 北アフリカ、中東、南アジア
シンノウヤシ シンノウヤシ
Phoenix roebelenii dwarf date palm
Pygmy date palm
中国南東部、ラオス、ベトナム北部
カブダチソテツジュロ カブダチソテツジュロ
Phoenix reclinata Wild date palm
Senegal date palm
熱帯アフリカ、アラビア半島、マダガスカル、コモロ諸島
チャボトウジュロ チャボトウジュロ
Chamaerops humilis European fan palm 地中海沿岸
シュロ
(棕櫚)
シュロ(棕櫚)
Trachycarpus fortunei Chinese windmill palm 日本、中国中南部、ミャンマー
トウジュロ
(唐棕櫚)
トウジュロ(唐棕櫚)
Trachycarpus fortunei
(Syn. T. wagnerianus)
Chinese windmill palm 中国中南部
カンノンチク
(観音竹)
カンノンチク(観音竹)
Rhapis excelsa Broadleaf lady palm 中国南部
シュロチク
(棕櫚竹)
シュロチク(棕櫚竹)
Rhapis humilis Slender Lady Palm 中国南部
ビロウ
(枇榔)
ビロウ(枇榔)
Livistona chinensis Chinese fan palm
Biro
南西諸島、台湾
ダイトウビロウ ダイトウビロウ
Livistona chinensis var. amanoi Daito-biro 北大東島
オガサワラビロウ オガサワラビロウ
Livistona boninensis Bonin Island Fan-palm 小笠原諸島
ウチワヤシ ウチワヤシ
Licuala grandis Grosse licuala palm
Ruffled fan palm
ソロモン諸島、バヌアツ諸島
ワシントンヤシ ワシントンヤシ
Washingtonia filifera Desert fan palm
California fan palm
米国
ワシントンヤシモドキ ワシントンヤシモドキ
Washingtonia robusta Mexican fan palm メキシコ
コモチクジャクヤシ コモチクジャクヤシ
Caryota mitis Clustering fishtail palm
Fishtail palm
インド、ジャワ島、インドシナ半島
クロツグ クロツグ
Arenga engleri Formosa palm 南西諸島、台湾
サトウヤシ サトウヤシ
Arenga pinnata Suger Palm
Arenga Palm
インド東部、マレーシア、インドネシア、フィリピン東部
ベニラタンヤシ ベニラタンヤシ
Latania lontaroides Red Latan palm レユニオン島(マスカリン諸島)
キラタンヤシ キラタンヤシ
Latania verschaffeltii Yellow latan palm ロドリゲス島(マスカリン諸島)
ケロクシロン亜科 Ceroxyloideae
クインディオロウヤシ No Image Ceroxylon quindiuense Quindío wax palm コロンビア、ペルー
アレカヤシ亜科 Arecooideae  トップへ
トックリヤシ トックリヤシ
Hyophorbe lagenicanulis Bottle palm ロンド島(マスカリン諸島)
トックリヤシモドキ トックリヤシモドキ
Hyophorbe verschaffeltii Spindle palm ロドリゲス島(マスカリン諸島)
カマエドレア・メタリカ
(メタリックヤシ)
カマエドレア・メタリカ
Chamaedorea metallica Metallic palm メキシコ南部
高性チャマエドレア 高性チャマエドレア
Chamaedorea oblongata Caugui palm ベリーズ、ホンジュラス、グァテマラ、メキシコ、他
テーブルヤシ テーブルヤシ
Chamaedorea elegans Parlor palm
Neanthe bella palm
メキシコ南部、グァテマラ
ダイオウヤシ ダイオウヤシ
Roystonea regia Cuban royal palm
Florida royal palm
メキシコ、中米、カリブ諸国、フロリダ
アメリカアミヤシ アメリカアミヤシ
Reinhardtia gracilis Giant Windowpane Palm ベリーズ、コスタリカ、グァテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ニカラグア、パナマ
ブラジルヤシ ブラジルヤシ
Butia capitata South American jely palm ブラジル、ウルグァイ
ヤタイヤシ ヤタイヤシ
Butia yatay Jelly palm
Yatay palm
アルゼンチン、パラグアイ
ココヤシ ココヤシ
Cocos nucifera Coconut palm 太平洋諸島(推定)
ギニアアブラヤシ ギニアアブラヤシ
Elaeis guineensis African oil palm アンゴラ、ガンビア
ユスラヤシ ユスラヤシ
Archontophoenix alxandrae Alexandra palm
King palm
クイーンズランド
レッドリーフ・パーム レッドリーフ・パーム
Chambeyronia macrocarpa Flame thrower ニューカレドニア
ビンロウ
(檳榔)
ビンロウ(檳榔)
Areca catechu Betel Palm 太平洋、アジア、東アフリカ
ピナンガヤシ ピナンガヤシ
Pinanga coronata Ivory Cane Palm アンダマン諸島、ジャワ島
ヤエヤマヤシ ヤエヤマヤシ
Satakentia liukiuensis Satake Palm 八重山列島
ノヤシ ノヤシ
Clinostigma savoryanum Pacific Beauty palm
Bonin Islands Palm
小笠原諸島
アレカヤシ アレカヤシ
Dypsis lutescens Areca Palm
Yellow Butterfly Palm
マダガスカル島東海岸
ミツヤヤシ ミツヤヤシ
Dypsis decaryi
(Syn. Neodypsis decaryi)
Triangle palm
Three sided palm
マダガスカル島
ヒロハケンチャヤシ ヒロハケンチャヤシ
Howea forsteriana Kentia palm ロードハウ島(オーストラリア)
シュロチクヤシ シュロチクヤシ
Ptychosperma macarthurii Macarthur palm クイーンズランド、ニューギニア
パラワンヤシ パラワンヤシ
Adonidia merrilli Manila palm パラワン島、ダンジュガン島
キリンヤシ キリンヤシ
Phoenicophorium borsigianum Thief palm セイシェル諸島
ショウジョウヤシ ショウジョウヤシ
Cyrtostachys renda Red sealing wax palm
Lipstick palm
タイ、マレーシア、スマトラ島、ボルネオ島

