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蜻蛉(トンボ)目(Odonata)の写真整理

 蜻蛉目は、現世の6300種ほどが記載されている捕食性昆虫のグループで(Bybee et al.,2021)、古生代石炭紀に、化石のみで知られる原蜻蛉目(Protodonata)から分岐した(石田,1969)と考えられています。遺伝子解析による手法が導入された後も、上科レベルまでの系統は、形態による分類と大きな違いはないようですが、科以下では検討が続けられています。ムカシトンボ上科は、翅脈の特長などがイトトンボ類(Damselflies)とトンボ類(Dragonflies)の中間的な特徴を示すため伝統的に亜目として独立していますが、これをトンボ上科の属する不均翅亜目(Anisoptera)に入れる考え方もあるようです。
 【昆虫綱の分類概要】 【陸上植物の分類概要


蜻蛉(トンボ)目(Odonata)の系統 (Bybee et al.,2021)

┌均翅亜目(Zygoptera)
││┌アオイトトンボ上科(Lestoidea)
│└┤┌モノサシトンボ上科(Platystictoidea)
│ └┤┌カワトンボ上科(Calopteryoidea)
┤  └┴イトトンボ上科(Coenagrionoidea)

│┌均翅不均翅亜目(Anisozygoptera)
└┤└ムカシトンボ上科(Epiophiebioidea)
 │
 └不均翅亜目(Anisoptera)
  │┌ヤンマ上科(Aeshnoidea)
  └┤┌┬ムカシヤンマ上科(Petaluroidea)
   └┤└サナエトンボ上科(Gomphoidea)
    │┌オニヤンマ上科(cordulegastroidea)
    └┴トンボ上科(Libelluloidea)

【蜻蛉目(Odonata) 均翅亜目(Zygoptera)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
アオイトトンボ科(Lestidae) アオイトトンボ属 Lestes
オオアオイトトンボ オオアオイトトンボ
Lestes temporalis
カワトンボ科(Calopterygidae) カワトンボ属 Mnais
アサヒナカワトンボ アサヒナカワトンボ
Mnais pruinosa Damselfly
カワトンボ科(Calopterygidae) アオハダトンボ属 Calopteryx
アオハダトンボ アオハダトンボ
Calopteryx virgo japonica Beautiful Demoiselle
ハグロトンボ ハグロトンボ
Calopteryx atrata Ebony Jewelwing

【蜻蛉目(Odonata) 不均翅亜目(Anisoptera)】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
トンボ科(Libellulidae) シオカラトンボ属 Orthetrum
シオカラトンボ(♂) シオカラトンボ(♂)
Orthetrum albistylum White-tailed Skimmer
ムギワラトンボ(シオカラトンボ♀) ムギワラトンボ(シオカラトンボ♀)
ミヤジマトンボ ミヤジマトンボ
Orthetrum poecilops Mangrove Skimmer
トンボ科(Libellulidae) アカネ属 Sympetrum
アキアカネ アキアカネ
Sympetrum frequens Autumn Darter
コノシメトンボ コノシメトンボ
Sympetrum baccha matutinum
アエスクニディウム科(Aeschnidiidae) アエスクニディウム属 Aeschnidium
アエスクニディウムの一種(†) アエスクニディウムの一種(†)
Aeschnidium sp. Aeschnidium

【原蜻蛉目(Protodonata)†】

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
メガネウラ科(Meganeuridae) メガネウラ属 Meganeura
メガネウラの一種(†) メガネウラの一種(†)
Meganeura sp. Meganeura

【文献】
石田昇三(1969)原色日本昆虫生態図鑑Ⅱトンボ編,261p.,保育社,東京.
Bybee SM, Kalkman VJ, Erickson RJ, Frandsen PB, Breinholt JW, Suvorov A, Dijkstra K-DB, Cordero-Rivera A, Skevington JH, Abbott JC, Herrera MS, Lemmon AR, Lemmon EM and Ware JL (2021) Phylogeny and classification of Odonata using targeted genomics, Mol Phylogen Evol, 160, 107115, DOI: 10.1016/j.ympev.2021.107115, Accessed: 2024-01-18.

昆虫の系統概要-写真整理

 昆虫は記載されている生物の半分以上を占めていると言われている分類群ですが、大所帯だけに分類体系は未だに未整理の部分が多いようです。目の整理にも異説が多いようで、今後とも変わっていくことを前提に、主としてKjer et al.(2006)を参考にしてまとめてみました。このブログでの昆虫の写真はそれほど多くはないのですが、整理した写真のリンク元にしています。
生物の系統概要】【シダ類】【裸子植物】【被子植物】【哺乳類】【鳥類】【節足動物】【軟体動物
【文献】
Kjer KM, Carle FL, Litman J and Ware J (2006) A Molecular Phylogeny of Hxapoda, Arthropod Systam & Phylog, 64(1), 35-44, DOI: 10.3897/asp.64.e31642, Accessed: 2014-01-16.
Wheeler WC, Whiting M, Wheeler QD and Carpenter JM (2001) The Phylogeny of the Extant Hexapod Orders, Cladistics 17, 113–169, DOI: 10.1006/clad.2000.0147, Accessed: 2024-02-09.


