ハエドクソウ科の写真整理

 ハエドクソウ科(Phrymaceae)は、ゴマノハグサ科(Scrophulariaceae)クマツヅラ科(Verbenaceae)に置かれたこともありましたが、現在では独立した科としてシソ目(Lamiales)に置かれている比較的コンパクトなグループです(APG-IV,2016)。APG-III(2009)では、サギゴケ科(Mazaceae)がこの科から分離されて、現在では14属150種で構成される(Kim et al.,2025)と整理されています。神奈川県植物誌(2018)によれば、県内に2属3種が分布していますが、そのうちナガバハエドクソウは、小泉(1929)によりハエドクソウの亜種から種に格上げされ、これが受け入れられています。
 ハエドクソウの根の抽出物には殺虫力のあることが知られていたため蝿毒草ハエドクソウと名付けられ、かつてはハエトリ紙などに利用されていたそうです。ハエドクソウの有毒成分のなかで昆虫に対する毒性の主要成分がハエドクサン類であることが分かっていて(Kim et al.,2019)、合成法も確立している(谷口ら,1988)のですが、製造コストが見合わないという理由で商業的には販売されていないようです。
ハエドクサン類の構造
 ハエドクサン類の構造
維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【シソ目(Lamiales) ハエドクソウ科(Phrymaceae)】

和名
(Japanese Name)
画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名
(English name)
ハエドクソウ属 Phyryma
ナガバハエドクソウ ナガバハエドクソウ ナガバハエドクソウ Phyryma leptostachya f. oblongifolia
Syn. Mercurialis leiocarpa
Lopseed

【ハエドクソウ科(Phrymaceae)周辺の系統概要】Kim et al.(2025)

 ┌ハエドクソウ科(Phrymaceae)
 ││ ┌ハエドクソウ属 Phryma
┌┤│┌┴┬ディプラクス属 Diplacus
││└┤ └エリスランテ属 Erythranthe
┤│ └ミゾホウズキ属 Mimulus
│└キリ科(Paulowniaceae)
サギゴケ科(Mazaceae)

 ハエドクソウを江戸時代の文献に探しますと、貝原(1708)に見える蝿取ハイトリ草が相当すると思われます。ただし、この記載の中で関連を言及している本草綱目(1596)所収の『曲節草』がヤマアイであるとすれば、同種の毒に成り得る性分は昆虫毒ではないサポニンだけの様ですので、貝原も『或曰』つまり他人の説として引用したのではないかと推測されます。中国では、ハエドクソウを『透骨草』と表記することがあるようですが、漢方での透骨草は、ホウセンカ Impatiens balsamina、ソラマメ属 Vicia spp.を初めてとして、様々な植物を含む名称の様です。


大和本草 巻之九 草之五 雑草類百三十七種
蝿取ハイトリ
葉ハ似薄荷微長シ葉莖柔葉ヲ飯ニヲシマセテ蝿ニ飼ヘハ死ス毒草ナルヘシ或曰是本草ノ隰草上所載曲節草ナルヘシ
注:曲節草:本草綱目隰草上所収の『曲節草』は、ヤマアイ Mercurialis leiocarpaだと考えられています。


曲節草きょくせつそう やまあゐ メリクリウス和蘭『本草圖譜巻之十一 曲節草
勢州及諸國山中尓あり宿根より生ず円茎対生し葉ハ蓼藍尓似て深緑色光澤あり四時凋マす夏秋の間小碎白花を生じ後小毬実を結ぶ青緑色根上の茎必ず曲り生ず此物諸草より青緑色なるゆゑやまあゐといふ漢土尓て蛇藍と云又根上の節曲るを以て曲節草と名つく


曲節草 一名六月冷 三才圖繪
和産詳ナラズ俗ニしてゴシツト呼モノ此ニ近シ其草ハ樹下陰地ニ生ズ莖ハ細クして方ナリ葉ハ節ニ對して生ズ形チキツ子ノマゴきつねのまごノ葉ニ似テ長ク深緑色ニして光アリ髙サ六七寸或ハ一尺許夏ノ末枝梢ゴトニ淡紅花ヲ開ク長サ四五寸本ハ筒ニして末ハ五ニ分ル大抵益母草ノ如シ花後小莢ヲ結フ長サ三四分花實皆兩小よ葉アリテ之ヲ挟ム根ハ冬枯レズ
 ゴシツ:牛膝はヒナタノイノコズチの漢方名。


曲节草
图经曲节草生均州味甘平无毒治发背疮消痈肿拔毒四月生苗茎方色青有节七月八月著花似薄荷结子无用叶似刘寄奴而青软一名蛇蓝一名绿豆青一名六月凌五月六月采茎叶阴干与甘草作末米汁调服李时珍以为六月霜不知何草按鬼箭羽湖南呼为六月冷亦结青实或恐一物原图不晰存以备考
 『六月冷』というのは、5-6月の頃に茎葉を甘草と併せてすりつぶして米汁にして食すという風習があったための名称で、『六月凌』『六月霜』とも呼ばれるとのことです。