 原産地マップ
【文献】
Dransfield J, Natalie WU, Lange CBA, Baker WJ, Harley MM & LewisCE (2008) Genera Palmarum – The Evolution and Classification of Palms, 219p., Kew Ryal Botanic Garden, UK,, DOI: 10.34885/92, Accessed: 2021-12-21

板橋区立熱帯環境植物館の動植物など

 板橋清掃工場の排熱利用で加温されている板橋区立熱帯環境植物館を訪ねました。ここでは、植物に限らず熱帯環境をコンセプトに展示をしており、水族の展示もあってカメ目も4種飼育されています。ナツメヤシ、サトウヤシ、アブラヤシ、ココヤシなど関東地方では露地栽培が難しいヤシ科植物も観ることが出来ました。
 【ウナヅキヒメフヨウとタイリクヒメフヨウ】 【ショウジョウヤシとヒメショウジョウヤシ





【ウナヅキヒメフヨウとタイリクヒメフヨウ】
 ウナヅキヒメフヨウ(ピンク)は大船フラワーセンターの温室でも栽培されており、そこでの学名はMalvaviscus arboreus var. mexicanusとなっているのですが、ウェブ画像検索からみる限り、ここで示されているMalvaviscus penduliflorusの方が広く使われているようです。また、ウナヅキヒメフヨウ(赤)は、夢の島熱帯植物館で展示されているタイリンヒメフヨウと同じと思われ、学名も同じMalvaviscus penduliflorusです。
 Schery RW (1942)のモノグラフによると、
M. arboreusの品種へのキーは、
 var. penduliflorus 花の長さが4.2cm以上
 var. mexicanus 花の長さが2.3~4.2cm
と、花のサイズで識別できることになっていますが、その後80年のうちに品種ではなく種として格上げされているのかも知れません。学名が変更されたために、和名との関係が混乱することは十分にあり得ます。上位分類をみても、AGP体系による分類での旧アオイ科は、旧パンヤ科、旧シナノキ科などと統合再構成されていることもあり、いずれ調べたい課題が増えました。
【文献】
Schery RW (1942) Monograph of Malvaviscus, Annals of the Missouri Botanical Garden, 29(3), pp.183-236+238-244, URL: https://www.jstor.org/stable/2394317?seq=1#metadata_info_tab_contents, Accessed:2021-12-26.
Baum DA, Smith SDeW, Yen A, Alverson WS, Nyffeler R, Whitlock BA & Oldham RL (2004) Phylogenetic relationships of Malvatheca (Bombacoideae and Malvoideae; Malvaceae sensu lato) as inferred from plastid DNA sequences, Am J Bot, 91(11) 1863-1871, DOI; 10.3732/ajb.91.11.1863, Accessed: 2021-12-26.