 かつてはシミ目と共に無翅亜綱として昆虫綱に置かれていた、粘管目(トビムシ)、原尾目(カマアシムシ)、双尾目(コムシ)は側昆虫綱(内顎綱)となっていますが、昆虫綱と側昆虫綱を合わせた六脚亜門を広義の昆虫類(Insecta s.l.)とすることもあるようです。側昆虫綱のコムシ目を昆虫綱の姉妹群とする解析結果もあるようですので、今後の検討によって取り入れられていくかも知れません。化石種の三葉虫類は現在では独立の亜門としては認められなくなっています。
節足動物門(Arthropoda)の系統概略】

┌鋏角亜門(Chelicerata):クモ、カブトガニ属(Limulus)など
├アーチオポダ亜門(Artiopoda):光楯類、三葉虫(†)など
┼多足亜門(Myriapoda):ムカデ上綱(Opisthogoneata)、ヤスデ上綱(Progoneata)
└汎甲殻類(Pancrustacea)
 │┌甲殻亜門(Crustacea):エビ、カニ、オキアミ、フジツボ、ミジンコ、ダンゴムシ
 └┤     ┌側昆虫綱(Entognatha):内顎綱(Entognatha)
  │     │ │         ┌粘管目(Collembora):トビムシ
  └六脚亜門─┤ └┬欠尾類(Ellipura)┴カマアシムシ目(Protura)
   (Hexapoda)│  └─────────コムシ目(Diplura)
        └昆虫綱(Insecta):外顎綱(Ectognatha)─→

 半翅目に含められることが多かったゴキブリとカマキリはシロアリに近いグループとして独立の目となっています。旧翅節は、以前と同様に翅を畳む事が出来ないグループです。蛹の時期がある完全変態の内翅類と完全変態をしないことが基本となっている半翅目との関係は今後整理されていくのかも知れません。
昆虫綱(Insecta)の系統概略】(Kjer et al.,2006など)

┌単丘亜綱─古顎(イシノミ)目(Archaeognatha)
┤Monocondylia
│     ┌シミ目(Zygentoma)
└双丘亜綱─┤
 Dicondylia│
      │┌蜻蛉(トンボ)目(Odonata)      ┐旧翅節
  有翅下綱└┤┌蜉蝣(カゲロウ)目(Ephemeroptera) ┴ Palaeoptera
   Pterygota└┤ ┌蟷螂(カマキリ)目(Mantodea)
        │┌┤┌ゴキブリ目(Blattaria)
        ││└┤┌キゴキブリ目(Cryptocercus)
        ││ └┴等翅(シロアリ)目(Isoprera)
    新翅節 ││ ┌┬非翅(ガロアムシ)目(Grylloblattaria)
    Neoptera└┤┌┤└マントファスマ目(Mantophasmatodea)
         │││┌チビナナフシ亜目(Timema)
         ││└┤┌ナナフシ亜目(Euphasmida)
         └┤ └┴シロアリモドキ目(Embioptera)
          │┌直翅目(Orthoptera)
          ├┴襀翅(カワゲラ)目(Plecoptera)
          └内翅類(Endopterygota)─→
内翅類(Endopterygota)の系統概略】
  ┌脈翅上目(Neuropterida)       ┐
  ││┌ラクダムシ目(Raphidioptera)   │
  │└┼ヘビトンボ目(Megaloptera)    │
  │ └アミメカゲロウ目(Neuroptera)  │
 ┌┴鞘翅上目(Coleopterida)       │
 │ │┌鞘翅(コウチュウ)目(Coleoptera) │内翅類
 │ └┴撚翅(ネジレバネ)目(Strepsiptera)│(Endopterygota)
┌┤┌膜翅目(Hymenoptera)         ├ =
│└┤┌長翅(シリアゲムシ)目(Mecoptera)  │完全変態亜節
┤ ││ + 隠翅目(Siphonaptera)      │(Holometabola)
│ └┤┌鱗翅目(Lepodoptera)       │
│  └┴毛翅(トビケラ)目(Tricoptera)  │
│┌┬総翅目(Thysanoptera)        │
└┤└┬革翅目(Dermaptera)        │
 │ └双翅目(Diptera)          ┘
 │ ┌チャタテムシ目(Psocoptera)
 │┌┤┌咀顎目(Liposcelis)
 └┤└┴シラミ目(Phthiraptera)
  └半翅目(Hemitreara)

 もう一例(Wheeler, et al,2001)見つけましたので転載しておきます。半翅目の位置はKjer et al.(2006)より納得できますが、撚翅目(前翅が平均棍化)の配置が全く異なっていて双翅目(後翅が平均棍化)の姉妹群となっています。確かに2枚翅という点では共通していますが、少々眉唾です。

昆虫綱(Insecta)周辺の系統概略】(Wheeler et al.,2001)
┌甲殻亜門(Crustacea)
┤┌多足亜門(Myriapoda)
└┴六脚亜門(Hexapoda)
  ├内顎綱(Entognatha)
  ││┌┬粘管(トビムシ)目(Collembora)
  │└┤└カマアシムシ目(Protura)
  │ └┬コムシ目(Japygina)
  │  └(Compodeina)
  └昆虫綱(Insecta):外顎綱(Ectognatha)
   │┌単関節丘亜綱(Monocondylia)   ┐
   └┤└古顎(イシノミ)目Archaeognata) ├旧シミ目
    └双関節丘亜綱(Dicondylia)    │(Thyanura)
     │┌シミ目(Zygentoma)      ┘
     └┴有翅亜綱(Pterygota)
        │┌蜉蝣(カゲロウ)目(Ephemerida)   ┬旧翅下綱
        └┤ ┌蜻蛉(トンボ)目(Odonata)   ┘(Paleoptera)
         │┌┴新翅節(Neoptera)─→
         └中翅類(Metapterygota)
新翅節(Neoptera)の系統概略
  ┌┬直翅目(Orthoptera)            ┐
 ┌┤└ナナフシ目(Pgasmida)           │
┌┤└襀翅(カワゲラ)目(Plecoptera)        │
┤│ └シロアリモドキ目(Embiidina)        ├多新翅上目
││┌非翅(ガロアムシ)目(Grylloblattaria)     │(Polyneoptera)
│└┼革翅目(Dermaptera)             │
│ ├ジュズヒゲムシ目(Zoraptera)         │
│ └┬等翅(シロアリ)目(Isoprera)        │
│  └┬蟷螂(カマキリ)目(Mantodea)       │
│   └ゴキブリ目(Blattaria)          ┘
└新生類(Eumetabola)
 │ ┌半翅目(Hemitreara)            ┐
 │┌┤┌総翅目(Thysanoptera)           ├準新翅亜節
 └┤└┴┬チャタテムシ目(Psocoptera)      │(Paraneoptera)
  │  └シラミ目(Phthiraptera)        ┘
  │ ┌鞘翅(コウチュウ)目(Coleoptera)     ┐
  │┌┤┌アミメカゲロウ目(Neuroptera)     │
  └┤└┼ヘビトンボ目(Megaloptera)       │
   │ └ラクダムシ目(Raphidioptera)      │完全変態亜節
   └┬膜翅目(Hymenoptera)           │(Holometabola)
    └長節上目(Mecopteroidea)         ├ =
     │ ┌毛翅(トビケラ)目(Tricoptera)   │内翅類
     │┌┴鱗翅目(Lepodoptera)        │(Endopterygota)
     └┤┌隠翅目(Siphonaptera)       │
      └┼長翅(シリアゲムシ)目(Mecoptera)  │
       └┬撚翅(ネジレバネ)目(Strepsiptera)│
        └双翅目(Diptera)         ┘