【文献】
Kim Y, Jeong S, Park I and Moon H-K (2025) Revisiting Phryma leptostachya L.: phylogenetic relationships and biogeographical patterns from complete plastome, BMC Plant Biology, 25:278, DOI: 10.1186/s12870-025-06272-9″, Acessed: 2025-07-16.
神奈川県植物誌調査会 (2018) ハエドクソウ科 In 神奈川県植物誌2018(下)、p1463-1464.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.
Angiosperm Phylogeny Group (2009) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG III, Bot J Linnean Soc, 161(2), 105–121, DOI: 10.1111/j.1095-8339.2009.00996.x, Accessed: 2023-08-19.
Koizumi G (1929), Bot Mag Tokyo, 43(512), 400, DOI: 10.15281/jplantres1887.43.382, Accessed: 2025-07-17.
谷口栄二・石橋郁人・山内聰・小沢昭夫・成富祐二・今村圭一・西尾昭・武谷立子 (1988) ハエドクソウ殺虫成分の構造決定・合成及び活性, 天然有機化合物討論会講演要旨集, 30, 1-8, DOI: 10.24496/tennenyuki.30.0_1, Accessed: 2025-07-17.
Ishibashi F and Taniguchi E (1989) Suntheses of (±)-Haedoxan A, D, E and Their Stereoisomers, Agric Biol Chem, 53(6), 1565-1573, DOI: , Accessed: 2025-07-17.
Li Y, Wei J, Fang J, Lv W, Ji Y, Aioub AAA, Zhang J and Hu Z (2019) Insecticidal Activity of Four Lignans Isolated from Phryma leptostachya, Molecules, 24, 1976; 10.3390/molecules24101976, Accessed: 2025-07-16.
貝原篤信 (1708) 大和本草巻之九草之五, URL: https://dl.ndl.go.jp/pid/2557471, Accessed: 2025-07-22.
李時珍 (1596) 本草綱目:金陵小字本, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/igakutoshokan1954/8/5/8_5_101/_pdf, Accessed: 2025-07-22.
小野蘭山(1844) 重修本草綱目啓蒙草部巻之十目録 草之四隰草類上五十三種:學古館蔵版, p353-353, DOI: ,a href=”https://doi.org/10.20730/100247008″>10.20730/100247008, Accessed: 2025-08-09.
李時珍 (1596) 本草綱目:金陵小字本, URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/igakutoshokan1954/8/5/8_5_101/_pdf, Accessed: 2025-07-22.
國立臺灣歴史博物館, 曲節草きょくせつさう やまあゐ, Accessed: 2025-07-22.
岩崎灌園 (1921) やまあゐ、In 本草図譜濕草類巻之十一濕草類二, 本草図譜刊行会, p.21, DOI: doi:10.11501/926376, Accessed: 2025-08-08.
植物名实图考(道光刻本)/第十四卷/曲节草 – 维基文库, URL: https://zh.wikisource.org/zh-hans/, Accessed: 2025-08-09.

葉脈の黄化したヒヨドリバナ

 植物葉が黄化する現象は、クロロフィル量が減少するためで、一般にクロロシスとして知られています。その原因としては、クロロフィルの構成元素であるマグネシウムの欠乏、ニッケルの過剰などによる栄養障害が考えられるのですが、通常は葉脈と葉脈の間、脈間で黄化が見られます。先日は鷹取山で、それとは逆に葉脈のほうが黄化しているヒヨドリバナをみかけました。


 周囲には同様に葉脈が黄化したクズも生えていたので、土壌成分に障害の原因があるのではないかと考えて、ウェブで検索したところ、予想に反して、病原ウィルス『geminvirus』の一種『ヒヨドリバナ葉脈黄化ウイルス(eupatorium yellow vein virus, EpYVV)』によるウィルス病であることが解明されていました。このウィルスはダニにより媒介されるそうですが、なかなか美しいので、媒介種や宿主となる植物種の範囲を調べて見ると面白いかも知れません。ちなみに、この葉脈黄化現象は古くは万葉時代から知られていたそうです。
 キク科ヒヨドリバナ連 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【文献】
尾崎武司・井上忠男 (1978) ヒヨドリバナ(Eupatorium japonicum Thunb.)の葉脈黄化症状株から分離されるコナジラミ伝搬性ウイルス, 日本植物病理学会報, 45(19, 11-112, DOI: 10.3186/jjphytopath.45.98, Aceesed: 2025-07-15.
井上忠男・尾崎武司 (1980) 植物 ウイルス病に関するもっとも古い記録とみられる万葉集の歌について, 日本植物病理学会報, 46, 49-50, DOI: 10.3186/jjphytopath.46.49, Aceesed: 2025-07-15.

鷹取山・追浜ウォーク(2025-07-13)に参加

 今日は(いかづち)神社の天王祭にに合わせて開催される追浜祭りの日。横須賀市の主催で併催の『初夏の鷹取山・追浜ウォーク』に参加しました。追浜駅で事前配布されていたチラシにはフリーコースとあったのですが、当日配布の資料には街中コースが記載されており、ハイキングコースはいつもよりむしろ空いていました。
 早くゴールし過ぎないように寄り道した送電鉄塔の管理道では、葉脈が黄化しているヒヨドリバナを見かけた他、ハイキングコースではウバユリ、ヤブミョウガ等、夏を彩る花が咲いていました。