【ショウジョウヤシとヒメショウジョウヤシ】
 ショウジョウヤシ(Cyrtostachys renda)は、タイ、マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島、すなわちウォレス線の西(東洋区)に分布します。一方、ヒメショウジョウヤシは、ボルネオ島サラワクのクチンで採集された標本に基づきC. lakka として命名された学名に対して設けられた和名の様ですが、現在では、C. lakkaC. rendaのシノニムとされているので、ヒメショウジョウヤシとショウジョウヤシは同じものと考えてよさそうです。
【文献】
Heatubun CD, Baker WJ,Mogea JP, Harley MM, Tjitrosoedirdjo SS & Dransfield J (2009) A monograph of Cyrtostachys (Arecaceae), Kew Bull, 64, 67–94, URL: https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s12225-009-9096-4.pdf, Accessed: 2012-12-28.


【参考】
 板橋区立熱帯環境植物館
 ビルマムツアシガメ Manouria emys phayrei
 ジーベンロックナガクビガメ Chelodina siebenrocki syn. Chelodona rugosa
 ニシキマゲクビガメ Emydura subglobosa
 ボルネオカワガメ Oritia borneensis
 アダン Pandanus odoratissimus
 ウナヅキヒメフヨウ(ピンク) Malvaviscus penduliflorus
 ウナヅキヒメフヨウ(赤) Malvaviscus penduliflorus
 ニッパヤシ Nypa fruticans
 ナツメヤシ Phoenix dactylifera
 オウギバショウ(タビビトノキ) Ravenala madagascariensis
 ハスノハギリ Hernandia nymphaeidolia
 ゴバンノアシ Barringtonia asiatica
 スノーフレークツリー Trevesia palmata
 ヤエヤマヤシ Satakentia liukiuensis
 サトウヤシ Arenga pinnata
 ナンヨウソテツ(雄株)(Queen sago palm) Cycas rumphii
 パパイヤ ‘ソロ’ Carica papaya ‘solo’
 ココヤシ Cocos nucifera
 ビンロウ Areca catechu
 リュウビンタイ Angiopteris lygodiifolia
 ウチワヤシ Licuala grandis
 ヤエヤマアオキ Morinda citrifoila
 ムラサキモクワンジュ(ムラサキソシンカ) Bauhinia purpurea
 ハネフクベ Alsomitra macrocapra
 テーブルヤシ Chamaedorea elegans Syn. Collonia elegans
 トックリヤシ Hyophorbe lagenicanulis
 ヒメショウジョウヤシ Cyrtostachys renda Syn. Cyrtostachys lakka
 ウツボカズラの交配種 Nepenthes ventricosa x N. truncata
 ウツボカズラの1種 Nepenthes sp.
 パラワンヤシ(マニラヤシ) Adonidia merrilli Syn.Veitchia marrillii
 ガルデニア・シャクナゲ Rhododendron gardenia
 ハシカンボク Bredia hirsuta
 ロキアエ・シャクナゲ Rhododendron lochiae
 ジゴニシア ‘紫小町’ Zygopetalum x Aganisia ‘Murasakikomachi’
 サンゴノボタン Medinilla speciosa
 ブラキキルム・ホースフィールディー Brachychilum horsfieldii
 カクチョウラン Phaius tankervilleae
 コモチクジャクヤシ Caryota mitis
 アンスリウム・ジャングルキング Anthurium crassinervium
 ギニアアブラヤシ Elaeis guineensis
 ビヨウタコノキ Pandanus utilis
 アレカヤシ Dypsis lutescens
 タイガーオーキッド Grammatophyllum speciosum
 オーガスタ(ルリゴクラクチョウカ) Strelitzia nicolai
 スギノハカズラ ‘スプレンゲリ’Asparagus densiflorus ‘Sprengeri’
 ビカクシダ Platycerium bifurcatum
 アンスリウム・ジャングルキング Anthurium crassinervium
 ドワーフモンキーバナナ Musa cv.
 ホソバアラリア Polyscias fruticosa
 モンステラ Monstera deliciosa
 マレー凧「ワウ」
 パラミツ(ジャックフルーツ) Artocarpus heterophyllus
 シンノウヤシ Phoenix roebelenii
 オトヒメエビ Stenopus hispidus
 ニシキテグリ Synchiropus splendidus
 トランススルーセントグラスキャットフィッシュ Kryptopterus bicirrhis
 スポッテッドナイフフィッシュ Chitala ornata
 ニシキアナゴ Gorgasia preclara
 コンゴウフグ Lactoria cornuta
 レッドライントーピードバルブ Puntius denisoni
 レッドテールブラックシャーク Epalzeorhynchos bicolor
 タイガーヒルストリームローチ(?) Sewellia marmorata
 ハタタテサンカクハゼ Fusigobius longispinus
 アカシマシラヒゲエビ Lysmata amboinensis
 レインフォースゴビー koumansetta rainfordi
 アオギハゼ Trimma caudomaculatum
 キイロサンゴハゼ Gobiodon okinawae
 ヒメセミエビ Scyllarus cultrifer
 アカメカブトトカゲ Tribolonotus gracilis
 カットハウス飛行船
 馬頭観音:板橋区坂下3丁目23-25
 地蔵尊:板橋区小豆沢3丁目12
 シュロ(左)、トウジュロ(右) Trachycarpus fortunei
 イヌシデ Carpinus tschonoskii
 ハウチワカエデ Acer japonicum
 赤羽台トンネル碑