植物界周辺の系統関係概要

生物を動物界、植物界、菌界、原生生物界、モネラ界の五つの界(kigdom)に分ける五界説は20世紀には広く認められていましたが、当時は応用されていなかった分生物学的手法の導入や相次いだ新種の発見(Hausmann et al.,2002; Yamaguchi et al.,2005; Okamoto and Inoue,2005など )により、生物の分類系統図は大きく書き換えられつつあります。被子植物では分類体系の大枠がAPG-IV(2016)の公表により定まったようですが、生物全体でみるとまだまだ未解決の部分がたくさん残されています。ここでは、真核生物での分類体系の概要を、Adl et al.(2019)などを参考にしてまとめてみました。
Adl et al.(2019)の要旨によれば、真核生物の分類に関する2019改訂では、下記の3点が明らかにされています。
1.真核生物では少なくともふたつのドメイン、アモルフェア(Amorphea)、デイアフォレティケス(Diaphoretickes)を識別することが出来る。
2.エクスカバータ(Excavata)は単系ではないことが確認されたため、マラウィモナダ(Malawimonada)、メタモナダ(Metamonada)、ディスコバ(Discoba)に分割され、系統位置は未定。
3.クリプト藻とハプト藻とは単系であることが確認され、それぞれクリプチスタ(Cryptista)、ハプチスタ(Haptista)となった。


界、門、綱といったタクソン(分類階級)は、もはやあまり意味をなさなくなっているのですが、参考まで旧分類体系でのタクソンもわかる範囲で入れています。鞭毛(kont)の数によるドメイン設定も進化の過程で二次的に鞭毛の本数が変わっていたことが明らかとなったため意味がなくなっていますが、ドメイン『アモルフェア』は鞭毛が1本の旧ドメイン『ユニコンタ』にほぼ相当しているようです。今世紀になってやっと分類的位置を得たと思われたミドリムシ(Euglena)はエクスカバータの解体に伴い再び系統位置不明(Orphan clade)となっています。こうして眺めると、旧五界のうち、植物界動物界菌界は原生生物界の中に配置されるようになったことが見て取れます。
生物の系統概要


原核生物(Prokaryote)の系統

┬真正細菌(bacterium) 藍藻、病原性細菌など 1万種以上 ≒ 旧モネラ界(Monera)
└┬古細菌(Archaea) 好塩菌、好熱菌、メタン菌など 約550種
 └真核生物(Eukaryota)

真核生物(Eukaryota)の系統

┌【アモルフェア(Amorphea) ≒ 旧ユニコンタ(UniKonta)】
┤ │┌アメーボゾア:後方鞭毛生物(Amoebozoa) 255属
│ └┤│┌─ツブリネア門(Tubulinea) 93属
│  │└┼─エボシア門(Evosea) 106属
│  │ ├─ディスコシア門(Discosea) 35属
│  │ └──動菌下門(Mycetozoa)
│  │     ├真正動菌(Eumycetozoa)
│  │     └タマホコリカビ(Dictyostelia)
│  └オバゾア(Obazoa)
│   │┌オピストコンタ(Opisthokonta)
│   └┤│┌ホロマイコータ(Nucletmycea / Holomycota)
│    │└┤ └菌界(Fungi) ~8600属
│    │ │  │┌──ツボカビ綱(Chytridiomycetes) 140属
│    │ │  └┤   └ヌクレアリア目(Nuclearia):3科10属
│    │ │   │┌ディカリア (Dikarya) ~8000属
│    │ │   └┤└┬子嚢菌門(Ascomycota) ~6400属
│    │ │    │ └担子菌門(Basidiomycota) ~1600属
│    │ │    ├ケカビ門(Mucoromycota) ~340属
│    │ │    └トリモチカビ門(Zoopagomycota) ~200属
│    │ └ホロゾア(Holozoa)
│    │   │┌─イクチオスポレア目(Ichthyospoea)
│    │   └┼─襟鞭毛虫綱(Choanoflagellata) 57属
│    │    ├刺胞動物門(Cnidaria) クラゲ、サンゴ、イソギンチャクなど
│    │    ├有櫛動物門(Ctenophora) ウリクラゲ、フウセンクラゲなど
│    │    └後生動物(Metazoa)旧動物界(Animalia)
│    │      ├海綿動物門(Porifera) 普通海綿、石灰海綿など 742属
│    │      └真正後生動物(Eumetazoa) 節足動物軟体動物脊椎動物など
│    ├アプソモナス科(Apusomonadidae) 6属 ┐
│    └ブレビアテア科(Breviatea) 4属   ┴旧アプソゾア(Apusozoa)