記念の缶バッジと完歩証


【参考】
 スタート
 湘南病院
 追浜幼稚園
 追浜青少年の家(2024-03-31廃止)
 鷹取公園
 鷹取公園より
 オニユリ Lilium lancifolium
 ノウゼンカズラ Alstroemeria aurea
 西友鷹取店前の壁画
 西友鷹取店
 磨崖仏登り口(現在閉鎖中)
 鷹取山公園入口
 桜並木
 ヘメロカリス属の一種 Hemerocallis sp.
 ガマズミ Viburnum dilatatum
 山頂登り口
 山頂展望台
 東京湾方面
 相模湾方面
 夏島方面
 鷹取山公園
 鷹取山頂上
 オニドコロ Dioscorea tokoro
 カニクサ Lygodium japonicum
 (ウィルス感染)ヒヨドリバナ Eupatorium makinoi
  近くのクズにも同じ症状が出ていました。
 ヒヨドリバナ Eupatorium makinoi
 スギ Cryptomeria japonica
 沼間のスダジイ Castanopsis sieboldii
 ウバユリ Cardiocrinum cordatum
 ヤブミョウガ Pollia japonica
 ノカンゾウ Hemerocallis fulva
 船越防災隧道
 アメリカフヨウ Hibiscus moscheutos
 深浦ボートパーク
 アオギリ Firmiana simplex
 ラセイタソウ Boehmeria biloba
 正禅寺
 ゴール
 神輿
 鳳凰
 縁日
 雷神社赤鳥居
 雷神社拝殿
 追浜駅前

初夏のこども植物園と児童遊園地、など

 今日は児童遊園地内に設置されている環境活動支援センターのスタッフの方にお話を伺う機会があり、こども植物園、児童遊園地成立の経緯や管理方針、さらには帯化したヤマユリやホルトノキの虫癭などにつき、大変興味深いお話を伺う事が出来ました。同セーターでは、7/20からカマキリ目ナナフシ目特別展を企画しているそうです。
ヤマモモの虫癭はダニの寄生によって葉脈沿いに現れるとのことで、手持ちの虫癭図鑑には載っていなったのですが、ホルトノキ属内の種識別法として、ダニの住処(domatia)の有無が利用できるのと情報(Gagul,2021)がありました。
【本日更新のページ】
 アオイ科 ミズアオイ科 ナデシコ科 セリ科 アブラナ科 シソ科 ドジョウ科 蜻蛉目 鱗翅目


【参考】○は本日、初撮影種
 アカメガシワ(雌花) Mallotus japonicus
 オヒシバ Eleusine indica
 オオニワホコリ Eragrostis pilosa
○アメリカフヨウ Hibiscus moscheutos
 ヒマラヤタマアジサイ Platycrater aspera Syn. Hydrangea villosa
 マメコガネ Popillia japonica
○トビイロスズメ Clanis bilineata Two-lined Velvet Hawkmoth
 クリナム・パウエリィ Crinum X powellii (C. bulbipermum X C. moorei)
 ヤナギバシャリントウ ‘オータムファイアー’ Cotoneaster salicifolius cv. Autumn Fire
 大賀蓮おおがはす Nelumbo nucifera
○ナガバミズアオイ Pontederia cardata Pickerelweed
 ヤブミョウガ Pollia japonica
 カラスウリ Trichosanthes cucumeroides
 カワミドリ Agastache rugosa Anise Hyssop
 メハジキ Leonurus japonicus
 タチシノブ Onychium japonicum
 ミドリヒメワラビ Thelypteris viridifrons
 ヤマユリ Lilium auratum
○フシグロセンノウ Lychnis miqueliana Syn. Silene miqueliana
 ハマボウ Hibiscus hamabo
 アキノタムラソウ Salvia japonica
 キキョウ Platycodon grandiflorus
○ボタンボウフウ Peucedanum japonicum var. japonicum Coastal Hogfennel
 ハマナデシコ Dianthus japonicus
 ハンゲショウ Saururus chinensis
 カワラナデシコ(Dianthus superbus)
 ネコ Felis catus
 アガパンサス Agapanthus africanus
 オニグルミ Juglans ailantifolia
 ウラギンシジミ Curetis acuta paracuta
 キトンボ Sympetrum croceolum Yellow Darter
キトンボは脚に黒い部分が全くないことと大きさから判定したのですが、30年前の報告で神奈川県では『絶滅危惧E?』となっていますので、稀少種確認あるいは誤認かも知れません。
 モンシロチョウ Pieris rapae
 タチジャコウソウ Thymus vulgaris
 アフリカスミレ Streptocarpus ionanthus
 ストレプトカルプス ‘ホワイト・バタフライ’ Streptcarpus X ‘White Butterfly’
 リプサリス属の一種 Rhipsalis sp.
 ミズキ Cornus controversa
 アカメガシワ(雌花) Mallotus japonicus
 カラスザンショウ Fagara ailanthoides
 ハシブトガラス Corvus macrorhynchos Large-billed Crow
 フトイ Schoenoplectus tabernaemontani
 シマドジョウ属の一種 Cobitis sp.
○イワナズナ ‘サミット’ Aurinia saxatilis X ‘Summit’ Basket of Giold
 (帯化)ヤマユリ (Fasciation) Lilium auratum
 ベニスジヤマユリ Lilium auratum var. rubrovittatum Red-banded Lilly
○アロマティカス Solenostemon amboinicus Spanish Thyme (Cuban Oregano)
 ガジュマル Ficus microcarpa
 セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
 コノテガシワ Platycladus orientalis
 ヤナギバシャリントウ ‘オータムファイアー’ Cotoneaster Salicifolius ‘Autumn Fire’
 ケヤキ Zelkova serrata (横浜市指定名木古木 No.48075)
 エリカ・クリスマスパレード Erica x hiemalis cv. Chrismas Parade