  赤羽台トンネル
 三千三百世帯の人々が生活する緑豊かな赤羽台団地に、赤羽地区のまちづくりを促すために都市計画道路の建設が提議された。
 団地を南北に分断するこの道路は、交通の利便性と引き替えに住環境の悪化と、生活の便益を損なうおそれがあった。このため団地住民は全面地下方式を強く主張し、行政は半地下掘割方式を提示し、両者のあいだに数年に及ぶ相克がつづいた。
 住民は悩み、考え、行動し、深い苦渋をもって行政側の要望を選択した。その後両者は細部に及ぶ円満な合意づくりをめざして、対話と研究に多大の努力をかさねたすえ、今ここに、新しく修景された“赤羽トンネル”の実現をみた。
 この地に住む人々の知恵とたゆみない努力の結晶として生まれたこの周辺環境が真に住民のためのものとして末永く健全に守られ、育成されることを願い、ひたむきに取り組んた多くの人々の努力の証として、この碑を置く。
          平成四年四月
          東京都北区
          赤羽台団地自治会


 マレー凧「ワウ」
 マレー語で「Wau(ワウ)」と呼ばれるマレーの代表的な娯楽で、マラッカ王朝時代から盛大な競技会が行われていたそうです。特に東海岸のトレンガヌ州やクランタン州で、収穫の時期に楽しまれてきました。
 マレー凧の起源はさまざまな説があり、風の精霊との交信に用いたとか、農作物を荒らす鳥を遠ざけるために作られた、などと言われています。

サムエル・コッキング苑のヤシ科植物など

 江の島には熱帯植物園があると聴いて尋ねたのですが、サムエル・コッキング苑の温室は遺構が残されているだけでした。とはいえ、寒さに強い地植え可能なヤシ科植物は概ね揃っていてなかなかいい感じでした。ここのButia属は、ヤタイヤシと表示されていましたが、学名は表示されておらず、いつか実のなっている時期に確認したいと思います。
 ブラジルヤシとヤタイヤシ
 帰りは鎌倉まで散策しましたが、このエリアでは個人宅にも比較的大きくなる海外産ヤシ科樹木を見かけることが出来ます。


【藤沢市指定天然記念物】
 苑内には市指定の天然記念物が4件あります。牧野富太郎の命名によるツカミヒイラギの原木は枯死したのかも知れません。本種は、あくまでも品種であって葉に棘のない個体は時折見かけます。クックアロウカリアは初めて目にしましたが、関東地方でも時折見かけるシマナンヨウスギとの違いはわかりませんでした。


ツカミヒイラギ Osmanthus ilicifolius
 サムエル・コッキングが自宅の庭に植えたもので、昭和8年(1933年)植物分類学者、牧野富太郎博士が命名した名前であります。
 この種は、常緑低木で普通のヒイラギとくらべて葉はだ円形でとげがなく先がまいており、つかんでも痛くないというので名付けたといわれています。
 国立科学博物館にも、かつては標本さえなかったといわれ、学術上貴重な存在であります。
 養生観察中 高さ約2.5m 幹周 約0.5m
          藤沢市観光課 藤沢市教育委員会


シマナンヨウスギ Araucaria heterophylla (Salisb.) Franco
英名:Norfolk Island Pine
 1774年、英国の軍人・探検家のジェームズ・クックが発見し、命名したノーフォーク島(オーストラリア領)が原産地で、ノーフォーク松とも呼ばれます。
 ナンヨウスギ類の葉の形は日本の杉にも似ていますが、その祖先はおよそ2億年前に出現してから、その姿を大きく変えておらず、いわゆる「生きている化石」と考えられています。
 ナンヨウスギ科のうちでも樹形が美しく、均整のとれた姿を持ち、密生した葉が日本の杉の葉を思わせます。
 原産地 南太平洋/ノーフォーク島
          藤沢市観光課 藤沢市教育委員会