├【デイアフォレティケス(Diaphoretickes)
│ │┌クリプチスタ門(Cryptista) 21属
│ └┤ └カタブレファリダ(Kathablepharidae):ハテナ(Hatena arenicola)など
│  ├ハプチスタ門(Haptista)
│  │ ├ハプト藻綱(Haptophyta) 円石藻など 80属
│  │ └有中心粒太陽虫(Centroplasthelida) 16属
│  ├アーケプラスチダ(Archaeplastida) ≒ 旧植物界(Plantae s.l.)
│  │ │┌灰色植物門(Glaucopyta) 4属
│  │ └┼紅藻植物門(Rhodophyceae) アマノリ類、テングサ類など 850属
│  │  └緑色植物(亜界)(Chloroplastida)
│  │   ├─緑藻植物門(Chlorophyta) クロレラ、アオサ、マリモなど 7万2000種
│  │   └ストレプト植物(Streptophyta)
│  │    └┬ストレプト藻類(Streptophyte algae)
│  │     └陸上植物上門(Embryophyta) 蘚苔、シダ、種子植物など 33万8838種
│  ├SAR(Stramenopiles+Alveolata+Rhizaria)
│  ││┌ストラメノパイル(Stramenopiles)
│  │└┤ └不等毛藻(Ochrophyta / Heterokontophyta)
│  │ │    ├大褐藻綱(Phaeophyceae) コンブ、ワカメ、ヒジキなど 46属
│  │ │    └珪藻綱(Diatomea) ~400属
│  │ ├アルベオラータ(Alveolata):
│  │ │ │┌繊毛虫門(Ciliophora):ゾウリムシ、ツリガネムシなど 1509属
│  │ │ └┼渦鞭毛藻門(Dinoflagellata) 300属
│  │ │  │ │┌シンディニアレス綱(Syndiniales)
│  │ │  │ └┼ノクティルカレス綱(Noctilucales):夜光虫など
│  │ │  │  └ダイノファイシー綱(Dinophyceae)
│  │ │  └アピコンプレックス門(Apicomplaxa):マラリア原虫など ~350属
│  │ └リザリア(Rhizaria)
│  │   │┌ケルコゾア門(Cerconzoa):有殻糸状根足虫など >>204属
│  │   └┼インブリカテア門(Imbricatea) 89属
│  │    ├エンドミクサ門(Endomyxa)門 >34属
│  │    └レタリア(Retaria)
│  │     │┌有孔虫門(Foraminifera):星の砂、フズリナ(†)など ~950属
│  │     └┼放散虫門(Radiolaria)
│  │      └─肉質虫綱(Polycystinea):(狭義の)アメーバなど ~470属
│  └──テロネマ(Telonemia) Telonema 2種+

│系統位置未定(Orphan clade)
├クルムス目(CRuMs):Crumalia 11属
│ │【ドメインとしては認められていないランク、アモルフェアの姉妹群と推定】
│ │ ┌コロディマティオニダ科(Collodictyonida)
│ └─┼リジフィリダ科(Rigifilida)
│   └マンタモニス科(Manthamonas)
├─マラウィモナダ(Malawimonada)      ┐
├─メタモナダ(Metamonada) 133属      ├ 旧エクスカバータ(Excavata)
├─ディスコバ(Discoba):ミドリムシなど 94属┘
├─アンキロモナズ(Ancyromonadida)
├─ヘミマスティゴフォラ(Hemimastigophora)
└─メテオラ(Meteora sporadica) 1種:地中海の深海底より発見され、2002年に記載

【文献】
牧野輝彦, 松岡正明, 向井秀仁, 森広禎, 山崎眞狩, 吉田久美 (2006) 二次共生による植物の多様性-ハテナと半藻半獣モデル, 化学と生物, 44(11), 785-789, DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu1962.44.785, Accessed: 2024-01-09.
山口晴代, 中山 剛, 井上 勲 (2008) クレプトクロロプラストを持つ原生生物、特に渦鞭毛藻について, Jpn J Protozool, 41(1), 9-13, DOI: 10.18980/jjprotozool.41.1_9, Accessed: 2024-01-08.
Okamoto N and Inoue I (2005) A Secondary Symbiosis in Progress?, Science, 310(5746), 287, DOI: 10.1126/science.1116125, Accecced: 2024-01-09.
Okamoto N and Inouye I (2006) Hatena arenicola gen. et sp. nov., a Katablepharid Undergoing Probable Plastid Acquisition, Protist, 157(4), 401-419, DOI: 10.1016/j.protis.2006.05.011, Accessed: 2024-01-09.
Yamaguchi A, Yubuki N and Leander BS (2012) Morphostasis in a novel eukaryote illuminates the evolutionary transition from phagotrophy to phototrophy: description of Rapaza viridis n. gen. et sp. (Euglenozoa, Euglenida), BMC Evol Biol, 12(29), 16p, URL: http://www.biomedcentral.com/1471-2148/12/29, Accesed: 2024-01-13.
矢﨑裕規・島野智之 (2020) 真核生物の高次分類体系の改訂―Adl et al. (2019)について―, タクサ, 48, 71-83, DOI: 10.19004/taxa.48.0_71, Accecced: 2024-01-12.
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AlgaeBase, URL: https://www.algaebase.org/, Accesed: 2024-01-09.

陸上植物の系統概要

 これまで撮影してきた植物写真の整理が一段落しましたので、リンク元として陸上植物の系統図を作ってみました。近年『植物とは光合成する生物である』という定義自体が揺らいでいる(※)のですが、陸上植物の周辺も含めて系統関係図にしています。写真があるのは、ほぼ維管束植物のみです。

【植物界(Plantae s.l. ≒ Archaeplastida)の系統関係】【緑色植物の系統概要】【生物の系統概要
         ┌灰色植物 Glaucophyta 4属約13種
広義の植物界───┼紅色植物 Rhodophyta 約6000種:テングサ類、アマノリなど
 (Archaeplastida)└緑色植物 Viridiplantae 約33万3000種 ─
【緑色植物亜界(Viridiplantae)の系統関係】
─緑色植物亜界┬───────緑藻植物門 Chlorophyta 約7000種:クロレラ、アオサ、マリモなど
       └┬┬────────クロロキブス藻綱 Chlorokybophyceae 1属1種
        │└────────メソスティグマ藻綱 Mesostigmatophyceae 1属1種
        └┬────────シャジクモ綱 Charophyceae 6属400種
         └┬───────コレオケーテ藻綱 Coleochaetophyceae 2属約14種
          └┬──────接合藻綱 Zygnematophyceae 60属4000種
           │           ┌─ツノゴケ植物門 Anthocerotae 200種
           │      ┌コケ植物┴┬苔植物門 Hepaticae 7200種
           └陸上植物上門┤ Bryophyta└蘚植物門 Musci 13000種
             Embryophyta└──────維管束植物門 約30万8400種 ─→
【維管束植物門(Tracheophyta)の系統関係】
維管束植物門┬──小葉植物亜門 Licophyta 1綱3目3科18属1388種
       └┬───大葉シダ植物綱 Polypodiopsida 11目20科319属10578種
        └┬─裸子植物上綱 Gymnospermae 4綱7目12科83属1079種
         └─被子植物上綱 Angiospermae 64目416科1万3151属約29万5393種