【文献】
石田昇三 (1969) 原色日本昆虫生態図鑑Ⅱトンボ編, 261p., 保育社, 東京.
苅部治紀・岸一弘・大森武明 (1995) 昆虫編トンボ類 In 神奈川県立博物館調査研究報告(自然科学)7号, 神奈川県レッドデータ生物調査報告書(1995年), 187-198, URL: https://nh.kanagawa-museum.jp/www/contents/1657612259277/simple/18_chouken7_tomborui.pdf, Accessed: 2025-7-13.
湯川淳一(1996)日本原色虫えい図鑑、p.255-256.
Gagul, J (2021) Systematics and evolution of the genus Elaeocarpus L. (Elaeocarpaceae), 341p, PhD Thesis, James Cook University, DOI: 10.25903/q6qq%2Dzq31, Accessed: 2025-7-13.
鈴木英治 (2017) 鹿児島大学共通教育棟周辺の植物, 72 ヤマモモ(ヤマモモ科), 82-82, URL: https://core.ac.uk/download/pdf/159517544.pdf, Accessed: 2025-7-13.

シュロソウ科(Melanthiaceae)の写真整理

 シュロソウ科(Melanthiaceae)は、現在はユリ科、サルトリイバラ科などからなるクレードの姉妹群としてユリ目に置かれているグループで(APG,2018)、最大196種により構成されるKim et al.(2019)とされていましたが、現在でもさらなる整理が進んでいる様です。
 この科には強い生理活性をもつ種が含まれていて、なかでもギボウシ(ウルイ)と外観が似ているバイケイソウ類は、中毒例が毎年のように報告されています。神奈川県植物誌(2018)によれば、三浦半島ではこの科の分布がない様で、写真は旅行中および前任地で撮影したものです。
 維管束植物の分類【概要小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物(APG-IV体系)】【生物系統樹


【ユリ目(Liliales) シュロソウ科(Melanthiaceae)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
シュロソウ属 Veratrum
コバイケイソウ コバイケイソウ
Veratrum stamineum Hellebore
ショウジョウバカマ属 Heloniopsis
ショウジョウバカマ ショウジョウバカマ
Heloniopsis orientalis Japanese Hyacinth

【シュロソウ科(Melanthiaceae)周辺の系統概要】Kim et al.(2019)

┌ユリ目(Liliales)
││  ┌シュロソウ科(Melanthiaceae)
││  ││  ┌キヌガサソウ亜科(Parideae)
││  ││  ││ ┌キヌガサソウ属 Paris
││  ││ ┌┤└┬┴エンレイソウ属 Trillium
││  ││ ││ └シュードトリリウム属
││  ││┌┤│  └Pseudotrillium rivale
┤│  ││││└クセロフィラム亜科(Xerophylleae)
││  ││││ └クセロフィラム属 Xerophyllum
││  ││││┌シライトソウ亜科(Chionographideae)
││  │││└┤└シライトソウ属 Chionographis
││  │││ │ └Chamaelirium luteum
││  │└┤ └ショウジョウバカマ亜科(Heloniadeae)
││  │ │  │┌ヘロニアス属 Helonias
││ ┌┤ │  └┴┬ショウジョウバカマ属 Heloniopsis
││ ││ │    └イプシランドラ属 Ypsilandra
││ ││ └シュロソウ亜科(Melanthieae)
││ ││  │    ┌リシリソウ属 Anticlea
││ ││  │   ┌┴┬メランチウム属 Melanthium
││ ││  │  ┌┤ └ステナンチウム属 Stenanthium
││┌┤│  │ ┌┤└┬アミアンチウム属 Amianthium
│││││  │┌┤│ └シュロソウ属 Veratrum
│││││  └┤│└サバジラ属 Schoenocaulon
│││││   │└トキシコスコルディオン属 Toxicoscordion
│└┤││   └ジガデナス属 Zigadenum
│ │││┌┬リポゴヌム科(Ripogonaceae)
│ ││└┤└フィレシア科(Philesiaceae)
│ ││ └┬ユリ科(Liliaceae)
│ ││  └サルトリイバラ科(Smilacaceae)
│ ││ ┌ユリズイセン科(Alstroemeriaceae)
│ ││┌┤└(Luzuriagaceae)
│ │└┤└イヌサフラン科(Colchicaceae)
│ │ └ペテルマニア科(Petermanniaceae)
│ └カンピネマ科(Campynemataceae)
└キジカクシ目(Asparagales)
 │ ┌ヒガンバナ科(Amarylidaceae)
 └┬┴キジカクシ科(Asparagaceae)
  └ラン科(Orchidaceae)

【文献】
Kim C, Kim S-C and Kim J-H (2019) Historical Biogeography of Melanthiaceae: A Case of Out-of-North America Through the Bering Land Bridge, Front Plant Sci, 10:396, DOI: 10.3389/fpls.2019.00396, Accessed: 2025-07-11.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-07-11.
Tanaka N (1997) Taxonomic Significance of Some Floral Characters in H elonias and Ypsilandra (Liliaceae), J Jap Bot, 72, 110-116, DOI: 10.51033/jjapbot.72_2_9144, Accessed: 2025-07-12.
厚生労働省, バイケイソウ類, URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000079821.html, Accessed: 2025-07-12.
神奈川県植物誌調査会 (2018) 神奈川県植物誌2018(上)、p270-274.