クックアロウカリア Araucaria columnaris (G.Forst.) Hook
英名:Cook Pine
 南太平洋の仏領ニューカレドニア(ニューカレドニア島、イルデパン島、ロワイヨテ諸島)原産のナンヨウスギ科の仲間です。英国の軍人・探検家のジェームズ・クックが1714年にその植生を目撃し、「松(Pine)の島(île)」と名付けたのがイルデパン島です。
 樹形は柱状で、水平の大枝を出し、葉のつきかたに特徴が見られ、樹皮は紙のようにはがれます。
 ここに育っているのは、江の島植物園創設者のサムエル・コッキングが植えたもので、江の島のような高緯度の地で成長しているのは珍しく貴重です。
 原産地 南太平洋/ニューカレドニア
          藤沢市観光課 藤沢市教育委員会


タイミンチク群 Pleioblastus gramineus
 大明竹という意味で、古く中国大陸の竹かと思われていましたが、原産国は沖縄、九州南方諸島であります。
 イネ科に属し、葉は細長くとがり、茎は密に叢生し、先端は深くたれ下がってタイミンチクのトンネルを作ります。
 うっそうと茂る姿はヤシ科、ユリ科などとは違った独特の景観があります。
  高さ 7~8m
          藤沢市観光課 藤沢市教育委員会


【参考】
 江の島大橋より
 江ノ電車窓より
 江の島
 ワシントンヤシ Washingtonia filifera
 ニオイシュロラン Cordyline australis
 ビロウ Livistona chinensis var. subglobosa
 アオノリュウゼツラン Agave americana
 ソテツ Cycas revoluta
 ヤタイヤシ Butia yatay
 カナリーヤシ Phoenix canariensis
 チャボトウジュロ Chamaerops humilis
 マオラン(ニューサイラン) Phormium tenax
 道祖神(藤沢市松本市提携40周年記念、平成13年9月贈松本市、松本市長有賀正書)
 ヒイラギナンテン Mahonia japonica
 ウミウ Phalacrocorax capillatus
 アオサギ Ardea cinerea
 キダチロカイ(アロエ) Aloe arborescens
 シボリカタバミ Oxalis versicolor
 フヨウカタバミ Oxalis purpurea ‘Alba’
 オオキバナカタバミ Oxalis pes-caprae
 大弦月城(アーモンドネックレス) Senecio herreanus Syn. Curio herreanus
 トビ Milvus migrans
 馬頭観音:稲村ガ崎3丁目15-22
 イソギク Chrysanthemum pacificum
 コマツヨイグサ Oenothera laciniata
 ハマオモト Crinum asiaticum
 二ホンスイセン Narcissus tazetta var. chinensis
 魚籃観音:由比ガ浜4丁目
【藤沢市天然記念物】
 ツカミヒイラギ Osmanthus heterophyllus var. undulatifolius 原木
 タイミンチク Pleioblastus gramineus
 シマナンヨウスギ Araucaria heterophylla
 クックアロウカリア Araucaria columnaris

足跡化石特別展示など

 今日は良いお天気で風の塔がよく見えた一日でした。午後から足跡化石の特別展示を開催最中の横須賀市自然人文博物館を久しぶりに訪ねたのですが、お隣の平和中央公園は改修が終わって、平和モニュメントが撤去されていました。帰りに見かけた月は明日が満月です。


【参考】
 風の塔
 オープン・ザ・コスモ・ヨコスカ(平坂貝塚跡)
 ワシントンヤシ Washingtonia filifera
 カナリーヤシ Phoenix canariensis
 ナウマンゾウ Palaeoloxodon naumanni
 サケガシラ Trachipterus ishikawae
 リュウグウノツカイ Regalecus glesne
 足跡化石特別展示
 平和モニュメント跡地(平和中央公園)
 イソギク Chrysanthemum pacificum
 オボロヅキ Graptopetalum paraguayense
 ソテツ(左:雄花、右:雌花) Cycas revoluta
 ビロウ Livistona chinensis
 ビロウの実
 カナリーヤシの実
 ブラジルヤシ Butia capitata
 ソテツの実
 明日は満月