※:近年の真核生物分類体系では、褐藻、珪藻、渦鞭毛藻など、海洋での一次生産に大きく寄与しているグループが植物とはみなされなくなっています。ただし、生態学的には光合成を行う事が出来る一次生産者は依然として植物の範疇と思われます。このため、最近の文献を読む際には『一次生産者≒植物』ではないかも知れないことに注意が必要です。(私が知らないだけの可能性もありますが)今後、分野を超えた用語の整理が進むことを期待しております。


【文献】
Puttick MN, Morris JL, WilliamsTA, Cox CJ, Edwards D, Kenrick P, Pressel S, Wellman CH, Schneider H, Pisani D, and Donoghue PCJ (2018) The Interrelationships of Land Plants and the Nature of the Ancestral Embryophyte. Current Biology, 28(5), 733–745, DOI: 10.1016/j.cub.2018.01.063, Accessed:2024-01-03.
Sousa Pd, Foster OG, Donoghue PCJ, Schneider H and Cox CJ (2019) Nuclear protein phylogenies support the monophyly of the three, bryophyte groups (Bryophyta Schimp.), New Phytologist, 222, 565–575, DOI; 10.1111/nph.15587, accessed: 2024-01-02.
The Angiosperm Phylogeny Group and others (2016) An update of the Angiosperm Phylogeny Group classification for the orders and families of flowering plants: APG IV, Botanical Journal of the Linnean Society, 181(1), 1–20, DOI: 10.1111/boj.12385, Accessed: 2023-06-28.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-19.

コケ植物の分類-写真の整理

 コケ植物は2万種以上が記載されており、維管束植物門(Tracheophyta)の姉妹群と考えられているため、門のレベルの分類群(Taxon)ですが、下位のツノゴケ類、蘚類、苔類が伝統的に門とされているため、単に、コケ植物、コケ類などと呼ばれることも多いようです。とはいえ、コケ植物が単系統であり、すべての陸上植物の祖先種に当たるという考え方が現在の主流です。系統関係の概略は下図になりますが、特にツノゴケの位置づけについては未確定の様です(Puttick,2018;長谷川,2021)。

【コケ植物(Bryophyta s.l.)周辺の系統図】(Sousa et al,2019)
              ┌ツノゴケ植物門(Anthocerotae) 200種
       ┌コケ植物──┤       ┌苔植物門(Hepaticae) 7200種
陸上植物上門─┤(Bryophyta) └有柄胞子嚢植物┤
(Embryophyta) │         (Setaphyta)└蘚植物門(Musci) 13000種
       └───────維管束植物門(Tracheophyta) 約30万8000種

  維管束植物の分類【小葉植物と大葉シダ植物裸子植物被子植物】【生物系統樹

 コケ植物は水分、養分の通り道である維管束を持たず、リグニン、ケイ酸体などの体構造を支えるのに有用な成分を含まないことが多いため、大型化ができなかっただけでなく、化石があまり残らなかったグループ(Tomescu wt al.,2018)でもあります。一方で、最近の報告(Hu et al,2023)によるとコケ植物では遺伝子は変化しても形態があまり変化しないという説もあるようです。
 いずれにせよ、蘚植物門(Musci)は、残されていた化石の証拠から、3億8千年前(古生代デボン紀)には現れていたと考えられています(Newton et al.,2019)。さらに、コケ植物と維管束植物が分岐したのは、オルドビス紀セロニアン(4億4500万年前)と推定されています(Salamon et al.,2018)。

 コケ植物についての文献はあまり所有していませんし、写真にいたっては殆どなかったので、分類とは関係なしに以下に載せておきます。


【苔類(Hepaticae)】

ゼニゴケ Marchantia polymorpha
フタバネゼニゴケ Marchantia paleacea
ジンガサゴケ Reboulia hemisphaerica
ジャゴケ Conocephalum conicum
ヤマトフタマタゴケ Metzgeria lindbergii

【蘚類(Musci)】

スギゴケの一種 Polytrichum sp.
ツボゴケの一種 Plagiomnium sp.
ヤノウエノアカゴケ Ceratodon purpureus
ミズゴケの一種 Sphagnum sp.

【文献】
Sousa Pd, Foster OG, Donoghue PCJ, Schneider H and Cox CJ (2019) Nuclear protein phylogenies support the monophyly of the three, bryophyte groups (Bryophyta Schimp.), New Phytologist, 222, 565–575, DOI; 10.1111/nph.15587, accessed: 2024-01-02.
Newton AE, Wikström N and Shaw AJ (2009) Mosses (Brypphyta), In the Timwtree of Life, Eds Hedges SB and Kumar S, 138-145, Oxford University Press, U.K., URL: https://timetree.org/public/data/pdf/Newton2009Chap12.pdf, accessed: 2024-01-02.
Tomescu AMF, Bomfleur B, Bippus AC, Savoretti A (2018) Why Are Bryophytes So Rare in the Fossil Record? A Spotlight on Taphonomy and Fossil Preservation, In Transformative Paleobotany, 375-416, Academic Press, USA, DOI: 10.1016/B978-0-12-813012-4.00016-4, accessed: 2024-01-02.
Hu et al. (2023) Adaptive evolution of the enigmatic Takakia now facing climate change in Tibet, Cell, 186(17), 3558-3576.E17, DOI: 10.1016/j.cell.2023.07.003, 2024-01-02.
Salamon MA, Gerrienne P, Steemans P, Gorzelak P, Filipiak P, Alain LeHerisse A, FlorentinParis F, Cascales-Minana B, Brachaniec T, Misz-Kennan M, Niedzwiedzki R and Trela W (2018) Putative Late Ordovician land plants. New Phytologist 218, 1305–1309, DOI: 10.1111/nph.15091, 2024-01-02.
岩槻善之助・水谷正美(1972)原色日本蘚苔類図鑑、405p、保育社、東京.
野口彰(1976)日本産蘚類慨説、北隆館、東京.
長谷川二郎 (2021) 植物学最前線, 12:223, 1-20,DOI: 10.24480/bsj-review.12d5.00218, Accessed:2024-01-03.
Puttick MN, Morris JL, WilliamsTA, Cox CJ, Edwards D, Kenrick P, Pressel S, Wellman CH, Schneider H, Pisani D, and Donoghue PCJ (2018) The Interrelationships of Land Plants and the Nature of the Ancestral Embryophyte. Current Biology, 28(5), 733–745, DOI: 10.1016/j.cub.2018.01.063, Accessed:2024-01-03.