アジサイの季節の終わりに……

 仕事帰りに立ち寄った横浜イングリッシュガーデンでは、アジサイの剪定がすっかり終わっていて、既に夏らしくなっていました。今はギボウシの類が目立つのですが、種名、品種名は殆ど示されていませんでした。
 ギボウシ属 アジサイ属 バラ属 コラボイベント 2023-06-18 現生植物 現生生物 後世動物


【ギボウシ属(Hosta)】

【参考】
 横浜インクリッシュガーデン(YEG)
 コラボイベント『ある魔女が死ぬまで
 キクイモモドキ Heliopsis helianthoides var. scabra
 テッポウユリ Lilium longiflorum
 雪っ子 Rosa X ‘Yukikko’
 ワスレグサ属の一種 Hemerocallis sp.
 ミスジチョウ Neptis philyra
 ヘメロカリス ‘ミドナイト・マジック’ Hemerocallis X ‘Midnight Magic’
 ミソハギ Lythrum anceps
 ジェイムズ・ヴィッチ Rosa ‘James Vitch’
 センニンソウ属の一種 Clematissp.
 横浜インクリッシュガーデン(YEG)
 コムラサキ Callicarpa dichotoma
 クチナシ Gardinia jasminoides
 青軸無点オニユリ Lilium lancifolium
 センニンソウ属の一種 Clematis sp.
 ハニー・パフューム Rosa X ‘Honey Perfume’
 オリエンタルリリー Lilium sp.
 ノカンゾウ Hemerocallis fulva
 ワスレグサ属の一種 Hemerocallis sp.
 ヨーロッパブドウ ‘プルプレア’ Vitis vinifera ‘Purpurea’
 イン・リッチ Rosa ‘In Rich’
 サボンソウ(ソープワート) Saponaria officinalis
 モナルダ(ベルガモット) Monarda didyma
 モッコク Ternstroemia gymnanthera
 ホスタ・ハルシオン Hosta cv. ‘Halcyon’
 ギボウシ属の一種 Hosta spp.

日本産ギボウシ属(Hosta)の系統概要

 ギボウシ(擬宝珠)は、キジカクシ科ギボウシ属の総称で、ウルイの名で知られるオオバギボウシ(Hosta sieboldiana)の若芽は山菜として利用されています(菅原,2001)。ギボウシ属の分布の中心は東アジアであり、最も種多様性に富んでいるのは、我が国の四国地方と考えられていて、最近公表された文献(矢原ら,2023)によって、新たに5種が記載されています。
 キジカクシ科 2023-06-18 現生植物 現生生物 後世動物


【日本産ギボウシ属(Hosta)の系統概要】Yahara et al.(2023)
属内に6つのクレード(分岐群)か識別され、その内の一つ、クレード1では5種の新種が記載されています。

クレード1 (Clade1)
││     ┌ナンカイギボウシ Hosta tardiva subsp. tardiva
││   ┌┬┴スダレギボウシ Hosta tardiva subsp. densinervia
┤│  ┌┤└オクスダレギボウシ Hosta polyneronoides【新記載種】
││ ┌┤└ザラツキギボウシ Hosta scabrinervia
││┌┤└サムカゼギボウシ Hosta samukazemontana【新記載種】
││││┌Hosta sp. 3
│││└┤┌ミナヅキギボウシ Hosta minazukiflora【新記載種】
│└┤ └┴┬シコクホキボウシ1 Hosta shikokiana 2
│ │   └シコクホキボウシ2 Hosta shikokiana 1
│ │┌カムロギボウシ Hosta longipedicallata【新記載種】
│ └┴┬タキミナヅキギボウシ Hosta takiminazukiflora subsp. takiminazukiflora【新記載種】
│   └セトガワギボウシ Hosta takiminazukiflora subsp. grandis【新記載亜種】
クレード2 (Clade2)
│└ヒメイワギボウシ Hosta gracillima
クレード3 (Clade3)
││┌┬Hosta sp. 1
│└┤└┬ブンゴギボウシ Hosta alata
│ │ └ウバタケギボウシ Hosta pulchella
│ └┬ヒュウガギボウシ Hosta kikuchii
│  └┬Hosta sp. 2
│   └サイコクイワギボウシ Hosta longipes var. caduca
└┬クレード4 (Clade4)
 │└┬トサノギボウシ Hosta tosana var. caput-avis
 │ └トサノギボウシ Hosta tosana Kagami Rver lineage
 │┌クレード5 (Clade5)
 └┤└オヒガンギボウシ Hosta aequinoctiiantha
  └クレード6 (Clade6)
   │  ┌Hosta sp. 4
   │ ┌┴┬イワギボウシ Hosta longipes var. longipes
   │┌┤ └イズイワギボウシ Hosta longipes var. latifolia
   ││└オオバギボウシ Hosta sieboldiana 
   └┤ ┌ナガサキキボウシ Hosta tibae
    │┌┼カンザシギボウシ Hosta cpitata
    └┤└ツシマギボウシ Hosta tsushimensis
     │┌┬バランギボウシ Hosta alismifolia
     └┤└ミズギボウシ Hosta lonissima
      └┬トウギボウシ Hosta seiboldiana X seiboldii
       └コバギボウシ Hosta seiboldii 