シダ類の胞子嚢群(ソーラス)

 シダ類は、主として胞子体で作られた胞子を散布することで繁殖するグループです。胞子を散布するという点では蘚苔類も同じですが、シダ類は胞子体(2n世代)の時期が配偶体(前葉体,n世代)より長い点が蘚苔類とは異なっていて、短い期間だけ配偶体で過ごします。この点では種子植物により近くなっていると言えます。
 一方、種子植物の胞子は散布されずに胞子体に寄生する形で雌雄分化した配偶体となります。雄の配偶体が花粉であり、雌の配偶体は胚珠の中に形成され、受精することにより種子(2n世代)となって散布されます。
 シダ類の胞子体に形成される胞子は一般的には胞子嚢と呼ばれる薄膜内に造られるのですが、この胞子嚢の集合体が胞子嚢群(ソーラス:Sorus)で、通常は胞子葉の葉裏にでき、その形状や配置、色などが、種の同定に役立ちます。シダ類の写真を整理するにあたって、比較良く撮れていた胞子嚢群の写真を集めてみました。(サムネイル画像をクリックすると拡大できます)
  陸上植物写真へのリンク【コケ類】【シダ類】【裸子植物】【被子植物


ハナヤスリ目 ハナヤスリ科 (Ophioglossaceae)
  フユノハナワラビ フユノハナワラビ Botrychium ternatum

フサシダ目 カニクサ科 (Ophioglossaceae)
  カニクサ カニクサ Lygodium japonicum

ウラボシ目 ホングウシダ亜目 ホングウシダ科 (Lindsaeaceae)
  ホラシノブ ホラシノブ Odontosoria chinensis

ウラボシ目 イノモトソウ亜目 イノモトソウ科 (Pteridaceae)
  イノモトソウ イノモトソウ Pteris multifida
  ペラエア・ビリディス ペラエア・ビリディス Pellaea viridis
  タチシノブ タチシノブ Onychium japonicum
  イワガネソウ イワガネソウ Coniogramme japonica

ウラボシ目 コバノイシカグマ亜目 コバノイシカグマ科 (Dennstaedtiaceae)
  フモトシダ フモトシダ Microlepia marginata

ウラボシ目 チャセンシダ亜目 チャセンシダ科 (Aspleniaceae)
  シマオオタニワタリ シマオオタニワタリ Asplenium nidus

ウラボシ目 チャセンシダ亜目 シシガシラ科 (Blechnaceae)
  コモチシダ コモチシダ Woodwardia orientalis

ウラボシ目 チャセンシダ亜目 メシダ科 (Athyriaceae)
  イヌワラビ イヌワラビ Athyrium niponicum
  ヒロハイヌワラビ ヒロハイヌワラビ Athyrium wardii
  ヘラシダ ヘラシダ Diplazium subsinuatum

ウラボシ目 チャセンシダ亜目 ヒメシダ科 (Thelypteridaceae)
  ホシダ ホシダ Thelypteris acuminata
  ミゾシダ ミゾシダ Stegnogramma pozoi

ウラボシ目 ウラボシ亜目 オシダ科 (Dryopteridaceae)
  ベニシダ ベニシダ Dryopteris erythrosora
  リョウメンシダ リョウメンシダ Arachniodes standishii
  イノデ イノデ Polystichum polyblepharum
  オリヅルシダ オリヅルシダ Polystichum lepidocaulon Syn.Cyrtomidictyum lepidocaulon
  ジュウモンジシダ ジュウモンジシダ Polystichum tripteron
  ヤブソテツ ヤブソテツ Cyrtomium fortunei
  オニヤブソテツ オニヤブソテツ Cyrtomium falcatum

ウラボシ目 ウラボシ亜目 タマシダ科 (Nephrolepidaceae)
  タマシダ タマシダ Nephrolepis cordifolia
  ホウビカンジュ 'フルカンス' ホウビカンジュ ‘フルカンス’ Nephrolepis biserrata ‘Furcans’

ウラボシ目 ウラボシ亜目 シノブ科 (Davalliaceae)
  タイワントキワシノブ タイワントキワシノブ Davallia tyermanii

ウラボシ目 ウラボシ亜目 ウラボシ科 (Polypodiaceae)
  ビカクシダ ビカクシダ Platycerium bifurcatum
  ヒトツバ ヒトツバ Pyrrosia lingua
  ビロ-ドシダ ビロ-ドシダ Pyrrosia linearifolia
  イワオモダカ イワオモダカ Pyrrosia hastate
  ミツデウラボシ ミツデウラボシ Selliguea hastatus var. longisquamata
  マメヅタ マメヅタ Lemmaphyllum microphyllum

ウラボシ科の写真整理

 ウラボシ科(Polypodiaceae)は、オシダ科と同様に分子生物学手法により細分化が進められた現在でも65属約1652種からなる大きなグループです(PPG-I,2016)。属間の入れ子が多数残されているため、科内の系統関係は現在でも確定していないようですが、概略として下図のように推定されています。

【ウラボシ科(Polypodiaceae)の系統】(Schneider et al.,2004)
 ┌────イワヤナギシダ亜科(Loxogrammoideae) 2属32種
┌┤┌───ビカクシダ亜科Platycerioideae) 2属70種
┤└┤┌──ハカマウラボシ亜科(Drynarioideae) 6属148種
│ └┤┌─アヤメシダ亜科(Microsoroideae) 12属183種
│  └┤┌ウラボシ亜科(Polypodioideae) 9属305種
│   └┴ヒメウラボシ亜科(Grammitidoideae) 33属911種
│     亜科の位置未定(Synammia) 1属3種
└外群(姉妹群):シノブ科(Davalliaceae)

 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【ヒメシダ科(Thelypteridaceae)】薄嚢シダ亜綱(Polypodiidae)ウラボシ目(Polypodiales)ウラボシ亜目(Polypodiineae(Eupolypods I))

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
ビカクシダ亜科 Platycerioideae ビカクシダ属 Platycerium
ビカクシダ ビカクシダ
Platycerium bifurcatum Staghorn Fern
ナガバビカクシダ ナガバビカクシダ
Platycerium willinckii Willinckii
ビカクシダ亜科 Platycerioideae ヒトツバ属 Pyrrosia
ヒトツバ ヒトツバ
Pyrrosia lingua Felt Fern
ビロ-ドシダ ビロ-ドシダ
Pyrrosia linearifolia
シシヒトツバ シシヒトツバ
Pyrrosia lingua f. cristata> Crested Tongue Fern
イワオモダカ イワオモダカ
Pyrrosia hastate Hastate Tongue Fern
ハカマウラボシ亜科 Drynarioideae ミツデウラボシ属 Crypsinus
ミツデウラボシ ミツデウラボシ
Selliguea hastatus var. longisquamata Syn. Crypsinus hastatus Mitudeuraboshi
アヤメシダ亜科 Microsoroideae マメヅタ属 Lemmaphyllum
マメヅタ マメヅタ
Lemmaphyllum microphyllum Green Penny Fern
アヤメシダ亜科 Microsoroideae ノキシノブ属 Lepisorus
ノキシノブ ノキシノブ
Lepisorus thunbergianus Weeping Fern
アヤメシダ亜科 Microsoroideae ホコザキウラボシ属 Microsorium
ハハジマヌカボシ ハハジマヌカボシ
Microsorium superficiale

【文献】
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
Schneider H, Smith AR, Cranfill R, Hildebrand TJ, Haufler CH and Ranker TA (2004)Mol Phylog Evol, 31, 1041-1063, DOII: >a hrf=””>, Accessed: 2023-12-17.
Nitta JH, Schuettpelz E, Ramírez-Barahona S and Iwasaki W (2022) An open and continuously updated fern tree of life, Front Planr Sci, 13:909768, 17p, DOI: 10.3389/fpls.2022.909768, Accessed: 2023-11-28.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-26.
Shen H, Jin D, Shu J-P, Zhou X-L, Lei M, Wei R, Shang H, Wei H-J, Zhang R, Liu L, Gu Y-F, Zhang X-C and Yan Y-H (2018) Large-scale phylogenomic analysis resolves a backbone phylogeny in ferns, GigaScience, 7, 2018, 1–11, DOI: 10.1093/gigascience/gix116, Accessed: 2023-11-18.

シノブ科の写真整理

 シノブ科(Davalliaceae)は約65種からなる着生シダのグループで(PPG-I,2016)、科内にいくつかの属を置く様々な説がありましたが、Tsutsumi et al(2016)により、シノブ属(Davallia)の単独属として7つの節(Section)に整理されています。
 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【シノブ科(Davalliaceae)】薄嚢シダ亜綱(Polypodiidae)ウラボシ目(Polypodiales)ウラボシ亜目(Polypodiineae(Eupolypods I))

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
シノブ属 Nephrolepis
タイワントキワシノブ タイワントキワシノブ
Davallia tyermanii Squirrel’s Foot Fern

【文献】
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
Tsutsumi C, Chen C-W, Larsson A, Hirayama Y and Kato M (2016) Phylogeny and classification of Davalliaceae on the basis of chloroplast and nuclear markers, Taxon, 65(6), 1236-1248, DOI: 10.12705/656.2, Accessed: 2023-12-30.
Nitta JH, Schuettpelz E, Ramírez-Barahona S and Iwasaki W (2022) An open and continuously updated fern tree of life, Front Planr Sci, 13:909768, 17p, DOI: 10.3389/fpls.2022.909768, Accessed: 2023-11-28.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-26.
Shen H, Jin D, Shu J-P, Zhou X-L, Lei M, Wei R, Shang H, Wei H-J, Zhang R, Liu L, Gu Y-F, Zhang X-C and Yan Y-H (2018) Large-scale phylogenomic analysis resolves a backbone phylogeny in ferns, GigaScience, 7, 2018, 1–11, DOI: 10.1093/gigascience/gix116, Accessed: 2023-11-18.

タマシダ科の写真整理

 タマシダ科(Nephrolepidaceae)は、かつてはシノブ科に属してしましたが(大井,1957)、現在ではタマシダ属のみで科として独立しています(PPG-I,2016)。小さな単独属の科ですので、系統関係もよく調べられていて19種からなるタマシダ属(Nephrolepis)が単系であること、ツルキジノオ科(Lomariopsidaceae)が姉妹群であることなどが明らかになっています(Hennequin et al.,2010)。科としての分岐は、始新世(Eocene)にローラシア大陸の熱帯森林でのことだったと推定されています。
 カナリーヤシ(Phoenix canariensis)に着生しているシダは、ほぼ例外なくタマシダ(Nephrolepis cordifolia)で、胞子嚢群(Sorus)が腎臓型(nephroid)であることが特徴です。
 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【タマシダ科(Nephrolepidaceae)】薄嚢シダ亜綱(Polypodiidae)ウラボシ目(Polypodiales)ウラボシ亜目(Polypodiineae(Eupolypods I))

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
タマシダ属 Nephrolepis
タマシダ タマシダ
Nephrolepis cordifolia Herring Bone Fern
ホウビカンジュ ‘フルカンス’ ホウビカンジュ 'フルカンス'
Nephrolepis biserrata ‘Furcans’ Giant Sword Fern