【文献】
菅原豊司 (2001) 岩手県北中山間地域の特産物の需要と産地対応, 東北農業研究別号, 14, 23-35, URL: https://www.naro.affrc.go.jp/org/tarc/to-noken/DB/DATA/e14/e14-023.pdf, Accessed: 2025-07-03.
Yahara T, Hirota SK, Fujii S, Kokami Y, Kengo Fuse K, Sato H, Tagane S , Suyama Y (2023) Molecular phylogeny and taxonomy of Hosta (Asparagaceae) on Shikoku Island, Japan, including five new species, one new subspecies, and two new status assignments, PhytoKeys, 235. 137–187, DOI: 10.3897/phytokeys.235.99140, Accessed: 2025-07-02.
Sauve RJ, Zhou S, Yu Y and Schmid WG (2005) Randomly Amplified Polymorphic DNA Analysis in the Genus Hosta, HortScenece, 40(5), 1243–1245, DOI: 10.21273/HORTSCI.40.5.1243, Accessed: 2025-07-03.
ソファアセンター(柏崎市立図書館) (2014)「四季・植物」46うるい, ソフィアだより, (94), 1, URL: https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11240916/www.city.kashiwazaki.lg.jp/library/kyoiku/bunka/tosho/hakkobutsu/documents/94.pdf, Accessed: 2025-07-06.

蓮、薔薇、擬宝珠など

 ハスの花の季節には早朝開園しているとのウェブ情報を見かけたので、朝一で大船フラワーセンターを尋ねました。園内ではニイニイゼミが鳴きだしています。
 ハス科 2023-06-18 現生植物 現生生物 後世動物
【本日更新のページ】バラ科 キジカクシ科 トケイソウ科 ヤマモガシ科 膜翅目 鞘翅目


【蓮】
 ウォレマイ・パイン Wollemia nobilis Wollemi Pine
 ハス Nelumbo spp.


大船フラワーセンターにハスが来た経緯
 大船フラワーセンターは2020年1月静岡県沼津市の本廣寺の関戸慈誠住職から約190品種のハスを譲り受けました。関戸住職は前任の蓮興寺(静岡県沼津市)で約30年間ハスを育ててきましたが、栽培の継続が困難になり、新しい担い手を探していらっしゃいました。2019年、当園の園長である榎本浩が栽培の引継ぎを申し出たところ、譲渡を快諾していただきました。
 2024年には大阪市のこの花咲くや館、及び蓮文化研究会から合計20品種のハスを譲り受けるなど、当園にて管理を行っていたハスと併せて、現在261品種のハスを園内に転じ字ています。


大賀ハス
 日本では非常に有名はハスで、1951年千葉の検見川の東京大学厚生農場の敷地内から縄文時代(約2000年前の地層)の丸木舟が発見され、大賀博士は多くの協力者を得て、その地下から3個のハスの実を発掘しました。そのうちの1個が発芽・開花しました。大賀博士にちなんで命名され平和のシンボルとして世界各国に株分けされています。花はピンク色で条線がぼやけており、葉の表面が触ると他の品種に比べてすべすべとした感触があります。別名「二千年蓮」。
大賀ハスは、実生、即ち発芽種子から育成すると、外観上の形質が大きく変化することが知られています。ここで展示されているのは種子系だけの様でした。
大賀ハス(こども植物園)


珍しいハス
○植松家系
 沼津の植松家の代々受け継がれてきたコレクション。一般には出回っていないので名前が付いていません。植松家の祖先は武田氏の宿將須田朝重で、武田が敗れたあと、朝重の嫡男李重が天正十二年(1584)年に居を決め、沼津で開墾や植林にいそしみ花卉類の収集もしました。花長者として有名になり、庭も帯笑園と名付けられ江戸に下る公家や大名、または明治政府の官僚、皇后、皇太子などが立ち寄り花卉類と京文化の交換の場となりました。
○大石寺系
 日蓮宗総本山の大石寺で昔から受け継がれてきたハス。一般に出回っていません。「大石NO. 」というのがそのまま正式名称になっています。
○巨椋池系
 巨椋池とは戦前まではハスの名所として世に知られた池です。現在の京都市、宇治市、久世郡久御山町くみやままちにまたがり、面積約800ヘクタールにも及んだところでしたが、農地・水田として埋め立てられ、今はありません。現在交通の要衝ともなっています。
 池であった当時、面積100ヘクタールほどのハスの群生地が広がっていました。この広さは中国の著名な蓮池にも匹敵します。池跡地の田んぼを巡り採取した幼芽を育成した蓮が巨椋池系と呼ばれています。巨椋池系の品種は約90種類ほどあります。


ハス Nelumbo nucifera、キバナハス Nelumbo lutea
 紅蜀紅蓮べにしょっこうれん
 玉鶯ぎょくおう
 朱雀の舞姫すざくのまいひめ
 玉繍ぎょくしゅう
 玉繍蓮ぎょくしゅうれん
 喜上眉梢きじょうびしょう
 絢爛華けんらんか
 西村白にしむらしろ
 巨椋大島おぐらおおしま
 巨椋の曙おぐらのあけぼの
 巨椋の香おぐらのかおり
 巨椋瑞光おぐらずいこう
 巨椋の彩雨おぐらのさいう
 常楽じようらく
 春不老はるふろう
 多彩たさい
 輪王蓮りんのうれん
 美中心びちゅうしん
 不忍池斑蓮しのばずのいけまだらはす 瑞姫みずひめ
 花火はなび
 黄陽きよう
 アルバ・グランディフローラ ‘AlbaGrandiflora’ (?)
 乗県碧蓮じょうけんへきれん
 天竺斑蓮てんじくまだらはす
 紅がにべにがに
 内側の縮れた花弁の形がカニの手のように見えることから「紅がに」と名付けられた。内田又男氏が育成したもの。中盤(荷鼻)の形は下の点々が大きく流れる模様となり、荷鼻から判断できるハスでもある。


 素白蓮そはくれん
 悄英しょうえい
 舞妃蓮まいひれん
 大賀蓮と王子蓮の交配種、優雅な舞姿を連想させることから妃殿下にイメージを重ねて、「舞妃蓮」と名付けられる。昭和43年に東宮御所に献上された。


 飛舞蓮ひぶれん
 ローズプレナ ‘Rose Plena’
 丈炎の舞じようえんのまい
 常陸の曙ひたちのあけぼの
 大灑錦たいさんきん
 暁風涼月ぎょうふうりょうげつ
 西円寺青蓮さいえんじせいれん
 カロライナ・クイーン ‘Carolina Queen’
 ミセス・スローカム ‘Mrs. Slocum’
 玉葉黄ぎょくようき
 花雲淡紅かうんたんべに
 アメリカ黄蓮あめりかおうれん
 雲之霞くものかすみ
 オハイオ蓮おはいおばす
 漁山紅蓮ぎょざんこうれん
 花色は桃色で条線は鮮明。漁山は声明(僧が仏の徳をたたえて節をつけて唱える)の起源地として伝説に残る中国の地。DNA分析では、現在伝わる藤壺蓮、浄台蓮、漁山紅蓮、桜蓮は、同一と判定された。これらは、形質的にも極似している。


 古楚女こそめ
 大空蓮だいくうれん
 大内池おおうちいけ
 インド白蓮いんどびゃくれん
 仏足蓮ぶっそくれん
 明妃めいひ
 宮西みやにし
 友誼牡丹ゆうぎぼたん
 大賀蓮おおがはす(種子系)
 重水華ちょうすいか
 黄玉杯こうぎょくはい
 白万葉しろまんよう
 唐招提寺蓮とうしょうだいじれん
 玉泉寺妙蓮ぎょくせんじみょうれん
 奈良蓮ならばす
 白君子小蓮しろくんししょうれん (?) ペリーズ・ジャイアント・サンバースト “Perry’s Giant Sunburst”
 斑桃まだらもも (?)
 寿星桃じゅせいとう
 詩仙堂西湖蓮しせんどうさいこれん
 剣舞蓮けんぶれん
 毎葉蓮まいようれん
 花上りが非常に良いのが特徴。ハスは節から一対の葉と花を上げてくるが、実際には花の方はすべてが上がってくるわけではない。しかし、本品種はそのすべての葉ごとに花が上がるほど花付がいいという意味で毎葉蓮の名が付いた。


 御所車ごしょぐるま
 金輪蓮きんりんれん
 西福寺観世さいふくじかんぜ
 即非蓮そくひれん
 植松10
 大石寺23
 植松03
 植松02
 大石寺08
 植松19
 大石寺21
 粉松球ふんしょうきゅう
 (突然変異)
 紫玉蓮しぎょくれん
 赤大君子あかだいくんし
 天照爪紅てんしょうつまべに
 天嬌てんきょう
 廬山白蓮ろざんびゃくれん
 植松球うえまつきゅう
 神采しんさい
 碧翠蓮へきすいれん
 小舞妃しょうまいひ
 小金鳳しょうきんほう
 揚州碗蓮ようしゅうわんれん
 祥隆紅蓮しょうりゅうこうれん



バラ Rosa
 デンティ・ベス ‘Dainty Bess’
 ピース ‘Peace’
 ゴールデン・チャッピー ‘Golden Chappy’
 ピンク・サクリーナ ‘Pink Sakurina’
 カウンティ・フェア ‘County Fair’
 マチルダ ‘Matilda’
 シークレットロパフューム ‘Secret Perfume’
 ミセス・オークリィ・フィッシャー ‘Mrs. Oakley Fisher’
 フラウ・ホレ ‘Frau Holle’
 金蓮歩 ‘Kinrenpo’
 ティファニー ‘Tiffany’
 オリンピック・ファイヤー ‘Olympic Fire’
 桜貝 ‘Sakuragai’
○ロサ・ギガンテア Rosa gigantea Manipur Wild-Tea Rose
 ロサ・キネンシス・ミニマ Rosa chinensis var. minima
 イザヨイバラ Rosa roxburghii
 ノイバラ Rosa multiflora


【擬宝珠】

日比谷花壇が管理するようになってから随分管理が良くなったフラワーセンターなのですが、古い説明版には信用できないものが残されている様です。
 レンゲギボウシ(黄覆輪) Hosta X fortunei
 コバギボウシ Hosta sieboldii syn. Hosta albo-marginata
 ギボウシ属の一種 Hosta sp.
 ホスタ・ウィリーニリィ Hosta cv. ‘Willy Nilly’
 マルバノタマカンザシ Hosta plantagina
 ホスタ・ハルシオン Hosta cv. ‘Halcyon’
 ホスタ・シャンデー Hosta cv. ‘Shandy’
 オハツキキボウシ(白覆輪) Hosta undulata var. Erromena
 ホスタ・シェードファンファーレ Hosta cv. ‘Sade Fanfare’
 タチギボウシ(黄中斑) Hosta sieboldii var. rectifolia Erect Hosta
 トクダマギボウシ(斑入り) Hosta sieboldiana var. condensata
 黄金姫トクダマ Hosta sieboldiana ‘Tokudama Aureonebulosa’
○スジボウシギ Hosta undulata Wavy Plantain Lily
 黄金コバギボウシ Hosta sieboldii ‘Ougon’
 オオバギボウシ Hosta sieboldiana
 ギボウシ属の一種 Hosta sp.
 ホスタ ‘武州錦’ Hosta ‘BushuNishiki’