【文献】
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
Hennequin S, Hovenkamp P, Christenhusz MJM and Schneider H (2010) Phylogenetics and biogeography of Nephrolepis – a tale of old settlers and young tramps, Bot J Kinnean Soc, 164, 113-127, 10.1111/j.1095-8339.2010.01076.x, Accessed: 2023-12-17.
Nitta JH, Schuettpelz E, Ramírez-Barahona S and Iwasaki W (2022) An open and continuously updated fern tree of life, Front Planr Sci, 13:909768, 17p, DOI: 10.3389/fpls.2022.909768, Accessed: 2023-11-28.
Pteridophyte Phylogeny Group (2016) A Community-derived Classification for Extant Lycophytes and ferns, J System Evol, 54(6), 563–603, DOI: 10.1111/jse.12229, Accessed: 2023-11-26.
Shen H, Jin D, Shu J-P, Zhou X-L, Lei M, Wei R, Shang H, Wei H-J, Zhang R, Liu L, Gu Y-F, Zhang X-C and Yan Y-H (2018) Large-scale phylogenomic analysis resolves a backbone phylogeny in ferns, GigaScience, 7, 2018, 1–11, DOI: 10.1093/gigascience/gix116, Accessed: 2023-11-18.

オシダ科の写真整理

 オシダ科(Dryopteridaceae)は、分子生物学手法の導入による再編が進んだ現在でもシダ類では最大のグループで、26属約2115種が属しています(PPG-I,2016)。科内には、少なくとも3亜科(アツイタ亜科Elaphoglossoideae、オシダ亜科Dryopteridoideae、ポリボトリア亜科Polybotryoideae)が識別されていますが、亜科の所属の定まっていない2属6種が残されています(Liu et al.,2016)。系統関係は下図のように推定されています。

【オシダ科(Dryopteridaceae)の系統】(Liu et al.,2016)
                 ┌──Elaphoglossum 600種
                ┌┴──Mickelia 10種
               ┌┴┬──Arthrobotrya 2種
        ┌bolbitidoids┤ └──Lomagramma 15種
       ┌┤      └────Bolbitis 80種
┌アツイタ亜科┤└───────────Pleocnemia 20種
│(11属 883種)│ ┌──────────Lastreopsis 16種
│      │┌┴┬─────────Megalastrum 91種
│      └┤ └─────────Rumohra 8種
│       └───────────Parapolystichum 28種
│          亜科内の系統未定 (Teratophyllum) 13種

│         ┌dryopteroids───オシダ属(Dryopteris) 400種
│        ┌┴─────────カナワラビ属(Arachniodes) 60種
│┌オシダ亜科─┬┤ ┌────────イノデ属(Polystichum) 500種
││(6属1128種)│└┬┴────────ヤブソテツ属(Cyrtomium) 35種
││      │ └─────────Phanerophlebia 8種
││      └───────────Ctenitis 125種
└┤
 │                    ┌Polybotrya (35種)
 │                   ┌┴Cyclodium 10種
 │                  ┌┴─Polybotrya (35種)
 │         ┌polybotryoides┬┴──Olfersia 3種
 └ポリボトリア亜科┬┤       └───Maxonia apiifolia
    (7属98種) ││         ┌─Polystichopsis 8種
          │└polystichopsioids ┴─Trichoneuron microlepioides
          └────────────Stigmatopteris 40種
 亜科の所属未定(Aenigmopteris 5種, Dryopolystichum phaeostigma)

 オリヅルシダ(Polystichum lepidocaulon)は、見た目はヤブソテツに似ていながら、イノデ属(Polystichum)に置かれてきました(大井,1957)。オリヅルシダ属(Crytomidictyum)として独立させることが望ましいとの分析結果も提出されていましたが(Liu et al.,2010)、PPG-I(2016)ではイノデ属に戻されているようです(Liu et al.,2016)。
 維管束植物の分類【シダ類】【裸子植物】【被子植物


【オシダ科(Dryopteridaceae)】薄嚢シダ亜綱(Polypodiidae)ウラボシ目(Polypodiales)ウラボシ亜目(Polypodiineae(Eupolypods I))

和名 (Japanese Name) 画像 (Image) 学名 (Latin name) 英語名 (English name)
オシダ亜科 Dryopteridoideae オシダ属 Dryopteris
ベニシダ ベニシダ
Dryopteris erythrosora Japanese Shield Fern
オシダ亜科 Dryopteridoideae カナワラビ属 Arachniodes
リョウメンシダ リョウメンシダ
Arachniodes standishii Upside-down Fern
オシダ亜科 Dryopteridoideae イノデ属 Polystichum
イノデ イノデ
Polystichum polyblepharum Japanese Lace Fern
アスカイノデ アスカイノデ
Polystichum fibrilloso-paleaceum Asuka Inode
オリヅルシダ オリヅルシダ
Polystichum lepidocaulon Syn. Cyrtomidictyum lepidocaulon Scale-stem Cyrtomidictyum
ジュウモンジシダ ジュウモンジシダ
Polystichum tripteron Trifid Holly Fern
オシダ亜科 Dryopteridoideae ヤブソテツ属 Cyrtomium
ヤブソテツ ヤブソテツ
Cyrtomium fortunei Fortune’s Holly Fern
ヤマヤブソテツ ヤマヤブソテツ
Cyrtomium fortunei var. clivicola Dwarf Japanese Holly Fern
テリハヤブソテツ テリハヤブソテツ
Cyrtomium laetevirens
オニヤブソテツ オニヤブソテツ
Cyrtomium falcatum Japanese Holly Fern
ナガバヤブソテツ ナガバヤブソテツ
Cyrtomium devexiscapulae Sickle-leaved Holly Fern
アツイタ亜科 Elaphoglossoideae ルモーラ属 Rumohra
レザーリーフファン レザーリーフファン
Rumohra adiantifolmis Leatherleaf Fern

【文献】
大井次三郎(1957)日本植物誌シダ編、244p.、至文堂、東京.
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