 ヤマグルマ Trochodendron aralioides
 プラタナス Platanus sp.
 アエスクルス・パルウィフロラ Aesculus parviflora
○ニホンミツバチ Apis cerana japonica
○マメコガネ Popillia japonica
 シロタエギク Jacobaea maritima
 イヌタヌキモ Utricularia tenuicaulis
 ギャラックス・ウルセオラタ Galax urceolata
 ウォーターバコパ Bacopa caroliniana
 マルバデイゴ Erythrina crista-galli ‘Maruba-Deigo’
 ムサシアブミ Arisaema ringens
 ウラハグサ Hakonechloa macra
 ハアザミ Acanthus mollis
 ネムノキ Albizia julibrissin
 チョウセンアザミ(カルドン) Cynara cardunculus
 セイヨウニンジンボク Vitex agnus-castus
 ヒマワリ Helianthus annuus
 カンレンボク Camptotheca acuminata
 テイキンザクラ ‘ホコバヤトロファ’ Jatropha integerrima
 キバナキョウチクトウ Thevetia peruviana
 ペトレア・ウォルビリス Petrea volubilis
 シクシン Combretum indicum
 キフゲットウ Alpinia zerumbet ‘Variegata’
 パイナップル Ananas comosus
○パッシフローラ・サンギノレンタ Passiflora sanguineolenta Blood Red Passion Flower
○ステノカルプス・サリグヌス Stenocarpus salignus Scrub Beefwood
 ケヤキ Zelkova serrata


【文献】
日本花蓮協会 (2015) 日本で栽培されている品種, URL: http://www.j-lotus.org/hanabunrui/7%20sirohitoe.htm, Accessed: 2025-06-30.
久保中央, 金子明雄, 山本和喜 (2015) SSRマーカーに基づく巨椋池系品種群を含む日本国内花蓮品種の分類, 育種学研究, 17, 45–54, DOI: 10.1270/jsbbr.17.45, Accessed:2025-06-30.

久し振りのチキンカレー

チキンカレーが食べたかったので、5年前のレシピを再現し、リクエストがあったので、野菜もトッピングしてみました。米はよく(20回)研いで、米糠を十分取り除いたつもりだったのですが、今回もライスの色は今一でした。
→ クチナシ飯の青変につき、今一度、文献(山口・木咲,1989)にあたってみたところ、35~40土、pH5.4で最も青くなりやすいとの実験結果がありました。つまり、夏場は特に青くなりやすいことになります。次回は、クチナシ抽出液は冷蔵庫で冷やしておいて、炊飯開始の直前に浸漬済みの米に合わせれば、青変を防げそうです。(2025-07-07)

チキンカレー


【本日のレシピ】+野菜のトッピング
クチナシライス
1. 乾燥クチナシの実1個を軽く砕いてだしパックに入れて、450mlの水から煮出して冷ましておく。
2. 2合(4人前)の米を研いでよく水を切ってから、煮出し液を入れて、炊飯。

チキンカレー(8人分)
1.鶏腿肉2枚(1羽分)を一口大にカットし、ヨーグルト400gと和えて約1時間放置。
2.みじん切りにした玉葱(大)1個、獅子唐5本、ニンニク1片、銀杏切にした人参(大)1本を、サラダ油をひいた鍋で飴色に代わるまで炒める。
3.トマト缶(400ml)2缶、ローレル(乾燥葉)4枚を加えて煮立つ迄加熱。
4.寝かせておいた鶏腿肉を加えて、さらに過熱。
5.200mlの水にガラムマサラ大匙4杯、クミンシード大匙1杯、コリアンダーシード大匙1杯、コンソメ(顆粒)20gを入れて攪拌したものを加えて、煮立ったら出来上がり。
6.別途、ジャガイモ、ナス、ブロッコリーの乱切り等を電子レンジ過熱して、トッピング。

キャベツの浅漬け
1. 適量のキャベツ葉を一口大に千切ってから塩もみし、軽く水洗した後によく水を切る。
2. 蜂蜜、芥、酢、胡椒、マヨネーズをよく混合し、キャベツ葉と和える。


【文献】
山口美代子・木咲 弘 (1989) クチナシ果実で黄色に染めたおこわの緑変について, 調理科学, 22(3), 208-212, URL: https://dl.ndl.go.jp/pid/10812816/1/1, Accessed: 2025-07-07.

ひと夜の夢傘

 昨日の午後にまだ開いていないヒトヨタケの傘を見かけたので、今朝確認したところ、ほとんどすべて開ききっていました。撮影の直後に大雨になったこともあり、明日には溶けて消えているのだと思います。ヒトヨタケは腐生菌ですので、隣接するムクノキが弱っているのかも知れません。
【系統概要(現生生物現生植物後世動物化石動物)】
【本日更新のページ】菌類鞘翅目



【参考】○は本日、初撮影種
○ヒトヨタケ Coprinus atramentarius Ink Cap
 ムクノキ Aphananthe aspera
○イチモンジハムシ Morphosphaera japonica